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人類と気候の10万年史 の商品レビュー

4.4

64件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/06/26

内容はしっかり書かれているが、個人的に興味がない内容どったので評価低。 全体を通して、何がポイントなのかが分かりにくい。

Posted byブクログ

2023/02/13

昨今では我々人間の活動が地球温暖化を進めていると騒がれている。 ここ近年のCO2濃度とか気温の上昇とかのグラフを出して、「このままではまずい」、「どうにかしないと」と。 もちろん人間の活動によって地球の気候が変動している部分もあるが、それは100年とかの話であって、地球からしたら...

昨今では我々人間の活動が地球温暖化を進めていると騒がれている。 ここ近年のCO2濃度とか気温の上昇とかのグラフを出して、「このままではまずい」、「どうにかしないと」と。 もちろん人間の活動によって地球の気候が変動している部分もあるが、それは100年とかの話であって、地球からしたら一瞬の出来事だ。数千年、あるいは数億年単位で地球の気候変動を見ると、現代の気候は寒冷な方で、かつ安定している。 かつての地球の気候は変動が大きく、気候が大きく変わることを予測することは非常に難しい。 だから未来予測でグラフの線を単純に伸ばすだけは理にかなっていない。そんなのは分からないが正解だ。 多くの要因が存在してその影響を受ける気候の歴史を研究し、またそれを踏まえて未来を見据える。 大きいことをしているが、研究はすごく地道なことも多く、研究者には頭が上がらない。 終わり方もはっきり言えばこの先どうなるか分からないと書かれている。でも、人類の可能性も際限がない。それに期待を持ちつつ、今できることに全力で向かう著者は非常にかっこいい。

Posted byブクログ

2022/09/11

福井県三方五湖の水月湖の年縞を掘削するまでの過程からその苦労話をまじえながら、過去の地球の気候を振り返り、未来の気候がどうなるのかわかりやすく説明した本。 非常にわかりやすいが、タイトルの10年史から歴史を古い方から振り返る本かと思ったら、著者が取り組んだ水月湖の話が中心だった。...

福井県三方五湖の水月湖の年縞を掘削するまでの過程からその苦労話をまじえながら、過去の地球の気候を振り返り、未来の気候がどうなるのかわかりやすく説明した本。 非常にわかりやすいが、タイトルの10年史から歴史を古い方から振り返る本かと思ったら、著者が取り組んだ水月湖の話が中心だった。 今後100年で2℃~5℃平均気温が上昇するというIPCCの予想は、氷期の安定しない気候に比べるとむしろ穏やかとすら言える。もし今後氷期がきたら農耕が崩壊して増えまくった人類は激減するおそれがある。 本書で一番衝撃的なのは二酸化炭素・メタンガスの温室効果ガスは8000年前から増加しているという説。人類の森林伐採と農耕によって両者が増加しているということ。つまり人間が温暖化させていったことで暮らしやすい気候になっていたのだ。もはや温暖化がいいことのなのか悪いことなのかは哲学の領域。

Posted byブクログ

2022/09/29

https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057434

Posted byブクログ

2022/08/15

もっと評価されてもいい本。とても面白かった。 気候変動に関する予測はどれも絶望的なものばかりで、これに関する一般書はその事実を開示することで我々を憔悴させて終わるものが多い気がする。温暖化をすぐに止めることが現実的に不可能である以上、必要なのは気候が変わることが止められないなら...

もっと評価されてもいい本。とても面白かった。 気候変動に関する予測はどれも絶望的なものばかりで、これに関する一般書はその事実を開示することで我々を憔悴させて終わるものが多い気がする。温暖化をすぐに止めることが現実的に不可能である以上、必要なのは気候が変わることが止められないならどういう心構えが必要なのかを多少なりとも提示してくれる本だ。本書だって、何も今後の気候変動に関してあえて楽観的なことを言ったり、まして温室効果ガスの排出による温暖化を否定するような内容では一切ない。ついでに言うと、今後我々が向かう方向に関して明確な答えを示してくれるものでもない。ただ、そもそも地球にとって、生物にとって、あるいは人類にとって気候変動とは何であったのかという前提を抜きに、今後を悲観するばかりでは何も建設的な議論ができないのだということに気づかせてくれる。 自分は文系であるとはいえ環境問題に関心がある方だし、今までも気候変動を深刻に受け止めているつもりではあった。でも本書を読んで、そもそも気候変動とは何かについて全然知らなかったんだなと思った。 あと、学者が問題解決に取り組んでいく中での苦労の話とか、学説が国際的な学術ネットワークの中でどのように編まれていったのかという話が散りばめられていたのも良かった。そういうのを読めるのは、学者が書いた一般書を読む醍醐味の一つだと思っている。水月湖の湖底の調査についての苦労話は著者の別の本により詳しく書いてあるらしいので、ぜひそちらも読みたい。 相手が誰であっても、基本的に自信を持ってお薦めできる本だった。

Posted byブクログ

2022/07/20

現在は来る2050年・2100年に向けての温暖化対策が世界で講じられているところですが、本書で扱う時間軸は10万年であり、2度や4度をはるかに超えるスケールで寒冷期を含む気温サイクルがあることがわかります。果たして現在の脱炭素化取り組みは正しいのかとふと考えてしまいそうですが、そ...

現在は来る2050年・2100年に向けての温暖化対策が世界で講じられているところですが、本書で扱う時間軸は10万年であり、2度や4度をはるかに超えるスケールで寒冷期を含む気温サイクルがあることがわかります。果たして現在の脱炭素化取り組みは正しいのかとふと考えてしまいそうですが、それだけ地球の歩んだ歴史が人類史対比であまりにも長いということの証左であるといえます。

Posted byブクログ

2022/06/27

人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか。中川毅先生の著書。人類と気候の10万年の歴史を振り返ると現代の温暖化問題をはるかにこえるような気候変動問題や気候激変問題があった。そのような気候変動問題や気候激変問題を乗り越えてきた人類なのだから現代の温暖化問...

人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか。中川毅先生の著書。人類と気候の10万年の歴史を振り返ると現代の温暖化問題をはるかにこえるような気候変動問題や気候激変問題があった。そのような気候変動問題や気候激変問題を乗り越えてきた人類なのだから現代の温暖化問題や気候変動問題なんていとも簡単に乗り越えられるなんて思うのは現代人の傲慢な思い上がり。現代の温暖化問題や気候変動問題に真摯に向き合う謙虚さが現代人に必要。

Posted byブクログ

2022/05/10

水月湖、年縞。聞きなれない言葉だが、考古学と気候をつなぐ貴重な場所とそこからだけ得られる尊い過去の記憶。研究に対する熱量にあふれた著者が、過去の気候変動の波の中に誘ってくれる。緩やかにそして唐突に訪れる激しさに、気候さながらに導かれる先には、すっかりこの分野の魅力を感じる自分を見...

水月湖、年縞。聞きなれない言葉だが、考古学と気候をつなぐ貴重な場所とそこからだけ得られる尊い過去の記憶。研究に対する熱量にあふれた著者が、過去の気候変動の波の中に誘ってくれる。緩やかにそして唐突に訪れる激しさに、気候さながらに導かれる先には、すっかりこの分野の魅力を感じる自分を見つけることでしょう。良い本です。

Posted byブクログ

2022/05/02

古気候学研究のフロントランナーたる著者とその研究チームは、地道で繊細な研究を通じて過去数万年分の気候変動の解像度を上げることに成功します。 地質学的分析で判明する植生景観をヒントに対象年代の気候を推定するアプローチは、非常に高度な操作や分野横断的な知識、また複数の研究機関との協働...

古気候学研究のフロントランナーたる著者とその研究チームは、地道で繊細な研究を通じて過去数万年分の気候変動の解像度を上げることに成功します。 地質学的分析で判明する植生景観をヒントに対象年代の気候を推定するアプローチは、非常に高度な操作や分野横断的な知識、また複数の研究機関との協働・分業を必要とするものでした。彼らの驚くべき知性と根性、ファクトに対する真摯な姿勢には敬服するばかりです。 「自然は、人間が引き起こすよりもっと激しい気候変動を、内部から発生させる力を潜在的に持っているのである」という記述が印象的でした。 人間の活動に起因する環境問題を矮小化している訳ではなく、農業や科学技術に立脚した現代の文明が氷期のより大きな気候変動にどのように適応するのか、というさらにシビアな問いかけです。 その問いに対する答えを出すにはD&Iが必要である、というのが着地点でしたが、著者は膨大なデータを通して地球と対話し続けたのですから真に迫るものがありますし、共感できる結論でした。 研究の過程と成果を一般向けの書籍にわかりやすくまとめてくれたことだけでも価値がありますし、筆致も良質で面白かったです。あと、全体を通しての構造が非常にロジカルで、章から章へ展開を追いやすいのも素晴らしいと思います。

Posted byブクログ

2022/02/23

地球は温暖化が進みつつあるが、果たして100年後の気候がどうなっているかは誰にも分からない。 本書はそれを想像するヒントを与えてくれる。 水月湖の特殊性や世界基準となった経緯、数万年単位の気候変動など初めて知る事が多く、知的好奇心も満たしてくれる。 この先の気候変動がどうなる...

地球は温暖化が進みつつあるが、果たして100年後の気候がどうなっているかは誰にも分からない。 本書はそれを想像するヒントを与えてくれる。 水月湖の特殊性や世界基準となった経緯、数万年単位の気候変動など初めて知る事が多く、知的好奇心も満たしてくれる。 この先の気候変動がどうなるかは分からないが、氷期も生き延びた人類の賢さと多様性が今後ますます問われると思う。

Posted byブクログ