笑いのカイブツ の商品レビュー
神様がいないことを真っ直ぐにわからせてくれる本。 世の中は完全に捻れていて、正しいことは正しくないことになってしまう。 だから、正しい人が正しいままでいるにはカイブツを育てることになるのだろう。 この本を読んで、生きていることが恥ずかしくなった。 中途半端な幸せを大事に抱えて...
神様がいないことを真っ直ぐにわからせてくれる本。 世の中は完全に捻れていて、正しいことは正しくないことになってしまう。 だから、正しい人が正しいままでいるにはカイブツを育てることになるのだろう。 この本を読んで、生きていることが恥ずかしくなった。 中途半端な幸せを大事に抱えて、贅肉だらけの生活をしている。 恥ずかしさが泣いているときだけ麻痺してくれるので、本を読みながら泣いているのをそのままにした。 この本の作者には絶対に会いたくない。自分の顔を見られたくない。 奇しくも、最終章タイトルの「死にたい夜を越えていく」は又吉直樹の「夜を乗り越える」というタイトルと似ている。 二つの本を読んだときに感じる深い昏さに比べたら、自分はまだ一度も夜を迎えたことがないと思った。 だから、私ではない誰か、カイブツが潜む夜を抱えた人に届いてほしい本だった。 暗闇に目が慣れた人たちならば、お互いの暗がりの側にカイブツがいることに気がつけるのかもしれない。
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わたしにとっての砂嵐はなんだろう 真っ黒い紙にそのまま鉛筆で書きなぐったような本だとおもった この本こそ砂嵐だ オードリーのANNリアルタイムで聴いていたので感慨深かった。
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普段からいわゆる「お笑い」というものにはあまり縁がなく、免疫もないまま読んでしまったので、あまりの衝撃に後ろむきにぶっ倒れそうでしたよ、いやほんと。 この業界の厳しさくらいは知っていましたよ。裾野はやたらと広いのに、頂点の高さやそこへの道はあまりにも厳しくそこに居続ける芸人たちな...
普段からいわゆる「お笑い」というものにはあまり縁がなく、免疫もないまま読んでしまったので、あまりの衝撃に後ろむきにぶっ倒れそうでしたよ、いやほんと。 この業界の厳しさくらいは知っていましたよ。裾野はやたらと広いのに、頂点の高さやそこへの道はあまりにも厳しくそこに居続ける芸人たちなどほんの一握り、などなど。でもまさかここまで血まみれの道だったとは。 私たちがテレビのまえでくつろぎながら気楽にゲラゲラ笑って見ているあの「笑い」の裏側にこんなにたくさんの死体が累々と横たわっているなんて。 いやぁ、もう⒈ページごとに「お笑いなめんなよ」という思いがビンビンと伝わってきちゃって背骨ぎしぎし言わせながら読みましたよ。ツライなぁ、お笑い。こんなに多くの死屍累々のツラさの上にあるからこそお笑いってのは私たちを心底楽しませてくれるんだね。ほんとにびっくり、いやびっくりというかなんというか、もうこれから寝転んでお笑いなんて見られませんよ、正座して見ます、はい。
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【伝説のハガキ職人が命をかけて書き上げた】人間関係が極度に不得手ゆえに孤独な青春を送る青年は、狂気に等しい熱情で「お笑い」を生み出しはじめる。魂震える傑作!
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