i(アイ) の商品レビュー
一気に読めた。 人それぞれにいろいろな感情を持ったのではないか。 想像するとは何か、どういう行いなのか 想像とは感情 感情はどこから生まれてくるのだろうか それは遺伝的な影響を強く受けるのか それとも環境的な影響を強く受けるのか
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この世界にアイは存在しない。自分自身と重ねて、自分の存在意義を養父母の元で考えてしまうアイ。その苦しみが伝わるとても繊細な主人公が描かれていた。
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「この世界にアイは存在しません」 というフレーズから始まる、シリアで生まれてアメリカ人と日本人の養子として育ったアイが主人公の物語。現実に起きている東日本大震災や、中東戦争、シリア難民などの問題が織り交ぜられ、リアリティある作品になっている。自分のルーツについて悩み、恵まれた環境...
「この世界にアイは存在しません」 というフレーズから始まる、シリアで生まれてアメリカ人と日本人の養子として育ったアイが主人公の物語。現実に起きている東日本大震災や、中東戦争、シリア難民などの問題が織り交ぜられ、リアリティある作品になっている。自分のルーツについて悩み、恵まれた環境にいることに罪悪感を常に感じながら生きているアイは、紆余曲折しながらも、最後は「この世界にアイは存在する」=自分は存在する、ここにいる、と思えるまでに至る。 心に響く部分もあったけど、なんか繰り返しの言葉が多く、わざとかっこよく仕上げているというか、一言で言うと西加奈子さんの小説の中では一番好きじゃないかも。期待してた分、残念でした。
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「i」っていう数を知ったのは映画『博士の愛した数式』。このイマジナリーナンバーと呼ばれる「i」を、存在しない、と言った数学教師の言葉から物語は始まる。 どうしても自分の存在を肯定できないアイの気持ちを完璧に理解することなんて私にはできない。 理解はできない、けど、分かる。 アイの...
「i」っていう数を知ったのは映画『博士の愛した数式』。このイマジナリーナンバーと呼ばれる「i」を、存在しない、と言った数学教師の言葉から物語は始まる。 どうしても自分の存在を肯定できないアイの気持ちを完璧に理解することなんて私にはできない。 理解はできない、けど、分かる。 アイの気持ちが私には分かると思う。 読み終わって自分の中に生まれた思いを整理したくて、西加奈子さんのインタビューを読んだら涙が止まらなくて。 本を読んでる時は泣かなかったのに、記事とインタビュー動画を見たら、西さんに「i=自分」を肯定してもらえたような、背中を押してもらったような、そんな気持ちになって。 西加奈子さんの本を読むといつも、西さんに抱きしめられてヨシヨシってしてもらってるような感覚になる。 落ち着いたらまた読み直したいし、子供達にもいつか読んでほしい。
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数学教師が最初の授業で言った「この世界にアイは存在しません。」数学好きの私にとっては「なんですと( ̄□ ̄;)!!虚数はありますよ‼」とその場かぎりで引っかかる程度だけど、アメリカ人の父と日本人の母の養子となったシリア人の主人公アイにとっては、とても重い言葉(T-T)あぁ西加奈子さ...
数学教師が最初の授業で言った「この世界にアイは存在しません。」数学好きの私にとっては「なんですと( ̄□ ̄;)!!虚数はありますよ‼」とその場かぎりで引っかかる程度だけど、アメリカ人の父と日本人の母の養子となったシリア人の主人公アイにとっては、とても重い言葉(T-T)あぁ西加奈子さんが書いているなと、ふっと頭を過る出来事の数々をアイは乗り越えていく(^-^)そしてこの先もアイは存在し続けて欲しい\(^o^)/
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+++ 「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。ある「奇跡」が起こるまでは―。「想うこと」で生まれる圧倒的な強さと優しさ―直木賞作家・西加奈子...
+++ 「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。ある「奇跡」が起こるまでは―。「想うこと」で生まれる圧倒的な強さと優しさ―直木賞作家・西加奈子の渾身の「叫び」に心揺さぶられる傑作長編! +++ シリアで生まれ、アメリカ人の父と日本人の母の養子となったアイ。両親は惜しみなく愛してくれ、何不自由なく育てられてしあわせだったのだが、幼いころから、何かの被害に遭った人を見るたび、「なぜ自分ではなかったのか」と自問自答し、申し訳ないような思いにとらわれていた。誰かを不幸にしてしあわせになっている自分が、こんなにしあわせで申し訳ない、という屈折した思いは、高校の数学教師の「この世界にアイは存在しません」というひと言――教師の言った「アイ」とは、虚数のことだったのだが――で、さらに深く胸に入り込む。人と違う容姿をしていること、人と違う家庭環境にあること、意識的無意識的にかかわらず異分子として見られること、さまざまなことを考えすぎてしまうアイにとって、この世界は生きづらいことこの上ないのだった。だが、高校で出会ったミナと心を通わせるうちに、少しずつ他者を通して自らの内面を客観的に眺められるようにもなり、大学院生時代に知り合ったユウと恋愛すると、自分の異質さなど意識せずに夢中になれることがあることにも気づく。アイの悩みも喜びも、実は周りの親しい人たちが、いつも大きく見守ってくれているのである。ほんとうのところでアイのことを理解することはできないが、少しでも安らかな気持ちで健やかに生きていかれるように祈らずにはいられなくなる一冊である。
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アメリカ人の父、日本人の母、シリア生まれの養子のアイ。虚数のiとともに「この世界にアイは存在しません」という言葉がイヤというほど出てくる。自分の存在を肯定できない自分。世界で多くの人が亡くなっていて、そして今、生きている自分と何が違うのかがわからない。存在価値を見出すために自問自...
アメリカ人の父、日本人の母、シリア生まれの養子のアイ。虚数のiとともに「この世界にアイは存在しません」という言葉がイヤというほど出てくる。自分の存在を肯定できない自分。世界で多くの人が亡くなっていて、そして今、生きている自分と何が違うのかがわからない。存在価値を見出すために自問自答していく。 ここまで深い自己否定に共感できずに、もやもやとしてしまった。
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西さんの作品を読むと、 その勢いに圧倒される。 ぐっと手を握られてそのまま猛ダッシュされる。 立ち止まろうとしても手を放してくれないから止まれない。 そうやって物語のゴールまで引っ張っていかれる。 自分がこの場所で生きていること。 自分がここにいるということは、 ここにいられな...
西さんの作品を読むと、 その勢いに圧倒される。 ぐっと手を握られてそのまま猛ダッシュされる。 立ち止まろうとしても手を放してくれないから止まれない。 そうやって物語のゴールまで引っ張っていかれる。 自分がこの場所で生きていること。 自分がここにいるということは、 ここにいられない人がいたということ。 私の母は、私を生む前に二人流産したらしい。 ふと、そのことを思い出した。
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選ばれ、生き残ってしまった自分。 そんな風に考え自分の恵まれた境遇でさえ 苦しみとしか感じられない、アイ。 でも実際自分に不幸が降りかかったとたん 逃れたい、自分だけは助かりたい そう思ってしまう自分も許せない。 こんな風に考えてしまうのは若い ってことなのかもしれない 時間が...
選ばれ、生き残ってしまった自分。 そんな風に考え自分の恵まれた境遇でさえ 苦しみとしか感じられない、アイ。 でも実際自分に不幸が降りかかったとたん 逃れたい、自分だけは助かりたい そう思ってしまう自分も許せない。 こんな風に考えてしまうのは若い ってことなのかもしれない 時間が解決することってあるし 歳をとって 自分に折り合いをつけられるようになると楽。 でも、それでいいのか、自分。 って顧みた一冊。
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・アイのノートの死者数は、万を超えていた。計算しなくても分かった。これだけの人間が死んでいるのに、世界はまだつつがなく進行していた。朝起きたらお腹が空き、満員の電車は数分おきに出発し、授業は退屈だ。 じゃあ、人はどこで死んでいるの? ・「こっちにいるとさ、至るところで日本の国旗を見るの。」 エンパイアステートビルが日本国旗の色に染められたのを、アイもニュースで見た。 「みんなが日本のために祈ってる。私も彼らも日本にいなかったし、地震の被害にも、原発の被害にも遭わなかった。でも、じゃあ私たちに祈る権利はないって、アイは思う?」 ミナはアイをじっと見ていた。目は合わなかったし、瞳孔はもう動いていなかったが、それはアイのことを思っている、まっすぐな視線だった。 「思わない。」 「誰かのことを思って苦しいのなら、どれだけ自分が非力でも苦しむべきだと、私は思う。その苦しみを、大切にすべきだって。」 ・心が変化すると、生活にも変化が訪れた。 ・人間は誰といたって、ひとりになる時間が1秒もなくたって、究極は、絶対にひとりなんだって、アイを見ていたら思った。分かる?アイは孤独を体現していた。 今までずっと、ずっと自分の内面と向き合って生きてきた人なんだろうなって、すぐに分かった。私が14歳のときに抱えた孤独とは、比べ物にならないものを抱えてきたんだろうって。 ・ユウへの愛情は変わらなかったが、あの時のように、自分がここにいることを心から喜ぶことは出来なかった。人の気持ちの頼りなさが寂しかった。すべてを手に入れたように思っていたあの時間の欠片は、もうアイのからだのどこにも残っていないのだ。 ・アイは息を吸った。 「私の心は取り戻せる。」 言った瞬間、涙が出てきた。悲しいのかと思ったが、違った。ミナに会いたいのだった。自分はミナに会いたくて泣いているのだった。 ミナは「本当の私をくれた」と書いていた。それは自分の方だ。ミナは自分をこの世界に存在させてくれた人だった。ずっと頼りなかった自分の輪郭を、濃く、深く肯定してくれた人だった。ミナといるときは、あの声を聞くことはなかった。一度も。
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