やめるときも、すこやかなるときも の商品レビュー

窪美澄(著者)

2023/10/27

「やめるときも、すこやかなるときも」　窪美澄　★★★☆☆

悪くないけど取り立てて感想もない。
終始同じペースで話が進みます。
#引用
・好きという気持ちには少なからず不純物が混じっている
・結婚ってこういうものかとふと思う。誰かにとって大事な誰かを、誰かに大事にしてほしいと思う気持ち。

2017/09/22

良かった。読み終わった瞬間、良かったと素直に思えた。

三十二年も生きていれば、人は皆それぞれの事情を抱えているし、脛に剥がせない瘡蓋の一つや二つ持っていたり、劣等感を抱えて自分を卑下したり、と色々あるはずだ。
この人と一緒にいたら、抱えている暗い出来事に対して正面から向き合える。
そんな特別な相手が側にいることこそが大事なことだと思う。

物語の中で彼女はよく彼を「背負う」と言っていたけれど、そういう一方的なことではなく、共に寄り添い二人で手を繋いで歩んで行ってほしい。
やめるときも、すこやかなるときも、その命ある限り、ね。

2017/09/22

壱晴の行動がいまいち受け入れられず。
「大切な人とトラウマを乗り越えたい」というのはわかるけど、それが過去の恋人絡みなら、やっぱりNGじゃないかと思う。
しかも男性に慣れていない桜子と・・・。
プロポーズの場面はもう少し丁寧に描写して欲しかった・・・。
驚いたのはラスト、桜子と婚約してからも、真織の写真を飾り続けているところが信じられなくて、読み直したくらい。
桜子の壱晴への想いは、可愛らしくて好感が持てた。痛い、重いという人が多いのかな。そう思わないのは私自身も痛い、重いタイプって事なのかも？

2017/09/13

人は、少なからず損得感情があって、人と交流するもの。
三十路男女の心情が、リアルだったな。
利用価値以上のものが生まれるとき、人は人と寄り添いたいと思えるのかもしれない。

2017/09/05

久しぶりに読んだわりとこてこてな（個人的意見）恋愛小説。『晴天の迷いクジラ』や『よるのふくらみ』などの窪さん作品とは違い、どこかほんわりとした雰囲気を持った小説だった。
過去の喪失により１２月の数日間だけ声が出なくなる家具職人の壱晴と、恋愛ベタで処女の桜子。出会いこそは理想的なものではなかったけれど、二人は付き合うことになる。けれど未だにかつての恋人の存在を消し去ることのできない壱晴に、桜子は葛藤しながら向き合っていく。そして不器用な二人を取り巻く哲先生や妙子、美恵子や桃子が皆個性的で、それでいてリアルにいそうな感じがとてもいい味を出している。誰もが支えあって生きている。孤独のように思えてもどこかで細い糸でつながっている。哲先生の病室でのシーンを読んでいて、そう思った。
『やめるときも、すこやかなるときも』なんて言葉は結婚式でしか聞かないなぁ、結婚の話なのかなぁとぼんやりしながら買った本だった。たしかに壱晴や３２歳の桜子はこの物語において結婚を何度か意識する。１７歳の壱晴は真織と、３２歳の桜子は壱晴と。１７歳の壱晴にとって結婚とは二人がお互いを愛し合っているからすること。それ以外の要素はふたりの世界から遮断されたもので、真織を父親から遠ざけるための手段のようにも思える。しかし１０年以上経って、いざ桜子と結婚するときには二人の感情以外の要素も考慮しなければいけない。お互いの家族、経済、仕事、暮らし。それらと向き合いながら、やっと結婚は成立するんだと思った。結婚という二文字の抱える深さを考えさせられたそんな物語だった。

2017/08/31

読んで数日後に内容を思い出そうとしたら、まったく思い出せなかった・・・、ワタシにとってはそれくらいのお話でした。

2017/08/21

もう少し読み応えが欲しかった。冒頭は期待を持ったものの、プロットの割にどうしても最後まで主人公二人の"生の厚み"みたいなものを感じ得なかったのが残念。
###
普通だったら☆3つ付けているだろうところ、前々作"さよなら、ニルヴァーナ"に著者が注入したであろうエネルギーを非常に高く評価しているため期待値が高くなっている感あり。

2017/08/17

よくある高校生時代に好きだった女の子が亡くなってしまって現在も引きずってる男が過去を断ち切って現実と向き合うお話。ヒロインの女の子も30歳で処女で痛い感じで、、、この手の話は飽きたしワンパターンだし正直全く好みではなかった。
題名が素敵だから楽しみにしてただけにがっかりだな。恋愛小説の鉄板が好きな人は絶対好きだろうし、泣ける！という人も多いだろうなぁ。映画化とかしそうな典型的パターンかな。
ただ、全く好みじゃないしなりゆきも見えてるしいつもの窪さんのがいいー。

2017/08/02

高校生時代の壱晴の話の部分は没頭して読んだ。真織と過ごすことのできなかった時間と断ち切れない未練の辛さを思いながら読んだ。
いっぽうで細かい描写が場面場面で足りないように感じた。そして壱晴のキャラがぶれているように感じた。どんな人なのかよく分からない。

2017/08/14

今までの作品と、雰囲気もテーマも違う。アクが抜けたというか、無いというか。
ちょっと物足りない感はあったけれど、オーダーの職人の世界に触れると、つい本旨じゃないはずのそっちに関心が寄ってしまう。「知る」って大事で難しい。
2017/6/6読了