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サピエンス全史(下) の商品レビュー

4.4

388件のお客様レビュー

  1. 5つ

    204

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    1

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2021/12/12

この本の最後の章は非常に考えさせられた。人間のアップデートという世界が現実味を帯びていると思うと恐怖を感じた。

Posted byブクログ

2021/11/28

認知革命、農業革命、科学革命と進み地球の相棒である他生物をどんどん絶滅に追い込み驕り高ぶるサピエンスの未来に警告を与える。 昔、始皇帝は徐福を使って不老不死を求めたが、ギルガメッシュプロジェクトとして同じことを今も求める。 幸福のあり方にも解けない回答を模索する。 罪深いサピエン...

認知革命、農業革命、科学革命と進み地球の相棒である他生物をどんどん絶滅に追い込み驕り高ぶるサピエンスの未来に警告を与える。 昔、始皇帝は徐福を使って不老不死を求めたが、ギルガメッシュプロジェクトとして同じことを今も求める。 幸福のあり方にも解けない回答を模索する。 罪深いサピエンスは「何になりたいか?」ではなく、「何を望みたいか?」と最後は締めている。

Posted byブクログ

2021/11/28

長編人類史本の下巻。よくよく考えたら、小説以外で上下巻の本を読むのって初めてかも(小説でもないかも? 今調べたら、思ってた本は「前後」で別れてた)。 上巻よりは、宗教の話が多いなと思った。まあ、人類史の後半を語るとなると、そうなってしまうか。 最初の宗教は多神教だったという話は初...

長編人類史本の下巻。よくよく考えたら、小説以外で上下巻の本を読むのって初めてかも(小説でもないかも? 今調べたら、思ってた本は「前後」で別れてた)。 上巻よりは、宗教の話が多いなと思った。まあ、人類史の後半を語るとなると、そうなってしまうか。 最初の宗教は多神教だったという話は初めて知った。多神教の中で、自分が信じたい神だけを気に入った結果、一神教が増えていった感じなのか。 なお、多神教は一神教と比べて度量が広かったのだとか。そりゃあ、多神教のほうが多様性を認める感じはするしね。ダイバーシティには、多神教のほうがあってるのかもしれない。 ただ、二元論だとか聖人だとかの概念はあるので、一神教のキリスト教でも、多神教的な部分は残ってるらしい。こうなってくると、どうにでも解釈できそうな気はする。 アメリカの銀行には、名目上の預金額の1割しか紙幣や硬貨の形で残っていないという話は面白かった。例えば、A社がB銀行に預けた100万円をC社に貸して、C社がその100万円でA社に支払い、その100万円をA社がまたB銀行に預けると、A社の預金額は200万円だけど、B銀行にあるお金は100万円ということ。多分、日本の銀行でも似たようなものだと思う。理論は分かるけど、こういわれるとお金というものは仮想的なものだなと思う。自分も最近はほとんどキャッシュレスで買い物してるけど、あれなんてただの数字データの足し引きでしかないしね。 世界初の株式会社といわれるオランダ東インド会社というのはなんとなく聞いたことがあったけど、日本とも取引していたとは知らなかった。日本で鎖国していた時にオランダとは貿易していたと習ったけど、そんな昔からだったのか。 後、昔は金よりアルミニウムのほうが高価だったという話も面白かった。1860年代のフランスの貴族は、最も高貴な客たちをもてなすためにアルミニウムのナイフやフォークを作らせたらしい。身分が高くない人は金だったのだとか。どんなナイフだったんだろう。 ベルトコンベヤーに乗せられるひよこ達の写真と説明は心を痛めた。性別がオスというだけで、ガス室で窒息死させたり、自動シュレッダーに放り込まれるとのこと。思わず想像してしまった…。 畜牛の数が思ったより多くて驚いた。15億頭もいるらしい。多くても人間10人にたいし1頭(つまり7億頭)ぐらいだと思ったら、予想の倍も多かった。どこにそんなにいるのだろう。 家族やコミュニティは、富や健康よりも幸福感に大きな影響を及ぼすというのは、なんとなく分かる。自分はなんとか会社と、実家の家族があるからいいけど、このままの状態だと定年退職したら孤独死しかねないので、今後どうすればいいか考えないといけないよなと思う。 なお、人の幸福度の調整システムは個人によって違うらしく、中には幸福を感じづらいという人もいるらしい。これを読んで、自分はそうなんじゃないかと思った。自分が楽しいと思えることをやっていても、いまいち最大限に楽しめている感じがしないことが多いので…(いろいろ余計なことを考えちゃうんだよね…)。 そういえば、マンモス復活のプロジェクトってどうなったんだろうと思って調べてみると、今年ようやく始動したらしい。はたしてうまくいくのだろうか。これがうまくいけば、ネアンデルタール人が復活するなんてこともあるのだろうか。 そういえば、訳者後書きを見てちょっと驚いたのだけど、作者は日本版の刊行にあたり、日本に関連した記述を加えたらしい。たまに翻訳本を読んで日本の記述があると「日本のことが書いてある!」とちょっぴり嬉しくなることがあるのだけど、日本の翻訳本ように書き足したものも多いのだろうか。そう考えると、微妙な気持ちになる。

Posted byブクログ

2021/11/21

(主にメモ)農業革命や科学革命を経た人類の統一という大きな流れは必然的だったものの、現在人類が手にしている特定のグローバルな社会である必要はなく、これまで数々の可能性や選択肢があり、それはこれからについても言えることである、また、人類中心に物事を考えてしまいがちだが、認知革命以前...

(主にメモ)農業革命や科学革命を経た人類の統一という大きな流れは必然的だったものの、現在人類が手にしている特定のグローバルな社会である必要はなく、これまで数々の可能性や選択肢があり、それはこれからについても言えることである、また、人類中心に物事を考えてしまいがちだが、認知革命以前からの長い人類史で振り返れると、歴史の選択は人間の利益のためになされるわけではない、といった、先入観や固定観念を覆される内容が多々述べられており、純粋に色々と勉強になったのに加えて、本著を読む前に比べて、頭が柔らかくなったような気がします。特定の立場からの主張ではなく、色んな考えを紹介した上で自分の考えを述べており、バランスにも配慮しているなと感じました。

Posted byブクログ

2021/10/29

農業革命は宗教革命も伴った。 岩やキツネや山々を神と見立てる多神教 一つの神が絶対だと信じる一神教 多神教は寛容で他の神をも受容的であったが、一神教の特にキリスト教は宣教に力を入れて些細な性質の違いから殺戮まで侵すもで多神教を未熟と考えていた面も。 (日本人の自分は一神教でもなく...

農業革命は宗教革命も伴った。 岩やキツネや山々を神と見立てる多神教 一つの神が絶対だと信じる一神教 多神教は寛容で他の神をも受容的であったが、一神教の特にキリスト教は宣教に力を入れて些細な性質の違いから殺戮まで侵すもで多神教を未熟と考えていた面も。 (日本人の自分は一神教でもなく無宗教でもなく、自然や創作物、一神教の人達が崇める神も居るかも、と思うような曖昧で無知ながらも太古の人が自然に神を求めた様な多神教の形に近い考えなのかもしれない) 仏陀(悟りを開いた人) 苦しみは渇望から生まれるので、苦しみから完全に解放される唯一こ道は、渇愛から完全に解放されることで、渇愛から解放される唯一の道は、心を鍛えて現実をあるがままに経験することである 【科学革命】 無知を知る 探索から侵略へ 資本の躍進 女性が財産から個へ 気にもしていなかった時間が定められ刻まれる 家族・コミニティーから個人へ 1492年コロンブス探索隊によって発見されたアメリカ大陸だが、当時はインド・インドネシア諸島のどこかだと考えられたため、そこで出会った原住民を"インディアン"と名付けた。コロンブスはアメリカ大陸を発見したとは知らずに一生を終えた。1500年代に入りアメリカ大陸の探検隊の1人であるイタリア人のアメリゴがこの大陸は東アジア諸島ではなく新大陸だとヨーロッパへ書簡を送る。そのことで未知なる大陸のある地図が発売されて地図がヒット。大陸に名前をつけなければならず地図作成者は大陸発見者の名前をと勘違いでほぼ無名のアメリゴの名前がアメリカ大陸に付けられた。 無知を知るそれ以前の科学発展乏しい昔は、経済に対する想いは、過去の方がよく将来はよくて現状維持と考えられていた。拡大する為には隣の領土を奪うこと以外に考えがなく経済成長という概念も薄いために、経済は常に滞るのが普通であった。投資や貸出はほとんどなくあっても少額高金利で信用(クレジット)が育たない。近代は資本主義前提で、科学の発展を信じており、銀行は元手の10倍の金融資産(信用)を貸出回転させる。 現在は、過去に類を見ない程に平和である。 戦争は自殺になってしまうほどの兵器(核)を手にした事で軍事衝突は無くなり、またテクノロジーの発展で侵略によって得られる利益はほとんど無くなった。今や戦争や暴力で亡くなる人数よりも自殺者の方が多く、戦争も極々僅かなもの。飢餓はなくなり小児死亡率も劇的に低くなっている。 しかし認知革命から農業革命と科学革命を経て平和や物質的な豊かさを手に入れ種としては大繁盛をとげたが、幸せは増幅してはいないのでは無いか。 そして近くギルガメッシュプロジェクトが完遂されれば非死(事故死などがあるため不死ではなたい)の人が2050年には現れてもおかしくないと。 そして遺伝子操作やクローンやAIによってサピエンスを超える超サピエンスが現れるのではないか。

Posted byブクログ

2021/10/20

ネアンデルタール人から唯一の現生人類(ホモ・サピエンス)だけが登場して、現在に至っていると思っていたが、他の人類種(ホモ属)が存在していたことは知らなった。 何故、ホモ・サピエンスが食物連鎖の頂点に立ったかについて、7万年前の認知革命や500年前の科学革命が契機であるこたが印象深...

ネアンデルタール人から唯一の現生人類(ホモ・サピエンス)だけが登場して、現在に至っていると思っていたが、他の人類種(ホモ属)が存在していたことは知らなった。 何故、ホモ・サピエンスが食物連鎖の頂点に立ったかについて、7万年前の認知革命や500年前の科学革命が契機であるこたが印象深い。 ホモ・サピエンスが食物連鎖の頂点に立ったことは、他の動物に対して、多くの不幸をもたらしてきたと指摘されており、今後現生人類がどのような方向に向かうのか、考えさせられました。 上下巻ともに、とても興味が沸く内容で、著者の調査と考察に深い感銘を受けましたが、自分に理解力不足のためか、難解な語句で理解できない箇所もあり、いずれ再度読み返してみたいと思いました。

Posted byブクログ

2021/10/15

最後の章の進歩についての是非、私たちの今の選択が必然も偶然もない今後の未来の方向性に少なからず影響を与えること、とても目を見開かされた。 私たちはあたかも自分たちの意思で欲望を叶えるため選択しているように思い込んでいるけど、本当の望みも自分のことも何もわからず、この地球はたまた宇...

最後の章の進歩についての是非、私たちの今の選択が必然も偶然もない今後の未来の方向性に少なからず影響を与えること、とても目を見開かされた。 私たちはあたかも自分たちの意思で欲望を叶えるため選択しているように思い込んでいるけど、本当の望みも自分のことも何もわからず、この地球はたまた宇宙でただ傍若無人の神になろうとする傲慢な生き物だということだけはわかった。 この趨勢を止めることはできないけど、個としては生物として備わっている本来の充実感を少しでも発揮しきちんと大往生できたらいいなと思う。

Posted byブクログ

2021/10/08

なぜ我々ホモサピエンスが唯一の人類になったのか、そして我々はどこへ向かうべきなのかというテーマに、数百万年前という考古学の時代から歴史学の時代、そして科学がもたらす未来という大きなスケールをもって取り組んだ名著 ヒトの最強の武器は認知革命によるものであり、それによりヒトは協力し、...

なぜ我々ホモサピエンスが唯一の人類になったのか、そして我々はどこへ向かうべきなのかというテーマに、数百万年前という考古学の時代から歴史学の時代、そして科学がもたらす未来という大きなスケールをもって取り組んだ名著 ヒトの最強の武器は認知革命によるものであり、それによりヒトは協力し、さらには擬似的な進化(生き方のアップデート)が可能となったという話は非常に興味深い

Posted byブクログ

2021/09/26

共産主義やナチスも宗教の定義に入るとは、驚きました。 本書の言う通り、宗教を「超人間的な秩序の心棒に基づく人間の規範や価値観の体系」とするならば、世界的に異質とも言える「日本」の思想や価値観も「日本という宗教」と言えるのかしら?(神道や仏教もひっくるめての、新たな宗教という意味合...

共産主義やナチスも宗教の定義に入るとは、驚きました。 本書の言う通り、宗教を「超人間的な秩序の心棒に基づく人間の規範や価値観の体系」とするならば、世界的に異質とも言える「日本」の思想や価値観も「日本という宗教」と言えるのかしら?(神道や仏教もひっくるめての、新たな宗教という意味合いで。) それにしても、ヨーロッパ的価値観や文化に基づくと「隙きあらば征服」したくなるものなのね。 アメリカしかり、奴隷しかり。 資本主義思想も、あまり自由に野放しにすると奴隷制度に行き着いてしまうっていうのは、呆れるばかりでございます。 でもこれが世界水準だと心に留めておかないと足元を掬われかねないから注意が必要ですね。 最後の方はやたらと悲観的な「人類の幸福と平和」について述べられていましたが、私からすると「不死」は全く幸せの定義には入らないですね。 むしろ終わりのない人生に絶望してしまうかも……。 でも、実際に不死になったらその価値観もガラリと変わるのかもしれない。 なんにせよ、平和はわからないけれど少なくとも幸せに関しては、「幸か不幸か認識しない内が華」だと思いますね。 それを真剣に考え悩むようになったら、幸不幸の間で揺れていることになるでしょうし、強く幸せ(あるいは不幸せ)を実感する時は、人生において大きな転換期があったということですから……。 じわりじわりと気が付かぬ内に良い方向に、緩やかに進んでいくのが理想かも。

Posted byブクログ

2021/12/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(ページナンバーは上下合体版のもの) 【あとがき 神になった動物】 〇無責任な神になった人類N7914 ・7年前、サピエンスはまだ、アフリカの片隅で生きていくのに精一杯の、取るに足りない動物だった ↓↑ ・ところがその後の年月に、全地球の主となり、生態系を脅かすに至った ↓ ・今日、サピエンスは、神になる寸前で、永遠の若さばかりか、創造と破壊の神聖な能力さえも手に入れかけている ↓ ★不幸にも、サピエンスによる地球支配はこれまで、私たちが誇れるようなものをほとんど生み出していない  →そうね(笑)。自分たちですら幸せになっているとは断言できないしね  ↓  私たちは環境を征服し、食物の生産量を増やし、都市を築き、帝国を打ち立て、広大な交易ネットワークを作り上げたが、世の中の苦しみの量を減らしただろうか?  ↓  人間の力は再三にわたって増大したが、個々のサピエンスの幸福は必ずしも増進しなかったし、他の動物たちにはたいてい甚大な災禍を招いた ↓ ・過去数十年間、私たちは飢饉や疫病、戦争を減らし、人間の境遇に関しては、ようやく多少なりとも真の進歩を遂げた  ↓↑  ほかの動物たちの境遇はかつてないほどの速さで悪化の一途をたどっている  &  人類の境遇のカイゼンはあまりに最近の薄弱な現象であり、決して確実なものではない ↓ ・人間には数々の驚くべきことができるようになったものの、私たちは自分の目的が不確かなままで、相変わらず不満に見える  ←カヌーからガレー船、蒸気船、スペースシャトルへと進歩してきたが、どこへ向かっているのかは誰にもわからない  ↓  私たちはかつてないほど強力になったが、それほどの力を何に使えばいいかは、ほとんど見当もつかない ↓↓ ★人類は今までになく無責任になっているようだから、なおさらよくない  →それはよくないわ。大いなる力には責任が伴うものなのにね ↓ ・物理の法則しか連れ合いがいなく、自ら神にのし上がった私たちが責任を取らなければならない相手はいない ↓ ・その結果、私たちは仲間の動物たちや周囲の生態系を悲惨な目に遭わせ、自分自身の快適さや楽しみ以外はほとんど負い求めないが、それでも決して満足できずにいる ↓ ★自分が何を望んでいるかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?

Posted byブクログ