終電の神様 の商品レビュー
「化粧ポーチ」 家族に隠していた事。 こういう趣向は中々打ち明けにくい事だろうが、まさかこんな形でバレてしまうとは誰が思ったろうと思うが理解のある方で良かったな。 彼のチグハグな格好を見たら、出会う人々が驚いた顔や少し引くのも無理はないと思うし指摘するにも難しい事だからな。 「...
「化粧ポーチ」 家族に隠していた事。 こういう趣向は中々打ち明けにくい事だろうが、まさかこんな形でバレてしまうとは誰が思ったろうと思うが理解のある方で良かったな。 彼のチグハグな格好を見たら、出会う人々が驚いた顔や少し引くのも無理はないと思うし指摘するにも難しい事だからな。 「ブレークポイント」 突然告げられた休日。 いくら信用している部活であり一人で抱えるには辛い問題だからと言って話していい事、悪い事はあると思うけれどな。 間に合わないなら間に合わせるように根を詰めてやれと言うのではなく、一度休めと言ってくれる社長は優しくいい人だとは思うが納期をどう伸ばすのだろうか。 「スポーツばか」 ニュースにならない火事。 どちらか一方に余裕がないと楽しいはずの空間が一気に冷めてしまい、自分一人だけかもしれないが逃げ出したいぐらい苦しい空間になるだろうな。 彼女の言葉は最後の手紙によって彼に届いたのだろうけど、必死に考えたのだろうがもっとマシな言葉はないのかと思うぐらい子供が考えた様な嘘だったな。 「閉じない鋏」 最後に伝えた言葉。 商店街などで細々常連さんで続けているお店だと、やはり子供にお店を継いでもらいたいと思うのは普通だろうがそのレールの上を歩くのが息苦しくなる時もあるだろうな。 最後の最後に家族皆が揃っただけでも嬉しいだろうに、最後にやってきた息子から最後に聞いた言葉が夢にも見た言葉だったなんて幸せだったろうな。 「高架下のタツ子」 昔話を聞けば聞くほど。 同じ場所で大切だった人が二度もとなると、普通ならその土地を離れ忘れようとする様な気がするが彼はその場に居る事によって忘れない様にしているのかもな。 人によれば彼の人生は相当苦労した物であり不幸だと言うかもしれないが、彼自身が笑わずとも人に話せるだけの話にしているのであれば今は不幸とは縁遠いのだろうな。 「赤い絵の具」 どうしても欲しい色。 教師の中でも思い込みの激しいタイプなのだろうが、自分の保身のためというのが一番の理由だろうが誰の気持ちにも寄り添えてないし守れてないな。 彼女のような理由で深く傷をつくるような人も居るのかもしれないが、それを咎めず見守る母親は誰よりもよき理解者であるな。 「ホームドア」 故意ではなく偶然が重なる。 突然自分の見に起きた事を瞬時に理解出来る人など殆ど居ないだろうし、特に非日常な状況になればなる程訳が分からなくて動けないだろうな。 言葉は悪いが何かしら相手に対し恩を売った者が名を告げず立ち去る事は良くあるだろうが、助けられた者からしたらせめてお礼の一言だけでもと思うだろうな。
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繋がりある短編集シリーズ 登場人物で繋がるのではなく、ある最終電車により繋がる人たちの短編集という構成。 それぞれの人生があり、 終電が作るドラマがあり、 その全てが希望を感じさせる。 最後に希望を感じる系は好き。 読んでいて一作ずつちゃんと幸せになる。 色んなことにしん...
繋がりある短編集シリーズ 登場人物で繋がるのではなく、ある最終電車により繋がる人たちの短編集という構成。 それぞれの人生があり、 終電が作るドラマがあり、 その全てが希望を感じさせる。 最後に希望を感じる系は好き。 読んでいて一作ずつちゃんと幸せになる。 色んなことにしんどくなったりした時に、読む元気が無くても、それぞれの作品が読みやすく完結されているので、読むことができると思う。 そして気持ちが少しでも上がると思う一冊。
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終電をモチーフにした、読みやすい短編集です。祖父をガンで亡くしたばかりなので、「閉じない鋏」は涙なしでは読めませんでした。 読みやすすぎて物足りないところはあるかもしれませんが、わたしはどの話も温かみを感じて好きです。
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・5/17 読了.並行して読んでた同じ電車がモチーフの作品「止まりだしたら走らない」に比べてこちらの方がシリアスな物語が多かった.
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阿川大樹さんの出世作、電車を利用するさまざまな人々のささやかな人生の物語を集めた笑いあり涙ありの1冊目です。私も毎日通勤電車を利用させて頂いておりますので人身事故・車両故障・踏切異常、等々による時折ダイヤの乱れも日常茶飯ではありますね。予定に狂いが生じて苛立つ気持ちの半面で時間を...
阿川大樹さんの出世作、電車を利用するさまざまな人々のささやかな人生の物語を集めた笑いあり涙ありの1冊目です。私も毎日通勤電車を利用させて頂いておりますので人身事故・車両故障・踏切異常、等々による時折ダイヤの乱れも日常茶飯ではありますね。予定に狂いが生じて苛立つ気持ちの半面で時間を置く事によって冷却期間が生まれ逆に予期せぬプラス効果を生む事もあるのですね。本書を読むと何処かに終電の神様はいて遥か高みから我々を優しく見守ってくれているのだと信じたくなりますね。心に深く刻まれる話が多く次も必ず読もうと思います。 『化粧ポーチ』男って奴は美形に弱いから簡単に騙されちまうんだよなあ。『ブレークポイント』急がば回れでボクシングもまた楽しい。『スポーツばか』不幸を呼ぶ嫌な手紙はみな燃えちゃえば良いのにね。『閉じない鋏』父さんはきっと息子の言葉に安心して旅立ったのだと確信します。『高架下のタツ子』数々の悲しみを笑いに変えて頑張らなくちゃね。『赤い絵の具』今迄の誤解を解いてスッキリと和解するんだよ。『ホームドア』ギリギリやっと間に合って三十三年ぶりに聞く命の恩人の声。本当によかったね。全ての人身事故がなくなります様にと願う。
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人身事故から始まる7つのストーリー。 ありそうな日常が極めて普通に語られているが、 最後のお話だけは思いが染みた。
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夜の満員電車が人身事故で運転見合わせ。 父親が危篤で病院へ急ぐ人、恋人の元へ向かう人、終わらない仕事を抱える人、痴漢に遭う人、キヨスクの人。 緊急停車が、誰かの人生にとっては大きなポイントになる。 いつも電車で読んでいるので、急に周りの人が気になりました。 名前も何もわからない...
夜の満員電車が人身事故で運転見合わせ。 父親が危篤で病院へ急ぐ人、恋人の元へ向かう人、終わらない仕事を抱える人、痴漢に遭う人、キヨスクの人。 緊急停車が、誰かの人生にとっては大きなポイントになる。 いつも電車で読んでいるので、急に周りの人が気になりました。 名前も何もわからない他人同士が、ありえない至近距離で過ごす満員電車って変な状態ですよね。 一人一人に人生があって、いろいろなドラマがあったりなかったり。 短編集なので読みやすく、個人的には『スポーツばか』がよかったです。
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話の中で電車が出てくるが、終電が重要な意味を持っているわけではない。 7つの短編集です。 少ないスペースに人間模様をぎゅっと詰め込んでいる感じがした。読み易いが、ちょっと疲れた。
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読みやすい。こういう温かみのある小説で小分けになっているものを毎日少し読むと心にもいい影響が出る気がする。日々の多忙さの中で情緒を失わずに生きよう。
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2019年23冊目。ある終電に乗った何人かの人物にスポットを当てた短編集。過去に「D列車でいこう」を読んでよかったので、この本も手に取ってみた。印象に残ったのは、女性だと思っていた人物が実は男性だった「化粧ポーチ」、最後は物悲しくなった「閉じない鋏」、探していたものはすぐ近くにあ...
2019年23冊目。ある終電に乗った何人かの人物にスポットを当てた短編集。過去に「D列車でいこう」を読んでよかったので、この本も手に取ってみた。印象に残ったのは、女性だと思っていた人物が実は男性だった「化粧ポーチ」、最後は物悲しくなった「閉じない鋏」、探していたものはすぐ近くにあったという結末の「ホームドア」。どの話も何らかの形で色々な感情が心に残る。良い短編集だなと思った。続編も手に入れているので引き続き読んでいきたいと思う。
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