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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
| 発売年月日 | 2016/11/30 |
| JAN | 9784591153093 |

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商品レビュー
3.8
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米国人の父と日本人の母に養子として迎えられたシリア系のアイ。一見さまざまな人種や家庭の形態があるアメリカの方が居心地が良さそうだが、自由に選択することよりは型にハマっていた方が心地よいアイは、父の転勤でやってきた日本で、数学の道に進む。 日本でこういう養子はいるのだろうか。子供...
米国人の父と日本人の母に養子として迎えられたシリア系のアイ。一見さまざまな人種や家庭の形態があるアメリカの方が居心地が良さそうだが、自由に選択することよりは型にハマっていた方が心地よいアイは、父の転勤でやってきた日本で、数学の道に進む。 日本でこういう養子はいるのだろうか。子供が欲しいという気持ち以外の動機で養子を迎えられる人の心の広さには私には想像できない豊かさがあり、すごいなあと思う。ただ子供を迎えたその場所が単一的であったり差別的であったりすると、その子供にとって何がベストなのだろうかと思ってしまうことはある。それは私が判断することでないし、養子に迎えられた子供も感謝を求められたりルーツを探すことを求められたりすべきでもないし、それこそ十人十色だと思うのだが、ミックスの子供でさえもアイデンティティに悩んでいるという発信を(snsのお陰で、多分自分のアルゴリズムのせいだが)めにすると、考えてしまう。 そんな、なかなか自分ごとではない状況についてそれを主人公として書ける西さんはすごいなあ。思うに、おそらく震災とか自分の生まれ育った中東諸国の内戦などを自分ごとと捉えられる想像力があるからであり、たまたま日本に生まれた自分が豊かであることが正しいのかという葛藤を抱えているのではないかと思った。だから、それを養子という極端な様式にして、自分が(選ばれていなければ)置かれていたであろう状況、それに比べて豊かな自分の状況を感謝しなければいけないという良心の呵責を描けるのだろう。 思えば自分も幼い頃は運命で自分がたまたま日本に生まれた不思議に何時間も思いを馳せた。それは時に、外国の小説に出てくるような素敵な容姿ではなく短足黒髪のブサイクに生まれた自分の悲しみであり、飢餓や内戦に苦しむ子供達を傍目に飽食の国でのうのうと暮らすことへの申し訳なさでもあった。おそらくこういう正義感は子供にとても強いもので、年と共に薄れていくものだと思う。でも西さんの小説に子供の主人公が多いように、多分西さんの中にはその正しさをおう純粋無垢な子供がちゃんと息づいているのだと思う。
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恵まれて育ったアイが、自分の存在証明について考える物語だった。創造力は豊かだが、考えすぎてしまうが故に苦しんでいる場面が多く見られた。私は他人にあまり興味がないため、アイのような思考にはならない。その思考の違いや自分の周り以外の世界を考えることになった点が良かった。
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「渦中にいなくても、その人たちのことを思って苦しんでいいと思う。」「想像するってことは心を、想いを寄せることだと思う。」 という言葉に心打たれた。 亡くなってしまった人には語れない。 私も、アイと同じように思ったことがあった。 人は苦しみを知ってこそ優しくなれる。 主人公も同...
「渦中にいなくても、その人たちのことを思って苦しんでいいと思う。」「想像するってことは心を、想いを寄せることだと思う。」 という言葉に心打たれた。 亡くなってしまった人には語れない。 私も、アイと同じように思ったことがあった。 人は苦しみを知ってこそ優しくなれる。 主人公も同じように不幸や挫折を経験する。 ならば、私は人より優しくなれないのか。 いっそのこと、一度挫折してみたい。と。 この本は恵まれた環境にいる者にも、救われる言葉をくれる。 世界にたくさんある目を背けたい事実に、少しずつ知りたいと思うようになった。
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