わたしたちは銀のフォークと薬を手にして の商品レビュー
⭐️4.5 目次を見て、短編集かと思えばつながってた。 最初は、題でネタバレしてしまってないか?...と思ったけど、3つのキーワードを並べた、統一性のある題目を見るのが心地よくて、良いセンスしてるなぁと思った。 HIVについて、知識があまりなかったのだが、今回この作品を読んで、...
⭐️4.5 目次を見て、短編集かと思えばつながってた。 最初は、題でネタバレしてしまってないか?...と思ったけど、3つのキーワードを並べた、統一性のある題目を見るのが心地よくて、良いセンスしてるなぁと思った。 HIVについて、知識があまりなかったのだが、今回この作品を読んで、その深刻性をはかることができた。 「心はあなたのもとに」の一型糖尿病もそうだったけど、そういった病気について、身近に患ってる人がいなければ、何も気にかけず過ごしてしまうので、小説のなかであってもそういった病気の存在に触れ、自分の中に据え置くきっかけとなればいいなと思う。 ・「黒ホッピー、二股、特別じゃない私たち」 特別でもなんでもない私と、真剣に向き合ってくれる人と... 傲慢と善良みがありながら、結論にまで踏み込んだ知見をくれるストーリーでした 鯛めしが食べたい...! ・排水溝、冬の終わり、まっしろ 妹を嫌な人間ってだけでは終わらせない、妹にも妹なりの苦悩があるのだということが分かる回。 知世ちゃんと椎名さんの雰囲気とは、がらっとテイストが変わるので、良い味変え。 最後の破滅的、暴力的な感じは割りかし嫌いではないので、もっとやってくれ。 食・旅が背景にずっとあって、このことに関するあとがきの、 「誰かと楽しく食事をすること、旅をすること、 どちらも意外とハードルの高い行為だと個人的には思う 」 という文章に心が留まった。 確かにそうなんだ、だから、それらをともに楽しめる存在がいることは、本当に幸せなことなのだと思った。
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3.5 どれだけ仲が良い友達でも家族でも、別の人間だし恋愛とか結婚だったり家庭内の事は決めるのは自分、責任ももちろん自分。他人の価値観とか関係ないなと、ぼんやり思った。
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主人公をめぐる友人、姉妹の人格が交錯する作品である。おじさんには、何を以ってこの話の中で恋愛が成立するのか、十分に理解に至らず、ポカーンとしている読感?
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主人公の知世と、友人の茉奈と飯田ちゃんはそれぞれ現実的に起こり得るような問題、悩みを抱えていて、お互いに距離感を大切にしながら思いやり、支え合う描写が心に残った。
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雨、嫌じゃなぁ……☔ ってな事で、島本理生の『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』 12編からなる短編集。 初めは料理と恋愛な話がメインじゃったけど、後半から登場人物にフォーカスを当て、それぞれの考え方や生き方を描く内容は愛おしさと切なさの交差点。 良い内容の本じゃ...
雨、嫌じゃなぁ……☔ ってな事で、島本理生の『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』 12編からなる短編集。 初めは料理と恋愛な話がメインじゃったけど、後半から登場人物にフォーカスを当て、それぞれの考え方や生き方を描く内容は愛おしさと切なさの交差点。 良い内容の本じゃった 色々と考えさせられます。 2018年67冊目
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【あらすじ】 残業も休日出勤もいとわない仕事熱心なOLの知世。そんな彼女の楽しみは、仕事で出会った年上のエンジニア・椎名さんとの月二のデート。江の島の生しらす、雨の日の焼き鳥、御堂筋のホルモン、自宅での蟹鍋……。美味しいものを一緒に食べるだけの関係だったが、 ある日、彼が抱える秘密を打ち明けられる。 行方のわからない大人の恋を描いた恋愛小説。 「この人にもっとそばにいてほしい。そんなことを思って積極的に恋愛を始めるには、30歳という年齢はいささか現実を中途半端に知りすぎている。」 「年収じゃない。顔でもない。それよりも必要なもの。それはなに一つ特別じゃないわたしと向き合ってくれる、関心と愛情。」 「よそになんて行かないで、俺とずっといてほしい。できないことばかりで申し訳ないけど、それでも残りのできることで、全力で幸せにするから。」 【あらすじ】 過去に読んだ『RED』でも思ったが私は島本理生さんの小説で描かれる年上の男性が好きなのだと思う。 今回の小説でも椎名さんが魅力的で、こんな風に誠実で素敵な人に病気のことはあってもまっすぐに愛される主人公の知世がすごく羨ましかった。
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装幀とタイトルに惹かれて、手に取った作品で、三十代の知世と歳上の椎名さんとの、食と旅を絡めた恋愛小説❗ 島本作品の中では、とても毛嫌いするキャラクターが登場することもなく、割と穏やかな気持ちで読み終えることができました♫ 印象的なエピソードは、『桜、生しらす、春の海』と『SL...
装幀とタイトルに惹かれて、手に取った作品で、三十代の知世と歳上の椎名さんとの、食と旅を絡めた恋愛小説❗ 島本作品の中では、とても毛嫌いするキャラクターが登場することもなく、割と穏やかな気持ちで読み終えることができました♫ 印象的なエピソードは、『桜、生しらす、春の海』と『SL列車、永い夜、鹿と目が合う』、『石垣島、新婚、夢の話をしよう』の三編です❗重い話しがありながらも、前向きにさせてくれるオススメ恋愛小説です♫
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
恋愛小説が苦手で避けてきたけど、登場人物が自分を省みる視点がニュートラルな感じで読みやすかった。人生で最も満たされている時に絶望を感じるというフレーズがすごい。分かる、が正にその発想はなかったなあという感じ。
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久しぶりの島本理生。 30代でワーカーホリックな知世と、年上バツイチで難病を抱える椎名との恋模様。 美味しいものを一緒に食べ、旅行に行き、穏やかに過ぎていく感じがとても素敵でした。
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なんて素敵なお話と出会えたんだろう。 美味しいもの小説はたくさんあるけど、 生き方や幸せについて考えさせてくれるお話はとても貴重だ。出てくる30代女子たちは、何一つ特別じゃないけど頑張ってるよ。性格の悪い妹の気持ちまでがわかってしまう。 ちなみに美味しいものも最高。 章タイトル...
なんて素敵なお話と出会えたんだろう。 美味しいもの小説はたくさんあるけど、 生き方や幸せについて考えさせてくれるお話はとても貴重だ。出てくる30代女子たちは、何一つ特別じゃないけど頑張ってるよ。性格の悪い妹の気持ちまでがわかってしまう。 ちなみに美味しいものも最高。 章タイトルを並べるような感想になってしまうけど、 蟹鍋に微発砲の白、乾燥いちごの甘酸っぱいお菓子。桜に生しらす丼。雨の日のやきとり。もう最高。知世ちゃんと自分が食の好みが合いすぎる。 椎名さんみたいな人も最高。 仕事帰りに映画館デートとか、帰りに原作本くれるとか。
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