ラストレシピ の商品レビュー
死ぬ間際に思い出の食事を食べさせる「最期の料理人」をやっている鈴木が、ある中国人の依頼を受けることで、過去に起こった陰謀と事件の真相究明に巻き込まれていく。 現代の日本と、過去の満州での出来事が、章ごとに交互に書かれていて、現代で聞く話と、過去の話が少しずつリンクしていく形式。 ...
死ぬ間際に思い出の食事を食べさせる「最期の料理人」をやっている鈴木が、ある中国人の依頼を受けることで、過去に起こった陰謀と事件の真相究明に巻き込まれていく。 現代の日本と、過去の満州での出来事が、章ごとに交互に書かれていて、現代で聞く話と、過去の話が少しずつリンクしていく形式。 陰謀については途中で気付きやすいが、その陰謀を巡る現代の思惑は、一体何が真実で、誰が正義なのかわからなくて、読む手が止まらない。 ラストのどんでん返しはさすがに全く思いつかず、びっくりさせられた。 死ぬ間際の老人が、最後に素敵な思いをする、ある意味ハッピーエンドだと思う。
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現代と満州時代の交差する物語。 普段は中国ものは事態背景が分からないので敬遠しがちだが、料理とミステリーということで手に取った。 最後までどんでん返し。 僧だったのか……読み終わって心が暖かくなった。 そして、結末を踏まえて、もう一度読んでしまった。 料理が作りたくなった。
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第二次世界大戦前、『大日本帝国食菜全席』を満州で天皇陛下に召し上がっていただくため満州に渡った山形直太朗。 最期の料理請負人 佐々木充は北京で楊晴明からその『大日本帝国食菜全席』のレシピを探して欲しいと頼まれる。 レシピを探すうちに歴史を遡ると意外なことが明らかにされて行く。
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※このレビューにはネタバレを含みます
世界最高のレシピ大日本帝国食菜全席を作り出した戦前の天才シェフ直太朗とそのレシピの謎を追いかける現代の天才シェフ佐々木。 現代と過去で話を追いかける展開が永遠の0を思い出しました。美味しいものを食べてもらいたいと言う思いと、食材にかける狂気が伝わってきました。 できた料理は、君そのもの それを食すは、君想う人 料理もそうかもしれないけど、相手のことを考えて行動することや仕事することは、結局は自分の幸せに繋がるのではと思わずにはいられません。
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戦前の日本。天才料理人が妻を伴って満州に渡るように軍部から命じられる。満州での秘密命令は、満漢全席を超える料理のレシピを作成すること。費用は問わない。凄い命令だ。その隠された目的は、満州国に天皇陛下を招くというもの。完成されたレシピは4冊に分けられ、数奇な運命を辿っていく。 現代...
戦前の日本。天才料理人が妻を伴って満州に渡るように軍部から命じられる。満州での秘密命令は、満漢全席を超える料理のレシピを作成すること。費用は問わない。凄い命令だ。その隠された目的は、満州国に天皇陛下を招くというもの。完成されたレシピは4冊に分けられ、数奇な運命を辿っていく。 現代の日本。絶対味感を持つ天才料理人が自分の店を潰し、借金返済のためにレシピ探しを命じられる。 全てのレシピが揃った時、奇跡が起こる。 二つの時代が行き交う物語。 二つの時代ともに面白い。
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死に面したクライアントの思い出の料理を再現する『最期の料理人』。 究極のレシピを再現してほしいと言われた主人公は、レシピを巡る謎に巻き込まれていく。 過去の回想と現在を行ったり来たりしながら謎が解き明かされて行きます。 巻末に付けられたお品書き一覧が圧巻。
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前半はなかなか読み進みにくかったけれど、後半から人々の繋がりが見えてきておもしろくなりスピードが増しました。 料理が異なる民族を結びつけていく考えが素敵。 ユダヤのことわざが鍵となっていくところもワクワクしました。 親子関係が明らかになった最後のシーンは少しあっさりでした。 日...
前半はなかなか読み進みにくかったけれど、後半から人々の繋がりが見えてきておもしろくなりスピードが増しました。 料理が異なる民族を結びつけていく考えが素敵。 ユダヤのことわざが鍵となっていくところもワクワクしました。 親子関係が明らかになった最後のシーンは少しあっさりでした。 日本軍の幹部のやり方の汚さは実際にこんな感じだったのでしょうね。 満州引き上げ時の混乱の描写ではなかにし礼さんの「赤い月」をふと思い出しました。 楊さんの、あの時からこれまでの歩みとその後がもう少し知りたい。 友人柳沢さんの活躍ももうちょっと見ていたかったです。
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田中経一は、『料理の鉄人』のディレクターだった。 山本直太朗は、(大日本帝国食菜全席)のレシピを作成する事に情熱を燃やしていたであろうに... 直太朗や楊晴明も、関東軍上層部にとって、使い捨ての駒でしかなかったのが悲しい。 直太朗は、関東軍の陰謀を知らされた時、楊晴明を巻き添えに...
田中経一は、『料理の鉄人』のディレクターだった。 山本直太朗は、(大日本帝国食菜全席)のレシピを作成する事に情熱を燃やしていたであろうに... 直太朗や楊晴明も、関東軍上層部にとって、使い捨ての駒でしかなかったのが悲しい。 直太朗は、関東軍の陰謀を知らされた時、楊晴明を巻き添えにすることだけは避けなくてはと思い、彼を自分の元から去るよう命じている。さぞ、辛かったろうと思う。 直太朗は、レシピーさえあれば、誰かが料理へと姿を変えてくれると信じて、満漢全席を超える料理レシピーを完成させた。 直太朗の料理への深い愛が、私の心に染みました。
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段々真実が明らかになっていく過程は面白く、文章も読み辛いとは思わなかったが、作り物という印象を受けた。登場人物が物語の中で与えられた役割をこなしていき、ドラマを作ったという感じ。楊さんも背景がよく見えない中で山形料理人に心酔し、どれだけ苦労してどのような思いで依頼をしたのかが見え...
段々真実が明らかになっていく過程は面白く、文章も読み辛いとは思わなかったが、作り物という印象を受けた。登場人物が物語の中で与えられた役割をこなしていき、ドラマを作ったという感じ。楊さんも背景がよく見えない中で山形料理人に心酔し、どれだけ苦労してどのような思いで依頼をしたのかが見えてこない。幸と楊の会話では互いに心情をあっさり吐露しすぎる。主人公も「最期の料理人」という設定は面白いのに、心理描写が薄っぺらで深みがない。テレビや映画の2時間ドラマであれば映像という大きな情報により補足されるのかもしれないが、小説でこれでは行間がない。
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とんでもないどんでん返しがあるわけでもない。 オビに書いてあるフレーズとはちょっと結びつかない。 しかしとてもストーリー性のある面白いミステリーという感想だ。やはり最後にみんなが幸せになる話は心地よい。 多少、無理があるところはご愛嬌かな、、、
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