僕が殺した人と僕を殺した人 の商品レビュー
たまらない少年時代。 豊かな映画で描かれているような少年時代。 豊かというのは、優しく温かいと同義ではなく、 その痛みまで焼き付けられてしまうような、 そんなフィルムのような豊かさ。 語り口にすっかり騙された。
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3.9 誰も薄氷の上を歩いていて、誰が人生の氷が割れて落ちるかはわからない。薄氷をともに歩いた思いは消えないって話かな。台湾版スタンドバイミー。
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面白かったです。多分、東山彰良さんは初めて読みました。 舞台は台湾とアメリカ。 アメリカで連続殺人事件を起こして逮捕された「サックマン」は、描かれる台湾の少年たちの中の誰なのか…ですが、この台湾での少年時代の描写が切なくも瑞々しくて良かったです。 ユン、アガン、ジェイ…それぞれ家族に問題を抱えていて、分かりやすく一番酷かったジェイを救おうとユンが考えてアガンも賛同したことが、三人の運命をどうしようもなく変えてしまいました。 サックマンはてっきりジェイだと思って読んでたのですが、まさかのユン。そしてジェイはユンの弁護をアガンから引き受けた。「ユンがああなったのは俺たちのせい」って悲しすぎる。 ユンが「AKIRA」のファンっていうのがこう繋がるのか…ってそれも悲しくなりました。 ジェイの恋人のエリスも良い人だなぁ。 事件の被害者遺族にしたら、こんな本は存在するのも嫌だと思いますが、ジェイときっとアガンにも必要なものだと思います。そうやって、ここから離れていく。そうしないと先に進めない。 台湾は行ったことがありませんが、ここで描かれる台湾そしてアメリカ、とても映像的でした。一本の映画を観たように感じました。
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「流」の台湾の雰囲気が気に入っていたので、読んだらハマって1日で読み切った。 一緒に少年時代を過ごした気分になって、その後彼があんな事になってしまって、切ない気持ちになりました。 また台湾もの読みたい。
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読み終わって、他の人の感想などを検索していて気付いた。ああ、ブラックライダーの人か!混沌とした世界、共感しづらい登場人物…どうりで!(直木賞の人だとか意識せず) 猥雑さと人々の活気が共存したような台湾の描写は、映画を見ているような雰囲気を味わえた。ただ、私が生きる世界、価値観とは違い過ぎてストーリーには入り込めず。
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米国で起きた連続殺人事件で捕まった犯人とその弁護士。 二人をつなぐ消えない過ち。 一人称で綴る物語と、少しずつ明らかになる犯人であるサックマンの正体。 直木賞受賞作より好きです。
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生々しく、重い話しだった。 語り手の「わたし」とは、一体誰なのか・・・その誰かが分かった時に唖然としてしまった。 何年にも渡るような濃い時間が、たった何日間の夏休みの出来事とは思えない話し。 読了後、腑抜けになった。 小雲・阿剛・ジェイの抱える過去、誰が壊れて行くか・・・...
生々しく、重い話しだった。 語り手の「わたし」とは、一体誰なのか・・・その誰かが分かった時に唖然としてしまった。 何年にも渡るような濃い時間が、たった何日間の夏休みの出来事とは思えない話し。 読了後、腑抜けになった。 小雲・阿剛・ジェイの抱える過去、誰が壊れて行くか・・・読んでいて重くて辛かった。 「僕が殺した人と、僕を殺した人」という題名がまさにピッタリで、、。 きっと再読はしないけど酷く印象に残る一冊でした。
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過去と現在が反転するところは鮮やか。途中まではドキドキしながら読んだ。後半の伏線回収と回想、現在の状況はただ悲しい。 タイトルの僕は誰のことを指しているのだか私には分からなかった。
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2019/01/02 東山さん初めて読んだ。すっきりした文章で好き。おもしろかった。後半の視点の転換に驚く。スタンドバイミーぽさ。うまい。 「世界から色が抜け落ちてしまうほどまぶしかったあの午後、ぼくは運動場で戦うジェイにあらん限りの声援を送った。ジェイに憧れて、ジェイになりたくて、声を嗄らして叫んだ。そんな誇らしい記憶までが疎ましかった。」
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カバーの写真がなんか不気味だったけど、 話は良かった。 いや、殺しちゃだめなんだけど ちょっと泣いちゃった。
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