1,800円以上の注文で送料無料

サピエンス全史(下) の商品レビュー

4.4

388件のお客様レビュー

  1. 5つ

    204

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2022/08/12

 アフリカ南部で最初に人類が誕生してから現在、そして予想される未来まで、ホモ・サピエンスの歴史を綴った大作。  下巻では、サピエンス史における第3の革命「科学革命」に的を絞り、自分達が無知であることを自覚し、知の欲求によって人類がいかに急速に進化してきたかを説明している。(無知を...

 アフリカ南部で最初に人類が誕生してから現在、そして予想される未来まで、ホモ・サピエンスの歴史を綴った大作。  下巻では、サピエンス史における第3の革命「科学革命」に的を絞り、自分達が無知であることを自覚し、知の欲求によって人類がいかに急速に進化してきたかを説明している。(無知を初めて自覚したのがヨーロッパであり、今まで特に技術的に強大ではなかった欧州諸国が各地を植民地化し、世界の中心として台頭していくことになる。)  科学革命以降の僅か500年足らずで、人類は農業革命の比にならないほど一気に人口を増やし、今や70億人に達しようとしている。この異常なまでの発展に欠かせない要因の1つとして、特に驚かされたのは、金融において「信用(クレジット)」の考え方が誕生した点である。これは、科学の進歩によって、より豊かな生活を送れるようになると考えられるようになったことに端を発している。(科学革命以前は、遥か昔の神話の時代が最も良い時代で、人類は良くて現状維持しかできないと考えていた。そのため、何かを為す前に信用でお金を貸しても、損しかしないと考えられていたようだ。)  こうして1人1人の持つ資産が拡大し、社会全体が豊かになることで、この急速な発展が実現した。特に現代は今までになく平和を享受できている。一方、人類が人類(サイボーグ等)を作り出し、超人的な立場に居座ろうとするような事態が起こり、想像も出来ない破滅的な未来を選択することがないように、十分注意するよう警鐘を鳴らし、本書を結んでいる。

Posted byブクログ

2022/08/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オーディオブックで楽しんだ。 訳者あとがきにあるように、常識を覆される喜びはあったし、それなりに面白かったけど、個人的にはしっくりこないところもあった。 読みながら抱いた感想としては、 ・先史時代の話:狩猟採集社会の方がサピエンスは豊かだったんじゃないか...。面白い! ↓ ・近世・近代史の話:「西洋諸国こそが優れている」みたいな偏見が強くて読むの辛い...なんだこの本 ↓ ・これからの話:興味深い未来予測だ。面白い! 近世・近代あたりの話を読んでいて、まとめ方が強引というか、あまりにも短絡的に過ぎないかという印象を抱いてしまったが最後、先史時代の話もちょっと割り引いて読まざるを得なくなり、トータルの満足度が落ちた。 新たな発見をもたらしてくれる良書だが、他の本と比較しながら読む姿勢が求められるかも。

Posted byブクログ

2022/12/31

読了するのにかなり時間を費やしてしまったが、読み終えた後に感じたのは、おもしろいの一言だった。 サピエンスは認知、農業、科学革命を行い、虚構を行うことでここまでの成功を治めた。 ここまで、成功したサピエンスは果たして、幸せなのか、人類は何を望んでいくのか、改めて考える必要がある...

読了するのにかなり時間を費やしてしまったが、読み終えた後に感じたのは、おもしろいの一言だった。 サピエンスは認知、農業、科学革命を行い、虚構を行うことでここまでの成功を治めた。 ここまで、成功したサピエンスは果たして、幸せなのか、人類は何を望んでいくのか、改めて考える必要があるのではないかと思う。

Posted byブクログ

2022/07/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

サピエンス全史下巻、再読。 コテンラジオを知って以来、世界史の知識が少し増えた今再読したら、絶対理解が進むだろうなと思っていたけど、思ってた以上に理解できたし、前回はよくわからなくて(と言うか、わかるわからない以前に特に気にも止めずに)スルーしていた箇所が、 ああ!そう言うことか‼︎ と、思わず声にしちゃうくらいにぶっ刺さったので、読んでいる間、最高に幸せだった。 さて上巻では、人類誕生から今日現在まで3つの分岐点…認知革命、農業革命、科学革命のうちの2つ、主に認知革命と農業革命について詳しく語られていたけど、 下巻は宗教の話を経て、科学革命、資本主義について、これから先、未来のサピエンスの可能性についてが語られている。 ひとつひとつ語り出せるだけのアウトプット力はないので、特に刺さった箇所を書くと、 科学革命が起こった最たる理由として、サピエンスが無知であることを認めたこと。 それまでは世界の全ては神が作ったものだから、見えている範囲のこと、知っている範囲のことで事が足りていて、自分はすでにこの世界を理解していると考えがちだった。 すでに世界をわかっていると考えていた人々が描いていた世界地図から、 わからない、知らないことを認めて空白の多い世界地図を描きはじめたということは、 自分たちは世界を知らないという事実を認めはじめた証左となる。 自分たちの世界観を広めるためではなく、 知らないことを知る、新しい知識を得て現状を切り拓くという欲が科学革命を引き起こす原動力になったというのは、個人の経験、体験においてもすごく示唆に富む話だと思った。 あとは、第16章の拡大するパイを比喩にした資本主義のロジックは初読の時もめちゃくちゃ面白かったけど、今回はますます奥深く面白さを味わえた。 今回読んで新たに気がついたのは、古代から中世、近世にかけて、自分が食べられないから奪う、パイが限られているから奪う、 という考え方のもとで略奪や争いが起こってきた歴史があり、ここを転換させたのが、相互の信用においてパイは拡大する、という考え方だ。 この考えが世界に広く普及することによって、人類の安心感は格段に増えたんだなぁと思った。 例えば限りあるものとして考えられるエネルギー問題についても、資本主義的な考え方であらたなエネルギーを拡大できれば(その他のパイ争奪による軋轢は起こるだろうけど)一時的には解決するのかもしれないな。 うまく文章にできないけど、 とにかくこの章だけでももの凄くいろいろな見識を得られたような気になった。 最後の章、超ホモ・サピエンスと言うのは初読の時にはあまりピンとこなかったけど(高野和明さんのジェノサイドやガンダムのニュータイプなんかを思い出してた)、 今回はふんわりだけどわかったような気がする。 人類以外の種で通常起こりうる進化(突然変異の種が種全体を塗り替えるといったような遺伝子的なもの)とは別のカタチ…DNAの外側で、驚異的なスピードで進化し続けるホモ・サピエンスが、科学革命を経た先にどんな革命が起こり、その時どんな未来が起こりうるのか。恐ろしいような面白いような。 とりあえずまた時間をおいて再読しよう。

Posted byブクログ

2022/07/18

無知を認めるこそ、発展がある。 サピエンス全史(上)を読む前のあらすじに、虚構が人類を進展させたと読んだが、存在していないモノに対して投資することも含めて人類の更なる発展に貢献できたんやなと思った。 月に行く前に出会った老人の話、面白かった。

Posted byブクログ

2022/06/15

まさに「目から鱗」といつ言葉がピッタリの一冊。 自分の興味も重なり、特に宗教については興味深かった。 後は幸福について。衝撃的だった。 後で読み返したい。

Posted byブクログ

2022/05/22

下巻も大変興味深かった。。 また数年後に読み返すこと必至。 p61 近代科学は最も重要な疑問に対して、集団的無知を公に認めるという点で、無類の知識の伝統である p84 ギルガメッシュプロジェクトによる非死の試み。科学革命によって、数学を用いた科学とテクノロジーの密結合がはじま...

下巻も大変興味深かった。。 また数年後に読み返すこと必至。 p61 近代科学は最も重要な疑問に対して、集団的無知を公に認めるという点で、無類の知識の伝統である p84 ギルガメッシュプロジェクトによる非死の試み。科学革命によって、数学を用いた科学とテクノロジーの密結合がはじまった。 認知革命によって生まれた、見えないものを共同で信じることによって調和を保つというホモサピエンスの習性が今日の主要宗教を生んだ。 そこでは、死は克服するものでなく、生の源泉とみなしていたことを考えると、まさに科学が成し遂げようとしている文字通り"革命"だ。 p98 なぜヨーロッパなのか? p140 経済危機が成長を止めないように、何もないところから貨幣を生み出し、バブルが弾ける前に科学者やエンジニアが大きな成果を生み出すことを期待している。 p181 利益は余すことなく投資せよという資本主義と消費主義の二律背反は、エリート層と大衆層との分業により解消される。 つまり前者は細心の注意を払い投資管理し、後者は本当に必要のない自動車やテレビを買って借金に陥る。

Posted byブクログ

2022/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上巻に続き、新しい視点や考え方を与えてくれる一冊。下巻は近代を中心に宗教、科学革命など。そして人間はどこに向かうのか、危険な時代ではないかと警告する。

Posted byブクログ

2022/04/09

我々の生きる世界は集団妄想の中。認知革命により、組織や国家の力を活用する事になったサピエンスは、エネルギーを使いこなし、科学革命を起こす。成長を前提とした資本主義の後押しもあり、対立を乗り越えながらも経済合理的な判断により、次々とイノベーションは進む。下巻は、一気に近代の話に入り...

我々の生きる世界は集団妄想の中。認知革命により、組織や国家の力を活用する事になったサピエンスは、エネルギーを使いこなし、科学革命を起こす。成長を前提とした資本主義の後押しもあり、対立を乗り越えながらも経済合理的な判断により、次々とイノベーションは進む。下巻は、一気に近代の話に入り、科学と哲学の領域へ。 永遠の命。不死ではなく、非死。これは物理的な事故のような死は避けられないが、老衰や病気に対しては臓器を入れ替える事で生きながらえる事を可能とするという意味。この研究プロジェクトは、不死を求めた古代シュメールの神話ギルガメッシュにちなんで、ギルガメッシュプロジェクトというらしい。もはや手が届かない話ではなくなってくる。 仮に非死、アモータルが叶うとして。その恩恵を得られるのは、富裕層のみ。サピエンスは分断されるのではないか。幸福感は、経済の発展に比例せずある程度、衣食住が保障された所で頭打ちになるらしい。中世よりも、近代が幸福ということはない。寧ろ、外の世界が見え、その比較によって自らの不幸を嘆く機会は、現代の方が多い。サピエンスは共通主観によって纏まるが、経済格差によって分断する恐れがある。 科学を制御するのも倫理やモラル、宗教観などの認知、共通主観。サピエンスは、神話のもとに地球上の覇者になり得たが、神話は認識によって多様性を生むために分断を促し、経済格差、科学や宗教、歴史認識など世界中でまだ折り合いのつかぬ問題を抱えている。さて、どう生きるべきか。

Posted byブクログ

2022/03/17

全編通して新鮮で刺激的だったが、下巻の中で強く印象に残っているのは「空白のある地図」を描くことができたから人類が発展できたということ。未知の領域を認め、そこに可能性を見出すからこそ成長があるというのは、個人のマインドセットにしても同様だと思う。謙虚であれ、という歴史からの学びと受...

全編通して新鮮で刺激的だったが、下巻の中で強く印象に残っているのは「空白のある地図」を描くことができたから人類が発展できたということ。未知の領域を認め、そこに可能性を見出すからこそ成長があるというのは、個人のマインドセットにしても同様だと思う。謙虚であれ、という歴史からの学びと受け止めたい。 そして目まぐるしい科学の進歩の果てに今後人類がどうなっていくのかという疑問について、これまでにない斬新な問いかけで締めくくられている点も印象的。

Posted byブクログ