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応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱 中公新書2401
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2016/10/01 |
| JAN | 9784121024015 |

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応仁の乱
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商品レビュー
3.6
189件のお客様レビュー
【感想要約】 大和国情勢の叙述は難解で読解に相当の集中力を要するが、経覚・尋尊という性格の異なる僧の日記史料を対比することで、乱の同時代的認識を立体的に理解できた点が印象的である。応仁の乱の「混迷」は無秩序ではなく、各勢力の抑制的行動が逆説的に長期化を招いた結果と分かり、戦国化の...
【感想要約】 大和国情勢の叙述は難解で読解に相当の集中力を要するが、経覚・尋尊という性格の異なる僧の日記史料を対比することで、乱の同時代的認識を立体的に理解できた点が印象的である。応仁の乱の「混迷」は無秩序ではなく、各勢力の抑制的行動が逆説的に長期化を招いた結果と分かり、戦国化の契機を明応の政変に求める鈴木良一説にも一定の説得力を感じた。 【内容】 近畿における応仁の乱(1467〜1477年)の動向を、興福寺(当時大和国における事実上の守護職の位置付け)の別当職を務めた僧・経覚と尋尊の2人の日記に着目して再整理した本。応仁の乱だけでなく発生経緯から応仁の乱後の影響まで解説しているため、6代義教の性急な中央集権志向の強権政治とその反発から発生した嘉吉の乱から、明応の政変で10代義稙と11代義澄が並立し室町政権の権威が失墜するまでの約60年強を広く扱う。 8代将軍足利義政は将軍親政を試みて伊勢氏等を重用する側近政治を進めたが、守護大名の家督争いへの場当たり的かつ過度な介入によって逆に幕府権威を弱体化させた。そして自身の後継問題に細川家と山名家という有力守護が介入を許したことは、応仁の乱が発生する土壌を用意することになってしまった。 応仁の乱は旧来の管領細川家を中心とする従来勢力に対する新興勢力である山名家の挑戦が背景にあったが、両者はあくまで権力抗争であり時に連携することもあり必ずしも致命的に対立していた訳ではなかった。直接的な原因は畠山政長、義就の畠山家における家督争いに端を発する御霊合戦に山名宗全が介入してしまったことであり、それにより細川勝元が政長側に着いて巻き返しを図り、大内政弘が軍勢を率いて上洛することで全国的な大乱に拡大した。やがて西軍側は足利義視を将軍として擁立し、将軍家の争いにまで波及する。最終的に形式的には西軍側が東軍側の軍門に降る形で乱は自然消滅的終息を迎えたが、畠山義就は武力で河内を統治する等混乱は収束しなかった。室町政権は応仁の乱後も一定の権威を保つものの、明応の政変により将軍家は分立、以降有力者によって擁立、廃嫡、暗殺される立場に陥り幕府の権威は失墜した。 室町政権は将軍をリーダーとする諸大名の一揆だったが、嘉吉の乱後この一揆が分裂し二大陣営の対立として現れたのが応仁の乱だった。乱の後大名集団は解体し、室町政権は諸大名の意見を吸い上げ政策に反映する回路を失った。守護が各々の分国へ下向することで在京守護制は崩壊し始め、その傾向は明応の政変で決定的となる。そして守護代や遠国の守護が各地で実力を持って勢力を拡大する戦国時代に突入し、室町政権は近畿5カ国(当時で言う"天下")にのみ影響力を持つ存在に零落してしまった。 【感想】 応仁の乱が始まるまでの大和国の動向がとにかくわかりづらく難解。この部分で読者の半分が振るい落とされるのではないかと思えるほど。ここで挫けない胆力のある読者のみ読み進められると試されていたのか。 著者の狙い通り、性格の異なる2人の僧の視点から乱への当時の評価を整理することで、事実関係の整理だけにとどまらず応仁の乱をより深く追体験し理解を深めることが出来た。また尋尊の日記は元々「旧守派上層による現実から乖離した感想」と批判的に読まれていたとのことだが、経覚の視点と比較することで本人の慎重な性格や大和国支配層としての現実的な目線を再評価出来るとした点も画期的だと思う。 私個人としてはそもそも応仁の乱への理解が浅かったため、その概観理解に大いに役立った。また理解を妨げる原因の一つでもあるいわゆる「ぐだぐだ感」も、実際には各勢力がそれぞれ発生を抑制、発生後も収束に向けて尽力したがそれらが裏目に出て長期化したという経緯を知ると面白い。また応仁の乱の構図を第一次世界大戦になぞらえる筆者の指摘(新興勢力ドイツのイギリスへの挑戦、各国の複雑な合従連衡)も興味深かった。 応仁の乱後室町政権は一時的に立て直しており、戦国時代の契機をその後の明応の政変に求める鈴木良一氏の説は、本書を読むと一定の納得性を得られるように思われた。一方で明応の政変で発生した義稙系と義澄系の分立は、見方を変えれば応仁の乱時の西軍(義巳)と東軍(義政側)の対立構図であり、下位者が上位の権力者を擁立したり廃したりする下剋上の構図(明応の政変における細川政元と義澄)は、応仁の乱の西軍の義視擁立に見られるとする著者の指摘から考えると、応仁の乱は戦国時代的風潮の始まりに強く影響していると考えられる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
応仁の乱と言えば山名、細川による将軍義政の後継者を巡る争いと言うイメージ。しかしどちらかと言うと畠山家の義就、政長の争いが大きな原因らしいのは面白いな。義政の調停のミスが混乱を拡大させて行くのはイメージ通り。応仁の乱の前の大和の混乱からもう色んな人物が入り乱れて誰と誰が戦っているのか味方なのかゴチャゴチャ。大内政弘とか朝倉孝景など興味でた。これは良い本だな~。もっとこのあたりの時代の歴史を勉強したくなる。
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歴史の授業で必ず名前は聞くのに、「結局あれって何だったんだっけ?」となりがちな応仁の乱。戦国時代の前夜として重要なのは知っているのに、人物関係や派閥争いが複雑すぎて、理解をあきらめていた人も多いのではないでしょうか。私もその一人でした。 呉座勇一『応仁の乱』は、そのもやもやをほ...
歴史の授業で必ず名前は聞くのに、「結局あれって何だったんだっけ?」となりがちな応仁の乱。戦国時代の前夜として重要なのは知っているのに、人物関係や派閥争いが複雑すぎて、理解をあきらめていた人も多いのではないでしょうか。私もその一人でした。 呉座勇一『応仁の乱』は、そのもやもやをほどくための一冊です。足利義政の後継問題、細川勝元と山名宗全の対立、各地の守護大名たちの思惑が、京都を軸にどう絡み合い、やがて制御不能の内乱へと変わっていったのか。本書は、できるだけ感情に煽らず、史料を積み上げながら冷静に描き出します。そのおかげで、「家同士の喧嘩が燃え広がった」だけでなく、制度疲労の果てに起きた必然だったのだと、静かに納得させられました。 とくに印象的だったのは、室町幕府の将軍権力が、江戸幕府とは比べものにならないほど弱かったという点。守護大名たちはすでに地方支配を強めており、中央のコントロールは効きづらい。そんな不安定な政治構造の中で、跡目争いや派閥抗争が「私闘」の域を越え、ついには国全体を揺らす泥沼の戦いへと転じていきます。そこに“失敗学”としての学びを見た気がしました。制度が弱ると、個々の思惑が公の崩壊へ直結してしまう。 読みやすいライトな語り口ではありませんが、きちんと向き合えば、確かな理解に導いてくれる一冊です。応仁の乱を知ることは、戦国時代の必然性を知ることでもあり、そして「いま私たちが生きる社会の制度」について考えるきっかけにもなる——そんな余韻が残りました。
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