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i(アイ) の商品レビュー

3.8

422件のお客様レビュー

  1. 5つ

    86

  2. 4つ

    162

  3. 3つ

    111

  4. 2つ

    28

  5. 1つ

    3

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2017/02/24

アイとは“i(私)”であり“identity"なんだろうなと勝手に解釈する。 西さんの本を読むのは「サラバ」に続いてまだ2冊目だけれど、世界観というか自己肯定感というか共通するテーマが根底に感じられた。他の作品もそうなのだろうか。 この本を読んで、以前にNYで知り合っ...

アイとは“i(私)”であり“identity"なんだろうなと勝手に解釈する。 西さんの本を読むのは「サラバ」に続いてまだ2冊目だけれど、世界観というか自己肯定感というか共通するテーマが根底に感じられた。他の作品もそうなのだろうか。 この本を読んで、以前にNYで知り合ったネパール系アメリカ人の女性から聞いた話を思い出した。 彼女の妹も、もちろん生まれも育ちもアメリカ。医師の資格を持ち、NYで揺るぎない生活を送る未来があった。しかし自分の中にぽっかりと空いた穴(彼女はemptinessと表現した)を埋められずネパールに渡ったと。 おそらく、多民族国家や、大陸においては養子にかぎらずとも自分の出自、アイデンティティについて考える人は多いのだろう。 日本が特殊なだけで。 そう言った意味で、このようなテーマをストレートに投げかける西さんは今までにない新しい作家という気がしてならない。 ぜひ若い人に読んでほしい。 自分を見つめることは世界に目を向けること。 いい作品でした。

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2017/02/23

アウトサイダーな女の子が主人公。 最終的にはなにもかもをまるっと全肯定してくれる物語。西加奈子さんにはこの物語を世に産み出してくれてありがとう!と感謝をひたすらに伝えたい。 読中、「i」のトリプルミーニングに気付いたときには震えた。 中盤までの文章は、作者らしさよりも真面目な眼...

アウトサイダーな女の子が主人公。 最終的にはなにもかもをまるっと全肯定してくれる物語。西加奈子さんにはこの物語を世に産み出してくれてありがとう!と感謝をひたすらに伝えたい。 読中、「i」のトリプルミーニングに気付いたときには震えた。 中盤までの文章は、作者らしさよりも真面目な眼差しが光っていたが、クライマックスにつれ西加奈子節がドッカンドッカン現れるので爽快だった。

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2017/02/22

冒頭はなんだかややこしいルーツでまどろっこしいかんじが、中盤走り出したら止まらず読了。 世界の至るところで起こる不幸をどうして自分でないのか?とか、養子として選ばれたことにたいする選ばれなかった人への申し訳なさとか、幸せな境遇を素直に受けとめられない生きにくいアイ。 不幸に死んだ...

冒頭はなんだかややこしいルーツでまどろっこしいかんじが、中盤走り出したら止まらず読了。 世界の至るところで起こる不幸をどうして自分でないのか?とか、養子として選ばれたことにたいする選ばれなかった人への申し訳なさとか、幸せな境遇を素直に受けとめられない生きにくいアイ。 不幸に死んだ人の数をノートに書留め、数学に没頭し、「この世界にはアイは存在しません」のフレーズにであい、悩む。 自分が東京にいながら東北大震災が起こり、不幸の当事者になりたいという思考もかなり歪んでいる。 ユウと出逢い愛し愛されるようになり子どもをほしがったところから、また大きく揺れていき、自分の血の繋がりについて、血の繋がりのない家族関係についてずっと悩み続けてきたことへのおとしどころを見つける。 親友のミナとの関係がとてもいい。 そんな親友をひとりだけ持ちたい。

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2017/02/22

2017年17冊目。 はじめて西さんの本を手に取った。 能天気な自分とはかけ離れた、繊細で聡明な主人公の物語だったためか、あまり響くものはなかった。 また、主人公をとりまく人物たち(両親や親友、夫)が皆一様に出来すぎていてイマイチ人間味にかけているように感じ、誰にも感情移入で...

2017年17冊目。 はじめて西さんの本を手に取った。 能天気な自分とはかけ離れた、繊細で聡明な主人公の物語だったためか、あまり響くものはなかった。 また、主人公をとりまく人物たち(両親や親友、夫)が皆一様に出来すぎていてイマイチ人間味にかけているように感じ、誰にも感情移入できず。 恵まれていることを、そうでない人と比較して罪悪感を得ること自体が、勝手に比較された方からしたら怖ろしく傲慢かつ失礼だと思うのだが、作中でも語られているように、辛い状況にある人々を思い胸を痛めて涙を流すこと、真剣に考えることは失礼だとは思わない。なんと優しく、あたたかく、聡明だろうとさえ思う。

Posted byブクログ

2017/02/21

今年の本屋大賞候補作品。「アイは存在しません」と言われたある日から、自分の恵まれた境遇と、この瞬間にも事故や戦争、天災等で命を落とす人が何人もいるんだという事実に罪悪感を感じることと自身の存在を問うていく。数学教師の言葉が重くのしかかり、自分を肯定できないアイの心情は深く心に突き...

今年の本屋大賞候補作品。「アイは存在しません」と言われたある日から、自分の恵まれた境遇と、この瞬間にも事故や戦争、天災等で命を落とす人が何人もいるんだという事実に罪悪感を感じることと自身の存在を問うていく。数学教師の言葉が重くのしかかり、自分を肯定できないアイの心情は深く心に突き刺さるかのようだった。自分を認めてくれるミナ、ユウ達の存在がアイにとって、自身を肯定できる方へ、殻を破り、前を向いて進むきっかけとなっただろうと思う。存在が否定されても、自分は一人の人間として存在すると包容する二人が目に焼き付く。

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2017/02/19

2人の異なる立場の心情描写が素晴らしかった。理解はできないが大切にしたい人を思いやる強さにグッときた。

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2017/02/19

誰かから受け入れられる、認められる、愛される 自分自身で受け入れる、認める、愛する この世界に、ほんとの意味で存在するには両方とも必要なのかもしれない。 だけどせめて、誰かが自分を認めて受け入れてくれた時には、それを素直を受け取れる人でありたい。 そして、同じように誰かを受け容...

誰かから受け入れられる、認められる、愛される 自分自身で受け入れる、認める、愛する この世界に、ほんとの意味で存在するには両方とも必要なのかもしれない。 だけどせめて、誰かが自分を認めて受け入れてくれた時には、それを素直を受け取れる人でありたい。 そして、同じように誰かを受け容れられる人になりたい。

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2017/02/19

最近手に取った、西加奈子さんの「i」。 まだ読んだ数は少ないが、このひとの物語は生への欲にあふれているような気がする。出てくる誰もが、世界とつながっていたいって、ひたすらに叫んでる。 アイは脆い部分もあるけれど、他人や自分と向き合う強さをきちんと持っていて、とても人間らしくて好き...

最近手に取った、西加奈子さんの「i」。 まだ読んだ数は少ないが、このひとの物語は生への欲にあふれているような気がする。出てくる誰もが、世界とつながっていたいって、ひたすらに叫んでる。 アイは脆い部分もあるけれど、他人や自分と向き合う強さをきちんと持っていて、とても人間らしくて好きだと思った。 カバーを外すと、綺麗な青地に堂々とした「i」の文字。カバーは目を惹く鮮烈な色彩を放っているが、その内側は対照的にとてもシンプル。装丁も美しい一冊だ。

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2017/02/19

シリア生まれで養女ということで自分がただ生きているというだけでなく,豊かな条件の中で生きているということに罪悪感を持ち続ける少女アイ.彼女が記録し続ける死者の羅列に,世界中の悲惨な出来事と犠牲者が思い出されて,読みながら考えさせられました.

Posted byブクログ

2017/02/16

何故かなあ すごい世界が強く語られてるんだけれど 共感できなかった 世界の悲劇に心を響かせているアイがとても遠かった 私がお気楽だからかなあ それと西加奈子さんの絵が好きではないんです 強すぎるのかなあ ≪ 広い視野 強靭な想い 優しさと ≫

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