静かな雨 の商品レビュー
著者初読み。「羊と鋼の森」が気になりつつ、その前に短めのものを読んでみようと手に取った。 優しい話。 優しすぎて、自分には読むタイミングを選ぶ本。
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事故にあってから新しい記憶を留めておくことができなくなったこよみさんと、そんな彼女を見守り、一緒に何気ない毎日を重ねていく行助。 こういう静かな日々を描いている物語を読むときは、そこに流れている空気感みたいなものが大切で、それが自分に合うかどうかがもっと重要なんだけど、ひと言で言...
事故にあってから新しい記憶を留めておくことができなくなったこよみさんと、そんな彼女を見守り、一緒に何気ない毎日を重ねていく行助。 こういう静かな日々を描いている物語を読むときは、そこに流れている空気感みたいなものが大切で、それが自分に合うかどうかがもっと重要なんだけど、ひと言で言うと私は好きだったな、この雰囲気。 そして読み終わったあとに残った、いとおしいような気持ち。なんだか私も毎日を大切に暮らしていきたいと思った。 氏の作品では「鋼と羊の森」を先に読んだんだけど、わたし的には断然こっちの方がよかったです。 2018/10
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新しい記憶を留めておけないこよみを愛する行助とその家族のあたたかい空気感がとても心に染み入る何とも素敵な話。行助のお姉さんみたいに無責任でなく、力強くあたたかく接することができるようになりたいな。
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宮下さんの作品にある、 静かな視線。 そこから紡がれる物語のあたたかいこと。 たい焼きに全てを詰め込んで 登場人物の心情や、風景を表現している。 だから小説に出てくるたい焼きが美味しそうなんだと思う。 久しぶりの宮下さんは、 変わらず映像化を思わせる文章でした。
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宮下奈都さん、名前はよく知ってるし、アンソロジーでは作品に触れてますが、小説は初読みです。「静かな雨」(2016.12)、2004年のデビュー作品とのこと、上質な作品でデビューされたのですね。ファンになりました。人気の高い「羊と鋼の森」も読みたいと思います。さて、本作品ですがパチ...
宮下奈都さん、名前はよく知ってるし、アンソロジーでは作品に触れてますが、小説は初読みです。「静かな雨」(2016.12)、2004年のデビュー作品とのこと、上質な作品でデビューされたのですね。ファンになりました。人気の高い「羊と鋼の森」も読みたいと思います。さて、本作品ですがパチンコの駐輪場にプレハブのたいやき店を出している「こよみ」と足が悪く松葉杖で通勤するも、間もなく会社が終わりになる「行助(ユキスケ)」の物語。こよみが交通事故に巻き込まれ、高次脳機能障害(短期間しか新しい記憶を留めておけない)に。
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こよみさんが強い。事故の後1日しか記憶を留めておけなくなった事よりも何よりも…ユキスケを信じて、でも頼らない姿が清々しい。
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宮下さんのご著書は「羊と鋼の森」につづき2冊目。 やはり、宮下さんの紡ぐ文章は心地がいい。 静かで優しくて、ほっとする。 ぐっとくる言葉にも出会える。
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事故で直近の記憶が留めておけなくなった女性、こよみ。彼女とふたりで暮らすことを選んだ行助の日々。 ブクログの梅雨に読みたい本の談話室で目に留めて 好きな作者さんだったので読んだ。 確かに静かな雨のような、ひっそりしたお話。 そんなにぎゅうっと詰まった行間の本ではない。静かで...
事故で直近の記憶が留めておけなくなった女性、こよみ。彼女とふたりで暮らすことを選んだ行助の日々。 ブクログの梅雨に読みたい本の談話室で目に留めて 好きな作者さんだったので読んだ。 確かに静かな雨のような、ひっそりしたお話。 そんなにぎゅうっと詰まった行間の本ではない。静かで、悲しいお話だった。 もしも二人が終わるとしたら、それは本当に痛みの伴う、回避できないさよならが来るのだろう。 痛くすらなく、淡々と終わるのかも知れない。 それこそ、降った雨が地面にしみるように。 音もなく。 私にはそれが、意外と早いような気がして 優しい物語だとか、ロマンチックだとか そういう恋物語には読めなかった。 主人公のふたりは、現実的で。鋭い。 言うと壊れることは口に出さず、儚い今日を 重ねて生きている。 狙ったところは、穏やかな雨のようなお話。 だけど私には、表紙のようにグレイッシュな せつないお話に見えて、かなしかった。
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本屋大賞第一回受賞作。高次脳機能障害で眠ってしまうとその日の記憶が消えてしまうこよみさんと彼女が全てであった行助との物語。 脳に記憶が残らなくても、忘れても忘れても育っていく二人の関係。たい焼きの味は深みを増している。たい焼きがこよみさんを明日へ繋いでいく。 行助の世界にこよみさ...
本屋大賞第一回受賞作。高次脳機能障害で眠ってしまうとその日の記憶が消えてしまうこよみさんと彼女が全てであった行助との物語。 脳に記憶が残らなくても、忘れても忘れても育っていく二人の関係。たい焼きの味は深みを増している。たい焼きがこよみさんを明日へ繋いでいく。 行助の世界にこよみさんがいて、こよみさんの世界には行助が住んでいる。二人の世界は少し重なっている、それでじゅうぶんだ。 透明感のあるとても綺麗な物語に惹かれます。
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優しい物語。こよみさんの淡々としているけれど芯がある感じが好き。あの泣いていた夜のことを思うと心の中では色々と抱えるものがあるのだとは思うけれど。 宮下さんの小説は「羊と鋼の森」以来二冊目でしたが、登場人物が優しくて好きです。 20180525読了
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