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スタッキング可能 の商品レビュー

3.6

37件のお客様レビュー

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2024/07/06

この小説の初版は2013年で、その時点でなら女あるあるを羅列するだけでも成立していたような気がする。この場合の女というのは、基本的には20代から30代前半くらいの独身社会人女性である。会社での扱いとかコミュニケーションの齟齬とか嫉妬とか、彼氏とか結婚とかハラスメントとか容姿の美し...

この小説の初版は2013年で、その時点でなら女あるあるを羅列するだけでも成立していたような気がする。この場合の女というのは、基本的には20代から30代前半くらいの独身社会人女性である。会社での扱いとかコミュニケーションの齟齬とか嫉妬とか、彼氏とか結婚とかハラスメントとか容姿の美しさとかそれへの翳りとか、その手のあるあるネタ。たしかに、そのくらいの年代の独身社会人女性にはさまざまな抑圧なり圧力なりがかかる、ネタにしやすい。いまどきはテレビやSNSやネット漫画などで消費されるアレだ。 本書では、そのようなあるあるネタを羅列するだけでなく、いちおう小説的なしかけもほどこされている。ただ、初版から10年が経ったいま、そのしかけ込みでもなかなかきびしい。これは本書というより、私のほうに原因がある。この手の言葉があふれすぎており、なんだか凡庸に思ってしまった。またこれか、と。くりかえしになるけれど、それは私の読むタイミングだけの問題で、本書の責任ではない。

Posted byブクログ

2024/06/11

「女が死ぬ」が面白かったので、より有名なこちらも読んでみることにした。最後まで読んで気がついたのだけど、これを2013年に刊行してるのがすごい。 頭の中で再現しようとしたら突然全部ジョークみたいに感じたり、その一方で急に私の話かも、って思わされる。何が言いたいかなんとなくわかった...

「女が死ぬ」が面白かったので、より有名なこちらも読んでみることにした。最後まで読んで気がついたのだけど、これを2013年に刊行してるのがすごい。 頭の中で再現しようとしたら突然全部ジョークみたいに感じたり、その一方で急に私の話かも、って思わされる。何が言いたいかなんとなくわかった気がしてくる。日常で起こるさまざまな事が、近年だとちゃんと言語化されてこれはこうこういう問題がありますね、って言われるようになったけど、最初はみんな言語化されずにずっとモヤモヤした違和感を抱いて、あー誰か〜ってなってたんだよな。と思わされる本でした。面白かった。

Posted byブクログ

2024/03/28

会社での同調圧力。抗っていた時期もあるけど、ひとりで生きるために手放したものもある。誰かに頼って生きている間は反抗できるのに、ひとりで生きるためには従わなくてはいけないなんて不思議だ。

Posted byブクログ

2024/02/04

なんだかグダグダと愚痴を言っているだけではないか、と感じる瞬間もあるけれども。いやしかしお笑いみたいなもんというか聞かないけどラジオとか、そういうどーでもいーことを宣っているのを聞いてても楽しげなのもまたテクニックではなかろうか。もしくは単に波長が合うだけか。 その愚痴の隙間に謎...

なんだかグダグダと愚痴を言っているだけではないか、と感じる瞬間もあるけれども。いやしかしお笑いみたいなもんというか聞かないけどラジオとか、そういうどーでもいーことを宣っているのを聞いてても楽しげなのもまたテクニックではなかろうか。もしくは単に波長が合うだけか。 その愚痴の隙間に謎すぎる展開の話が挟み込まれていてこれがまたいい味を出していて、結婚する人の話とかマジメに解釈したら面白いかもしれないけど面倒くさいからやらない。 でもそれが良い。なんて。

Posted byブクログ

2023/05/02

一日中股から血が出てる人間は、家で寝てるのが普通じゃないか?結婚するから、ただの皿洗いが、ただの生活を営むために必要なことが「家事」と名付けられ、義務感を帯びるのではないか? 私も透明性の高いマスカラボトルは欲しい。

Posted byブクログ

2023/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった〜うわーうわーと思いながら読みました。 表題作の社内の描写がリアル過ぎて気持ちが落ち込みそうになるけれど、ユニークさがとてもあるので楽しく読めます。落ち着いてよく考えると随分とひどい社会だな…となるけれど。 「ウォータープルーフ嘘ばっかり!」はキャッチフレーズの勢いが良いです、唱和したくなる。「ヒートテックを着ています」は世界平和です。「パンツ問題」、今のところイントネーションで区別しているけど、(ズボンのままがいいのに…)は消えない思いです。なぜ全て英語にするんだろ、フランス語でもいいのに。 「マーガレットは植える」「タッパー」も不条理だけじゃないんだろうなきっと…というのがわかります。「もうすぐ結婚する女」は全て同一になるのか、、、

Posted byブクログ

2022/09/19

この作品の初版は2013年に上梓されているのですけど、まだまだ今どきが「わかる、わかる」「そうなのか」と新鮮だったですね。 「スタッキング可能」は会社で働く女子社員の嘆きっぽい独白、オフィス模様。「マーガレットは植える」女の子の不如意な暮らし、昔なら乙女な嘆き。「もうすぐ結婚す...

この作品の初版は2013年に上梓されているのですけど、まだまだ今どきが「わかる、わかる」「そうなのか」と新鮮だったですね。 「スタッキング可能」は会社で働く女子社員の嘆きっぽい独白、オフィス模様。「マーガレットは植える」女の子の不如意な暮らし、昔なら乙女な嘆き。「もうすぐ結婚する女」ずばり、マリッジブルーに絡めた期待と不安の風景。 松田青子さんの初期の作品でしょうか、作風が出ています。ぼやいたり嘆いたりなのですが、なんとなくおかしみがあるのです。小品の間に挟まれている「ウオータープルーフ噓ばっかり」の3編が特におもしろいなあ、TVドラマ「家政婦は見た」の家政婦協会の事務所(畳のくつろぎ部屋)での会話が思い出されます。クスクス笑ってしまいました。こういうの好きです。

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2022/09/05

オフィスの中で働いている人の感情を滑稽かつ連鎖的に書き出した作品。 キラキラしてそうに見えて、所詮こうだよなと思わせてしまう。実際そうだと思う。「オフィスあるある」の感情版、ブラックユーモア版みたいな印象。 名前をアルファベット化したのは何でだろう。 何となく移入し辛かった。リ...

オフィスの中で働いている人の感情を滑稽かつ連鎖的に書き出した作品。 キラキラしてそうに見えて、所詮こうだよなと思わせてしまう。実際そうだと思う。「オフィスあるある」の感情版、ブラックユーモア版みたいな印象。 名前をアルファベット化したのは何でだろう。 何となく移入し辛かった。リアリティさを敢えて出さないようにしたのか。

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2022/08/14

今日び、アラサーのお嬢さん方が如何に行きにくい社会を生き抜いているか、よく分かった。んとに代わり映えしねえな、現代ニッポン社会って。責任者出てこい、責任者…って言いたいわなあ。 まあ、気の毒だが同情はしない。あたしらだって、あたしらなりに大変だったしな。 もう少し歳を取ると、年々...

今日び、アラサーのお嬢さん方が如何に行きにくい社会を生き抜いているか、よく分かった。んとに代わり映えしねえな、現代ニッポン社会って。責任者出てこい、責任者…って言いたいわなあ。 まあ、気の毒だが同情はしない。あたしらだって、あたしらなりに大変だったしな。 もう少し歳を取ると、年々少ーしずつだが楽になるからな。みんな頑張れよ。

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2022/08/11

大絶賛の嵐。たぶん2方向で。 ・ポップなモチーフたち。貫かれた皮肉へのライトな共感。 ・物語重視以外の小説への共感。→前衛。 表題作は言われているほどかなー、と個人的には感じた。 むしろみんな一緒じゃんという感慨を描くには「もうすぐ結婚する女」のほうが。 さらにシュール路線でいえ...

大絶賛の嵐。たぶん2方向で。 ・ポップなモチーフたち。貫かれた皮肉へのライトな共感。 ・物語重視以外の小説への共感。→前衛。 表題作は言われているほどかなー、と個人的には感じた。 むしろみんな一緒じゃんという感慨を描くには「もうすぐ結婚する女」のほうが。 さらにシュール路線でいえば「マーガレットは植える」は、3.11を受けて書かれたものであるといえばかなりの感動作。こちらのほうが凄味がある。 「ウォータープルーフ嘘ばっかり!」は言葉のリズムが素敵すぎる。

Posted byブクログ