i(アイ) の商品レビュー
自分の存在を受け入れられないまま生きる女の、苦悩と再生。 傲慢、赦し、救済、痛み、血、愛、多くの想いが強く拍動する。とても大きく重く深い作品。 多くのメッセージを孕みながら、決して重くなり過ぎない。 受け止める重さは読者に委ねられているようにも感じた。 読者に大きなものを残す、物...
自分の存在を受け入れられないまま生きる女の、苦悩と再生。 傲慢、赦し、救済、痛み、血、愛、多くの想いが強く拍動する。とても大きく重く深い作品。 多くのメッセージを孕みながら、決して重くなり過ぎない。 受け止める重さは読者に委ねられているようにも感じた。 読者に大きなものを残す、物語の強さを思い知らされる傑作。
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渾身の感はある。確かに力強い。 でも、自分の心に踏み込んでグシグシ来るかというと 自分から一歩遠いところが踏み込まれている感じ。
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iは数学では存在しないと教えられ 自分の名前と同じアイが頭から離れず ずっとそれが負い目となって生きている。 養子として育てられ 幸せになってはいけないと 自分を責めながら生きている。 親友や 運命の人との出会いにより アイの考えが変わり始める。 サラバ!を読んだ後だったので ...
iは数学では存在しないと教えられ 自分の名前と同じアイが頭から離れず ずっとそれが負い目となって生きている。 養子として育てられ 幸せになってはいけないと 自分を責めながら生きている。 親友や 運命の人との出会いにより アイの考えが変わり始める。 サラバ!を読んだ後だったので どうしても比べてしまった。 これはこれで楽しめる。
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”この世にアイは存在しません” (数学のことを言ってるらしい)何度も登場するこのフレーズ。(ちなみに主人公はアイという名前の女性) シリアから養子として裕福な両親に育てられたことをどこか後ろめたく思って成長していくアイ。 その恩恵を自分じゃない誰かかもしれなかったと考え、 大きな災害、事故で命を落とした数をノートに書き溜めているアイ。 高校でやっと出会えた親友ミナとの友情と確執。 反原発で知り合ったカメラマンの夫との不妊治療。 なかなか盛だくさんの内容だったけど、なぜかあまり印象に残らず。
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何度も書かれる悲劇的な出来事と死者数、そして「この世界にアイは存在しません」という一文。 身近に思えたのは東日本大震災だけだというのに、その一文は一文は毎回重かった。 アイ=愛、LOVEと私には聴こえた。 知る事は大事だし無知は恥ずかしいけど強制も又良くない。そういう意味でいえばこの本も又読者の生きている環境を選ぶものなのかもしれない。 ミナの手紙に「一言では言い表せないって表現は逃げではなくて正しいんだね」という一文があるが、人間ってほんとに色んな人がいて人の気持ちは中々分からないし分かり合うことはもっと難しい。 だけど、ユウの言うように「理解出来なくても愛しあうことは出来る」のだとしたら… この世界にアイ(愛LOVE )は存在する! 筆者はアイ=I、ユウ=YOU 、そしてミナをALL(世界、社会、国)としているらしい。 アイはミナを許し認め沢山の言葉を重ねて互いに世界を考えた。アイは世界をとてつもなく愛しているのだと思った。 筆者が、主人公のワイルド曽田アイを誰かに愛されたから存在するわけではなく、先にあったとする結論も素晴らしい。 彼女の実の親がどんな親であろうと、彼女の命がたとえ誰かを犠牲にして産まれたとしてもそれは又別の話。どんな命もその命そのものの存在に理由をつけるのは無意味だ。 私にとって本作は小説というより、教科書の様な存在になった。世界中の学校にこの本が置かれて欲しいし、生徒が意見を述べる時間が持てたら有意義な事だと思う。特別な読書体験に感謝です。
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帯文:”『サラバ!』(直木賞)から2年、西加奈子が全身全霊で現代に挑む衝撃作!” ”圧倒的なラストが胸を打つ!” ”「想うこと」で生まれる圧倒的な強さと優しさ―直木賞作家・西加奈子の渾身の「叫び」に心揺さぶられる傑作長編!”
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帯が又吉直樹さん、中村文則さんで HPでは、芥川賞作家の村田沙耶香さんが絶賛 読んでいて、アイの実直な考え方や性格に好感を持つんだけど 読み進めるにつれて、そこまで思い込むのか、、、、 考えても良いんんだ、許されるんだっていうことなんだけど わたしは、そこまで生きにくくしなくてもなって感じてしまう 人はそれぞれなんだなって思うが、息苦しい感じがしてしまう また、違う気持ち、環境の時に読んだら感想は変わるのかな 少し不完全燃焼で読み終わってしまったというのが正直な気持ち
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内容的には自己の存在意義の証明。西さんは作家として次の段階に行った感じがする。「読みやすさ」で言えばサラバ迄。「読了感」で言えばサラバ以降。西さんの作品はどれも肯定される言葉があるので読了後に救われる。ただやっぱり笑いの部分が欲しかったかなぁ…。
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本屋さんで何の予備知識も無いまま、購入した。自分を卑下してしまう感覚にとても共感して夢中で読みました。読みながら強く感情が揺さぶられた。とても大切な本になりそう。
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