1,800円以上の注文で送料無料

パレートの誤算 の商品レビュー

3.6

148件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    51

  3. 3つ

    61

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    3

レビューを投稿

2022/01/18

派手さのない登場人物だが、市役所の仕事をよく取材されているのがわかる。 ヤクザと警察が登場すると、火曜サスペンス感すごい笑 この作者なら、殺人を絡ませなくても面白く書けるのではないか。

Posted byブクログ

2021/12/31

「パレートの誤算」柚月裕子著 「働かない蟻にも、パレートの法則の2割以外にも存在意義がある。」 1.購読動機 2021に出会えた作家さん。 将棋、家庭調査官、福祉と描かれる世界が多様なことも魅力的な理由のひとつです。 2.パレートの法則 2割のお客様が売上の8割に貢献してい...

「パレートの誤算」柚月裕子著 「働かない蟻にも、パレートの法則の2割以外にも存在意義がある。」 1.購読動機 2021に出会えた作家さん。 将棋、家庭調査官、福祉と描かれる世界が多様なことも魅力的な理由のひとつです。 2.パレートの法則 2割のお客様が売上の8割に貢献している、というパレートの法則。 これがテーマです。 3.物語の舞台 市役所/福祉課が舞台です。 生活保護を担当する職員が観察、見回りに出かけます。 帰社がなく、同僚の心配がピークに達した矢先、警察より一報が入ります。 「火災事故に巻き込まれました。」 4.柚月裕子さんの作品 ミステリーという形態をとりながら、社会の表と陰を描写してくれています。 その描写は、丹念に取材をしてこそのリアリティーを感じることができます。

Posted byブクログ

2021/11/12

市役所の生活保護担当が主人公。 ケースワーカーとして活躍していた同僚が訪問先で不審死を遂げた。不正受給が関係していると推測し、同僚と解明しようとするが触れてはいけない部分に足を踏み入れてしまったときには時すでに遅し。自身の身にも危険が及ぶ。 生活保護を主題にしたミステリー。 ケ...

市役所の生活保護担当が主人公。 ケースワーカーとして活躍していた同僚が訪問先で不審死を遂げた。不正受給が関係していると推測し、同僚と解明しようとするが触れてはいけない部分に足を踏み入れてしまったときには時すでに遅し。自身の身にも危険が及ぶ。 生活保護を主題にしたミステリー。 ケースワーカーや生活保護受給者など、リアルに描写されており、普段あまり接点のない領域であるが非常に臨場感があった。ケースワーカーは本当に大変な仕事で頭が下がる、 後半はお決まりのパターンで、前半がなかなかよかっただけに残念。無難な終わらせ方ではあるけど。

Posted byブクログ

2021/10/26

やはり柚月さんの小説は広島弁が合いますね。 生活保護の話 『明日の君へ』のような役所の話かと思ったら思いっきりサスペンスでした。

Posted byブクログ

2021/10/03

「縁の下の力持ち」 この小説で言う、「パレードの法則」の2割以外に当たる人らかな。2割の人だけで、回ってるって事ではない!って私は思う。 それに、法則とか数式で、アッサリ決まってしまう程、社会は簡単でもないし。 まぁ、2割以外側の立場の私はそう思わんとツライ…(−_−;) 重いテ...

「縁の下の力持ち」 この小説で言う、「パレードの法則」の2割以外に当たる人らかな。2割の人だけで、回ってるって事ではない!って私は思う。 それに、法則とか数式で、アッサリ決まってしまう程、社会は簡単でもないし。 まぁ、2割以外側の立場の私はそう思わんとツライ…(−_−;) 重いテーマやなぁ。それのミステリー! やり手の生活保護担当が、火事に巻き込まれる!それも焼死やなく、他殺! 役所は、パニックやけど、仕事いっぱいで、淡々と後任に選ばれた2人が引き継ぐ。でも、資料見てるとおかしい?何か隠してるんちゃう?がスタートで… 警察顔負けの聞き込みとかできるん?という疑問はあるにせよ、色々と真実が… 殺されそうになったり、大変やけど、信じてた人は間違ってなかったのだけが救いやな。 発端がお決まりの自己保身とか、面子とかやなから、何だかなぁ〜 自身の職務に誠実に実行すると、出世せんタイプと言われる…市役所も警察も… ほんまに…誠実な人が浮かばれん! と愚痴はいうけど、作品は良かった!

Posted byブクログ

2021/09/12

ケースワーカー、生活保護受給者、貧困ビジネスを描いたミステリー小説。 ミステリーとしては物足りない部分があったが上記ジャンルの勉強になった。 生活保護に関しては、 二進も三進もいかなくなってやむなく保護に至った受給者もいれば制度に甘んじる受給者もいるのが事実。個別具体的に審査を...

ケースワーカー、生活保護受給者、貧困ビジネスを描いたミステリー小説。 ミステリーとしては物足りない部分があったが上記ジャンルの勉強になった。 生活保護に関しては、 二進も三進もいかなくなってやむなく保護に至った受給者もいれば制度に甘んじる受給者もいるのが事実。個別具体的に審査をするのが理想だが人も時間も足りず、かと言って形式的に合致するものに支給するのでは国税を無下に扱っていることになる。 一概に意見を付せない点で扱いの難しいテーマ。 個人的には読了後も不完全燃焼感が残った。 一方で、主人公たちの働きぶりは自身の仕事ぶりを再考するきっかけとにもなった。 機械的にやってしまえば簡単に処理できる仕事である一方で、各生活者の受給に至った経緯や家族構成、資産状況など多角的にすることが不正受給抑制につながりその責務を全うする姿勢は、対人のビジネスである多くの職種に共通するテーマだと思う。 当たり前の心構えではあるが、膨大な事務量に忙殺される中でこれを実践するのは難しいと思う。

Posted byブクログ

2021/09/11

2021年9月11日読了。 市役所の社会福祉課臨時職員 牧野聡美、ある日ケースワーカーとして受給者の巡回をしていた上司が巡回先で焼死体で発見される。 生活保護の不正受給、その影に暗躍する暴力団、なぜ上司は焼死体で発見されなければならなかったのか? 働き蟻の法則、パレートの法...

2021年9月11日読了。 市役所の社会福祉課臨時職員 牧野聡美、ある日ケースワーカーとして受給者の巡回をしていた上司が巡回先で焼死体で発見される。 生活保護の不正受給、その影に暗躍する暴力団、なぜ上司は焼死体で発見されなければならなかったのか? 働き蟻の法則、パレートの法則とは?

Posted byブクログ

2021/09/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

柚月 裕子 5作品目。 生活保護不正受給問題に闘うケースワーカーの奮闘記。 私はこれまで、”生活保護”は私の税金から自分たちの生活費をもらって、働かないで暮らすものだと信じていました。ただ、親族審査とか、持ち家も、クルマも、クレジットも持てないのは、やだなってことくらいでした。 本書を読んで、働けない人が働くことに繋がるまでの支援であることにやっと気が付きました。 そして、気が付いたことが2つ。いつの間にか、日本はこんな国になってしまたんだなぁ、と。 ①生活保護の可否については、言及しないけれども、このご時世、生活保護を申請しなければならない立場に自分が立っていないことは幸運かもしれない、と。一歩違えば、私自身が生活保護者にっていうのは、きっと、冗談ではなかったかもしれない ②望んだ仕事に誰もが就けるわけじゃない。夢が叶わない者の方が圧倒的に多い。だから、生活保護になったら(ならなくても)、生きていくために仕事を選んでいる場合じゃない。意に沿わなくても、その中で、生きているみんな。 終章の学生の寄稿文「パレートの誤算」。すべてが、これに繋がるための、序章のようでした。とくに、「この仕事をしていてよかった」、生活保護が必要だと、誰にも訴えかけるものでした。 1点だけ残念なのが、聡美が生保受給者に同情してお金を立て替える場面。後の美談に繋がる逸話だけど、これは絶対NG。誰がみても。

Posted byブクログ

2021/09/05

ミステリーとしても楽しめたし、「ケースワーカー」や「貧困ビジネス」など、社会問題の勉強にもなった。 「生活保護の闇」がテーマで現実社会でも起きていることなのか…とモヤモヤする部分も多かったけど、最後は作者の前向きな考えで締め括られていて良かった。

Posted byブクログ

2021/08/11

* 市役所の臨時職員に採用された聡美は 取得した福祉の資格が活かせると考えていたが 配属されたのは生活保護受給課だった。 人手不足の中、入庁後直ぐにケースワーカー としての業務に就く事になり不安で戸惑う。 そんな聡美に先輩のケースワーカー山川は いつかこの仕事をしていて良かった...

* 市役所の臨時職員に採用された聡美は 取得した福祉の資格が活かせると考えていたが 配属されたのは生活保護受給課だった。 人手不足の中、入庁後直ぐにケースワーカー としての業務に就く事になり不安で戸惑う。 そんな聡美に先輩のケースワーカー山川は いつかこの仕事をしていて良かったと思える時がくる 、と激励した。 初めての現場に挑んだその日、先輩の山川が 市役所に戻らない事態が発生する。 生活保護について、受給者とその対応をする 市役所職員の両方の姿が描かれる。 不正に身を染める人、 不正を許さない人、 悪意ばかりだと諦める人、 悪意だけでないと希望を見据える人、 いくつもの真実が人の数だけある。 パレートの法則が全てではないと思える物語。 規則だからなにもできないではなく、 たとえ規則を破ってでも、 本当に相手のためになることをする そんな熱い使命感を持つ者が、 優れた職業人だ こんな心をもっていられたら  と、聡美が眩しく思えた。

Posted byブクログ