たった、それだけ の商品レビュー
宮下奈都 著「たった、それだけ」、2017.1発行(文庫)です。望月正幸という男にかかわる女性たちの思いなどを、それぞれの視点でまとめあげた連作6話。私にはちょっと向いてない進行でしたが、宮下奈都さんの筆使い、なかなかだとは感じました!
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会社の贈賄に関わっていた望月が発覚前に逃亡。望月の周辺の人たち、愛人、妻、姉、娘の話。 残された一人娘、ルイに関わる3編が興味深かった。 父親は逃亡、母親はいつまでも吹っ切れない。 そんな中で成長していく。 転校先で出会った教師、同級生のトータと出会った事で、少しずつ救われていく。 トータはホントいいヤツ。 それにしても益田さんはやっぱり…?
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一人の男性をめぐる連作短編集?っていうのかな。 望月によって人生狂わされた女性たち、なんか救いがないって話。 涙が幸せになれればいいなと思った。
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ぼちぼちですね。 宮下さんの作品初読みです。 なんとなく読みやすそうだったので、手に取ってみましたが、なんだか入り込めないままに読み終わりました。解説で書いてありましたが、なかなかそのように感じとることができなかったからですかね。またいつか、本屋大賞の作品は読んでみようかと思いま...
ぼちぼちですね。 宮下さんの作品初読みです。 なんとなく読みやすそうだったので、手に取ってみましたが、なんだか入り込めないままに読み終わりました。解説で書いてありましたが、なかなかそのように感じとることができなかったからですかね。またいつか、本屋大賞の作品は読んでみようかと思います。
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会社組織の中で贈賄にからんでしまったひとりの男性、望月を、周りの人々の目線から描く連作短編集かと思っていた。でも、これは望月の人となりを周りから語らせるものでもなく、ましてや贈賄に至った経緯を探るものでもなく、彼と関わった、あるいは関わらざるを得なかった女性たちの、それぞれが変わ...
会社組織の中で贈賄にからんでしまったひとりの男性、望月を、周りの人々の目線から描く連作短編集かと思っていた。でも、これは望月の人となりを周りから語らせるものでもなく、ましてや贈賄に至った経緯を探るものでもなく、彼と関わった、あるいは関わらざるを得なかった女性たちの、それぞれが変わっていく物語だった。場所も時も違う中で、彼女たちは望月をきっかけにして何かを乗り越え変わっていく。その描き方が見事だったし、こんな風に加速度のついた展開になるとは思わなかった。読後感がよく、しんどい状況にありながらもなぜかほっとする。逃げ切って。その言葉も深い。
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短編集かと思いきや登場人物が微妙に重なり合いながら一つの物語を紡いでいた。 企業ぐるみの贈賄罪の罪をきせられた男は、浮気相手の告発と手助けで逃亡生活に入る。残された妻は苦しみながら幼い子どもを育てる。幸せになるのを拒むように生活が安定しそうになると転居を繰り返す。 そんな生活の中でも幸せな出会いがあり、わずかずつだが人生の再生がなされたのだと思わせて物語は終わる。 「つらい描写もある。いたたまれない場面もある。けれど最後は、とても満ち足りた気持ちで本を閉じた。この気持ちを、あなたにも味わってほしい。」(「小説推理」2015.1月号 大矢博子)・・あとがきより
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p163 「もっと楽しいこと考えようぜ」 p182 「逃げてるように見えても、地球は丸いんだ。反対側から見たら追いかけてるのかもしれねーし」 読み始めは、不倫とか贈賄とか、重くて苦手な話かなと思ったが、読み終わってみると意外と温かさが残った トータいいやつ
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1話と2話が好き。望月さんの一つの避難場所だった女性と、ずっと隣にいたはずなのに見えない壁に阻まれていた女性。後悔と失望と希望。 後半は成長物語で、スコーレNo4を彷彿とさせる爽やかさがある。
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たった それだけ 難しいけど、そうでもないのかもしれない たった、それだけ タイトルに明るいものが見える
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贈賄容疑で失踪した望月正幸。愛人、妻、姉の視点で語る前半三編。ひとり娘の成長が主題の後半三編。予想外の展開と巧みな心理描写で描く連作小説。 文学の楽しみのひとつに、文章で表現されていない余白部分を想像することがある。唐突に終わったかのような最終話の、書かれていないその後を思う。こ...
贈賄容疑で失踪した望月正幸。愛人、妻、姉の視点で語る前半三編。ひとり娘の成長が主題の後半三編。予想外の展開と巧みな心理描写で描く連作小説。 文学の楽しみのひとつに、文章で表現されていない余白部分を想像することがある。唐突に終わったかのような最終話の、書かれていないその後を思う。これが究極の読書の楽しみ方である。久しぶりに余韻を味わった気分だ。そして、ルイとトータのカップルも、絶対応援したくなる二人である。
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