応仁の乱 の商品レビュー
奈良目線で応仁の乱を読み解いていた点が面白かった。 大和・河内・山城辺りの地理が頭に入っていないと、たぶんちんぷんかんぷんなので、もう少し地図等が挿し込まれているとよかったと思う。 かなり学術的な読み解きが中心なので、なぜここまでのベストセラーになったのかは謎。
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応仁の乱の新しい解釈と言われても、現在の通説自体をよく解っていないので、正直、どこが新しい解釈かはつきりと理解は出来ていないと思う。登場人物を把握するには、自分で図でも作らないと無理。
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篤実な研究者による、応仁の乱論。 足利将軍家だけでなく、畠山、細川、山名などの諸大名のお家の事情、興福寺の権力との関係などさまざまな側面から、多面的に語られる。 浮かび上がってくるのは、この大乱の錯綜ぶり。 単純な図式化不能。 複雑なものを複雑だと示すこういう本が売れるとは。 ...
篤実な研究者による、応仁の乱論。 足利将軍家だけでなく、畠山、細川、山名などの諸大名のお家の事情、興福寺の権力との関係などさまざまな側面から、多面的に語られる。 浮かび上がってくるのは、この大乱の錯綜ぶり。 単純な図式化不能。 複雑なものを複雑だと示すこういう本が売れるとは。 と、わかった風に書いてみちゃいるが、実際読み通すのはかなり根気がいる。 二週間もかかってしまった。 へえ、というより、初めて知ることばかりで。 どこかに人物紹介ページ、作ってくれ! 年表作ってくれ! と思うことしばしば。 本当に、この本が売れるってすごい。 とはいえ、思わず身を乗り出してしまうような、面白いところもあった。 一つは、戦い方の変化、特に都市への流民を組織することで成立した足軽が、戦いを変えていったという指摘は面白い。 足軽を動員して補給系統を乱したり、略奪・放火で軍や土地を疲弊させ、町を荒廃させたという。 それから、興福寺が、寺にとって不都合な衆徒・国民(いずれも武士)の名字を籠めるという呪詛を行っていたことも。 これは寺内の合議で決定されることで、相手の武士への制裁措置となるらしい。
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歴史書としては異例のヒットとなった『応仁の乱』。新進気鋭の中世史学者である著者が、『経覚私要鈔』『大乗院寺社雑事記』という2人の興福寺僧(前者が経覚、後者が尋尊)の日記をベースに、「試行錯誤を重ねがら懸命に生きた人々の姿をありのままに描き、同時代人の視点で応仁の乱を読み解」いてい...
歴史書としては異例のヒットとなった『応仁の乱』。新進気鋭の中世史学者である著者が、『経覚私要鈔』『大乗院寺社雑事記』という2人の興福寺僧(前者が経覚、後者が尋尊)の日記をベースに、「試行錯誤を重ねがら懸命に生きた人々の姿をありのままに描き、同時代人の視点で応仁の乱を読み解」いている。 「階級闘争史観」のような先入観なしに、応仁の乱を一次史料を駆使してありのままに描くという点で、本書は優れた歴史書であると思ったが、正直、なぜここまで売れたのかというのはよくわからなかった。売り方が良かったという面と売れたから(より)売れたという面はあったのだろう。 正直、登場人物が多すぎて、内容を把握するのがたいへんだった。応仁の乱が、様々な人を巻き込んでだらだらと続いた大乱であったことはよくわかった。第1次世界大戦と似た構図を持っているという著者の見立ては理解できる。 当事者たちはそれなりに「出口戦略」を考えており、終戦に向けて様々な努力や工夫をしていたが、各々の当事者が「損切」に踏み切れず、コミュニケーション不足やタイミングのずれによって、終戦工作は失敗を重ね、戦争は無意味に続いたという著者の指摘は、確かに現代にとっても大きな教訓となると感じた。 登場人物の全体像を掴み切ることはできなかったが、本書の「主人公」としての経覚と尋尊の2人については、記述が厚かったこともあり、両者の個性をだいぶ掴むことができた。対照的な性格の2人だが、特にしたたかな尋尊に興味を覚えた。
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日本の歴史において、”戦国時代の入口”となった重要な出来事とされる、応仁の乱。 京都で長い期間、戦闘が行われたという認識はあるのですが、なぜ起こってどのような結果になったのかは知らない、というのが正直なところでした。 その応仁の乱について書かれた新書が話題になっていると知って、遅...
日本の歴史において、”戦国時代の入口”となった重要な出来事とされる、応仁の乱。 京都で長い期間、戦闘が行われたという認識はあるのですが、なぜ起こってどのような結果になったのかは知らない、というのが正直なところでした。 その応仁の乱について書かれた新書が話題になっていると知って、遅ればせながら読んでみることにしました。 著者は日本中世史を専門とする学者さん。 応仁の乱はどのような背景で起こったのか、11年という長い乱の期間どのような経緯をたどったのか、そして乱はその後の日本にどのような影響を与えたのか、という構成で進んでいきます。 著者が主に参考にしたのが、奈良興福寺の二人の僧侶が書いた日記。 意外に感じましたが、この時代の奈良はどのような統治のされかただったのか、京都と奈良の地理的、政治的関係というのはどのようなものだったのかが冒頭に書かれているので、新たな視点を得ることができました。 その上で応仁の乱の経緯が記述されているのですが、正直なところ、登場人物が多くて全体像を理解するのは難しいなあと、感じました。 戦乱というと、家と家の争い、というイメージを持っていましたが、応仁の乱についてはそこに、それぞれの家の相続争いが、重要な要素として含まれていたのですね。 山名宗全と細川勝元という二大勢力の争いとされますが、それぞれの”連合軍”には、個別の事情を抱えた人物が複数集まっていて、それがこの乱に複雑さ、解決困難性を与えたのだと、理解しました。 京都を荒廃させた上で誰も勝者がいなかったという、応仁の乱。 これまで関係書籍を読んでこなかったので、理解を一歩、進めることができました。 関連する小説などを探して、さらに理解を深めていきたいと思います。
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新書の歴史評論がミリオンセラーになるほど面白いのか? 歴史は好きで歴史評論も幾多読んで来たが、応仁の乱はほとんど意に介さなかった私は内容の前にこの社会現象的な売れ行きに惹かれて読み始めた 果たして、この本は面白い! と言うか、応仁の乱とはなんと面白いのだろうか! 応仁の乱の時も現...
新書の歴史評論がミリオンセラーになるほど面白いのか? 歴史は好きで歴史評論も幾多読んで来たが、応仁の乱はほとんど意に介さなかった私は内容の前にこの社会現象的な売れ行きに惹かれて読み始めた 果たして、この本は面白い! と言うか、応仁の乱とはなんと面白いのだろうか! 応仁の乱の時も現代も人の欲と駆引きと、そして人生に対する達観と諦めは変わらないと思い至った 応仁の乱は将軍家のお家騒動くらいの予備知識で読み始めた本書には、煮詰まった時代は時風雲児やヒーローが改革するのではなく、多くの人の積もり積もった個々の念が泥沼と化して混沌を生み、やがて新たな芽を吹くのだと改めて思わせるものがあった それは小説のように感情を移入しないからこその面白さだった
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昔から”応仁の乱は10年以上続いたのに、英雄や象徴的なエピソードを聞かないのはなぜだろう?”と疑問でした。乱暴に言うと、特定地域の人たちが天下布武などの特定の目的を持たずに無目的に小競り合いを続け、辞めるきっかけがなかったから、ということのようでした。現代社会でもこうゆうのあるよ...
昔から”応仁の乱は10年以上続いたのに、英雄や象徴的なエピソードを聞かないのはなぜだろう?”と疑問でした。乱暴に言うと、特定地域の人たちが天下布武などの特定の目的を持たずに無目的に小競り合いを続け、辞めるきっかけがなかったから、ということのようでした。現代社会でもこうゆうのあるよね。 続きはこちら https://flying-bookjunkie.blogspot.jp/2018/02/3_20.html
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誰もが知っているが意外と中身を知らない「応仁の乱」について、興福寺の僧が残した日記を手掛かりに時系列を追い、定説とは異なる角度から再検討を行う。既に知られている史料であっても、扱い方を考えればこれだけ説得力のある話ができる、という好例と言えるのでは。
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ブームに遅ればせながら読みました。 歴史に関する本を読むと、いつも思う。事実の詳細を追って、調べて、まとめ上げて書くのは、それはそれでとても大変な作業だとは思うけど、それだけでは、…だから?ってなって、何も得るものはない…。素人の私に言われたかないだろうけど、もうちょっと作者独自...
ブームに遅ればせながら読みました。 歴史に関する本を読むと、いつも思う。事実の詳細を追って、調べて、まとめ上げて書くのは、それはそれでとても大変な作業だとは思うけど、それだけでは、…だから?ってなって、何も得るものはない…。素人の私に言われたかないだろうけど、もうちょっと作者独自の意見とか、独自の読み解きとかないと、素人の読者には伝わってこない。本書も応仁の乱の詳細を書いてあり、応仁の乱の前後の流れも書いてあるが、素人の私はこの流れをどう捉えれば良い?高校で習った室町後期から戦国時代へ移る時代を、どのように書き直せば良い?結局、そこは答えが出ないから、出せないから、やりきれない思いがある。 なお、本書を読んで気になったのは、足利義政と日野富子の夫婦である。もっと詳しく知りたい。読んでいて、キーマンは、この2人なんじゃないか、と思ってしまう。
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戦争の長期化を誰もが望んでいない中で、ズルズルと終結の機会を逸し、退っ引きならない状況に嵌っていく構図。
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