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隷属なき道 の商品レビュー

3.9

57件のお客様レビュー

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2022/12/06

世界的に豊かになり過ぎだ現代において最大の問題は、より良い暮らしを思い描けなくなっていること。 人間が幸福でいるためには、希望や冒険心や変化が必要。 貧困は、個人のIQを13ポイントも低下させる。 特に何かが欠乏(時間やお金)すると短期的な問題解決にばかり頭がいき、長期的な視野は...

世界的に豊かになり過ぎだ現代において最大の問題は、より良い暮らしを思い描けなくなっていること。 人間が幸福でいるためには、希望や冒険心や変化が必要。 貧困は、個人のIQを13ポイントも低下させる。 特に何かが欠乏(時間やお金)すると短期的な問題解決にばかり頭がいき、長期的な視野は完全に失われる。結果判断能力が鈍る。 判断能力が悪いから貧困に陥るわけではなく、貧困だから判断能力が鈍くなる。 不平等が大きくなりすぎると、裕福な人々も苦しむことになる。 3.11東日本大震災の時、各国のメディアは日本経済は最低最悪水準になると予想したが、現実は逆で復興経済により、翌年にはGDPが2%上がった。 日本に限らず、世界各地で災害や戦争があると、実は経済が上向きになる。 GDPの問題は、金銭価値しか測れないこと。無償のボランティア、家事、育児といった付加価値はGDPに含まれない。 精神疾患、肥満、汚染、犯罪はGDPの観点からは多ければ多いほどよい。一人当たりのGDPが最も高いアメリカが社会問題でも世界トップなことを見れば明白。 効率と生産性ばかり追っていると、教育と介護の真の価値が見えにくくなる。 幸福度を最大限にするには、生活に占める労働と消費の割合を減らすこと。 仕事が多過ぎて忙しいという愚痴の裏には、自分は重要で期待されていて必要とされている人物だという自慢が潜んでいることが問題。 長時間労働の国ほど、テレビの視聴時間も長い。 本物の余暇は堕落でも贅沢でもない。脳にビタミンを送り込むようなもの。 多くの人が有形の価値を生み出さないまま金儲けできるシステムが出来上がった。 特に価値の創造をしているわけではない、職業の方が高級取りなのが問題。銀行員、トレーダー、弁護士など。彼らは価値を創造するわけではなく、移転するだけ。管理職が多い国ほど、生産性と革新性が低い。 Twitter、Facebook、YouTubeなどが付加価値を生み出しているのかというと疑問。 便利になった反面、人々から膨大な時間を奪っている。テレビの代わりになっただけ。 生きていくために必要なコンテンツでないことだけは確か。 私達は本来必要な余暇を潰して、膨大な時間を奪うコンテツを無駄に増やし、そのために無駄な仕事や作業が増えていることにそろそろ気付くべき。 本書の題名は、AIに隷属するのではなく、人々が本当に意味のある人生を取り戻す道に期待をかけるということ。 そのためには、週15時間労働、ベーシックインカム、国境のない世界が必要と著者は述べる。夢物語のようだが、ほんの数十年前まで、奴隷制の廃止、女性参政権、同性婚。。いずれも主張する人は当時、狂人と見られていた。 偉大なアイディアは必ず社会を変える。

Posted byブクログ

2022/08/11
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近現代を振り返り、テクノロジーやAIがもたらした人々への経済的な富の内容は興味深かった また、ベーシックインカムに対しての考え方も理解でき、180度見方が変わった 今はまだ世の中には受け入れられないだろうが、近い将来にその道を歩むのは目に見えた いまの社会構造を世界視点で分かりやすい記述で、大変勉強になった

Posted byブクログ

2022/03/27

これまで、どうでもいい仕事に31年間費やしてしまった自分にとって、ころからの人生で何をすべきかを考えるヒントを与えてもらった気がする。 ケインズが予測したように、週15時間の労働にはなっていないが、それはそう出来るのにしてないだけのような気がする。コロナ禍でその事は既に証明されて...

これまで、どうでもいい仕事に31年間費やしてしまった自分にとって、ころからの人生で何をすべきかを考えるヒントを与えてもらった気がする。 ケインズが予測したように、週15時間の労働にはなっていないが、それはそう出来るのにしてないだけのような気がする。コロナ禍でその事は既に証明されているが、みんな気付かない振りをしているだけではないか?

Posted byブクログ

2022/02/04
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 人類は有史以来、生産性向上により労働時間を短縮させてきた。農業の始まりから18世紀頃までは大きな変化は見られないが、産業革命以降労働時間は段々と減っていっていた。そのまま減っていくかと思いきや、1980年代以降、減少トレンドは反転し、現在まで労働時間は減らずにむしろ増えてしまっている。このことに対してブレグマンは労働に関する調査から多くの人々が「意味のない仕事」をさせられていると感じていることを示す。また、こうした状況は高所得者により顕著に表れていて、高時給であるがゆえに「働かないことによる逸失コスト」を加味した行動をとってしまうと考えられている。このような状況を打破することはできないか、人々が本当に必要とされ、意義を感じられる仕事ができないか。そこでブレグマンはベーシックインカムによる現金給付こそが人々の行動を変えられるのではないかと説く。ベーシックインカムの議論は往々にして人間の負の側面に着目して、怠惰な人間が増え、社会が破綻してしまうのではないかと言われる。しかし、それに対してブレグマンはあらゆる地域で行われてきた過去の社会実験を再検証し、その実際の効果は非常に有効であることを示した。アメリカでも1960年代に導入が決まりかけていたという事実には驚いた。ベーシックインカムを得た人々は本当に自分にとって必要なものを選び取り、自分にとって最良の人生を歩む手段を手にすることができるのだ。  前回読んだ山口周さんの本に書かれていることが世界各国のさまざまな事例を元に描かれていた。資本主義が200年に渡って人類を大きく成長させ、飢えや貧困から多くの人々を救ってきたが、今後私たちはより平等に人生を謳歌できるような社会システムを気づいていく必要性を感じた。「それって本当に必要?」と思う事象は社会の至る所に存在するが、それらの「幻想によって必要だと思われるから作られたもの」ではなく「各自が本当に望むもの」を手に入れられる環境を作ることが大切だと思った。

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2021/10/11

「ベーシックインカムなんて幻想だ!」という幻想をどうやって私たちが抱かされてきたのか、という幻想解体新書として面白く読んだ。筆者のポジティブさには玄田侑士さん『希望のつくり方』に通じるものがある。できるかどうか、ではなく、どうやって実現させるか、そこが問題だと。 なるほど。 では...

「ベーシックインカムなんて幻想だ!」という幻想をどうやって私たちが抱かされてきたのか、という幻想解体新書として面白く読んだ。筆者のポジティブさには玄田侑士さん『希望のつくり方』に通じるものがある。できるかどうか、ではなく、どうやって実現させるか、そこが問題だと。 なるほど。 では、ベーシックインカムの金額はどう決めるんだろう?国境をなくすことが前提だから、全世界一律? ベーシックインカムを導入したとして、解決されない介護、保育のニーズの問題は? 1日3時間労働に絶対ならないエッセンシャルワーカーの存在はどう考えるの? うーん。 解除しなければならないバリアはいっぱいあるらしい。けれど、富の偏在ありきで発想して仕事を続けることに、ここ数年、本当に限界を感じている。椅子取りゲームの非倫理性にもうんざり。 けど、人口の3%が本気出すと社会は変わるらしい。 いつ変わるかは分からないけど、変える方に一票。 そう思える本だった。

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2021/08/13

ベーシックインカムを導入したほうがよいということを過去の研究とともに紹介 印象に残っているのは ・ケインズが2030年には労働時間が週15時間と予言していて,今の世界の働き方に対する示唆 ・GDPが工業化の時につくられた指標であり,今の状況を映し出すには背景が違うので別の指標が必...

ベーシックインカムを導入したほうがよいということを過去の研究とともに紹介 印象に残っているのは ・ケインズが2030年には労働時間が週15時間と予言していて,今の世界の働き方に対する示唆 ・GDPが工業化の時につくられた指標であり,今の状況を映し出すには背景が違うので別の指標が必要という部分 ・「空が飛ぶ車が欲しかったのに,得たのは140文字」とあるように優秀な頭脳が別のところに使われて社会損失がある という点.様々な研究や事例を読めておもしろい本でした.

Posted byブクログ

2021/05/18

人間がAIに仕事を奪われることによって貧富の差が拡大する。それを止めるには、全ての人間に無償でお金を配り、週の労働時間を15時間程度にし、国境を開放することが解消する唯一の道であると筆者は説いている。

Posted byブクログ

2022/02/07

“過去を忘れるものは、過去を繰り返す運命にある” ジョージ・サンタヤーナ “難しいのは、新しい考えに馴染むことではなく、古い考えから抜け出すことだ” ジョン・メイナード・ケインズ “ユートピアは水辺線上にある。私が2歩近づくと、それは2歩遠ざかる。もう10歩近づくと、さらに1...

“過去を忘れるものは、過去を繰り返す運命にある” ジョージ・サンタヤーナ “難しいのは、新しい考えに馴染むことではなく、古い考えから抜け出すことだ” ジョン・メイナード・ケインズ “ユートピアは水辺線上にある。私が2歩近づくと、それは2歩遠ざかる。もう10歩近づくと、さらに10分遠ざかる。 どれだけ歩いても、決してたどり着けない。では、ユートピアに何の意味があるのだろう。答えはこうだ。歩き続けよ、とそれは教えてくれるのだ。 エドゥアルド・ガレアーノ 第二章 福祉はいらない、直接お金を与えれば良い ・世界各地で行われた研究により、確たる証拠が示されている。フリーマネー(自由になるお金)は機能する。すでに研究によって、フリーマネーの支給が犯罪、小児死亡率、栄養失調、10代の妊娠、無断欠席の減少につながり、学校の成績の向上、経済成長、男女平等の改善をもたらすことがわかっている。 第6章 ケインズが予測した秋15時間労働の時代 ● 1930年、経済学者ケインズは「2030年には人々の労働時間は秋15時間になる。20世紀の最大の課題は増えすぎた余暇だ」と予言した。 第8章 AIとの競争には勝てない ●オックスフォード大学の学者は、20年以内に米国人の仕事の47%以上とヨーロッパ人の仕事の54%が機械に奪われる可能性が高いと予測する。 ●未来学者のレイ・カーツワイルは、2029年までにコンピュータは人間と同等の知能を持つようになると確信している。そして2045年にはコンピューターは全人類の脳の総計より10億倍、賢くなっている、と言う。 ●不平等が広がり続け、機械にはできない技術を習得できなかった人は、脇に追いやられる。一方で、裕福で高学歴の人々は結束を固めていく。ヨーロッパではすでに、アムステルダム、シュトゥットガルトやミュンヘンなどにコンピュータ技術者が集まっている。 貧困は、コンピュータに重いプログラムを並行処理させるようなもの。

Posted byブクログ

2021/02/06

私たちの生活が「経済的な計算に収束し、技術的な問題や環境問題の解決に追われ、洗練された消費者の要求を満たし続ける」時代において、富の分配をどう再定義するか。 ベーシックインカムの有効性について勉強になる。 "奇妙なことに、最も高額の給料を得ているのは、富を移転するだ...

私たちの生活が「経済的な計算に収束し、技術的な問題や環境問題の解決に追われ、洗練された消費者の要求を満たし続ける」時代において、富の分配をどう再定義するか。 ベーシックインカムの有効性について勉強になる。 "奇妙なことに、最も高額の給料を得ているのは、富を移転するだけで、有形の価値をほとんど生み出さない職業の人々だ。" 強烈。 私たちの生活の大半を占める無償労働が含まれていないGDPでいったい何を測り続けるのか。 著者はジャーナリストのルトガー・ブレグマン。出版時29歳、現32歳。おう。

Posted byブクログ

2021/02/03
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ベーシックインカムを知るため読んだ1冊。 ええやんBI。他にも関連書籍を読んでみたいー 1章 18世紀より豊かな今はユートピアか? なぜ今うつは10代の若者の最大の健康問題になっているのか?自分は特別な人間と考える若者は1950年の12%から今日では80%、あなたはなりたいものになれる、と自己愛を育てられて…社会に出た途端、そこは過酷な競争社会となっている。そこでは失敗も自己責任なのだ。 格差は心を壊す。 2章 BIが有用である旨の世界各国の研究。 選択肢を得た人間は怠惰にはならなかった。 2009年イギリスや、1970年代カナダのミンカム実験。 減少…栄養失調、犯罪、10代の妊娠、酒タバコの消費。    ヘルスケア費。 増加…学校成績、経済成長、男女平等、小規模ビジネス。 3章 1997年チェロキー族のカジノ。 貧困は休めない。資金繰りに思考リソースを取られて、他への認知能力を常時押し下げられるので、申込手続の煩雑なプログラム…思考リソースを消費する福祉…に申し込む事を貧困家庭は思いつけない。長期的視野も奪う。 5章 ロシアのクズネッツが80年前に築いたGDPは戦争生産能力に優れた指標。人生を価値あるものにするには新しい指標が必要。WikipediaやSkypeはGDPを下げる。 7章 1968年NYのゴミストライキと非常事態宣言。 富の創造より移動に税制優遇され、優秀な人材は移動に投資された。 8章 ロボやAIは人より生産性が高いが、車は買わない。 11章 終章 再選を望む政治家は極端なアイデアを敬遠する。急進的な物、オヴァートンの窓の外にある物を比較的穏当に見せるには、更に破壊的なアイデアを公表するのが戦略。 (著者の立ち位置からかソースノートの参照先は本よりもURLが多い…信憑性はもう本もURLも同等なんですかね。存じ上げず)

Posted byブクログ