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終電の神様 の商品レビュー

3.1

159件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    69

  4. 2つ

    26

  5. 1つ

    7

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2019/11/30

人間が持っているちょっとした歪みを人間の本質として捉えてくれるところに救いを感じた人は大勢いたと思う。登場人物たちは緊急停車した電車の中でそういった自分と向き合いながらいま直面している現場に向かおうとしている。それは現実を無視しているわけでもなく、幻想に囚われるわけでもなくちょう...

人間が持っているちょっとした歪みを人間の本質として捉えてくれるところに救いを感じた人は大勢いたと思う。登場人物たちは緊急停車した電車の中でそういった自分と向き合いながらいま直面している現場に向かおうとしている。それは現実を無視しているわけでもなく、幻想に囚われるわけでもなくちょうど中間の位置で人間の生き方を俯瞰しているわけだ。そういった意味で電車を舞台にされたことはとても有意義だったのではないかと感じる。だが強いて言うならタイトルが悪い。終電の神様。これでは電車に乗るまで抱えていた個人的な歪みが神様によって解決されるような、どこかファンタジックな物語だと捉えられても仕方がないだろう。電車の中には神様はいなかった。読後の感想とタイトルとの齟齬に少し歯痒い思いをした。

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2019/10/28

短編集。この作品は終電の神様と銘打ちながらも、みんなが事故遅延の終電に乗り合わせたからどうだという話ではないと思います。要は企画として"終電"というテーマが意味をもたせる部分は希薄ながらも、日常に潜む些細な不安を絡ませつつ自分自身を顧みる各話の主人公がその動機...

短編集。この作品は終電の神様と銘打ちながらも、みんなが事故遅延の終電に乗り合わせたからどうだという話ではないと思います。要は企画として"終電"というテーマが意味をもたせる部分は希薄ながらも、日常に潜む些細な不安を絡ませつつ自分自身を顧みる各話の主人公がその動機や周囲との関係性も含めて、人間としてなかなかいい味出してます。ほっこり系。

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2019/10/08

終電がテーマの短編集。ここで終わり…?という話が多くて、消化不良だった。帯に惹かれて買ったけど、過剰評価だと思う。 床屋の話はうちと重なり泣けた。

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2019/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

終電である必然性もないし、電車の緊急停止がターニングポイントとなる物語だってそんなにない。この作者のこの作品におけるトライが何だったのか、さっぱり分からなかった。全体としてなんだか薄暗い印象の小説で、展開は軽めのハッピーエンドなのに、何でだろう?緊急停止した理由に、人身事故が含まれていたりするからなのかな。それとも、満員電車を思い出すと、それだけで鬱屈とした気分になるからだろうか。

Posted byブクログ

2019/09/25

終電にかけなくてもいいような物語も結構あったが、終電に乗るという「日常」と物語の少し変わった「非日常」のコントラストは効いていてどれも興味深く読めた。

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2019/08/22

「終電」をテーマに、繰り広げられる短編小説集。 時として、同じ電車に居合わせたサラリーマンの視点やOLの視点で。 あるときは、止まってしまった電車の外から。 たまたま乗り合わせた電車で、同じ時間を共有する人々をいろんな視点から眺められるのは面白いとは思う。 ただ、どれもほんのり...

「終電」をテーマに、繰り広げられる短編小説集。 時として、同じ電車に居合わせたサラリーマンの視点やOLの視点で。 あるときは、止まってしまった電車の外から。 たまたま乗り合わせた電車で、同じ時間を共有する人々をいろんな視点から眺められるのは面白いとは思う。 ただ、どれもほんのりと薄暗く、そこはかとなく闇を背負った人物話が多い。 最終電車っていうのは、そういう場所なんですかね、やっぱ・・

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2019/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019/8/19 前半の方がよかった。 後半になるにつれ「え?終わり?」ってのが。 現実なんてそんなもんでスッキリ片が付くなんてことほとんどないんだけど。 だからこそフィクションではスッキリしたい、全部知りたいとも言える。 余韻や余白を残すのもいいんだけど、私の感覚ではここからもうちょっとだけ教えて欲しかったんだなぁ。 タツ子さんのこととか、富田のこととか。

Posted byブクログ

2019/08/14

小洒落た風な言い回しがやたらに多い。 ちょいちょい説明過多な表現が多くてページ数を稼いでるのかな?と思う。 K町、K町てここだけ伏せてあるので何かあるのかなと思ったが、結局何も無かった。 併せて心惹かれるような話でも無かった。

Posted byブクログ

2019/08/01

「化粧ポーチ」 家族に隠していた事。 こういう趣向は中々打ち明けにくい事だろうが、まさかこんな形でバレてしまうとは誰が思ったろうと思うが理解のある方で良かったな。 彼のチグハグな格好を見たら、出会う人々が驚いた顔や少し引くのも無理はないと思うし指摘するにも難しい事だからな。 「...

「化粧ポーチ」 家族に隠していた事。 こういう趣向は中々打ち明けにくい事だろうが、まさかこんな形でバレてしまうとは誰が思ったろうと思うが理解のある方で良かったな。 彼のチグハグな格好を見たら、出会う人々が驚いた顔や少し引くのも無理はないと思うし指摘するにも難しい事だからな。 「ブレークポイント」 突然告げられた休日。 いくら信用している部活であり一人で抱えるには辛い問題だからと言って話していい事、悪い事はあると思うけれどな。 間に合わないなら間に合わせるように根を詰めてやれと言うのではなく、一度休めと言ってくれる社長は優しくいい人だとは思うが納期をどう伸ばすのだろうか。 「スポーツばか」 ニュースにならない火事。 どちらか一方に余裕がないと楽しいはずの空間が一気に冷めてしまい、自分一人だけかもしれないが逃げ出したいぐらい苦しい空間になるだろうな。 彼女の言葉は最後の手紙によって彼に届いたのだろうけど、必死に考えたのだろうがもっとマシな言葉はないのかと思うぐらい子供が考えた様な嘘だったな。 「閉じない鋏」 最後に伝えた言葉。 商店街などで細々常連さんで続けているお店だと、やはり子供にお店を継いでもらいたいと思うのは普通だろうがそのレールの上を歩くのが息苦しくなる時もあるだろうな。 最後の最後に家族皆が揃っただけでも嬉しいだろうに、最後にやってきた息子から最後に聞いた言葉が夢にも見た言葉だったなんて幸せだったろうな。 「高架下のタツ子」 昔話を聞けば聞くほど。 同じ場所で大切だった人が二度もとなると、普通ならその土地を離れ忘れようとする様な気がするが彼はその場に居る事によって忘れない様にしているのかもな。 人によれば彼の人生は相当苦労した物であり不幸だと言うかもしれないが、彼自身が笑わずとも人に話せるだけの話にしているのであれば今は不幸とは縁遠いのだろうな。 「赤い絵の具」 どうしても欲しい色。 教師の中でも思い込みの激しいタイプなのだろうが、自分の保身のためというのが一番の理由だろうが誰の気持ちにも寄り添えてないし守れてないな。 彼女のような理由で深く傷をつくるような人も居るのかもしれないが、それを咎めず見守る母親は誰よりもよき理解者であるな。 「ホームドア」 故意ではなく偶然が重なる。 突然自分の見に起きた事を瞬時に理解出来る人など殆ど居ないだろうし、特に非日常な状況になればなる程訳が分からなくて動けないだろうな。 言葉は悪いが何かしら相手に対し恩を売った者が名を告げず立ち去る事は良くあるだろうが、助けられた者からしたらせめてお礼の一言だけでもと思うだろうな。

Posted byブクログ

2019/07/11

繋がりある短編集シリーズ 登場人物で繋がるのではなく、ある最終電車により繋がる人たちの短編集という構成。 それぞれの人生があり、 終電が作るドラマがあり、 その全てが希望を感じさせる。 最後に希望を感じる系は好き。 読んでいて一作ずつちゃんと幸せになる。 色んなことにしん...

繋がりある短編集シリーズ 登場人物で繋がるのではなく、ある最終電車により繋がる人たちの短編集という構成。 それぞれの人生があり、 終電が作るドラマがあり、 その全てが希望を感じさせる。 最後に希望を感じる系は好き。 読んでいて一作ずつちゃんと幸せになる。 色んなことにしんどくなったりした時に、読む元気が無くても、それぞれの作品が読みやすく完結されているので、読むことができると思う。 そして気持ちが少しでも上がると思う一冊。

Posted byブクログ