隷属なき道 の商品レビュー
「AI」「ベーシックインカム」という単語ばかりが横行していて、労働時間は減るどころか増えているのは何も日本だけではなく、むしろアメリカをはじめとする"上流階級"の人々が感情的に受け入れられないからこそ未だにベーシックインカムは施行されず、「くだらない仕事」がは...
「AI」「ベーシックインカム」という単語ばかりが横行していて、労働時間は減るどころか増えているのは何も日本だけではなく、むしろアメリカをはじめとする"上流階級"の人々が感情的に受け入れられないからこそ未だにベーシックインカムは施行されず、「くだらない仕事」がはびこっている。 私は最近日本では底辺職と呼ばれる仕事から転職したが、PCの各企業のソフトウェアを「操作」しているだけで、何も生み出しているわけではない。もしAIが代行するようになれば、一瞬でクビである。まあ、「ワークシェアリング」であり「週20時間」であるから、悪くはない仕事であり、業種としては当分無くなることはないのだが、今後も続けられる仕事か?というとさらにアップグレードが必要であり、考えさせられる。 配偶者は文中にもあるような典型的な貧困労働者であるが、ベーシックインカムがまだ実行されぬうちは、このような本ばかり読んで実際にほぼ働かない私とある意味バランスが取れているのかもしれない。実際ポケットにお金は入るのだし、私は知識でその穴を塞ぐのだ。 安楽死も大麻も同性婚もダメな我が国でベーシックインカムはまだまだ先であろうが、まずはこの年百十数万円を無理なく生み出せる思考と行動が身につけばと考える。
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#93奈良県立図書情報館ビブリオバトル「救い」で紹介された本です。 #91奈良県立図書情報館ビブリオバトル「歴史」で紹介された本です。 2018.6.16 https://m.facebook.com/events/124940441711273?view=permalink&a...
#93奈良県立図書情報館ビブリオバトル「救い」で紹介された本です。 #91奈良県立図書情報館ビブリオバトル「歴史」で紹介された本です。 2018.6.16 https://m.facebook.com/events/124940441711273?view=permalink&id=173818203490163暁天ビブリオバトルと題して南都七大寺の大安寺で7時30分から実施しました。 2018.8.18 https://m.facebook.com/events/213162002701618?view=permalink&id=235562167128268 2018.8.18 https://m.facebook.com/events/213162002701618?view=permalink&id=235562167128268
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労働時間の短縮、BIのメリット(コスト含)の他に、国境を撤廃することを提案しているのが新鮮だった。 世の中のリベラルの思考に少しずつ近づいていく気を抱く。 「思い出そう。奴隷制度の廃止、女性参政権、同性婚、いずれも、当時主張する人々は凶人と見られていたことを。だがそれは、彼らが正...
労働時間の短縮、BIのメリット(コスト含)の他に、国境を撤廃することを提案しているのが新鮮だった。 世の中のリベラルの思考に少しずつ近づいていく気を抱く。 「思い出そう。奴隷制度の廃止、女性参政権、同性婚、いずれも、当時主張する人々は凶人と見られていたことを。だがそれは、彼らが正しかったことを歴史が証明するまでの話だった。」
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『希望の歴史』ほどのインパクトはなかったが、ベーシックインカムの制度などが、そこに至るヒントとなったのはまちがいない。
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私の今までの取組み。だめと反省する前に、まずは、やってみようという、姿勢が大事。背中を押してくれた。ベーシックインカムで、お金をただ渡すのは、ドブに捨てるようなもの、と思う自分に対して、事実は違う、こうだと教えてくれた。
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日本へ導入するには市民レベルでまず何をすればいいのだろう。人は人のことを分かっているつもりで実は何も分かっていないことがよく分かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ベーシックインカム、週15時間労働、国境の開放。過去最大に反映したユートピアだけど幸せを感じないのは何故か。より良い世界を思い描くことができないから。資本主義では現代の豊ぎょう?の地を維持できない。福祉はいらない、直接お金を与えればいい。福祉の複雑なシステムのコストを考えれば財源的にも実現不可能ではない。欠乏の心理。判断力が下がる。同じように貧困も個人のIQを13低下させる。ニクソンはベーシックインカム導入の直前まで行ってた。スピーナムランド制度の報告書問題。GDPが見逃している労働は身の回りに多く存在。お金が動かないとカウントされない。進歩による安価の計算もできない。クズネッツ。富の創造ではなく富の移動を目的とする仕事に優秀な人材がとられている。くだらない仕事が多い。国境を開くことで富は増大する。開発支援の効果はわからない。真実を見抜く1人の声が集団の幻想を覚ます。認知的不協和。集団が同じ答えだと自分の答えを言えない。1人でも別の答えがいると言える。ユートピア主義者になる勇気を備えた忍耐強い思索家が必要。おヴァートンの窓。負け犬の社会主義。常識に流されてはいけない。かつて、奴隷制度の廃止、女性の参政権、同性婚の容認を求めた人々は狂人とみなされていた。
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おわりに書いてある日本語版編集部の情報によると、英語版の原題はUtopia for Realistsということで「現実主義者のためのユートピア」だったものを、日本語版では著者と相談して「隷属なき道」にしたとのことです。もちろんこれはハイエクの「隷属への道」を意識しているのですが、...
おわりに書いてある日本語版編集部の情報によると、英語版の原題はUtopia for Realistsということで「現実主義者のためのユートピア」だったものを、日本語版では著者と相談して「隷属なき道」にしたとのことです。もちろんこれはハイエクの「隷属への道」を意識しているのですが、その心は、シンギュラリティの到来によってAIが人間を上回る日が来る。AIとの競争には勝てない。そのときに人間が生きていくために、つまりAIに隷属しないためにもユニバーサル・ベーシックインカム(国民全員に無条件で一定金額を支給する仕組み。何の資格も審査もない)を導入すべきだということです。 ブレグマンの主張やベーシックインカムは可能性としてはあり得るとは思うのですが、それにしても彼がこの本で挙げている論拠はかなり偏っています。ベーシックインカムの導入を示唆するような研究結果を数字と共に紹介していますが、意図的に自分の主張を補強するような研究結果だけをチョイスしている結果です。それとは反対の結果を示唆する研究結果も同じくらい存在していますので、ベーシックインカムが正しいかどうかという以前に、その姿勢が良くないと思いました。心理学では追認バイアスと呼ばれる行為で、人間は自分の信念を補強するような情報を意図的に選別して頭の中に取り込み信念を補強する傾向が強いのですが、まさに著者自身が追認バイアスの罠にはまっている印象を受けました。 ただ10章のなかで、著者自身もこの問題を自己認識していて、自分の信念と異なる研究結果を見つけたときに、「自分の意見を変えるほどの観察力を持っているだろうか?そうする勇気があるだろうか?」と自問していたので、この箇所で著者に対して少し好感を持つことが出来ました。 しかし好感を持てたとしても、全般的には正直視野が狭い印象は受けました(主張のインパクトは非常に強いのですが視野の狭さを感じる)。主張全体が欧米的あるいはキリスト教的であって、仏教やヒンズー教などの多神教の世界観ではまったく違うとらえかたになると思います。そのような価値観も踏まえたうえで、なおユニバーサル・ベーシックインカムが最良のシナリオである、という主張をしてくれたら、傾聴に値するものになる気がしました。
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読めば、価値観が変わる本。 いくつかの偏見が補正された。 先ずは生活保護について。アメリカのユタ州、オランダで行われたハウジングファースト戦略。先ずは住まいを提供しようという事だが、ホームレス支援の資金投資に対して2、3倍の利益を導くことがわかった。更にアメリカでのベーシックイ...
読めば、価値観が変わる本。 いくつかの偏見が補正された。 先ずは生活保護について。アメリカのユタ州、オランダで行われたハウジングファースト戦略。先ずは住まいを提供しようという事だが、ホームレス支援の資金投資に対して2、3倍の利益を導くことがわかった。更にアメリカでのベーシックインカムの社会実験では、学業成績の向上や健康状態の改善に寄与。フリーマネーを与えると、特にそれが必要な人々は、酒やギャンブルに無駄遣いしそうだが、多くは自立するための資金にする事も分かった。工夫の余地はあるが、生活保護制度は必要だ。 もっと大きな規模では、世界初の社会保障制度の一つである19世紀のスピーナムランド制度について。この制度はベーシックインカムに似ていた。結果は怠けの助長による労働市場の競争力低下を齎し、大衆はますます貧しくなったという。しかし、これは王立委員会の捏造報告書だった。結果として1834年にスピーナムランド制度は廃止され、貧困者の自己責任論が高まる。貧困者は救貧院に入れるしかないと考えられ、そこに押し込められ無機質な労働を課された。粉砕して肥料にするための骨をかじる、女性は妊娠しないように餓えさせられ、夫婦は別々に。子供も親から引き離された。1日に3杯の粥、玉ねぎを週に2回、薄切りパンを週に1枚。貧しい人々は失業を恐れ、雇用主は更に賃金を低く抑えることもできた。資本家に仕組まれた捏造報告書により、富の再分配を拒む強者の主張が勝った。実際にはスピームランド制度は貧困に対して効果的な手段だったにも関わらず、現世にも反省を活かせるはずの大いなる負の歴史である。 いくらかの不平等がなければ社会は機能しないが、格差が適切な範囲を超えれば、裕福な人々も不幸になる。気分が塞いだり、疑い深くなったり、治安も悪化。社会的問題を背負いやすくなる。収入の不均衡は、結果的にすべての人の暮らしを不幸にする。 イギリスの哲学者バードランドラッセルは書いた。「人間が幸せでいるためには、あれやこれやの楽しみばかりでなく、希望や冒険心や変化が必要だ。求めるべきは、完成したユートピアではなく、想像と希望が生きて動いている世界である」 格差の固定は希望を齎さない。然るに、生産性を競い合い、勝者が弱者を押さえ込むようなイデオロギーは見直す必要がある。労働の仕方を教育する今の教育モデルに加え、余暇の時間をどう過ごすかを教えるモデルを取り入れ、労働すらエキサイティングな興行にできれば、それらの選択肢に合ったライフスタイルが描けはしないだろうか。その時には、楽しみの無い労働からは解放され、楽しみながら働く人々とベーシックインカムだけで楽しむ人々が共に生きるという時代が到来するだろう。
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表紙では、ベーシックインカムの導入、一日3時間労働の主張が強調されているが、多数の統計・実証的研究に基づいている地に足の着いた本。貧困が人の長期的な視野・冷静な判断力を奪うという分析は衝撃的だった。 著者の支持するハイエクの新自由主義がどこまで正しいかはわからないが、福祉をや...
表紙では、ベーシックインカムの導入、一日3時間労働の主張が強調されているが、多数の統計・実証的研究に基づいている地に足の着いた本。貧困が人の長期的な視野・冷静な判断力を奪うという分析は衝撃的だった。 著者の支持するハイエクの新自由主義がどこまで正しいかはわからないが、福祉をやめベーシックインカムを平等に分配することが、むしろ自立につながる、という主張はよく理解できる。ベーシックインカム導入はともあれ、平等な負担で貧困を解消しないと、既得権益(?)を受けている高齢者の福祉制度を維持することも困難となり、共倒れになる。そこでま現状が来ていることを再認識させてくれる一冊。
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