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犯罪者(下) の商品レビュー

4.4

274件のお客様レビュー

  1. 5つ

    146

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/09/29

作中で起こる出来事・問題は「フィクションだから…」と一笑に付せない絶妙なリアリティがあり、社会派小説としての読み応え抜群。なおかつエンタメとしての面白さもピカイチ。 すごい作品に出会ってしまった…という充足感に胸が満たされる、圧巻の社会派ミステリーです。 また、個人的に主要キャラ...

作中で起こる出来事・問題は「フィクションだから…」と一笑に付せない絶妙なリアリティがあり、社会派小説としての読み応え抜群。なおかつエンタメとしての面白さもピカイチ。 すごい作品に出会ってしまった…という充足感に胸が満たされる、圧巻の社会派ミステリーです。 また、個人的に主要キャラクターに愛着がわいたというのもあるのだろうけど、なんだかまるでノンフィクションな出来事の裏側を見守っていたような、共に駆け抜けたような気持ちになりました。 本を読むことの楽しさや面白さを改めて感じる、良い読書体験でした。

Posted byブクログ

2024/09/23

上下巻あわせて結構な厚さ、先が気になりどんどん読み進めてしまいました。 登場人物も多いのですが、どの人物の背景も丁寧に描かれているので、それぞれの人物の感情などもよくわかり、主要人物の3人はすごく魅力的だったし、犠牲者が出るたびにすごく苦しい気持ちになりました。 幻夏も読んでみた...

上下巻あわせて結構な厚さ、先が気になりどんどん読み進めてしまいました。 登場人物も多いのですが、どの人物の背景も丁寧に描かれているので、それぞれの人物の感情などもよくわかり、主要人物の3人はすごく魅力的だったし、犠牲者が出るたびにすごく苦しい気持ちになりました。 幻夏も読んでみたくなりました。

Posted byブクログ

2024/09/17

幻夏も面白かったが、こっちも最高だった。 こうなって欲しいという結末は他にもあるが、現実的にはこれがベストなんだろうと思う。こういう読後感が得られる小説もそう多くはない。

Posted byブクログ

2024/09/17
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※このレビューにはネタバレを含みます

「俺のサンプルは、俺が殺された事実とともに佐々木邦夫が引き継ぐ。その佐々木邦夫を殺しても、そいつが殺されたことを知って、また次の佐々木邦夫が現れる。…あんたがいくら殺しても、佐々木邦夫は死なない」 食品の衛生管理の問題、企業と政治家の癒着、産業廃棄物の問題、被害者による国や大企業を相手取った訴訟の果てしなく長く険しい道のり、いつだって無責任で非情な世論…。 とかげの尻尾切り的に事件は解決するものの、根本的な問題は何一つとして解消されず、暗澹たる気持ちにさせられるけれど、修二の発したこの力強く確信に満ちた言葉が未来へのよすがに思えた。

Posted byブクログ

2024/09/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

Audibleで読了。面白かった。 普段、家事や移動のお供にAudibleを聞いていたが、続きが気になりすぎて、コレを聞くために遠くまで散歩へ出たし、家中掃除までした。 ・実は先に『幻夏』を読んでいたため、少なくとも3人がしぬことはないと知っていた。それでも、いやさすがにこれはしぬでしょう!と何度思ったことか。 逆に、『犯罪者』を先に読んでいたら、ソウマが異常にタフであることを知れたので、『幻夏』内でのピンチも、もっと穏やかな気持ちで読めたのかもしれない。 あちらはあちらで苦しいシーンが多かった。 ・『幻夏』も同じことを感じたが、作者は、絆のバリエーションが豊富だ。 『犯罪者』の中だけでも、ソウマとシュウジ、ヤリミズとシュウジ、ソウマとヤリミズ、それぞれに独自の絆を結んでいる。 ナカサコとマザキ、マザキとタキガワ、ナカサコとヤマシナサキコ、ヤマシナサキコとトリヤマ、……どこを切り取っても味がする。 シュウジとアレンのその後も気になる! ・そして、ぼーっと生きてる人、キャラの薄い人が誰一人としていない。元々はドラマの脚本を書かれていた方らしいので、キャラ立ちは重視されているのかもしれない。 前半は、中々推理が進展せず、登場人物紹介が続くのだが、それすら夢中で聞けた。唯一、ナカサコの回想だけ、これ本当に同じ作品か?あの事件にどうにか関係してくるのか?と訝しみつつ聞いたが、後半きちんと関係してきた。 ・Audibleならではの臨場感も満喫した。崖の下へシュウジが身を潜めるシーンは、思わず自分も息をころした。読み手の朗読、演じ分け、ともにすばらしかったです。 ・マザキをずっと「馬崎」に変換して聞いていたので、真/眞の話題になって驚いた。脳内の造形イメージも、「眞崎」風にいったん更新したが、結局最後の方は「馬崎」に戻っていた。 ・メモリースティックの動画をタイタスグループの面々が視聴するくだり、タイタス組の偏見がすごかった。外見しか知らない人間に対して、ひどい言いようである。朝早く起きて活動しているだけで、尊敬に値するでしょうが。 読者側は、5人それぞれに人生があることを知らされていたため、タイタス社員の嫌味が印象的なシーンだった。 ・ナカサコさんが3人と合流した後、ほのぼの?翻弄されるシーンを入れておきながら、8番目の被害者の展開はひどい。まったく、ドラマ作りが巧い。 ・事件のリアリティとフィクションのバランスも良かった。メルトフェイス症候群という、ありそうな症状、ありそうな名前。列に並んだ中小やベンチャーの頭上を、大企業がファストパスするという、ありそうな事象。 タイタスグループ内の社内政治。無差別に見せかけた計画サツジン。やる気が空回りする新人警察官、真面目を腐す先輩警察官。 ありそう。そして絶妙に無さそう。 本作と直接関係ないが、これを書いている今は兵庫県政に関して、内部告発した方と、告発対象の案件に関わった担当課長が亡くなったらしいとニュースになっている。“守られなかった”ケースなのではと、どうも疑ってしまう。きっと、いち小市民の自分には思いも寄らない黒い感情が渦巻いているのだろう。きっと。 そして一方で、JR貨物の点検作業での不正に関する内部告発も話題だ。事故が起きる前に申告した方は本当に偉いし、一生、絶対に守られてほしい。

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2024/08/28

上巻より続く 修司・鑓水・相馬の3人のうち、修司が主役だけれども、それだけでなく、これは 「修司と真崎の物語」 だと思う。 真崎の無鉄砲な行いをいちばん理解できるのは修司だろうし、土壇場での冷静さや計算高さも、とても似ている。それが結局、殺し屋・滝川を最後まで悩ませ、陥れた。 ...

上巻より続く 修司・鑓水・相馬の3人のうち、修司が主役だけれども、それだけでなく、これは 「修司と真崎の物語」 だと思う。 真崎の無鉄砲な行いをいちばん理解できるのは修司だろうし、土壇場での冷静さや計算高さも、とても似ている。それが結局、殺し屋・滝川を最後まで悩ませ、陥れた。 中迫さんも、彼なりにずっと闘っていて、最後の最後にめちゃくちゃかっこよかった! ほかの登場人物にくらべるとパンチが効いていないというか、弱腰な印象を受けるが、新卒で入社した大企業の社員なら当然の反応だろうと思い直す。 作中でも、 「自分は最後まで無謀に戦うより自殺を選ぶタイプ」 と本人が納得しているし、鑓水の 「中迫は組織のなかの良心なんだ。だからこそ、ああいう人を殺しちゃいけない」 という評価に、心から納得した。 『犯罪者』には、法的な意味でまったくの無実潔白な人は一人も出てこない。文字どおり、犯罪者だらけw ポリシー持った悪人・目的が即物的な悪人・必要悪と自認して突き進む悪人・自己保身に汲々とした小粒悪人、と、いろいろなタイプが出てきて、それぞれにぶつかり合う。 そして、これだけの規模のフィクションであっても、巨悪は滅びなかった。 そこに忸怩たる気持ちもあるけれど、それでも読後感が爽やかだったのは、 「組織の良心」 が生き残ったからではないかな、と個人的には思った。

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2024/08/24

著者がドラマの脚本家と後から知って納得。長編ドラマを一本見たかのような読後感。一見繋がらない二つの事件が繋がっていく過程が面白かった。 各章の纏まりとひきの良さが凄くしっかりしていて、ドラマ出身ならではだなと感心してしまった。唯一残念だなと思ったのは、これだけ壮大で長い物語になっ...

著者がドラマの脚本家と後から知って納得。長編ドラマを一本見たかのような読後感。一見繋がらない二つの事件が繋がっていく過程が面白かった。 各章の纏まりとひきの良さが凄くしっかりしていて、ドラマ出身ならではだなと感心してしまった。唯一残念だなと思ったのは、これだけ壮大で長い物語になっているのにも関わらず、敵役の小物感が拭えない所。なんというか後先考えない無敵マン、これ本当に殺しのプロなのかと思ってしまった笑。あとは最後が不完全燃焼。序盤から中盤まで、これだけ読者にストレスを与えたのだから、最後はもう少し爽快感が欲しかった。

Posted byブクログ

2024/08/20

しばし放心 読んでいる間ずっと呼吸が止まるほど夢中になり、読むのをやめられないほど中毒性がある。 ターミネーターみたいにずっと追われているようで、でもターミネーターより怖い。(伝わっただろうか、、、?)そして間違いなく面白い。 そして、深い 次は「幻夏」読まねばだな。 修...

しばし放心 読んでいる間ずっと呼吸が止まるほど夢中になり、読むのをやめられないほど中毒性がある。 ターミネーターみたいにずっと追われているようで、でもターミネーターより怖い。(伝わっただろうか、、、?)そして間違いなく面白い。 そして、深い 次は「幻夏」読まねばだな。 修司、相馬、鑓水の3人が魅力的すぎる。 これが2003年から2005年当時の社会、法制度を背景にした物語。今から20年前。 変わったことと、変わっていないこと。 そんなことにもじわじわ思いを巡らせる。 そういう余韻も残る本 「天上の葦」も彼らのことがわかった上で、もう一回読みたいなあ。

Posted byブクログ

2024/08/02

とにかくすごい。 起こった事件は1つなんだけれども、そこから紐付いて解いていくと別の問題や事件もあり.... とりあえずどうやったらそういう内容が浮かんでくるのか作者の頭の中を覗いてみたい。

Posted byブクログ

2024/07/29

面白さが加速され、下巻はイッキ読み。 上巻からも含めてどのページも丁寧に描くものだな~と感心。 シリーズの他作品「幻夏」を先に読んでいましたが、三人組の出会いも知れてスッキリ。 次は、天上の葦!

Posted byブクログ