活版印刷三日月堂 海からの手紙 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
印象的な文章がいくつもありました。 そのなかでも特に「わたしも飛ぼう。低くても、遠くまで行けなくても。行き先があるかわからなくても。飛べるかぎり飛んでみよう。それが生きるということだから。」が心に残りました。 傷ついたり、迷ったりしていても、前を向いて動かないことには始まらないという意だと理解しました。 勇気をもって、前に踏み出す大切さを痛感しました。
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シリーズ第2弾。 弓子さんが再開した「三日月堂」には川越の地元の人に愛され、次から次へ新しい依頼が持ち込まれる。 前作の最終章で作った結婚式の招待状がきっかけで、朗読会の案内状を作り、朗読会をきっかけに小学生の男の子から、10年以上前に亡くなった姉の「ファースト名刺」の依頼をされ...
シリーズ第2弾。 弓子さんが再開した「三日月堂」には川越の地元の人に愛され、次から次へ新しい依頼が持ち込まれる。 前作の最終章で作った結婚式の招待状がきっかけで、朗読会の案内状を作り、朗読会をきっかけに小学生の男の子から、10年以上前に亡くなった姉の「ファースト名刺」の依頼をされたり…と物語が次の縁へと繋がっていくところが、このシリーズのいいところ。 1作目より断然と自信を増した弓子さんが頼もしい。 もはや20代とは思えない貫禄。 亡くなった姉の名刺を作り、両親が抱えていた悲しみを小学校5年生の男の子が解放してしまう「あわゆきのあと」が個人的には好きだが、その「あわゆき」の名刺を受けった彼の親族である女性が、その名刺をきっかけに生きる希望を持った表題作である「海からの手紙」も考えさせられる部分が多い。 まだ2作しか読んでいないが、このシリーズは人の死とどう向き合い、その後どのように生きていくのか? 常にそのテーマが根底にあるのだろうか? 川越の街並みも目に浮かぶようで、今後も楽しみ。
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心に残った文章。 できることを広げようとしたとき、世界も広がる。 いまうまくできることだけでもダメなんです。 いろいろなことを勉強しようって。せっかく生かすチャンスをもったのだから。
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シリーズ第二弾 こちらも4編からなる連作。 いやー面白かった。 登場人物がみんな素敵なヒトばかり。 どれもよかったけれど、個人的には「あわゆきのあと」が重松清っぽくて好きかも。 それから豆本にも興味がでました。 一度見てみたいと思います。 第六弾まで買ってあるので、続けて読む...
シリーズ第二弾 こちらも4編からなる連作。 いやー面白かった。 登場人物がみんな素敵なヒトばかり。 どれもよかったけれど、個人的には「あわゆきのあと」が重松清っぽくて好きかも。 それから豆本にも興味がでました。 一度見てみたいと思います。 第六弾まで買ってあるので、続けて読む予定です。
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2019/09/19 読了。 図書館から。 あわゆきの話にうるっと。 豆本の話もよかったなぁ…。 以前出てきた人がまた出てくるといいなぁ…。
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「海からの手紙」が良かった。 今回は、生と死が一つのテーマになってるように感じた。 一つの一つの物語は重いが、その重さを受け止めている活版印刷の懐の深さが感じられて、全体として丁度良かった。
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全編とてもよかった。特にあわゆきのあとが印象に残った。泣きながら読んだ。 ちょうちょうの朗読会には懐かしい本との再会があった。また読んでみようと思った。
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翼、繋がりで読んだわけではないけれど 表題「海からの手紙」の、本筋ではないけれど翼のエピソードにきゅん。 皆様御存知、私の背中には翼が(以下略) 三日月堂2作目。 前作と比べて少しテーマが重めになってきてるように感じたけれど、案外それが文体等とバランス良くて馴染んで読めまし...
翼、繋がりで読んだわけではないけれど 表題「海からの手紙」の、本筋ではないけれど翼のエピソードにきゅん。 皆様御存知、私の背中には翼が(以下略) 三日月堂2作目。 前作と比べて少しテーマが重めになってきてるように感じたけれど、案外それが文体等とバランス良くて馴染んで読めました。☆3.5 裏表紙のあらすじで弓子さんに「影のある」とか「物静かな」とか頑張って主人公属性くっつけようとしなくてもいいんじゃないかな…弓子さん結構おしゃべりで明るいよね(笑 別にさ、何か抱えてます、って顔で歩いてなくたって、 前を向いて歩いてるひとは、主人公なのだよ。ふん。
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知らない事ばっかり。 「あまんきみこ」? 「新美南吉」⁇あー、「ごんぎつね」なら知ってるわ… 自分が無知過ぎて恥ずかしいが、ググりながら読んだ。 あまんきみこさんの絵本は知らなかったけど、読んでみたくなった。奥が深い作品なんだろうな。 活版印刷で詩を印刷するのは、想像しただけで...
知らない事ばっかり。 「あまんきみこ」? 「新美南吉」⁇あー、「ごんぎつね」なら知ってるわ… 自分が無知過ぎて恥ずかしいが、ググりながら読んだ。 あまんきみこさんの絵本は知らなかったけど、読んでみたくなった。奥が深い作品なんだろうな。 活版印刷で詩を印刷するのは、想像しただけで素敵。そこに貝殻の版画なんて私もその豆本欲しい!
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誰かの心にそっと寄り添う活版印刷屋さんのお話。ゲストみたいに主役が交代し、4つの短編になってます。4つのうちどれが一番心に沁みるかは、今のその人次第かも。 最終話は、10代の息子のいるお父さんの話。 行き当たりばったりで自分の好きなことばかりしていた(と感じていた)父親に反発し...
誰かの心にそっと寄り添う活版印刷屋さんのお話。ゲストみたいに主役が交代し、4つの短編になってます。4つのうちどれが一番心に沁みるかは、今のその人次第かも。 最終話は、10代の息子のいるお父さんの話。 行き当たりばったりで自分の好きなことばかりしていた(と感じていた)父親に反発して、堅実な道を歩いてきたはずが、健康上の理由から仕事も失い、生きていくことは「出口の見えないトンネルのなかを苦しい、苦しい、って言いながら走っていく」ようなものと感じるような日々を送っている。 だけど、死別した父親の残した原稿に出会い、父親の実像に思いをはせ、父親の自分への思いを感じ、また、それが自分と自分の息子の関係に重なり合っていく。 自分の親を親としてではなく、ひとりの人間として、どう生きたのかということを考えるのは、自分が晩年と呼ばれる年頃に差し掛かった証拠かも知れない、などとふと思ってしまう物語です。 この物語では、死別した父親が中学生の「私」をスター・ウォーズを見に連れて行く話がキーになっていて、息子にとっての輝く遠い場所を自分は理解できないとしても、その道を歩いていってほしいという願いが語られる。スター・ウォーズは、父と子を描いた映画でもあるから、これは、第一巻での銀河鉄道の夜と同じく、トリビュートかな。これ以外にも、いくつかの文学作品が登場し、その作品の世界と物語がリンクしているのも面白い。 文字が、時を超えて誰かの思いを伝えるのなら、それを生み出す活字は、実体はあっても、影の存在。ならば、文字や言葉を生み出す誰かの思いは、さらに深い影なのか。 あと、校正がたくさん入ると修正が大変といったエピソートが出てきて、活字を組んでいたら、そりゃそうか・・・と今更のように思い至ったりするのも楽しいです。
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