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星の子 の商品レビュー

3.4

309件のお客様レビュー

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    25

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  5. 1つ

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2021/03/02

おもくなく、かるく、でもおもいのかもしれない 親子の関係は、いくらでもこうなるし、こうなることは別の形でも存在する。いいとか悪いとか割り切れなくて、ふつうなのかもしれない。

Posted byブクログ

2021/02/28

新興宗教に傾倒している家で育った少女の話。 少女・ちひろにとっては新興宗教が「標準」である世界だった。 だけど世間とのずれに挟まれていく。 ちひろはいろんな方面からいろんな種類の愛情を受ける。 宗教から逃げ出そうと助け舟を出してくれる親戚、「友達じゃない」といいつつ一緒にいてく...

新興宗教に傾倒している家で育った少女の話。 少女・ちひろにとっては新興宗教が「標準」である世界だった。 だけど世間とのずれに挟まれていく。 ちひろはいろんな方面からいろんな種類の愛情を受ける。 宗教から逃げ出そうと助け舟を出してくれる親戚、「友達じゃない」といいつつ一緒にいてくれる友達、同じ宗教の同年代の子たち、そして先生。 けれどきっと、ちひろにとって一番うれしくて必要としている愛情をくれるのは、両親だけなのだろう。 宗教団体の中では、ちひろはすごく居心地が良かった。 その宗教の力で健康になったちひろ。 雑誌にも取り上げられちょっとした有名人になったちひろ。 団体の行事は楽しくて、「いい人」ばかりに囲まれているちひろ。 「宗教外」の人からいくら助け舟を出されようとも、この宗教の中がちひろにとっての居場所なのだ。 わたしの読解力が乏しいからなのか ちょっとよくわからない突然な終わり方だった。 いつまでも両親と寄り添って星を見上げること。 たとえ新興宗教の中にいようとも、世間から見ると歪な形であろうとも、ちひろにとってはそれが最大の幸せなのかな…と。 そんなふうに解釈した。 傍から見ると異様でも、人にはいろんな幸せのかたちがある。 人によって評価が割れる作品かなと思う。 辻村深月さんはこの作品を大絶賛していたそうだけど、ちょっとそれは私には理解できなかった。

Posted byブクログ

2021/01/28

新興宗教にどっぷりハマっている両親のもとで素直に成長していくちひろ。年に一度の研修旅行で何度も両親とすれ違いになったことと、一緒に星空を見上げながらもちひろには見えた流れ星が両親には見えなかったことが(見えないふりをしてた?)、この家族の未来を暗示してるのかな。宗教じゃなくても無...

新興宗教にどっぷりハマっている両親のもとで素直に成長していくちひろ。年に一度の研修旅行で何度も両親とすれ違いになったことと、一緒に星空を見上げながらもちひろには見えた流れ星が両親には見えなかったことが(見えないふりをしてた?)、この家族の未来を暗示してるのかな。宗教じゃなくても無意識に子どもを洗脳してしまってることもあるかもしれないと思うとちょっと怖い。

Posted byブクログ

2021/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画化の帯に惹かれてずっと気になっていて、ようやく読んだ。 前情報無しに読んだから、『星の子』って言う題名とシンプルな表紙から想像していた内容とは全く違うタイプの物語だった。 信仰宗教にのめり込んだ両親を持つ娘の話。 自分自身が宗教にあんまり入り込んでいなくて、初詣とかお参りはするけど宗教間の違いは教科書レベルでしかわからないから、慣習的な行事としてとか、観光のついでとかでしか触れていないけど、信じるものがちゃんとあるって、それはそれでとても幸せなことなのかもしれない。とちょっと思った。 でもそれが「普通」じゃないと、「普通」には生きづらいから、理解されなくて、難しい、 まあまとめると薄っぺらくなっちゃうけど「価値観」「信仰」

Posted byブクログ

2021/01/17

子供を救いたい気持ちがきっかけで新興宗教にはまる親…なんで宗教なんかにと思っていたけど、こういうきっかけもあるんだなと。外から見るとかなり怪しいけど、中の家族は普通の家族よりよっぽど幸せに過ごしている。うーん。

Posted byブクログ

2021/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

怪しげな宗教を信仰する両親のもとで育った女子中学生の心の内と成長を描いた物語。 外から客観的に見た家庭と、そこで暮らしている当事者とのギャップが的確に捉えられていて胸が苦しかった。 子どもならではの楽観的な部分。 内心では分かっていてもどうすることもできない部分。 星空を眺める家族のすれ違いは親離れの未来を感じさせ、これから先客観視していくことでおそらくもっと苦しむことになる。 愛があるだけに、何重にも切ない。

Posted byブクログ

2021/01/11

初めに映画を観ていたのだけれど、なんだこれはというのがざっくりとした感想だった。なので読んでみたのだが原作にほぼ忠実に映画化されていたことが分かった。 映画では描ききれていないちひろの心の揺れがよく伝わったし、ちひろを取り巻く親戚や友達、先生、はるちゃんの彼氏のエピソードなど、新...

初めに映画を観ていたのだけれど、なんだこれはというのがざっくりとした感想だった。なので読んでみたのだが原作にほぼ忠実に映画化されていたことが分かった。 映画では描ききれていないちひろの心の揺れがよく伝わったし、ちひろを取り巻く親戚や友達、先生、はるちゃんの彼氏のエピソードなど、新興宗教に傾倒している家族を持つ人へのそれぞれのスタンスも、非常にリアリティを持っていた。 ちひろへの愛ゆえに新興宗教にはまった両親の元、愛情はたっぷり受け、ちひろはとてもいい子に育ち、家庭内は幸せそうな、ほのぼのとした雰囲気の中生活しているものの、姉は家出をし、家はどんどん貧しくなり、修学旅行代も叔父に援助してもらい、ちひろ本人は進学先の高校へは片道一時間半かけて自転車で通うつもりでいる。 本人たちは幸せなつもりでも、傍から見れば圧倒的に異常で、可哀想なのだ。 両親は映画では永瀬正敏と原田知世だったけど、もっともっとラストにかけて目も当てられないほどみすぼらしくなっている印象だった。 やはり幸せそうな信者たちの集まりは普通と異常が共存していて、内部でも変な噂は絶えず、上層部だけが潤っている。 ラストは、至って淡々としているのに映画で見た時よりもずっと気味悪く感じた。 文庫ではあとがきの対談でそこにも触れられているようで、とても気になる。

Posted byブクログ

2021/01/01

 病弱だったちひろを救うため、会社の同僚からすすめられた「金星のめぐみ」を使うようになったことをきっかけに、両親はあやしげな宗教に傾倒していく。  自分が幼い時からすでに両親が宗教に傾倒していた場合、その子は周りがおかしいと思うようなことでも、それが生まれてからずっとのことなの...

 病弱だったちひろを救うため、会社の同僚からすすめられた「金星のめぐみ」を使うようになったことをきっかけに、両親はあやしげな宗教に傾倒していく。  自分が幼い時からすでに両親が宗教に傾倒していた場合、その子は周りがおかしいと思うようなことでも、それが生まれてからずっとのことなのだから、当たり前としか思えない。そんなちひろが、16歳になった姉が家出し、周りの友達から指摘され、次第に今のこの生活、そして両親の様子がおかしいのかもしれないとうすうす感じ始める。それでも両親に愛されていることは間違いなく、でも周りが心配してくるのも理解していて、その狭間で揺れ動くなんともいえない空気感がよく表れている。好きだった先生が自分の両親を目撃して変質者と勘違いするが、それが自分の両親だと言い出せないシーン、読んでいて辛かった。しかし終わり方は唐突だったな、残念。

Posted byブクログ

2020/12/15

生まれたときから当たり前の世界。 こっちが良いのか、悪いのか、外側から見たらどうなのか。 どちらが正しいのか間違っているのか。 余白の多い文章だなと思った。 人によって解釈は変わるんだろうな。 映画は興味ないけど、作った人がどう解釈したかはちょっと気になるかも。

Posted byブクログ

2020/12/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 最初、大まかなあらすじを読んだ時には家の人が宗教にはまって家族が崩壊して精神的にどん底に落ちてしまう話かと思いきや、たしかにお姉さんは家出してしまうけど、家族自体は淡々と幸せな日々が過ぎていて、ちひろも両親に愛されて何ら問題はなく、最後は「え?これで終わり?何も起こらなかったけど?」という、よく分からない終わり方でした。  読後、よく吟味して考えてみると、周囲から見た宗教にはまっている人と、本人側から見た風景が随分と違っていて、宗教が必ずしも「悪」ではないということ,周囲がどんな偏見を持とうが、周りに迷惑をかけずに家族が平穏ならそれで良いではないかということを感じました。

Posted byブクログ