いちまいの絵 の商品レビュー
最初にカラーで絵が紹介されて、 それに対しての内容は 歴史的な背景と御自身の話が、 適度に混ざっていて読みやすかった。 ただ、どうしても題名が 「いまいちの絵」に読めてしまいます笑 むしろ、それも本にして欲しいです!
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26枚の絵画について、その背景にある画家の生き様や社会的状況とともに、作品に出会った原田マハさんの感動が熱くかかれている。どんな美術館にどんなふうに展示されているのか、原田さんが作品に出会ったシチュエーション、などの視点もあり、楽しめた。 とにかく原田さんのアートへの情熱が伝わ...
26枚の絵画について、その背景にある画家の生き様や社会的状況とともに、作品に出会った原田マハさんの感動が熱くかかれている。どんな美術館にどんなふうに展示されているのか、原田さんが作品に出会ったシチュエーション、などの視点もあり、楽しめた。 とにかく原田さんのアートへの情熱が伝わってくるし、全体を読むとアートの変化の流れも感じられる。表面的には技法やテーマの変化なのだが、その背景に、自由に表現することへの希求があったんだなと改めて感じた。
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ひらがなタイトルの「いちまい」が「いまいち」にみえて仕方がない。 芸術作品である絵は、必然的に歴史的・文化的な背景を内包するが、それは文学も同様のはず。しかし殊更、絵ばかりが、作者の生い立ちや歴史的意義に左右され過ぎている気がする。(死後、急に評価された画家の多いのもこの芸術の特...
ひらがなタイトルの「いちまい」が「いまいち」にみえて仕方がない。 芸術作品である絵は、必然的に歴史的・文化的な背景を内包するが、それは文学も同様のはず。しかし殊更、絵ばかりが、作者の生い立ちや歴史的意義に左右され過ぎている気がする。(死後、急に評価された画家の多いのもこの芸術の特徴です)例えば、小説はその書かれたバックグラウンドよりも作品そのものが面白いかどうかで評価される。著者も告白しているように、初めて見たピカソ(マティスやルソーも)の絵が「下手くそ」と感じたが、後年になってみる目が変わったのは、その絵そのものからというより、筆者が絵の歴史や文化を勉強して始めてみえてきたモノではないのか?少なくとも、文学作品(すべてとは言わないが)は、こうした類の評価は稀である。もちろん、古典文学は古典というだけで評価されるが、それもあくまでも時代の文脈の中での評価という形に限定されている。 さらに、「新たに絵画の幅を広げた」という点でゴッホやピカソ、ムンクなどの先進性を持ち上げるが、新しいもの=素晴らしいという単純な図式が成立するのも不思議だと思う。であれば、当時から自閉症や知的障害者の描く絵は、色や構図も含めてもっと斬新だったはずだが・・要は、金持ちの道楽や金もうけの道具に画家や絵画が利用され、その理由付けに「先進性」「革新性」などが必要だったのでは。 ってことで、素人の私が理想だと思う絵画鑑賞は、作者名や背景などの雑音を排した初見のインパクトで決めて、好きな作品があればあとから自分で調べるというやり方です。もちろん、本書のような解説本から入るのはアリだが、本当に自分好みの絵を見つけたいのならもったいないと思う。 ちなみに、私の好きな画家は、断然マティスです。
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原田マハさんの紹介する26枚の絵。 マハさん自身のその絵との出会いと、それぞれのアーティストの歴史、名画が誕生したエピソードが綴られる。 ピカソ、ゴッホ、モネ、セザンヌ、ポロック、マネ、レオナルドダヴィンチ、クリムト、ピアズリー、ムンク…。 多くの...
原田マハさんの紹介する26枚の絵。 マハさん自身のその絵との出会いと、それぞれのアーティストの歴史、名画が誕生したエピソードが綴られる。 ピカソ、ゴッホ、モネ、セザンヌ、ポロック、マネ、レオナルドダヴィンチ、クリムト、ピアズリー、ムンク…。 多くの人に知られた有名人な絵を始め、私でも知らない絵も収録されていて、純粋に勉強にもなる。 巻頭にはそれぞれの作品の画像がカラーで掲載されていて、本文と照らし合わせて読み進めることができる。 大変お得で粋な一冊だ。 新書本というよりは、マハさんプレゼンツアート図録というような感じ。 何よりも、マハさんが、本当に小さい頃からアートが好きだったと言うのが伝わってくる。 弱冠10歳の時に、倉敷の大原美術館でピカソの「鳥籠」と出会った。それが始めてのピカソ体験だったというエピソードが印象的。きっとそのとき、子供のマハさんにも電流のようなものが体に流れたんだろうな。 私も子供の頃から絵は好きだったけど西洋絵画はその時難しくて、興味なかったもんな…。やっぱり、マハさんとアートは、特別な絆で結ばれているのだ。 今まで読んだマハさんのアート小説にも登場した、モネ、ピカソ、ポロック、ピアズリーは、特に思い入れを感じた。小説のことを思い出し、また再読したくなった。 そして、最終章には、唯一の日本人。東山魁夷。 東山魁夷も、マハさんの小説の中でたびたび登場する。 長野県の農業を描いた「生きるぼくら」では、茅野の御斜鹿池を舞台に描いた東山魁夷の代表作「緑響く」が印象的に登場する。それに、「異邦人」でも名前が出てきたな。 本書で紹介されている東山魁夷の作品は、「道」という絵。 初めて見た。マハさんは、この絵を見て、自分の進む道への決心にもつながったという。この作品は、マハさんにとって特に特別な出会いだったんだなぁ。 先日、アートと旅が好きな私のピアノの先生にマハさんを紹介した。 「ジヴェルニーの食卓」と「生きるぼくら」を紹介した。すごく興味を持っていたので、気に入ってくれたら良いなぁ。 この本も今度紹介しよう。あと、「異邦人」と、「さいはての彼女」と「サロメ」も良いかもなぁ。 周りにマハさんのことを語れる人がいないので、すごく話したい…! と、いうことで今回もマハさん愛が止まらず、長めの文章になってしまった… この本、買おうかな。 きっとまた読み返したくなる。 緊急事態宣言が解除されたら、私も美術館に行こう。
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この絵たちに 全部 会って この本読めたら素敵、贅沢やなあ って思いながら読んだ 何点かは 出逢ってるので マハさんとの対話ができるから 文章の染み込み方が 違うなあと マハさんの本をもって 一枚ずつ 会いに行けたらいいな クリムトの絵に 今 一番会いたいなあ
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今を時めくアート作家【原田マハ】は、幼い頃から絵画に親しみ、美術館で絵画と向き合えば不思議な声が聞こえてきて、その絵との会話が始まる・・・そんなアートとの長いお付き合いから醸し出された芳醇な物語が『楽園のカンヴァス』や『暗幕のゲルニカ』であり『ジヴェルニーの食卓』『デトロイト美術...
今を時めくアート作家【原田マハ】は、幼い頃から絵画に親しみ、美術館で絵画と向き合えば不思議な声が聞こえてきて、その絵との会話が始まる・・・そんなアートとの長いお付き合いから醸し出された芳醇な物語が『楽園のカンヴァス』や『暗幕のゲルニカ』であり『ジヴェルニーの食卓』『デトロイト美術館の奇跡』や『風神雷神』などの誕生に繋がっています。本書は、一枚の絵に隠された歴史的背景や芸術家の魂の足跡を探る26枚の絵画のアート・スト-リ-です。
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アート小説の旗手として圧倒的人気を誇る原田マハが、自身の作家人生に強い影響を与えた絵画はもちろん、美術史のなかで大きな転換となった絵画を紹介。原田作品ではおなじみの名画も多数掲載!一枚の絵画に秘められた、強烈な力。何もかも変えてしまうほどの革新的な表現。抜きん出た技術。美術史を大...
アート小説の旗手として圧倒的人気を誇る原田マハが、自身の作家人生に強い影響を与えた絵画はもちろん、美術史のなかで大きな転換となった絵画を紹介。原田作品ではおなじみの名画も多数掲載!一枚の絵画に秘められた、強烈な力。何もかも変えてしまうほどの革新的な表現。抜きん出た技術。美術史を大きく転換するほどの先見性。そういった個性をもつ絵画を「絶対絵画」と名づけて紹介する。掲載作品……ピカソ『アヴィニヨンの娘たち』『ゲルニカ』、ジョット・ディ・ボンドーネ『聖フランチェスコの伝説』、ボッティチェリ『プリマヴェーラ』、モランディ『ブリオッシュのある静物』、ゴヤ『1808年5月3日』、レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』、セザンヌ『セザンヌ夫人の肖像』、マネ『バルコニー』、モネ『睡蓮』、ドガ『エトワール』、ゴッホ『星月夜』、クリムト『アデーレ・ブロッホ=バウワアーの肖像I』、マティス『ダンス』、ロスコ『シーグラム壁画』、ルソー『夢』、ビアズリー『おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン』、マレーヴィチ『黒の正方形』、ポロック『No.1』、ムンク『叫び』、東山魅夷『道』など、全26点。
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人生の中で、出会える本物の絵は、限られているんだなぁ。本物の絵を見れるチャンスは大切にしていきたい。それは、本に関しても同じことが言えるけれども。
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有名な絵もそうでない絵も、原田さんの丁寧な説明で一枚づつ記憶に刻まれる。絵の解説なのに小説を読んでいるみたいだし、原田さんの小説に悪い人がほとんどでてこない様に、どの絵に対しても温かい眼差しが注がれている感じ。例えばピカソ。アヴィニヨンの絵が美術史を変えた、みたいな話は何度聞いた...
有名な絵もそうでない絵も、原田さんの丁寧な説明で一枚づつ記憶に刻まれる。絵の解説なのに小説を読んでいるみたいだし、原田さんの小説に悪い人がほとんどでてこない様に、どの絵に対しても温かい眼差しが注がれている感じ。例えばピカソ。アヴィニヨンの絵が美術史を変えた、みたいな話は何度聞いたかわからないけれど、そういう学術的な面のみならず、「超有名だけど本物を見るとやはり心動かされる」という、本当に絵を好きな気持ちが伝わってくる。 備忘録:取り上げられていた絵 ピカソ アヴィニヨンの娘たち 秘儀荘 ディオニソスの秘儀 ボンドーネ 聖フランチェスコの伝説 ボッティチェリ プリマヴェーラ ダヴィンチ 最後の晩餐 セザンヌ セザンヌ夫人 マネ バルコニー モネ 睡蓮 ドガ エトワール ゴッホ 星月夜 クリムト アデーレブロッホバウワーの肖像 フェルメール 真珠の耳飾りの少女 モランディ ブリオッシュのある静物 ゴヤ マドリード 1808.5.3 マティス ダンス ルソー 夢 ピカソ ゲルニカ ビアズリー お前の口に口付けしたよ、ヨカナーン マレーヴィチ 黒の正方形 ポロック Number 1A 1948 ロスコ シーグラム壁画 カーロ ティワナ衣装の自画像、あるいは私の考えの中のディエゴ、あるいはディエゴへの想い カラヴァッジョ 聖マタイの召命 クールベ オルナンの埋葬 ムンク 叫び 東山魁夷 道
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つまり、私=鑑賞者が立っているまさにその位置にいたのは、画家、ポール・セザンヌなのである。 あとがきにかえて より しかし、フリーダにとっては、圧倒的な画力を持ち、民衆を奮起させる壁画の数々をたったひとりで描き上げるディエゴは、愛する夫であると同時に、恩師であり、リーダーであ...
つまり、私=鑑賞者が立っているまさにその位置にいたのは、画家、ポール・セザンヌなのである。 あとがきにかえて より しかし、フリーダにとっては、圧倒的な画力を持ち、民衆を奮起させる壁画の数々をたったひとりで描き上げるディエゴは、愛する夫であると同時に、恩師であり、リーダーであり、ときに子供のようでもあり、彼女を包み込む宇宙のような存在だった。 二十二枚目 テワナ衣装の自画像、あるいは私の考えの中のディエゴ、あるいはディエゴへの思い フリーダ・カーロ より 元キュレーター、アート関係の仕事をしていた背景のある作者。絵画をテーマにいくつも作品を出されているので、楽しく読むことができました。連載した記事に加筆修正を加えたみたいで、概ね8-10ページほどなので、空いた時間に美術鑑賞する感覚てした。 映画を観る際に巷で聞く『予備情報なしで楽しみたい』。頭を空っぽにした真っさらな状態が良いとのこと。もちろん、ストーリーのないアクション映画ならわからなくもありませんが、基本的にアートはそうではない、ということなのかな、と。ひとりの作家がいて、生い立ち、成長環境、両親、友人、恋人、技法、時代背景、当時の流行、戦争の影、没後のヒストリーなど、それらが作品にいかように影響が与えられ、作られたかを読み取ることの尊さを伝えている本だと思います。 それは、絵画に限らず、先の映画や音楽、そして小説。特に誰が、いつ、どのようにして、その作品を生み出したのかは本当に重要だと思います。 音楽家に対して政治的な発言はやめろって言う人、たまに見かけます。けれども、左寄り右寄り中立的、といった感じに政治思想も理解しているとより読み取れるようになるんじゃないかな、と思ったり。少なくとも、アートが詳しい人、言語化に長ける多くの方は実践されているんじゃないかと観測できます。 エッセイは、導入部で作品との出会い、邂逅を描き(世界中の美術館の名前が出てきますが行けるわけもなく)、作家の背景、作品の立ち位置、そして作家らしい気づきと彩のある文章で締める形式。 ミューズをただミューズという単語で書くのではなく、三行ほどの文章で美しく表現されています。四枚目のプリマヴェーラも素敵というか、流石でした。 原田マハさんの作品は初期のものしか読んでいなかったので、これを機に何冊か読んでみたいと思いました。
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