女王さまの夜食カフェ の商品レビュー
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シャールさんが無事退院。良かった。 まだ無理はできないようだけれど。 今回の登場人物たちの抱えている悩みは 前作よりも、少し重かった。 《蒸しケーキのトライフル》 丸の内で派遣社員で働いている西村真奈。 職場は派遣ボスと呼ばれるベテラン派遣社員が 取り仕切り、ボスの顔色をうかがいながら仕事を する日々。お昼ご飯をみんなで食べないといけないという謎の強制ルールがあったり、気に入らない 他の派遣社員をいびったりしていた。 嫌なのに嫌と言えないストレス。言えば仲間はずれにされる恐怖。息も詰まるような空間に主人公は 心底疲れている。そんな日々の中、昼の「マカン・ マラン」(舞台衣装を売るお店)に迷い込む。 自分は面白くない、つまらない、だから友達が いないと言う真奈に、穏やかだが、毅然とした 口調でシャールさんは語る。 「自分のことを”ただの”とか”つまらない”とか言っちゃ駄目。それは、あなたが支えている人や、 あなたを支えてくれている人たちに対して、失礼よ」 グッとくる言葉だ。派遣社員のボスのような存在は学生時代でも職場でもよくいる存在で、 こういう経験は誰もが少しはあるんじゃないのかと思う。一歩を踏み出す勇気さえあれば、 他人から何と思われようと人は変われる。 ちなみに、トライフルとは、“つまらないもの”と いう意味らしい。 《梅雨の晴れ間の竜田揚げ》 漫画家を目指して上京した藤森浩紀は、 漫画家のアシスタントをしながら日々を 送っている。そんなある日、突然、実家を継ぐようにと連絡が入る。奥日光で有名旅館である実家は、父の亡き後、母の女将と兄が旅館を支え、盛り立てていた。その兄が急死したため、旅館を継ぐようにと連絡が来たのだった。義理の叔父たちは女将のためだと、浩紀を継がせようとするのだが、仕事に忙しかった母と自分との関係はあまり良いものではない。兄のように優秀でもない自分が旅館を継ぐことができるのか、悩む日々の中、雨の日にマカン・マランに辿りつく。 自分は兄のできの悪い代わりだ、と思っていた 浩紀に出されたのはソイ・ミートの竜田揚げ。 ソイ・ミートはただの肉の代替品ではない、 お肉のできの悪い代わりでも、劣化コピーでもない。あなたは決してお兄さんの、ただの代わりではないはず。と、声をかけるシャール。 兄嫁に旅館を任せ、再び漫画家になる夢を追う 浩紀。お母さんとの関係がこれからどうなっていくのだろうと思うけれど、きっと何とかなる‥かな。漫画で旅館を紹介したりとか、別の形で手伝っていけるのでは。 《秋の夜長のトルコライス》 高層マンションに住む専業主婦、伊吹未央。 いわゆる勝ち組の人生を送っている彼女だが、 7歳になる息子、圭のことで悩んでいた。 少し発達に遅れがあるような息子。そのことを 他の人に知られたらと常にびくびくし、 やがて、どれだけ手を尽くしても言うことを 聞かない息子に厳しく当たるようになっていく。 完璧主義すぎると夫に言われ、息子と距離を置く 未央。不安な気持ちを持ちながら、圭が行方不明になった時にいた、シャールの店へと向かう。 ”子育てに頑張ってきた" そう、苦しげに言う未央の前に、 「目一杯がんばったなら、もうそれ以上、がんばる 必要なんてないのよ」と、シャールはピラフとナポリタンと揚げたてのトンカツが載っている、即席トルコライスを置く(美味しそう) 子育てはままならない。ましてや、子どもに少し 発達に遅れがあるようだったら、母親はどれだけ 自分を追い込んでしまうだろう。 シャールの言葉は、魔法のように未央の心に 染み込んでいく。三台の全く同じヒーローカーが 実は、全部違うのだと、圭に教えられるラストが 良かった。 《冬至の七種うどん》 見慣れないスーツに身を包んだシャール。 父親の見舞いに行っているらしい。 縁を切っている父親の具合はかなり悪く、 認知症の症状で、ひとり息子がドラァグクイーンになった記憶が完全に抜け落ちている。 そのため、大手証券会社に勤めていた頃のように スーツに身を包み、御厨清澄(シャールさんの本名)として病床の父を見舞う。 父親を見送ったあと、柳田(同級生)、ジャダたちと一緒に冬至の七種を入れた特製のうどんを食べる シャール。 何一つ、親孝行が出来なかったと言うシャールに、柳田が、「病から、ちゃんと戻ってきたじゃないか」と声をかける。 いつも、シャールさんの言葉で人は元気になっているけれど、今回は、シャールさんが柳田さんの言葉で元気づけられる、珍しいパターンだった。
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前回同様、今回もジワーっと温かくなりましたね〜 個人的に 第一話と第四話がよかった! 第一話を要約すると… 自分で自分を卑下するようなことは言っちゃ駄目。支えてくれている人たちに対して失礼。 結構刺さったな〜 第四話は単純にやり取りがテンポよくて 読んでて楽しかった!
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シリーズ2作目。何より、まずは「シャール、おかえりなさい。また会えて良かった」。前作同様、読んでいるうちに自然とほっこりする安心感があった。ほっこり系が大好きな自分にとってはとても幸せだった。前作は仕事の悩みが中心だったが、今作は家族の悩みがあり、共感できる部分が多かった。第2話の中で、「無理に奇抜なストーリーを作らなくても、人の心の機敏を丁寧に重ね、響き合わせていけば、豊かな広がりが生まれる。」という表現の中に、マカンマランシリーズの良さが詰め込まれているように感じた。次作も早く読みたい。
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引き続きマカンマラン。ふたたび。 第二話 梅雨の晴れ間の竜田揚げ より 「ソイミートはただの肉の代替え品ではないのよ」 「低脂肪で高蛋白。カロリーは低く、コレステロールはゼロ。おまけにイソフラボンと必須アミノ酸がたっぷり」 「ソイミートには、ソイミートにしかない栄養素がいく...
引き続きマカンマラン。ふたたび。 第二話 梅雨の晴れ間の竜田揚げ より 「ソイミートはただの肉の代替え品ではないのよ」 「低脂肪で高蛋白。カロリーは低く、コレステロールはゼロ。おまけにイソフラボンと必須アミノ酸がたっぷり」 「ソイミートには、ソイミートにしかない栄養素がいくつもあるの」 そうだ!今夜はソイミートで竜田揚げにしよう! と思った一冊。 物語は第三話 秋の夜長のトルコライス が胸にグッときた。 シャールさん、ありがとう。 圭くん、良かったね。 未央さん、頑張ってるね。 そんな声を掛けてあげたくなりました。
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第三話のラストはそこだけ読んでも泣きそうになる。本当に好きなお話だった。二話も泣いた。 家族のお話が多くて、1よりも心に沁みた。
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心がほっこりするような本。私もいつかこんな人と出会い私の中にある当たり前を疑いより豊かな日常を送る日が来るかもしれないとワクワクした。食べ物の描写も綺麗で読みながらお腹が空いた。 シリーズになってるみたいなのでそれも読んでみたい。
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ドラァグクイーンのシャールさんのカフェ、マカンマランに集まる人々のお話。無理に群れなくても、同調しなくても、ありのままでいい、と思わせてくれるシャールさんや仲間たちがとても良い。
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ドラァグクイーンとは何ぞやと思い調べたら男性がドレスやハイヒールなど派手な衣装を身にまとい厚化粧をして女性の性を過剰に演出することとある。その主人公シャールさんのカフェ、マカンマランで常連さんとの駆け引きが絶妙で、出される料理がおいしそうで、もうお腹がグゥーとなってしまいそうでし...
ドラァグクイーンとは何ぞやと思い調べたら男性がドレスやハイヒールなど派手な衣装を身にまとい厚化粧をして女性の性を過剰に演出することとある。その主人公シャールさんのカフェ、マカンマランで常連さんとの駆け引きが絶妙で、出される料理がおいしそうで、もうお腹がグゥーとなってしまいそうでした。ぜひともドラマにして欲しいです。「真夜中のパン屋さん」で同じ様な役をやったムロツヨシが最適かと思って読んでしまいました。こんなお店あったら絶対に常連さんになってしまいそうですね。
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シャールさんの帰還から始まる夜食カフェマカン・マランの物語 群れたくないけど、そこから外れるのが怖かったり、普通に縛られて、子を縛り付けてしまったり。今回も日々の中で苦しくなってしまった人たちを、シャールさんたちが一休みさせつつ、新しい一歩を踏み出すきっかけをくれていた。 変わる...
シャールさんの帰還から始まる夜食カフェマカン・マランの物語 群れたくないけど、そこから外れるのが怖かったり、普通に縛られて、子を縛り付けてしまったり。今回も日々の中で苦しくなってしまった人たちを、シャールさんたちが一休みさせつつ、新しい一歩を踏み出すきっかけをくれていた。 変わるのは自分の力でしかないと思うけれど、止まり木のように少し休める場所がある事の大切さをしみじみ感じた。
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更にバージョンアップしてる。 マカン•マランにくる人達は、私達現代人の誰かに当てはまる。 自分は自分の視点でしか物事をみれないから、 相手にも自分の物差しを当てて期待してしまう。 そうであることを求めてしまう。 自身の期待や価値観や常識と思っているものと違うと感じると、相手に腹が...
更にバージョンアップしてる。 マカン•マランにくる人達は、私達現代人の誰かに当てはまる。 自分は自分の視点でしか物事をみれないから、 相手にも自分の物差しを当てて期待してしまう。 そうであることを求めてしまう。 自身の期待や価値観や常識と思っているものと違うと感じると、相手に腹が立ったり、恐れたり、傷ついたりする。 人は完璧を相手にも自分にも求めすぎのように感じる。 普通であることも求めすぎてるように感じる。 みんな違うのにみんなおんなじであることを求めすぎているように感じる。 互いに互いを縛りあっているように感じる。 だから息苦しいし、生きづらい。 もっと肩の力を抜いて、生きよう。 疲れたら休もう。 高級じゃなくていい、素朴な美味しいものを食べよう。 そして、たまには食べたいものを思っきり食べよう。 そんなことを教えてくれる本でした。
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