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〆切本 の商品レビュー

3.6

110件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

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2017/03/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書スレで見かけて興味を惹かれて図書館で借りる。 締め切りをきちんと守る人達のエピソードから感化を得たいと思ったのに、むしろ締め切りを過ぎてもどうにも執筆できずに苦悩する作家の姿に親近感を深めた。実は私も締め切りが迫って来ないとやる気が出ないタイプでなんとかしたいと思いつつ改まらなくて大作家先生方に共感を禁じ得なかった。 逆に常に締め切り厳守だったり早めに原稿を渡すことが当たり前になっている作家に大して、なんとなく周囲が軽んじるというエピソードになんとなく寂しいものを感じてしまった。締め切りを過ぎてようやく手渡された原稿の方が傑作と珍重され作家も畏敬の念を込めて対応されるという事実に、なんだかやりきれないものを感じた。 「勉強意図と締め切りまでの時間的距離感が勉強時間の予測に及ぼす影響(試験までまだ時間があると回答していた参加者では、試験に対するモチベーションが高まっていた人ほど実際よりも勉強すふと楽観的に予測する傾向が見られる)」も興味深かった。

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2017/03/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高校生のビブリオバトルで紹介されており、興味をもって読み始めました。 が。 エッセイ、というよりはだらだらとそれぞれの作家の言い訳であったり、文学論であったり、手紙であったりと、異なる文体が入れ代わり立ち代わり現れるので、読みにくい印象でした。 また、自身の知識不足から、作家同士の人間関係をしっかりと理解できていなかったので、「笑い処」がはっきりとわからず、また作品を存じ上げない作家さんもいて、いまいち愉しむことができませんでした。

Posted byブクログ

2017/03/25

十人十色の言い訳集。装幀と、何よりテーマが今までになく独特で目を引きます。 あの文豪もこの著者も、書けないと嘆き、投げやりになり、文学的な言い訳(!)をこぼしながら机に向かっていたんですね。そんな作家の先生方を相手に編集者側も、どうにか原稿を書いてもらうために時折嘆いているあたり...

十人十色の言い訳集。装幀と、何よりテーマが今までになく独特で目を引きます。 あの文豪もこの著者も、書けないと嘆き、投げやりになり、文学的な言い訳(!)をこぼしながら机に向かっていたんですね。そんな作家の先生方を相手に編集者側も、どうにか原稿を書いてもらうために時折嘆いているあたりが第三者的には笑ってしまいます(渦中には居たくない)。 人間くさい、光るエピソードで溢れています。 普段は見ることのできない舞台裏を覗かせてもらった気分。不思議と元気がもらえます。

Posted byブクログ

2017/03/04

読了。一気読みはできなかった。90人以上の〆切に対する怨念の籠った本であった。宿題ができなくて、死にたくなってる高校2年8月31日の自分に贈りたい本である。

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2017/02/22

興味のある作家部分だけ流し読み。 今も昔も、書けないときの心情や言い訳の仕方、編集者との関係性含め、作家という職業は根本的には変わっていないのだなと感じた。夏目漱石でさえあーだこーだしながら書いていたと知って親近感すら覚える。 作家という職業は浮世離れしていて人とはまた違う考え...

興味のある作家部分だけ流し読み。 今も昔も、書けないときの心情や言い訳の仕方、編集者との関係性含め、作家という職業は根本的には変わっていないのだなと感じた。夏目漱石でさえあーだこーだしながら書いていたと知って親近感すら覚える。 作家という職業は浮世離れしていて人とはまた違う考えや視点を持つことのできる超人的な人物が就く仕事、と思いがちだが、「締切」という誰もが体験したことのあるゴールに向けての沢山のあるあるを通して、第一線で活躍した作家の人間性にふれられた良い本だと思った。 個人的にはサザエさんの長谷川町子さんが一番。 最高におもしろかった。

Posted byブクログ

2017/02/20

〆切に関して作家には「井上ひさし型」と「村上春樹型」がある。なーんて、今思いついたんだけど。このお二人はそれぞれ「遅筆→〆切破り(どころか結局書けないことも)」「〆切厳守←いつも早く原稿を渡す」ことで知られている。話として面白いのは、当然ながら圧倒的に前者だろう。 本書には実に...

〆切に関して作家には「井上ひさし型」と「村上春樹型」がある。なーんて、今思いついたんだけど。このお二人はそれぞれ「遅筆→〆切破り(どころか結局書けないことも)」「〆切厳守←いつも早く原稿を渡す」ことで知られている。話として面白いのは、当然ながら圧倒的に前者だろう。 本書には実に89人もの(たぶん。「著者紹介」で数えた)方の、〆切にまつわるエッセイやら葉書やらマンガやらが収録されているが、何と言っても〆切に苦しむ(または編集者として苦しめられる)話が多い。よくもまあ、これだけ集めたものよと感心してしまう。つらつらいいわけがましい文章が連ねてあったり、平身低頭していたり、なかには開き直っているような人もいて、気の毒なような、どこか滑稽なような。結構分厚い本だが、飽きることなく楽しんで読んだ。 田山花袋 なかなか書けないつらさを縷々述べた後に、ふと夜中などに興が湧いてきて筆が走るときの気持ちが綴られている。 「筆が手と心と共に走る。そのうれしさ!その力強さ!またその楽しさ!」「心は昔の書生時代にかえって行っている。暗いランプの下で、髪の毛を長くして励んだ昔の時代に…。その時には文壇もなければ、T君もなければ、世間も何もない。唯、筆と紙と心とが一緒に動いていくばかりだ」 ああ、本当にそうなのだろうなと思って、文学史でしか知らない作家に親しみを感じた。 内田百閒 百閒先生、やっぱり変人である。年の瀬を迎え、あちこちに支払いをしなければならないのに、金がない。原稿を書けばいいのだが、書けない。そこで先生、奥さんの一着きりのコートを質に入れたり、知人から金を借りようと東奔西走したりする(ここでタクシーを使うところがおかしい)。結局全然うまく行かないのだが、先生いわく「やっぱり原稿を書いたりなんかするよりは、こういう活動の方が、晴れ晴れとしていて、私の性に合うと思った」だと。まったくもう。 野坂昭如 原稿の〆切が集中している上に、テレビ出演やら対談やらいくつも重なり、どう考えてもムリだというときに、これはもう天の配剤としか言いようのないタイミングで事故に遭い骨折して、そのおかげで原稿が書けたことがあるという。しかも二度も。野坂氏、「怪我することを潜在的にのぞんであるのではないか」と我が身を顧みていて、まあ実に壮絶である。笑っちゃうけど。 川端康成 代表作とされる「禽獣」は、「編集者への義理からどうしても書かねばならぬ小説の〆切が明日に迫り」「やけ気味」で「書きなぐった」ものだと書いている。「編集者の私の作品に対する愛情が感じられ、その義理に追ひ迫られないと、絶対に書けぬといふ悪習が身にしみてゐた」とも。ノーベル賞作家にして、そうなのだなあ。 山口瞳 「なぜ?」と題されたこの一文は読んだことがあり、よく覚えている。著者が雑誌の編集者であった頃の、三島由紀夫の思い出が綴られている。三島由紀夫は「村上春樹型」だったらしい。淡々とした一文は、「私は、三島さんという人が好きだった。感じのいい人だった。」と結ばれているが、そこには言うに言われぬ複雑な思いが沈殿しているように思われる。こういう文章を久しく読んでいないなあと思った。 森博嗣 この方は「村上春樹型」の最右翼。タイトルはずばり「何故、締切にルーズなのか」。〆切に遅れることを当然のことのように考える出版界の「非常識ともいえる不合理さ」を「とんでもない悪習」として舌鋒鋭く批判している。「こんなビジネスが、ほかにあるだろうか」と言われれば、お説ごもっともで、まったくその通りなのだが…。〆切より早く書く作家はなんとなく軽んじられるということも、「村上春樹型」の複数の方が書いていて、それはまったくおかしな事だとは思う。思うのだが…。やっぱり単純な「ビジネス」じゃないってことでは。 車谷長吉 「村の鍛冶屋」と題したこの一文が一番心に残っている。子どもの頃、近所の鍛冶屋の前で「村の鍛冶屋」という唱歌を歌ったら、そこの親爺さんに「こらっ、糞ったれめが」と怒鳴られたそうだ。原稿が売れるようになってからの日々は、「鍛冶屋が絶えず耳もとで『村の鍛冶屋』を歌われているような、何か居たたまれない、生の中味が流出して行くような時間であった」と書かれている。「文学は私にとって『魂の記録』であっても、編輯者にとっては『商品』である。併し、長い間、出版社の人に原稿を売り続けて来たのは、私である」とも。〆切は「商品」となる原稿だからこそあるもの。割り切れなさはそこから来るのだろう。

Posted byブクログ

2017/02/16

過去に名を馳せた作家から現在も活躍している作家・漫画家まで、総勢90名の書き手による、〆切にまつわるあれこれ(エッセイから日記に至るまで)が詰まった読み応えある一冊です。間に合う人、間に合わない人、忘れる人、現実逃避する人などなど、本好きの方なら間違いなく楽しめます!(静内)

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2017/02/08

名だたる文士の言い訳集 書けない理由は書けるのか 内田百間のダメさ加減よ でもこれを読んで村上春樹が好きになりました

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2017/02/20

「風邪を引いてしまいました」 「今度は妻が風邪を…」 「妻のお母様が風邪を」 「今度は猫が…」 とか、くそみたいな言い訳で〆切をなんとか引き延してほしいと懇願する名作家諸氏の小話が盛り沢山で笑える。 漱石も、藤村も、田山花袋も、〆切に追われながらなんとかかんとか書いてたんだなぁと...

「風邪を引いてしまいました」 「今度は妻が風邪を…」 「妻のお母様が風邪を」 「今度は猫が…」 とか、くそみたいな言い訳で〆切をなんとか引き延してほしいと懇願する名作家諸氏の小話が盛り沢山で笑える。 漱石も、藤村も、田山花袋も、〆切に追われながらなんとかかんとか書いてたんだなぁと思うと、なんだか急に身近な存在な気がしてくる。笑 他にもvs編集者とのやり取りや、〆切の心理的効果、逆に〆切に遅れたことなんてない!という作家さんのお話など、とにかく〆切にまつわる色々をまとめていて面白い。 余談ですが、これを読む少し前に村上春樹氏の「職業としての小説家」を読んでいたので、いかに彼がプロフェッショナルな小説家かというのを再認識しました。笑

Posted byブクログ

2017/02/02

しおりにも登場していたが内田百閒が面白すぎる。 この本は図書館で借りたのだが、購入し手元に置いて折に触れてあちこちつまんで読むのがいい気がします。

Posted byブクログ