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米中もし戦わば の商品レビュー

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39件のお客様レビュー

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2018/12/28

米国と中国の軍事衝突の危機について。 以下、本書より。 【現実から目を逸らしてはいけない】 急速に台頭する中国によって引き起こされた深刻な安全保障上の脅威に平和的に対抗するには、第一に、経済的・軍事的その他の対抗策について政治的な合意が必要。 だが、自由で開かれた民主主義国家に...

米国と中国の軍事衝突の危機について。 以下、本書より。 【現実から目を逸らしてはいけない】 急速に台頭する中国によって引き起こされた深刻な安全保障上の脅威に平和的に対抗するには、第一に、経済的・軍事的その他の対抗策について政治的な合意が必要。 だが、自由で開かれた民主主義国家においてこうした政治的合意に到達するのは至難の業。 経済的利害は対中貿易との関わり方によって異なるし、利益団体は大義の為に団結するより対立し合う道を選びがち。 独裁的な中国政府は外国の中国報道に強力なメディア統制を敷き、西側のジャーナリストや大学は一貫して自主規制を行なっている。 この分裂状態こそ「対中戦争の可能性について考えるべきだ」という政治的合意の形成を西側の民主主義国、特に米国で長い間阻んできた元凶。 言うまでもなく、現実から目を逸らすというこうした状態がこのまま続けば、物語の結末は我々全員にとって苦しいものになるだろう。 勿論、今ならまだ間に合う。 戦争よりも遥かにましな、遥かに平和的な方法で問題を解決する道はある。 真実が明らかになり、リスクの大きさ、壊滅的被害の及ぶ範囲の大きさを中国人と我々の双方が完全に理解できるようになりさえすれば、希望は見えてくる。 平和が栄える為には、この真実が自明の理となる必要がある。 この真実を探求する事こそが本書の目的。 この精神に則って最後に、スペインの哲学者ジョージ・サンタヤーナの格言「過去を記憶できない者は、過去を繰り返すよう運命づけられている」を逆にした言葉を掲げ、本書を締め括る事にしよう。 「将来どんな事が起こり得るかを全て想定できる人間には、その中から最善を選び、最悪を避ける、最上のチャンスが与えられている」

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2018/11/24

国際政治の延長として、戦争も想定するならば、様々な可能性から仮説を立て、その対策を構築していかなければならない。 国防を専門とする人たちが考えていることが、本書に記されている。 戦略、戦術を常に考える人のテキスト問題集。

Posted byブクログ

2018/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 日本に米軍基地がある理由、それは、日本のためだけではなく、米国のためでもある。その起源をさかのぼれば、第2次大戦終了時、日本に武力を持たせないために、日本に米国の核の傘に入れという交換条件であったはず。それが今では、対中国、ロシアという名目に変わり、米国はその抑止力を働かせているという理屈で、日本がもっと費用を負担せよと言っている。現時点で、日本は専守防衛以外の武力は保持していないので、米国に頼るよりほかないが、日本が米国の関与なく武力を持つことは、米国は嫌うはずで、また、地政学上、沖縄とかに米軍基地は必要であると、米軍自体も思っているはずだ。本書は、そのような議論をしているわけではないが、本書を読むことでそのような認識を持てる。  また、本書では、武力による抑止力について、多くのページを割いている。ソ連との冷戦時代は、変な話、お互いを信頼しあっていた。情報もそれなりにオープンにして、お互いがどのような行動をとるかある程度は想定できたから、均衡を保てていたと言えよう。だが、現在の米中間ではそうはいかない。お互いに相手を信頼しておらず、信頼していないからこそ、恐れるからこそ、武力を拡大し続け、何かの拍子に戦争に発展する恐れがあるというのだ。抑止力について、弱いものは侵略されることは歴史から明らかであるが、強いものが必ずしも侵略されないとも限らない。やられる前にやるという感情もなくはないのだ。怒りやプライドにかけて、やらざるをえないこともあるからだ。  抑止力について勉強したい人には非常に参考になる書籍だ。武力しかり、経済による拘束しかり。戦争をはじめられないようにするには、やるぞ、やるぞ、とか、相手に自分は何をするか分からないぞ、と思わせることの重要性もある。今のトランプ大統領は、まさにそのとおりだ。

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2018/10/09

台頭する中国と、アメリカや周辺諸国との対立について、軍事をはじめ、経済やイデオロギーなど、あらゆる側面から分析した一冊。軍事面での対抗戦略(宇宙戦争やマイクロチップの脆弱性問題)は、シミュレーション小説「中国軍を駆逐せよ!」とも符合するところがあった。アメリカやヨーロッパからの、...

台頭する中国と、アメリカや周辺諸国との対立について、軍事をはじめ、経済やイデオロギーなど、あらゆる側面から分析した一冊。軍事面での対抗戦略(宇宙戦争やマイクロチップの脆弱性問題)は、シミュレーション小説「中国軍を駆逐せよ!」とも符合するところがあった。アメリカやヨーロッパからの、非合法なハッキングや、安易な生産移転による技術流出により、中国の軍事レベルが無視できないレベルまで向上してしまったことや、専ら巨大な市場を獲得することだけを念頭に、中国側の自由化や透明化を求めることなく、西側の経済圏に取り込み経済的繁栄を許したことが、国内の民主化を促すどころか、かえって共産党独裁体制の強化に繋がったことなど、改めてショッキングな内容が多く、中国に対する楽観論が最早成り立たないことを、否応なく意識させられる。通商関係が密であれば戦争にはならないというのが幻想に過ぎず、場合によってはむしろ戦争の原因にすらなること、また核保有国同士の抑止という考え方が、中国に対しては通用しない可能性があることなども、気づきにくい視点だった。本書では経済の対中依存を減らすとともに、脆弱性が露呈されつつある空母や水上艦ではなく、中国側の対策が後れている潜水艦を増強し、アジア諸国の抱える小競り合いに対して支援をすることで、中国にタダ乗りを許さないことが重要と説く。日本としても、防御的である以上本質的に有利に立つことが困難なミサイル防衛に重点を置く現状からシフトする必要があるように考える。本書で述べられている、防衛上の抗堪性向上という点だけでなく、既存の基地負担の軽減という観点からも、各地に拠点を作り分散するというのは、有効な戦略に見える。

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2018/08/20

トランプ政権の対中政策がよくわかる良書。 なぜ対中貿易赤字を問題視するのか、なぜ対中関税を仕掛けるのか、 なぜ知的財産が侵されていると主張するのか、 そういったアメリカの主張の背景が手に取るようにわかる。

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2018/07/18

邦題からお願い多いトンデモ本の一種だろうと思っていたのだが、予想に反して米中の軍事戦略を基にアジア情勢を読み解き、トランプ政権における対中戦略がどうなっているかの背景情報を与えてくれる良書。

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2018/07/16

トランプ政策顧問執筆という触れ込みではあるが、必ずしも現在のトランプ政策とは合致していないというか、迷走しているように見える現在のトランプ政策と比べるとかなり冷静な論の進め方で、アメリカから見た中国の脅威と対処について説明している。 本書からトランプ政権の安保政策を読み取るという...

トランプ政策顧問執筆という触れ込みではあるが、必ずしも現在のトランプ政策とは合致していないというか、迷走しているように見える現在のトランプ政策と比べるとかなり冷静な論の進め方で、アメリカから見た中国の脅威と対処について説明している。 本書からトランプ政権の安保政策を読み取るというのは、ナヴァロ氏の政権での影響力がどれほどのものかといったことなどもわからないとなんとも言えないので、その観点から読めるのはそれなりのトランプ政権通に限られてくるのかもしれないが、米中の地政学について、一つづつ丁寧に説明している本書は、米中衝突の可能性とそれへの対処についての一般人の理解を図るという点では非常に良い本だと思う。

Posted byブクログ

2018/06/15

今や世界第2位のGDPを誇る中国は東シナ海および南シナ海へと海洋進出を図り、軍備を拡張し続けている。それにアメリカはどう向き合うべきなのか。中国の海洋進出により周辺諸国との緊張が高まり、何かのきっかけで地域紛争が発生した場合、アメリカは同盟国の守るために戦力を投入するのか。その時...

今や世界第2位のGDPを誇る中国は東シナ海および南シナ海へと海洋進出を図り、軍備を拡張し続けている。それにアメリカはどう向き合うべきなのか。中国の海洋進出により周辺諸国との緊張が高まり、何かのきっかけで地域紛争が発生した場合、アメリカは同盟国の守るために戦力を投入するのか。その時米中は戦争へと向かってしまうのか。戦争という最悪の選択へと突き進むことを防止するために東アジアの地政学的な考察をはじめ、米中の軍備の状況、中国の狙いを精緻に分析している。 ベトナム戦争が終結してベトナムが統一し、東西冷戦が終了して東西ドイツが統一したが、朝鮮半島のみが分断されている。その背後には当然米中関係がある。東アジアは今の世界の中でも最も緊張状態にある地域の一つと言って良い。北朝鮮の非核化が国際的な課題にあがる今こそじっくり読みたい一冊であると思う。

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2018/06/05

情報量とても多いです。 この一冊で「いまアメリカ政府(トランプ大統領)がどうしてこのような外交を行っているのか」が理解できます。

Posted byブクログ

2018/02/07

米中が戦う可能性はあるか、あるとしたら何がきっかけとなるか、戦ったらどうなるか、交渉の余地はあるか、どうしたら戦争を防げるかを、アメリカ側の立場から地政学的に論じる。 感覚的な議論ではなく、歴史やインタビューに基づいて組み立てていこうとしていくのがいい。中国の覇権の考え方を理解す...

米中が戦う可能性はあるか、あるとしたら何がきっかけとなるか、戦ったらどうなるか、交渉の余地はあるか、どうしたら戦争を防げるかを、アメリカ側の立場から地政学的に論じる。 感覚的な議論ではなく、歴史やインタビューに基づいて組み立てていこうとしていくのがいい。中国の覇権の考え方を理解するのにお薦め。 以下は読書メモ: 中国とアメリカが軍事衝突する可能性は。 - 中国は過去100年に6カ国に侵略され、覇権を握る必要がある。 - マラッカ海峡がチョークポイント。 - アメリカの禁輸措置はお家芸。 双方の軍事力は。 - 中国の軍事力はアメリカの三分の一だが、アジアだけが対象で、人件費が安く、環境に配慮しない製造コストは安く、リバースエンジニアリングで開発費がかからないので、比較できない。 - 劉華清 第一、第二列島線 - 非対称兵器 空母キラーの対艦弾道ミサイル - 中国は米露以上の核兵器を持っている。 - 非大気依存推進システム搭載のディーゼル電気方式潜水艦 - 三戦 ノンキネティックな攻撃 心理戦、メディア戦、法律戦 何が引き金になるか。 - 台湾 - 北朝鮮 - 日本 日本核武装シナリオ、中国に乗り換えるシナリオ、ぶれない同盟国シナリオ - ベトナム 西沙諸島 - 九段線 - インド 中国が実効支配するチベットは世界の給水塔 陽動戦争 政権の内憂が戦争の引け金を引く ウワサの真相ーワグザドッグ - 天は高く天子は遥か彼方に御座す 中国はその問題に誰が実権を持つかの見極めが難しい - ロシア 戦ったらどうなるか。 - 中国軍はアメリカから技術を盗み、経済力で量に物を言わせてアメリカに追いつきつつあるが、アメリカは認めたがらない。 - アメリカ軍基地の脆弱性を強化する方法 ①既存の基地の強化 ②分散多様化 ③軍備再編 - 中国本土からアメリカの艦船あるいはアジアのアメリカ軍基地へミサイルが発射されたとき 、二つの選択肢 エアシーバトル戦略 オフショアコントロール戦略 交渉の余地はあるか。 - 東アジアの平和とアメリカの繁栄は不可分 - 中国の経済成長は、中国を民主主義に導くか、軍事力強化の資金提供するだけか? - 米中の核能力がアジアの通常戦争を抑止するという確証はない。…相手に核を使うかもという嫌疑をいだかせないといけない - アメリカは透明性が抑止力につながると信じ、中国は曖昧さと不透明性が抑止力につながると考える。 - 「大取引」は実行不可能。 力による平和の可能性。 - 総合国力 さまざまなハードパワーとソフトパワー - アメリカ経済の健全化が必要 - 弱さは常に侵略への招待状 - 中国の脅威 多国籍大企業 ワシントン メディア ハリウッド映画

Posted byブクログ