隷属なき道 の商品レビュー
格差の拡大したグローバル社会では貧困層にお金を与える(ベーシックインカム)が貧困層を助ける一番の道とのこと。なぜなら彼らはセーフティーネットを利用する方法を知らないからだ。これからは人工網膜デバイス、歩行アシスト装置等が出てくる。教育に投資し労働時間を減らしていくことが必要、わず...
格差の拡大したグローバル社会では貧困層にお金を与える(ベーシックインカム)が貧困層を助ける一番の道とのこと。なぜなら彼らはセーフティーネットを利用する方法を知らないからだ。これからは人工網膜デバイス、歩行アシスト装置等が出てくる。教育に投資し労働時間を減らしていくことが必要、わずか62人が世界人口の貧しい半数より多くを所有、富の偏在、これからは自分の人生を生きよ。資本主義の世の中でベーシックインカムの重要性がよくわかった。それが社会のインフラになるからだ。
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私たちはかつてないほど豊かな社会に暮らしているが、それがゆえにユートピアを想像できずにいる。資本主義とは別の、生活の質を上げる道を見つけなければならない。 という趣旨の1章からはじまり、ベーシックインカムの話が2〜4章まで続く。 初めの問題意識はかなり共感できたので、この本を買った。ベーシックインカムにはこれまで懐疑的、というかあまりよく考えたこともなかったが、これを読んで、こんなにうまくいくものならやればやればいいんじゃないか、と思った。筆者が言うように、貧困は怠惰の表れなんかではなく、単にお金がないことなのだ。 5章はGDPはおかしいという話、 6章は1日の労働時間3時間を目指そうという話、 7章は優秀な人材はくだらない仕事につかない方がいいという話、 8章はAIが発展したら不平等は更に広がるという話、 9章は国境は最大の不平等の源であるから無くすべきで、無くせば世界の富は大幅に増える、という話、 10章・終章は、アイデアで世界を変えようという話。 装丁や邦題がいまいち。 原題はUTOPIA FOR REALISTS。
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サブタイトルは「AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働」。 世界は過去最高の繁栄の中にあるのに、不幸に苦しむ人がいる、格差は拡大するばかり。そして、AIとロボットの進化は確実にそれをさらに推し進める。「資本主義だけでは、豊穣の地を維持することはできないのだ。(中略...
サブタイトルは「AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働」。 世界は過去最高の繁栄の中にあるのに、不幸に苦しむ人がいる、格差は拡大するばかり。そして、AIとロボットの進化は確実にそれをさらに推し進める。「資本主義だけでは、豊穣の地を維持することはできないのだ。(中略) 生活の質を上げる別の道を見つけなければならない。」と著者は言う。その答えが、ベーシックインカムと週15時間労働と国境の開放なのである。 「福祉はいらない、直接お金を与えればいい」など、刺激的な主張が続く。その主張にはどれも様々な調査や実験によるエビデンスが提示される。 なぜBIなのか、ということはここに全て書かれている。技術的なことは書かれていない。今必要なのは、大きな物語を語ることなのである。「アイデアは、どれほど途方もないものであっても、世界を変えてきたし、再び変えるだろう。「実際」、とケインズは記した。「アイデアの他に世界を支配するものはほとんどない。」」
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今広がっている貧困をまず無くすこと、そして教育や文化のレベルを引き上げるべき。そのためにまず生活を保障しなくてはならないから、ベーシックインカムは方策の一つとして大いに有効と思う。日本で導入するならどういう形にし、財源をどうするべきか、考えている人もいるようす。是非実現して欲しい...
今広がっている貧困をまず無くすこと、そして教育や文化のレベルを引き上げるべき。そのためにまず生活を保障しなくてはならないから、ベーシックインカムは方策の一つとして大いに有効と思う。日本で導入するならどういう形にし、財源をどうするべきか、考えている人もいるようす。是非実現して欲しい。
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新自由主義、マネー資本主義が行き詰った今、私たちは新たな社会のあり方を真剣に考えなくていけない。著者は、その一つのあり方を本書で提示している。生活に必要な資金はベーシック・インカム(以下BI)として全ての国民に配られ、人は儲かる仕事ではなく、すべき仕事に専念する。それが、著書が描...
新自由主義、マネー資本主義が行き詰った今、私たちは新たな社会のあり方を真剣に考えなくていけない。著者は、その一つのあり方を本書で提示している。生活に必要な資金はベーシック・インカム(以下BI)として全ての国民に配られ、人は儲かる仕事ではなく、すべき仕事に専念する。それが、著書が描くユートピアである。BIについては、予算の問題と心理・行動面への悪影響が懸念されるが、後者についてはBIが経済成長をもたらし、子供の学校での成績を伸ばし、医療費の削減にもつながっているという確かな反証をあげている。BIは予算面でも可能だというが、そこの記述はほとんどないので他の資料にあたるべきだろう。日本でのBIの可能性については原田泰の『ベーシック・インカム』(中公新書)に詳しいので、そちらを読んでほしい。
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ケインズやハイエクを渉猟しながら、AI以後の人間の『隷属なき道』を構想する、オランダ『デ・コレスポンデント』創設メンバーの書。説得的な定量データを示しながら、ユニバーサル・ベーシック・インカムは実現できると提唱する。 GDPを算出するには、非常に多くのデータポイントを結びつけ、...
ケインズやハイエクを渉猟しながら、AI以後の人間の『隷属なき道』を構想する、オランダ『デ・コレスポンデント』創設メンバーの書。説得的な定量データを示しながら、ユニバーサル・ベーシック・インカムは実現できると提唱する。 GDPを算出するには、非常に多くのデータポイントを結びつけ、どれを参入し、どれを無視するかについて、数百の主観的な選択がなされる。このような方法論にもかかわらず、GDPはハードサイエンスと見なされ、そのわずかな変動が、政治家が再選されるか消え去るかを決めることもある。しかし、その見かけ上の正確さは幻想にすぎない。GDPは「測定」されるのを待っている確かな数字ではない。GDPを測定するというのは、思考を測定しようとすることなのだ。p118 文筆家のケビン・ケリーが言うように、「生産性はロボットにまかせておけばいい。人間は時間を浪費したり、実験したり、遊んだり、創造したり、探検したりすることに秀でているのだから」p125 ケインズ「孫の世代の経済的可能性」p131 「オヴァートンの窓」p260
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【欧州29歳の知性、自費出版で出たその本が世界的に話題になっている】産業革命以来、減少を続けた労働時間は、70年代を境に上昇、貧富の差は極端に拡大、我々は機械との競争に敗れつつある。
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