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傷だらけのカミーユ の商品レビュー

3.9

172件のお客様レビュー

  1. 5つ

    30

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2016/11/24

本作は仕掛けや全体の構成の目新しさという点において、過去2作に劣ると感じた。しかし、感情移入の部分においては勝るとも劣らない秀作だと思う。 愛する者を失った悲しみを乗り越えることはできるのか。時間と人の感情の変化を考える上で本作はよくできていると思った。 これで一応このヴェル...

本作は仕掛けや全体の構成の目新しさという点において、過去2作に劣ると感じた。しかし、感情移入の部分においては勝るとも劣らない秀作だと思う。 愛する者を失った悲しみを乗り越えることはできるのか。時間と人の感情の変化を考える上で本作はよくできていると思った。 これで一応このヴェルーヴェン警部の物語は幕を閉じるようだが、しばらくはこの余韻に浸っていたい。

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2016/11/23

タイトル通りカミーユが精神的にズタボロになっている。前二作ほどのインパクトはないけど、面白かった。自己犠牲について、カミーユが語っている言葉が心に残る。ああいう状況の中でルイとグエンがいることの安心感は凄い。にしても、今後のカミーユはどうなるのかを思うと心が痛い。

Posted byブクログ

2016/11/23

本作を読む前に[悲しみのイレーヌ]を読んでほしい。最後の見事な展開と結末にしてやられた。まさかの前作との繋がりに脱帽。[その女アレックス]の強烈な個性には度肝を抜いたが、今回はストーリー展開に感動した。主人公のカミーユは本当に傷だらけ。

Posted byブクログ

2016/11/22

時系列が見事。カミーユにはあまりに酷な展開。なんてひどい話、としかいいようがありません。カミーユ三部作はこれで完結らしいけれど、また会いたい、そう強く思っています。

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2016/11/21

 まず書店でこの本を手に取りショック!  カミーユ・ヴェルーヴェン・シリーズが本書で完結するとは想像の外だった。そんなことは既刊二作の解説に書いてあったろうか? 記憶にない。書いてあったとしてもそれを拒絶させる引力が、カミーユという男にあったのに違いない。  カミーユ・ヴェル...

 まず書店でこの本を手に取りショック!  カミーユ・ヴェルーヴェン・シリーズが本書で完結するとは想像の外だった。そんなことは既刊二作の解説に書いてあったろうか? 記憶にない。書いてあったとしてもそれを拒絶させる引力が、カミーユという男にあったのに違いない。  カミーユ・ヴェルーヴェン、身長150cmに満たず、頭は禿げ上がっているが、やり手のベテラン警部である。仕事場では手を抜かず凶悪な犯罪に立ち向かう正義漢であるが、一方で女性や部下への優しさ、内に秘める熱情や愛情などを読み解くにつれ好感を覚えてしまう不思議な味のあるキャラクターだ。  なのにそのヴェルーヴェン最後の登場作となるとは、あまりに残念無念である。本書は、二作目の『その女アレックス』を読んでいなくても楽しめるが、できれば一作目の『悲しみのイレーヌ』は読んでおいた方が良いと思う。カミーユを取り巻く警察内環境や、部下たちとのやり取りなどに馴染みがでるばかりではなく、重要な続編ともなっているのが本書だからである。  情深い男であるにも関わらずどこか虚無的な諦観に包まれた気配を醸し出すカミーユ。彼がそのように影を抱えることになったのは『悲しみのイレーヌ』のショッキングな事件に起因しているからでもある。  三部作(これで終わるとしたら)に共通するのは女性への残酷さである。残酷さに運命を弄ばれ、人生の様相をがらりと裏返されてしまうというのは、実は三部作のみならずこれまで邦訳されたルメートル作品のすべてに及ぶものであるのだが、とりわけカミーユが出くわす三つの作品の三つの事件は、すべて残酷な暴力によって血なまぐさく演出されてゆく。  本書も例外ではない。それどころか最初の残酷な運命に晒される女性アンヌ・フォレスティエの下りは眼を背けたくなるほどの過酷さ。そしてそれこそが本作において重要な要素であるとも言えるのだが、『その女アレックス』の過酷な運命がある意図によってなされたのと同様に、本書もそうしたツイスト要素を持つ、ルメートルならではの意外でショッキングなストーリーだ。  読後に最初のシーンを読み返すとまるで別のものとして読めるとは、巻末解説の池上冬樹言うところだが、何度でもこの離れ業を仕掛けてみせるルメートルという作家、只者ではない稀代のストーリーテラーである。次作があることを期待したいが、本当のところこのペースでのどんでん返しを連続させるのはさすがに同じ作者の中では無理なのではないか?   そう思わせるほど、質の高い裏技の三連続シリーズであったわけだ。 世界を震撼させたカミーユのシリーズの衝撃はミステリ史に残る奇跡でったことは間違いあるまい。

Posted byブクログ

2016/11/21

期待しすぎたかもしれない。 前作が面白かっただけに、肩すかしを食らった気分。 ただ、予想もしなかった相手が犯人だったのは驚いた。 やはりゲスはゲスなんですね・・・。 アルマンが亡くなっていたのは衝撃だった。

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2016/11/14

妻を失った傷からやっとのことで立ち直ってきた男。新しい恋に出会ってもいい時期になってきたのかと思ったのに。彼はこの恋の初めから何かに引っかかっていたのだろうか。付けられた傷が痛む。仲間に付けてしまった傷も痛い。そして、哀しい。

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2016/11/23

凄い…。 コナリーもディーヴァもラーソンもスゴイけれどそれ以上にこの三部作は凄まじい…。 以前のレビューにも書いたけれど、三部作の出版順を違えてはいけなかった…という苦言すら瑣末に思える程、結びのこの作品は ス・ゴ・ イぞ。 『結局のところ、自分の運命を決めているのは自分だ...

凄い…。 コナリーもディーヴァもラーソンもスゴイけれどそれ以上にこの三部作は凄まじい…。 以前のレビューにも書いたけれど、三部作の出版順を違えてはいけなかった…という苦言すら瑣末に思える程、結びのこの作品は ス・ゴ・ イぞ。 『結局のところ、自分の運命を決めているのは自分だ』 彼ほどの境遇に立たされた男がこれを言えるのか…逆説的に作中カミーユがなぜ短躯なのかすら作者の意図だと分かる。 混沌とした世界への応援歌…なのか。 これだけの災厄に見舞われ乍も、全て自身で引き受ける前述の姿勢は『巨人』としか形容出来ない。 感動した。

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2016/11/05

三部作の完結編だそうだ。いちばんつまらなかった、という書評もあったけれど、僕はそうは思わない。確かに「その女アレックス」のような迫力はないけれど、細やかな表現は大人向けの小説という感じでよいと思う。

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2016/11/01

いろいろ思うことが沢山あるのですが、一番思ったのは、母国と同じ発刊順で読みたかった…ということです。アレックスが一番衝撃的だったけれど、最後の作品でこう持ってくるなら、ちゃんとした順番で読みたかった。 そうだったらもっと、心にずん、ときたはずです。カミーユの心の動きが大きなテーマ...

いろいろ思うことが沢山あるのですが、一番思ったのは、母国と同じ発刊順で読みたかった…ということです。アレックスが一番衝撃的だったけれど、最後の作品でこう持ってくるなら、ちゃんとした順番で読みたかった。 そうだったらもっと、心にずん、ときたはずです。カミーユの心の動きが大きなテーマでもあるはずなので。 そして、だからこそ半分ほど読んだところで犯人と大筋が読めてしまいました。 でも、やっぱり読ませる。凄い作品書く方だな、と思いました。

Posted byブクログ