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三鬼 の商品レビュー

4.3

151件のお客様レビュー

  1. 5つ

    62

  2. 4つ

    59

  3. 3つ

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2019/05/29

シリーズ4作目。 百物語聞き手のおちかの心の傷が、聞き取ってきた怪異譚と彼女を取り囲む心優しい人達によって癒されてきて全快も近いのではないかと思わせる読み心地が漂う。 特に最後の一話「おくら様」に、傷を抱えたまま居着いてはいけない、前に向かって進まなければ幸せになれないと、おちか...

シリーズ4作目。 百物語聞き手のおちかの心の傷が、聞き取ってきた怪異譚と彼女を取り囲む心優しい人達によって癒されてきて全快も近いのではないかと思わせる読み心地が漂う。 特に最後の一話「おくら様」に、傷を抱えたまま居着いてはいけない、前に向かって進まなければ幸せになれないと、おちかを思う人々のメッセージが込められている。 貸本屋の貫一の「生身の人の語りは、血が通っていて面白いが生物だけに、時にはあたる」 でも「読み物は生身の人からは離れている。どう間違ってもあたらないし障らない。気散じにはうってつけの上、読み物を通して知識が増えれば肝っ玉が強くなり一石二鳥」という意味の言葉が刺さる。 小説ばかり読んでいる私は、一体お楽しみだけを求めるこんな読書に意味があるのかと大げさに言えば悩んでいたことがこの言葉で少し楽になった。

Posted byブクログ

2019/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

たくさんネタバレしてあります。 たくさんたくさんネタバレしてあります。 1つ目は、死んだ人が帰ってくる旅籠の話。でも、完全な形です帰ってくるわけではない。うっすら透けてて、ただそこに居るだけ。話せない。一緒に暮らせない。関われない。しかも、生きてる人が半分死人のように眠ってしまう。 大好きだった人が死んでしまったら、帰ってきて欲しい、また会いたい、また一緒に暮らしたい、というのは、今も昔も、世界中どこでも、みんなの想いなのでは無いでしょうか。分かるけど、物凄く分かるけど。という悲しい話。 2つ目は、悲しくない、さみしくない、切なくない話。 旅の途中で餓死してしてしまった人はひだる神になるという。気の良いひだる神に取り憑かれて、半生を共に生き、ひだる神が居なくなってしまったら寂しがって、ひだる神さんのいた村まで引っ越してしまうお料理屋さんの話。 3つ目は悲しい、切ない話。暮らしていくだけで過酷な山間の村では、労働力にならなくなった人、年老いた人、怪我や病気で働けなくなった人が間引かれていく。それでも自分の家族が殺されるのは悲しすぎて、手を下した人と日常で顔を合わせるのは辛すぎる。だから村を2つに分かる。どちらかの村で間引かれる人が出たら、もう片方の村から人が行って間引く。村人は隣の村には言ってはいけない。つながりをもってはいけない。いつの頃からか、人ならぬものが山からおりてきて、人を間引くようになった。 なんという悲しい話。病人が、年老いた人が、障害のある人がどれだけリソースを食うか、というのは、悲しいけれど現在でも心無い人が言い出す話。それが本当になったら、ここまで悲しい悲しい切ないことになるんだな、と改めて思う。 最後の話。恩と怒り悲しみを両方抱えた娘が、オクラサマとなり、恩のお返しにその家を災厄から守る。怒りの復讐にその家の娘を1人とっていく。いつまでも後ろを向いていてはいけない、どんなに悲しい後悔することがあっても、前を向いて生きていかないとオクラサマになってしまうよ、という話。 青野理一郎先生が故郷に帰って、亡くなった友人の残す婦人と結婚して、友人の家を継ぐという。おちかの気持ちを思うと、とても悲しい。

Posted byブクログ

2019/04/08

シリーズ物、初めて読んだので4の巻きから 笑。大部な本だけど中編4本立てで皆よく出来ていて厭きないですね。さすがにずっと続いているシリーズだけのことはあります♪ 話し捨て聞き捨て がお約束の百物語、聞き役の おちか そもそもが曰く付きらしいけど、初めから読んでいないので後日判るの...

シリーズ物、初めて読んだので4の巻きから 笑。大部な本だけど中編4本立てで皆よく出来ていて厭きないですね。さすがにずっと続いているシリーズだけのことはあります♪ 話し捨て聞き捨て がお約束の百物語、聞き役の おちか そもそもが曰く付きらしいけど、初めから読んでいないので後日判るのだろうけど。 さて4編それぞれが面白いけど、なかではタイトルになっている「三鬼」と「おくらさま」が印象的だった。これは初めから読まなくては(^^) さすがの宮部みゆき ですね♪

Posted byブクログ

2020/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

3度目の再読。六まで読み進めた私としては、第4話の「おくらさま」でここまで一気に第1章のおわり(伍)から新章(六)への伏線を張られてたことに唖然!!一方、勘一の口から語られる、作者宮部みゆきさんの「読書のすすめ」も興味深い( *´艸`) さておき、ひだる神が、暗獣くろすけと重なったのは私だけか!?前者はわがままいっぱい、後者は臆病者だけど心優しい、正反対の性格だけど。。。人が好きで。。人から愛される。もののけより怖いのは人。。 ところで、三鬼の「三」は含みがあるのでしょうか?またしても読み逃したか(^^; 以下2016/12/29 おちかちゃんに、変化が訪れようとする4冊目。 女として、第4話おくらさま の話がずどんと身にしみたけど 第1話の迷いの旅籠だって、身内をなくしたことのあるものには身に染みる。 三鬼に関しては言葉もなくなるつらいお話だけど ひだる神さまのお話は心がちょっと暖かくなるような。。。 勘一は、やはり・・・!?( *´艸`) (一人妄想で、言葉は控えておこう・・・)

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2019/03/03

シリーズ4弾。雪深い寒村の過酷な暮らしとそこに起きる怪し。他の話に比べて迫力が違った。語り部がいるはずなのを忘れでぐいーっと引き込まれて、登場人物達に思い入れる。 他の話もそれぞれ悲哀があり、聞き手のおちかさんにも変化があって、続きが楽しみです。

Posted byブクログ

2019/02/26

さすが。の一言です。こんなにも不思議で、でも奥が深くて、軽くないのに読む手が止まらない。 三島屋シリーズは大好きです。 三鬼の話は一番心に残りました。人の業。だけど、みんな必死で生きている。鬼を抱えながら、私は必死で生きているのだろうか。

Posted byブクログ

2019/02/11

宮部みゆきさん、三島屋変調百物語シリーズ四巻「三鬼」読了。今回は土地神様に収穫を祈る行灯祭り「迷いの旅籠」、だるま屋さんの由来を語る「食客ひだる神」、山番士の役を語る武士による「三鬼」、美人姉妹による香屋のお話「おくらさま」の四編。三島屋のおちかの周りも変化がある巻でした。一人が...

宮部みゆきさん、三島屋変調百物語シリーズ四巻「三鬼」読了。今回は土地神様に収穫を祈る行灯祭り「迷いの旅籠」、だるま屋さんの由来を語る「食客ひだる神」、山番士の役を語る武士による「三鬼」、美人姉妹による香屋のお話「おくらさま」の四編。三島屋のおちかの周りも変化がある巻でした。一人が去り、新たな一人が加わり、今後の展開も気になります。表題にもなっている「三鬼」もピリリと引き締まった話で良かったのですが「食客ひだる神」も可笑しく、暗い話が多い中で温かい気持ちになれ良かったです。青野利一郎と勘一はどう関わるかな。

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2019/01/16

この時代は土葬と火葬、どちらが主なのだろう。吸血鬼もゾンビも土葬だからある文化で、火葬なら、亡者が戻って来たとしても、人として触れられないよね。利一郎が選んだ道を悔やむことのないように。勿論断るという選択肢はなかったんだろうけど。鬼は須加が息を引き取る時も現れるんだろうか。

Posted byブクログ

2018/12/23

間違って五の続きを読んでしまってから、読んだ。 五作目にレギュラーで出てくる従兄はいつ出てくるんだろうと、いつもと違う興味で読み進めた。 話はいつも通り面白く、本の厚さは全く気にならなかった。

Posted byブクログ

2018/12/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

*迷いの旅籠 宮部さんの書く絵師って、困ったさんが多い?印象…。 *食客ひだる神 終わり方が好きです。 *三鬼 切ない…。侍さんが役所広司のイメージで読んでしまった…CMのせい? *おくらさま もうちょっと商家の話を詳しく…知りたかったなあ。

Posted byブクログ