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人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか ブルーバックス
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2017/02/01 |
JAN | 9784065020043 |
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人類と気候の10万年史
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人類と気候の10万年史
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商品レビュー
4.4
66件のお客様レビュー
気候変動問題は昨今注目を集めているが、古代の気候変動を知るとそのスケールの違いに驚かされる。現代は氷河期の間にある温暖で安定した間氷期に当たり、非常に落ち着いている。気候は線形に変化するものではなく、不安定な変化が内在するシステムである。また、地球の公転自転運動の影響を受けて変化...
気候変動問題は昨今注目を集めているが、古代の気候変動を知るとそのスケールの違いに驚かされる。現代は氷河期の間にある温暖で安定した間氷期に当たり、非常に落ち着いている。気候は線形に変化するものではなく、不安定な変化が内在するシステムである。また、地球の公転自転運動の影響を受けて変化するダイナミックなシステムである。 筆者の専門は花粉の古代の地質に含まれる花粉をもとに過去の気候を分析することが専門らしい。福井県にある水月湖の年縞特定のエピソードも非常に興味深かった。
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気候変動を語る際に我々の暗黙の前提として、これまでの有史以来気候が安定していたというバイアスがある。つまりこれから起こり得る気温上昇はイレギュラーな事態であり、人類の歴史上未曾有の危機が訪れるといった気候危機論が言われるのは、標準となる安定的な気候があってこそである。 しかし本...
気候変動を語る際に我々の暗黙の前提として、これまでの有史以来気候が安定していたというバイアスがある。つまりこれから起こり得る気温上昇はイレギュラーな事態であり、人類の歴史上未曾有の危機が訪れるといった気候危機論が言われるのは、標準となる安定的な気候があってこそである。 しかし本来は、地球の気候は安定していない。とくに10万年というスケールで捉えると、実はたった数年で7℃も気温が上昇した時もあれば、今よりも10℃以上低い時代もあり、海面は±100mも上下していた。そんな過去の気候の積み重ねを調査する年縞と呼ばれる地質調査上の標準が、実は日本国内にある。 福井県三方五湖の一つ水月湖には、湖底に45m・実に7万年分もの年縞が堆積しており、その堆積物を調べることで気温や降水量、植生といった様々な情報を得られる。そこからはダイナミックに気候を変動させ、それに合わせて大幅に生物相を変化させてきた歴史が垣間見える。恐竜のいた温暖な時代も、日本が大陸と地続きになっていた寒冷期も、年縞によって特定できるのだ。 そして現在は、温暖期が終わり氷期に向かっていると考えられるが、8000年前の農耕が始まった頃から寒冷化の傾向はストップしている。つまり、人類活動の影響が産業革命以前より始まっていることが指摘されている。まだまだブラックボックスが多く気候変動の行方も分からない点は多々ある。それでもその基準となる年縞が日本国内にあるという事実は、日本人にとって責任感を思い起こさせるには十分であろう。
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古気候学・地質年代学の導入として,主に水月湖に堆積する年縞の研究について説明される。ミランコビッチ理論との関連も面白い。
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