冬虫夏草 の商品レビュー
「家守奇譚」の続編。 ページを開くと、相変わらずゆったりとした空気が流れていて、心が落ち着く。 愛犬ゴローが失踪し、友人である菌類の研究者の南川に教えられ、綿貫は鈴鹿を探索することに。 生駒、鈴鹿、若狭、敦賀など馴染みのある地名が出てきて、想像をかき立てられる。 広々とのどかな風...
「家守奇譚」の続編。 ページを開くと、相変わらずゆったりとした空気が流れていて、心が落ち着く。 愛犬ゴローが失踪し、友人である菌類の研究者の南川に教えられ、綿貫は鈴鹿を探索することに。 生駒、鈴鹿、若狭、敦賀など馴染みのある地名が出てきて、想像をかき立てられる。 広々とのどかな風景や、山里の人々の生活が、とても興味深く描かれていて、綿貫が旅の途中で出会う人たちも皆いい人ばかりである。 およそ百年前の人々は、ほんとうに天狗や河童と共生していたのだろうか。 イワナの夫婦がやっているという宿にたどり着けるのだろうか。 はたしてゴローには会えるのか。 まるで山の中にまで竜宮があるかのような、夢のような冒険譚。 ふと気がつけば、脚絆に、ぼろぼろの足袋、泥にまみれた草鞋という綿貫の姿に感動しながら、いつまでもこの物語を読んでいたいと思う。
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“お前は、鈴鹿を裏山に毛が生えたところくらいに思って馬鹿にしていただろう” ドキッとしました← 和製ファンタジー、と云っていいのか…なんとなくオレがジブリの好きな部分を抽出したときにこんな感じになるかも。 思わぬ方向からとても気に入りました。やるやんけおかん文庫。 『西の魔女』のイメージしか無かったけれど、意外。前作も読んでみよう…☆4.2
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犬のゴローを探しに行く話 途中面妖なものにあったり不思議なことが起こったりするけど、綺麗な世界観。 もっと続きが欲しくなる。
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亡き友の家を守る物書き、綿貫征四郎。姿を消した忠犬ゴローを探すため、鈴鹿の山中へ旅に出た彼は、道道で印象深い邂逅を経験する。河童の少年。秋の花実。異郷から来た老女。天狗。お産で命を落とした若妻。荘厳な滝。赤竜の化身。宿を営むイワナの夫婦。人間と精たちとがともに暮らす清澄な山で、果...
亡き友の家を守る物書き、綿貫征四郎。姿を消した忠犬ゴローを探すため、鈴鹿の山中へ旅に出た彼は、道道で印象深い邂逅を経験する。河童の少年。秋の花実。異郷から来た老女。天狗。お産で命を落とした若妻。荘厳な滝。赤竜の化身。宿を営むイワナの夫婦。人間と精たちとがともに暮らす清澄な山で、果たして再びゴローに会えるのか。『家守綺譚』の主人公による、ささやかで豊饒な冒険譚。
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フォローしているレビュワーさんのレビューを読んで、「家守奇譚」「村田エフェンディ滞土録」からこの本へ。日本画のような家守、水彩画のような帯土録、この本はまるで水墨画のよう。この世の隣にある世界との境目がますます淡くなり、不思議なことが当たり前になる。こういう世界観がとても好きだ。...
フォローしているレビュワーさんのレビューを読んで、「家守奇譚」「村田エフェンディ滞土録」からこの本へ。日本画のような家守、水彩画のような帯土録、この本はまるで水墨画のよう。この世の隣にある世界との境目がますます淡くなり、不思議なことが当たり前になる。こういう世界観がとても好きだ。日本の土着の宗教観に似ているのではないだろうか。
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再読。 なにもかも、存在するものが当たり前に受け入れられる世界。 難しく考えることはない、生かされるまま。
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主人公である綿貫は最高学府を修めた身でありながら感じたものを感じたまま素直に受け止める人物であり、その目を通してみると傍目には事件性など何もない人々の生活がこれほど面白く物語になる。 前作の家守綺譚でも思ったが、綿貫の視点でひとつひとつの小さな出来事が積み重なりひとつの大きな世界、ひいては物語になるのがこのシリーズの好きなところ。今作で綿貫は明確に生老病死に触れており、世界はより一層広く深くなる。これが歳を重ねるということかとも思う。 短編で最も好きなのはヤマユリ。冬虫夏草という題の意味がわかったときはなるほどと思った。今生きているものにできることは、今を生きることを置いて他にない。
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シリーズ第二弾。今回は山歩きによる人々や人外の存在との交流。植物、川、滝と自然の息吹と人間の営みの調和が穏やか。 最後のゴローのくだりは少し泣きそうになった。
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最初読むのがめちゃくちゃ時間かかって、寝落ちしまくって結局読みきるのに2ヶ月弱かかった。 ゴローを探しに山奥に行ってからは一気読み! 全てを受け入れる綿貫の真っ直ぐな優しさに胸を打たれた。優しさで泣くのって初めてかも。 大好きなシリーズになりました。
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想像力のいる読書。読後感がとてもよい。 先の形状に未練を持たず、今の形状を誠心誠意生きることが、生きるものの本道なのやもしれぬ。 イワナ、河童、冬虫夏草…繋がった。 2020.5.1
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