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米中もし戦わば の商品レビュー

4.3

38件のお客様レビュー

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素晴らしい

国内のニュース番組を見ていると米国民主党びいきのCNN放送の内容がそのまま流れている(唯一の日本語翻訳付きなので誤訳のリスクが少ないと考えるのか?)ので、トランプ大統領は、下品な変人で何をしているのかまったくわからなくなる。だが、この本を読むと、台湾をWHO総会にオブザーバー参加...

国内のニュース番組を見ていると米国民主党びいきのCNN放送の内容がそのまま流れている(唯一の日本語翻訳付きなので誤訳のリスクが少ないと考えるのか?)ので、トランプ大統領は、下品な変人で何をしているのかまったくわからなくなる。だが、この本を読むと、台湾をWHO総会にオブザーバー参加させようとしたこと。蔡英文氏にエールを送り台湾の半導体大手がファーウェイに半導体の輸出しなくなること。香港国家安全法になぜ反対しているのか、インドと2月に急接近したことなど世界で起こっているすべてのピースがはまる。日米同盟を強くしたが、TPPは脱退し二国間の協議に切り替えたこと、米国のメインストリームニュースが報じない真実が見えてくる。この本を読めばメイドインチャイナの商品を買うことが自分の首を絞めることになる寒さがわかる。

コアラ

2024/04/14

米中という世界の二大覇権国家にフォーカスして、その衝突可能性を解析する。物凄く分かりやすいし、誇張し過ぎずリアリティがある。そのため、本書を読むと日本の未来が心配になる。それほど、力のあるスゴ本である。 クイズ形式で読者に問いかけていく。最初はイージーな設問で答えは露骨。出発点...

米中という世界の二大覇権国家にフォーカスして、その衝突可能性を解析する。物凄く分かりやすいし、誇張し過ぎずリアリティがある。そのため、本書を読むと日本の未来が心配になる。それほど、力のあるスゴ本である。 クイズ形式で読者に問いかけていく。最初はイージーな設問で答えは露骨。出発点は、国際政治、学者ミアシャイマーの理論。世界体制は無政府状態だから、すべての国家は軍事力を増強する。またそれが自衛のためなのか征服のためなのか、他国からはわからない。取り締まる者のいない世界体制の中で、安全を保障する最良の方法は、その地域の覇権国家になり、優位に立つことで、どこからも攻撃されないようにすることである、と。中国は戦後の共産主義国家樹立まで、日本を含む西洋列強に好き放題侵略された経験もあり、現在もマラッカ海峡を経由した資源の輸入に生命線を握られている。アメリカに支配されないためには、軍事増強を止められない。 中国の北端に位置するゴビ砂漠に、アメリカの空母をかたどった標的が設けられている。四川省の衛星発射センターでは、アメリカの人工衛星を打ち砕くための対衛星兵器のテストが進められている。海南島では、巨大地下潜水艦基地が完成している。世界中のどんな都市でも破壊することができる大陸間弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦が密かに出撃できる。地下長城の開発も続けている。全長5000キロに及ぶ。迷路のように入り組んだ地下道。そこに核弾道ミサイルが保管されている。アメリカだけではなく、インド、日本、フィリピン、ベトナムといった国々も標的だ。 マラッカジレンマを回避すべく、中国はベンガル湾内のチャウピュー港と雲南省昆明を結ぶ石油及び天然ガスパイプラインを建設した。同様のリスクヘッジ策としては、ユーラシア大陸を横断する航空路、道路、鉄道、パイプラインのネットワーク構築。海上封鎖の影響を全く受けない新シルクロード経済ベルトを形成しようとしている。 ー 中国の目標は、ホワイトハウスの戦略的政治的計算法を変化させ、コストとリスクの負担感からアメリカの政策決定者がアジアへの介入を躊躇するよう仕向けること。そして、アメリカにとって台湾をめぐる利害は、中国と比較して、はるかに小さいように見える。 上記は本書から抜粋して文章を繋げたものだが、これを読むだけで日本の危うさが想像できる。トゥキディデスの罠というと言葉の迫力が独り歩きするが「何が正しいかという問題は、力の等しいものたちの間でしか解決できない。強いものは自分のしたいことをするし、弱いものは耐え忍ぶしかない」自由競争による技術革新がサチるなら、情報を一元化する独裁国家の方がAIとも相性は良いだろう。資本主義における格差のブレーキ機能すらも果たせない民主主義は、既にオワコンかも知れない。

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2023/02/28

発刊から数年が経過しているが中国の軍拡と海洋侵略は衰えを見せていない。民間漁船に扮して軍事作戦を取り、サイバー攻撃で技術を盗み、製造業の技術移転を強制し、国際法も人権も無視する、まさに現代人にとっての悪以外の何ものでもない。国がそのような犯罪に手を染めているとは、ロシアも含めてテ...

発刊から数年が経過しているが中国の軍拡と海洋侵略は衰えを見せていない。民間漁船に扮して軍事作戦を取り、サイバー攻撃で技術を盗み、製造業の技術移転を強制し、国際法も人権も無視する、まさに現代人にとっての悪以外の何ものでもない。国がそのような犯罪に手を染めているとは、ロシアも含めてテロリスト集団と変わらない有様だが、そんな国が常任理事国となっている時点で国連は形骸化しているし世界平和には程遠い未来しかない。WTO加盟以来急速に経済を発展させ裕福な中間層が増えたが、予想に反して武力で現状変更しようとする独裁国家は言論統制をさらに強化し、知的エリートである共青団を2022年の人事で排除し、特権世襲層の太子党がポストを独占、今や億万長者の民間人をも弾圧し始めているのが現状である。海洋進出についてはエネルギーの輸入依存が背景にあり、米軍のアジアでのプレゼンス低減を明らかに狙っているが、空母や基地のミサイル攻撃への脆弱性は素人でも分かる安全保障の問題。海上封鎖を想定した機雷や潜水艦の増強、航空機の増大と補給の格納化は喫緊の問題であること間違いなし。ただ本書で不可解だった点としては、軍が中央集権化されていて前線での裁量が認められいないことから部隊の暴走リスクは低いのか、それとも統制が実際は取れてなくて末端までのコントロールが難しい状況なのか、といった点。

Posted byブクログ

2022/10/22

中国の平和的台頭は可能だろうか? 私の答えは「ノー」だ。 ジョン・ミアシャイマー 13 規制の大国と台頭する新興国が戦争する確立 70% 14 ミアシャイマー理論の3つの過程 1.世界体制は無政府状態だ 2.すべての国家は軍事力を増強する 3.他国の真意を知ることはほぼ不可...

中国の平和的台頭は可能だろうか? 私の答えは「ノー」だ。 ジョン・ミアシャイマー 13 規制の大国と台頭する新興国が戦争する確立 70% 14 ミアシャイマー理論の3つの過程 1.世界体制は無政府状態だ 2.すべての国家は軍事力を増強する 3.他国の真意を知ることはほぼ不可能だ 15 すべての大国は覇権を求める 17 過去200年間に、中国を侵略した国 フランス、ドイツ、イギリス、日本、ロシア、アメリカ の6カ国 中国にとっては屈辱の100年間 1839年 イギリスとの第一次アヘン戦争  ~ 1945年 日中戦争終結 31 中国が輸入する石油の70%はマラッカ海峡を通る マラッカ海峡(マラッカかいきょう) 英語: Strait of Malacca マレー半島とスマトラ島(インドネシア)を隔てる海峡。 南東端で接続しているシンガポール海峡とあわせて太平洋とインド洋を結ぶ海上交通上の要衝 22 海上封鎖されれば、中国経済は壊滅する 27 中国経済の喉元をおさえているアメリカ海軍 28 第一列島線に配備されている米海軍と大量の兵器 32 中国共産党の武力侵略  チベット  新疆  インド 34 核戦争寸前まで行った中ソ国境紛争 39 尖閣諸島をめぐる日中の緊張は高まっている 44 軍事費の総額でも、軍事費がGDPに占める割合でも アメリカはいまだに中国をはるかに上回っている。 軍事費総額 中国 2000億ドルを超える アメリカは、その3倍以上。6000億ドル以上? 過去10年間 中国の軍事費はGDPの2% アメリカは、4%近い ただし 中国軍兵士の人件費は、アメリカより遥かに安い 武器の製造コストも、遥かに安い 86 中国はアメリカ本土に3000発以上の核弾頭を撃ち込む能力を持っている 114 中国のロケット打ち上げ能力は世界トップクラス 122 サイバー戦争 米国の最重要防衛機密はシステマティックに抜き取られている 126 ケンブリッジ大学の研究者が アメリカが保有する兵器の中でも最も侵入が難しいと考えられている軍事規格のチップにバックドアを発見している。 135 中国はアジアの塀岩と安定にとって驚異になる 147 世界で4番目に大規模な陸軍を持つ北朝鮮 162 日本が核武装するシナリオ 193 水不足に直面するインド 195 インドに流れる川の水源地帯を中国は支配している 196 なぜ中国はパキスタンと仲が良いのか? 200 中国共産党の目標は、中国の存続ではなく、共産党支配の存続である 202 10億人以上の中国人は今も貧困に苦しんでいる 219 米軍と中国軍の技術の差は急速に縮まっている 228 東アジアにおける沖縄の戦略的価値 248 中国経済はあまりにも海運に依存してる 278 中国のWTO加盟により米国経済は壊滅的な打撃を受けた 319 選択肢は、「力による平和」しかない 336 世界一高い法人税のせいで米国の金と技術が流出している 344 第五世代戦闘機の製造機数は中国のほうが遥かに多い

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2020/12/04

原著はCrouching Tiger (2015)で共産中国を今にも飛びかかろうとして蹲る虎に例えたもの。邦題よりも強く見えていなかった脅威を米国民に伝えようとしているのではないか。 2008年ごろから中国の海洋進出があからさまになり、この年までにはもはや放置できない段階に達した...

原著はCrouching Tiger (2015)で共産中国を今にも飛びかかろうとして蹲る虎に例えたもの。邦題よりも強く見えていなかった脅威を米国民に伝えようとしているのではないか。 2008年ごろから中国の海洋進出があからさまになり、この年までにはもはや放置できない段階に達したということか。 随所でミアシャイマーのオフェンシブリアリズムを参照して軍事のみならず経済・社会・教育など凡ゆる側面で彼我の現状と見通しを評価しており、その指摘は傾聴に値する。 日本としては、いずれ海洋勢力アメリカのアジアにおける橋頭堡として生きるか、大陸国家共産中国の防波堤として生きるかを選択せざるを得ないだろう。だが私の目には好ましきは明らかに前者であるように思える。 著者がまだ間に合うという力による平和を実現するためには日本も相応の努力が必要だろう。

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2020/10/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

米国大統領の元補佐官、ピーターナバロが米中の軍事力・経済力を中心に地政学観点での現状分析と今後の予測、持続可能な世界の提案をする1冊。 個人レベルでは調べるのがイージーではない領域の話までまとまっており、世界が今どんな状況になってるのかが分かります。 読んだ感想としては、双子の赤字を抱える米国はもう、世界の覇権国でいるのは無理ですね。米国世論も政治的な動向も、米国が覇権国で居続ける条件を棄て始めています。と同時に、中国の隣国である我々日本人は、もっと本格的に自国防衛を考えないといけませんね。 とても良い本だったのですが、いくら大統領補佐官経験者の本とはいえ、2016年発刊時に予想していた米中対立の予想で、けっこう重要なポイントが史実から異なったことですね。いくら有名な人だとはいえ、考えを盲目的に信じてはいけない良い例となりますた。

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2020/08/31

戦争や平和についての書籍は概して、陰謀論的な仮定的議論や抽象的な議論に終始するものが少なくないなか、本書では膨大な情報量とともに比較的妥当な議論を合理的に構築しており、はじめて戦争のロジックに納得することができた。 一方で、その緻密な議論から導かれる帰結は決して明るいものではない...

戦争や平和についての書籍は概して、陰謀論的な仮定的議論や抽象的な議論に終始するものが少なくないなか、本書では膨大な情報量とともに比較的妥当な議論を合理的に構築しており、はじめて戦争のロジックに納得することができた。 一方で、その緻密な議論から導かれる帰結は決して明るいものではない。むしろ、事態が八方塞がりであることを丁寧に論証し説得されているような感覚である。 憲法9条や沖縄基地といったポピュラーな議論から一歩踏み込み、国際状況の理解を深め、自身の考えを進めるための助けとなる一冊。

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2020/08/08

トランプ政権のブレーンである方の著者になります。 事実をベースに記述され、これらの事実を否定する事は難しいです。 現代の米中関係について知りたいと願う方に、特にオススメしたい本です。 この本を読む事で、米中の対立は必須であろうと気づきます。 また米国側の考えとして、いかに戦争...

トランプ政権のブレーンである方の著者になります。 事実をベースに記述され、これらの事実を否定する事は難しいです。 現代の米中関係について知りたいと願う方に、特にオススメしたい本です。 この本を読む事で、米中の対立は必須であろうと気づきます。 また米国側の考えとして、いかに戦争に発展させずに、中国側の意図と能力を挫くかを考えている事も伺えます。 現代の国際政治を考える上で、必須の本です。

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2018/12/30

ここ数年、米国発で中国敵視を鮮明にした論考が続きます。迫り来る中国の影が不安で、パクスアメリカーナが脅かされる恐怖の表れでしょう。本書は、中国の戦略と戦術を一般読者にわかるように諭すように書かれていて読みやすい。残念ながら、現状の対抗策は十分ではなく、財政的にも厳しそうです。四つ...

ここ数年、米国発で中国敵視を鮮明にした論考が続きます。迫り来る中国の影が不安で、パクスアメリカーナが脅かされる恐怖の表れでしょう。本書は、中国の戦略と戦術を一般読者にわかるように諭すように書かれていて読みやすい。残念ながら、現状の対抗策は十分ではなく、財政的にも厳しそうです。四つに組んだ総合戦を網羅するなら、内側から揺さぶる手立ても必要だと思います。ちなみに、再三紹介されるミアシャイマーですが、「大国政治の悲劇」は非常な名著です。

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2018/12/28

米国と中国の軍事衝突の危機について。 以下、本書より。 【現実から目を逸らしてはいけない】 急速に台頭する中国によって引き起こされた深刻な安全保障上の脅威に平和的に対抗するには、第一に、経済的・軍事的その他の対抗策について政治的な合意が必要。 だが、自由で開かれた民主主義国家に...

米国と中国の軍事衝突の危機について。 以下、本書より。 【現実から目を逸らしてはいけない】 急速に台頭する中国によって引き起こされた深刻な安全保障上の脅威に平和的に対抗するには、第一に、経済的・軍事的その他の対抗策について政治的な合意が必要。 だが、自由で開かれた民主主義国家においてこうした政治的合意に到達するのは至難の業。 経済的利害は対中貿易との関わり方によって異なるし、利益団体は大義の為に団結するより対立し合う道を選びがち。 独裁的な中国政府は外国の中国報道に強力なメディア統制を敷き、西側のジャーナリストや大学は一貫して自主規制を行なっている。 この分裂状態こそ「対中戦争の可能性について考えるべきだ」という政治的合意の形成を西側の民主主義国、特に米国で長い間阻んできた元凶。 言うまでもなく、現実から目を逸らすというこうした状態がこのまま続けば、物語の結末は我々全員にとって苦しいものになるだろう。 勿論、今ならまだ間に合う。 戦争よりも遥かにましな、遥かに平和的な方法で問題を解決する道はある。 真実が明らかになり、リスクの大きさ、壊滅的被害の及ぶ範囲の大きさを中国人と我々の双方が完全に理解できるようになりさえすれば、希望は見えてくる。 平和が栄える為には、この真実が自明の理となる必要がある。 この真実を探求する事こそが本書の目的。 この精神に則って最後に、スペインの哲学者ジョージ・サンタヤーナの格言「過去を記憶できない者は、過去を繰り返すよう運命づけられている」を逆にした言葉を掲げ、本書を締め括る事にしよう。 「将来どんな事が起こり得るかを全て想定できる人間には、その中から最善を選び、最悪を避ける、最上のチャンスが与えられている」

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