私をくいとめて の商品レビュー
自分と向き合えてなかった主人公と体格のいい冴えない男、恋とか好きとかじゃないし。 他の作品と比べるとリアリティうすめ。
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もうわたしのすきな綿矢りさじゃない 脳内のAにはなしかけるおんなのはなし ていうと綿矢りさぽい痛い話なんだけど、いたさがちゃんとオトナ。理性的で落ちついてめんどくささの緩和 わたやりさにはずっとちゃんと痛くあってほしかった すきな小説家で名前を出すのが恥ずかしいくらいに い...
もうわたしのすきな綿矢りさじゃない 脳内のAにはなしかけるおんなのはなし ていうと綿矢りさぽい痛い話なんだけど、いたさがちゃんとオトナ。理性的で落ちついてめんどくささの緩和 わたやりさにはずっとちゃんと痛くあってほしかった すきな小説家で名前を出すのが恥ずかしいくらいに いたくてくそめんどくさいおんなの心情を かきだしてほしかった
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ミツ子はココア。どの年齢にも似合う飲み物があるという会社の先輩のノゾミさんの見立てだ。彼女は赤ワインらしい。ミツ子はゴボウ。大学の美術サークルで一緒だったサツキの、野菜として相手の顔を描きあう課題のときのイメージだ。ミツ子は白菜を描いた。トマトが多かったという中異色の二人。そんな彼女には”脳内コンシェルジュ”のAくんがいていつからか良き恋の相談相手となっている。そして、ノゾミさんが好意を寄せるイケメンのカーター組と、ミツ子が距離を縮められないでいる多田くん組でTDRにダブルデートへ。先輩の恋の作法とカーターの振る舞いにへーっ。つらい恋をする女性から香るというヤギの匂いは彼女からはしないのだろう。ミツ子たちもスペシャルカップルとファンタジープレイスに多少刺激されながらも、君たちどうするんだという流れは続く。彼女をくいとめるのはだれだ。
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Aの言葉が素直にしみ込んでゆく。完全な他人の言葉ではなく、私の分身であるAが諭してくれたことがうれしい。 (黒田みつ子) Aが男性だった時ビックリした! 読みやすく設定も面白かった。
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おひとりさま女子の日常。保守的で変化を好まない、趣味だって子供の頃から変わらない、そんな女の子。独りでいるときは頭の中のAと会話をする。そんな彼女に久しぶりの恋が訪れて… 「根本的に人を必要としていないことがショックだったの。人と一緒にいるのは楽しい。気の合う人だったり、好きな人ならなおさら。でも私にとっての自然体は、あくまで独りで行動しているときで、なのに孤独に心はゆっくり蝕まれていって。その矛盾が情けなくて」 わからなくもない。人といるとしんどい、1人でいるのは寂しい。その間を行ったり来たり、ちょうどいい塩梅が30年以上生きててもわからない。 1人ぽっちで脳内の誰かと会話する系(どんなジャンルや)の中では、直近の芥川賞受賞作「おらおらでひとりいぐも(若竹千佐子)」が最高すぎて、本書は遠く及ばない感。しかし、綿矢りさの巧みな比喩には感服する。
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綿矢りささんの作品は特別すきで、 いつも読みはじめからわくわくする。 しかも表紙もかわいいし。 お話のテンポとか、言葉づかいとか、 設定も含めてすきなお話だった。 自分にも共感できるよくわかんない気持ちが、 清々しいくらいにピタッとくる 文章で表現されていて、だから こんなに...
綿矢りささんの作品は特別すきで、 いつも読みはじめからわくわくする。 しかも表紙もかわいいし。 お話のテンポとか、言葉づかいとか、 設定も含めてすきなお話だった。 自分にも共感できるよくわかんない気持ちが、 清々しいくらいにピタッとくる 文章で表現されていて、だから こんなにもすきなのかもしれない。
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綿矢りさ初めましての一冊。 筆者に勝手に抱いていたイメージでは、尖っていて気分がずんと重くなる話を書く作家さんなのかなと思っていたので、読み始めてすぐ文章に親しみやすさや軽い脱力感、可愛らしさを感じ面食らってしまった。なぁんだ読みやすいよ〜。 おひとりさまな日々を楽しみつつも、悩んだり、一歩踏み出したりしながら、みつ子の日常は実にマイペースに新しい段階に進んでいく。その様子を本当に優しく見守るように描いてあって、読みながらとても居心地がよかった。 みつ子とAのやりとりが面白くて大好き。登場人物たちの一人ひとり、多田くんもノゾミさんも、かなり問題ありなカーターまでも読んでいて愛着が湧いてしまう。 読み終えてふっと我に返る瞬間、ふわっとした幸福感を感じられる。春の午後にのんびりとした気持ちよさでうたた寝から目を覚ましたみたいな。 いい読書したな、よし、頑張ろ。
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久しぶりの綿矢りさ。 お一人様こじらせ女子(笑)あるある過ぎて涙。 この作品のタイトルである私をくいとめてのシーンがとても良かった。 みつこは可愛げがあってよかった。
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迷っているとき、いつも相談相手になってくれてありがとう。私は、私自身にさえすがりつかなければ困難を乗り越えられないほど弱い人間だけど、Aがいたおかげで何度も乗り越えられたよ。これからは自分とは別の人間と、向き合って、体当たりで、ぶつかり合って生きていくよ。 ことばのちょっとした...
迷っているとき、いつも相談相手になってくれてありがとう。私は、私自身にさえすがりつかなければ困難を乗り越えられないほど弱い人間だけど、Aがいたおかげで何度も乗り越えられたよ。これからは自分とは別の人間と、向き合って、体当たりで、ぶつかり合って生きていくよ。 ことばのちょっとした表現や、会社での立ち位置、ノゾミさんとの会話がステキ。
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脳内会話に食い付いている感想が多いね。たしかに帯には「私の脳内には、完璧な答えを教えてくれる『A』がいるんだから」と書いてる。でも脳内のもう1人の自分とのコミュニケーション、てだけでは何かありきたりで同工異曲な閉じた解釈に陥る危険があったので、もう少し自分なりに広げて考えてみた。...
脳内会話に食い付いている感想が多いね。たしかに帯には「私の脳内には、完璧な答えを教えてくれる『A』がいるんだから」と書いてる。でも脳内のもう1人の自分とのコミュニケーション、てだけでは何かありきたりで同工異曲な閉じた解釈に陥る危険があったので、もう少し自分なりに広げて考えてみた。 みつ子とAの関係って、何でもネット検索で答えを得ようとするネット民のメタファーなんじゃないの? ネット民って膨大なデータを自分で抽出できるというほかに、特筆すべき特徴として「自分に都合のよい記事のみを選択する(自意識の支配下による・よらないに関係なく)」というものがあると思う。 誰もが経験してるはずだけど、検索結果を上から全部開いて読む人なんていなくて、見出しとか、ちょろっとした短い文を読んだ程度で、自分の感性に引っかかったものだけを抽出している。 つまりネット民にとって一番参考になるとして選び出した意見は「一般的に最良」ではなく「自分にとって最良」なもの。 したがって、みつ子が脳内で落ち着いた感じで優しく話しかける「A」の声が聞こえるというのと、みつ子がネットで記事を拾ってまるで自分にピッタリだと感じ、思わず「いいね!」をクリックするのとは、基本的に同質なものでは? それはみつ子が恋愛関係を一歩進めた後でも、Aは依然ほどではないものの完全に消滅はせずに、たまにみつ子の脳内に出現して相変わらず落ち着いた声で話しかけてくることでも裏付けられる。ネット民も恋愛が進めばもう検索は不要、ではネットからサヨナラ、ってことにはならないでしょ? こう考えたら、ふだん自分の頭の中で別の声が聞こえる人なんかほんの一握りのはずだから、この小説のプロットに自分を重ねられない人が多く生じているんだろうけど、おひとりさまが一人の部屋でネットを検索しまくって自分の気に入ったネタにヒットして一人でニヤッとしているのとあまり変わらないのでは?という考えもでき、そう考えるとこの小説の汎用度は高まる。 それと私が個人的にこの小説を気に入ったのは「人が1人も死なない」こと。 最近の日本の小説は、何とかの一つ覚えのように、誰かが殺されたり死なないと小説世界が成立しないかのごとくに雑に書き散らかされているように感じる。 まったく寒い話だけど、いかに「普通」を小説で描くのが難しいかということに帰着すると思う。 私も新聞連載を毎週読んでいたときはこの点について不安だったけど、綿矢さんは「普通」の小説を「普通でない」技法を交ぜて描き切ってくれた。それが好印象だった。 ただし、普通を描く小説である以上、“色彩感”が欠けるのはある意味致し方ない。 それを連載時に十分以上に補っていたのが、わたせせいぞうさんのカラフルなイラストレーションだった。 それなのに単行本では、わたせさんのカットは表紙のみ。この点は遺憾。せめて数枚でも間に入れられなかったのかと惜しまれる。 綿矢さんと直接関係ない話だけど、トータルの評価として星1つ減じる。
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