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勉強の哲学 の商品レビュー

3.7

137件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/05/28

これはもう千葉雅也さんによる『独学大全』ではないか。双方の読者はかなり重なっているのではないでしょうか。それにつけても自分は「連想型」で行ったきり戻ってこないタイプだと実感しました。 蛇足ながらも「両利き経営」で対応付けると、  ツッコミ = アイロニー = 深化(exploit...

これはもう千葉雅也さんによる『独学大全』ではないか。双方の読者はかなり重なっているのではないでしょうか。それにつけても自分は「連想型」で行ったきり戻ってこないタイプだと実感しました。 蛇足ながらも「両利き経営」で対応付けると、  ツッコミ = アイロニー = 深化(exploitation)  ボケ = ユーモア = 探索(exploration) であろうと感じました。

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2023/02/15

破壊と創造。まさしくこの概念を理解し、勉強による自己破壊で「来るべきバカ」へ到達するプロセスを知ることができた。 著者の論理展開をこんなにも興味深く読み進めることができたのが、自分にとって不思議であった。 アイロニー・ユーモア・享楽的こだわり、これらを知っておくだけで、自分のテリ...

破壊と創造。まさしくこの概念を理解し、勉強による自己破壊で「来るべきバカ」へ到達するプロセスを知ることができた。 著者の論理展開をこんなにも興味深く読み進めることができたのが、自分にとって不思議であった。 アイロニー・ユーモア・享楽的こだわり、これらを知っておくだけで、自分のテリトリーから脱出する可能性が高まると感じた。 哲学についてのより一層の興味を掻き立てられる1冊だった。哲学にもっと触れていきたいと思う。

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2022/10/30

立命館大准教授 東大教養学部、学術博士 哲学、表象文化論 ● 読書は完璧にはできない 極論へ行けば、拾い読みは十分に読書だし、目次だけ把握するのもでも読書、タイトルを見ただけだって何かしらのことは「語る」ことができる。 180 ●書物 バイヤールによれば、読書において本質的...

立命館大准教授 東大教養学部、学術博士 哲学、表象文化論 ● 読書は完璧にはできない 極論へ行けば、拾い読みは十分に読書だし、目次だけ把握するのもでも読書、タイトルを見ただけだって何かしらのことは「語る」ことができる。 180 ●書物 バイヤールによれば、読書において本質的なのは、本の位置付けを把握すること。 勉強を深めるには、多読というか、通読はしなくてもたくさんの書物を「知る」必要がある。頭の中にブックマップをつくる。 この書物Aは、Bの影響を受けている、Bの結論はCと対立している、というような位置関係を説明できるようにする。そうすることで、ある分野の森を見渡すことができるようになる。 180

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2022/10/16

哲学者の視点から、単なる実用的な勉強だけでなく、不快勉強、ラディカル・ラーニングとは、ある環境に癒着していたこれまでの自分を玩具的な言語使用の意識化によって自己破壊し、可能性の空間へと身を開くこと(P207)ともっと根本的な勉強について誘ってくれる。 浸りきったある意味居心地の...

哲学者の視点から、単なる実用的な勉強だけでなく、不快勉強、ラディカル・ラーニングとは、ある環境に癒着していたこれまでの自分を玩具的な言語使用の意識化によって自己破壊し、可能性の空間へと身を開くこと(P207)ともっと根本的な勉強について誘ってくれる。 浸りきったある意味居心地の良い環境のもやっとする場面に一旦足を止め向き合い、アイロニー的感覚で批判的に深く潜って根拠を疑ってみる。アイロニー一辺倒では無根拠の是正に行きつき、絶対的な根拠を読み間違い思考を停止する、決断主義に陥ってしまう。 そこで、ホリゾンタルなユーモア的な見方の多様化を駆使して、果てしな広がりを仮固定する。そこには各個人の「享楽的なこだわり」によってあえて縛る。 非意味的形態としての言語が刻み込まれたときの痛みを享楽するというのが、言語を使う人間にとって根本的なマゾヒズムである(P114) 「環境の複数性=言語の複数性」(P88)言語の固有性ではなく、環境依存性をみとめユーモアを駆使して新しい味方へと旅出す。ここは、ソシュールのシニフィアン、シニフィエの概念と通ずるとこがあって胸熱。 第四章の具体的な勉強論では、金言が多かった。 自分の実感にひきつけないで読む、というのは、あるテクストを「テクスト内在的」に読むことである。テクストの構造=設定における概念の機能を捉えることである。(P184) 本の重要な部分にかんしては正確に同った表現で書いてあったのかを覚え、後々使うべき部分を「引用」として読書ノートに残しておく。 どこまでが他人の考えたことで、どこからが自分の考えなのかをはっきり区別して意識しなければならない(P190) ここは認識が甘かった。どうも自分の認識で読み替えた形のみで満足していることに気づかされた。 せっかくスマホもあるので、バシバシ読書と並行して記録して後々読書ノートでまとめる、そういった思考の定着化をめざしていきたいと思うのです。

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2022/09/20

勉強が気になっているすべての人に向けて書かれています。と最初にある。根本的に、「勉強とはどういうことか?」を考えてみませんか? と。 深く勉強しないというのは、周りに合わせて動く生き方。それは状況にうまく「乗れる」、ノリのいい生き方。周りに対して共感的な生き方。 逆に「深く」...

勉強が気になっているすべての人に向けて書かれています。と最初にある。根本的に、「勉強とはどういうことか?」を考えてみませんか? と。 深く勉強しないというのは、周りに合わせて動く生き方。それは状況にうまく「乗れる」、ノリのいい生き方。周りに対して共感的な生き方。 逆に「深く」勉強することは、流れのなかで立ち止まること、「ノリが悪くなる」こと。・・そして時間をかけ勉強すると、その段階を通り越し「新しいノリ」に変身するという。そうするとこれまでのノリでできた「バカなこと」がいったんできなくなる。「昔はバカやったよなー」というような昔のノリが失われる。しかしその先には「来るべきバカ」に変身する可能性が開けていると。この本は、そこへの道のりをガイドするものだ、と。 勉強の目的とは、これまでとは違うバカになることだ。 う~む、最初から目からうろこだなあ。まさにノリのいい生き方をしてきた自分だ。研究者は勉強して勉強して、自説を生み出し、超越したノリの世界、俯瞰した世界にいるの人なのか。 後半では勉強のやりかた。 まずは、信頼できる著者による紙の書物を読む。 まずは複数の入門書を読み比較する。「ざっと知っている」という範囲を把握し、最初の足場を仮固定する。一冊くらいでわかったと思われては困る。複数読んでいろんな角度から、分野の輪郭を眺める必要がある。 次に「教科書」 これは読み通すのではなく、入門書の理解を深めるための事典として使う。「専門分野の名前 教科書」で検索すれば紹介している記事が見つかるでしょう、とある。「社会学」有斐閣2007 と学問の名そのものの書名が多い。 次に「基本書」 これは教科書より上級のレベル。その分野の中心的なテーマについて詳しく書かれた重要文献。入門書や教科書に繰り返し出てくる文献がそれ。 ああ、これを学生時代に読みたかったなあ。しかし学びは、いくつになっても発生する。 また、中断によって、一応の勉強を成り立たせる。どんな段階にあっても、「それなりに勉強した」のです。完璧はないのです。とある。しかし中断の後に、また再開してほしい。 ・・以上、つまみ食いしました。 2017.4.10第1刷 2017.4.30第3刷 図書館.

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2022/09/07

感想 世界の見方に制限が設けられていることに気づく。それを破壊し混沌の世界に身を委ねる。そこからさらに進み自ら世界を切り分ける。そのための勉強。

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2022/08/27

後半だけ読んでもとてもためになる本だと思います。前半の自分が言語の構造の中で思考していることを知り、別の構造に移る意義とやり方について。 特に言語が消滅する前に、で書かれていたように、SNSを始めノリが重要となるコミュニケーションが溢れている状況の中で別の形を提唱してくれていると...

後半だけ読んでもとてもためになる本だと思います。前半の自分が言語の構造の中で思考していることを知り、別の構造に移る意義とやり方について。 特に言語が消滅する前に、で書かれていたように、SNSを始めノリが重要となるコミュニケーションが溢れている状況の中で別の形を提唱してくれているととらえました。 別の構造というか、普段使わない言語と使う言語を入り交えて理論展開してくださっているので、不思議と自分のいる言語の世界を意識します。いろんな専門をまたがって学ぶ、ユニークの方向に広がりを持つというのは、自分としてもやりたかった学びなので興味を持って読めました。 最後に本の内容を哲学の専門的な(ように聞こえた)背景知識、着想から説明してくださっている部分があります。ここを理解できるというのが今後の学びの一つのステップなのかなと、気が遠くなるような思いをしました。

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2022/08/26

1.勉強することの意味を考えたくて読みました。 2.勉強とは自己破壊であり、ノリが悪くなることです。これは、勉強してない今までの自分と比較し、深く勉強することで新しい環境へと変化していくことができると言っています。人はどうしても同調圧力にノッてしまう生き物ですが、勉強することは...

1.勉強することの意味を考えたくて読みました。 2.勉強とは自己破壊であり、ノリが悪くなることです。これは、勉強してない今までの自分と比較し、深く勉強することで新しい環境へと変化していくことができると言っています。人はどうしても同調圧力にノッてしまう生き物ですが、勉強することは人とは違う道を歩むことになります。そのためには、自分の考えを常に言語化しておく必要があります。言語化するためには多様なジャンルの本を読むことやメモをしておくなどがあります。 本書では勉強とは何かということを踏まえて、勉強の役立つ未来に向けて話しています。 3.言葉遣いが哲学っぽくて理解するのに苦労しました。勉強することで同調圧力を跳ね除ける、今までのノリと違くなるのは当然だと言っています。ただし、その勉強が本当にのめり込むくらい面白がっているかどうかが大切です。 「勉強しなきゃ」という危機感を持つことは大切ですし、そう思う人が少なくなっているのも事実なのですが、それよりも面白がった方がより良くなるんじゃないのかと思いました。それによって僕の場合、「なんか楽しくてやってる」くらいの感覚でいた方が身につきやすいこともわかりました。

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2022/04/29

疑うこと(アイロニー)を持ち続けることが重要⇒疑いすぎると何も無くなる(無知の知的な)⇒環境のコードをユーモアによって変換⇒無限に変換できてしまう(全てに接続されてしまう、人類補完計画的)⇒自分が持つ享楽(こだわり、特性)によってユーモアを切り取る⇒自分の京楽は自分が置かれていた...

疑うこと(アイロニー)を持ち続けることが重要⇒疑いすぎると何も無くなる(無知の知的な)⇒環境のコードをユーモアによって変換⇒無限に変換できてしまう(全てに接続されてしまう、人類補完計画的)⇒自分が持つ享楽(こだわり、特性)によってユーモアを切り取る⇒自分の京楽は自分が置かれていた(いる)環境によって偶然突発的に生成されるものなので自分の享楽自体をもアイロニーで疑う必要がある

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2022/04/04

何かを学ぶことで訪れる喪失と向き合い、それでも学ぶ。ユーモアとアイロニーの狭間で歩み続け学ぶことを説く本書は、「キモくなる」「ボケとツッコミ」など、哲学とは無縁の人生を送る人物にも届くような言葉選びがなされている。新しく学ぶ過程で言葉が意味を喪失し不気味なものになる、その手前の地...

何かを学ぶことで訪れる喪失と向き合い、それでも学ぶ。ユーモアとアイロニーの狭間で歩み続け学ぶことを説く本書は、「キモくなる」「ボケとツッコミ」など、哲学とは無縁の人生を送る人物にも届くような言葉選びがなされている。新しく学ぶ過程で言葉が意味を喪失し不気味なものになる、その手前の地点から丁寧に不気味な勉強の世界へと誘ってくれる。

Posted byブクログ