1,800円以上の注文で送料無料

スタッキング可能 の商品レビュー

3.6

37件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    11

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/07/05

活字ならではの着眼点というか、もうとにかく発想が突出していて、好き。 不安にかられ背筋がぞっとするような、でも可愛さもあり笑えるような摩訶不思議でありながら身近で起こっているような、そんな世界観にどっぷり。 「ウォーター・プルーフ嘘ばっかり!」が最高!げらげら笑いながら堪能しま...

活字ならではの着眼点というか、もうとにかく発想が突出していて、好き。 不安にかられ背筋がぞっとするような、でも可愛さもあり笑えるような摩訶不思議でありながら身近で起こっているような、そんな世界観にどっぷり。 「ウォーター・プルーフ嘘ばっかり!」が最高!げらげら笑いながら堪能しました。

Posted byブクログ

2022/06/19

リズミカルな言葉たちが印象的な一冊。 共感できそうで共感しきれない、わかりそうでわからない、そんな青田さんワールドが全開だった。 女から見た世界を描いた作品いいですね

Posted byブクログ

2022/06/05

四組の短篇と、文庫版向けに収録された掌編からなる短編集、200ページ弱。著者初の作品集。 「スタッキング可能」 とある会社を舞台にした2、3ページずつの連作。チャプターごとに、社屋での舞台や所属先となっているフロアを示すエレベーターパネルの図が掲載される。登場人物たちはそれぞれ...

四組の短篇と、文庫版向けに収録された掌編からなる短編集、200ページ弱。著者初の作品集。 「スタッキング可能」 とある会社を舞台にした2、3ページずつの連作。チャプターごとに、社屋での舞台や所属先となっているフロアを示すエレベーターパネルの図が掲載される。登場人物たちはそれぞれA田、B田のような極端に没個性的な固有名を与えられていて、しかも社屋の違う階層には、A川、B川といった名前だけでなく人間性についても同一人物ではないかと思わせられる従業員たちが同じように日々を過ごしている(スタッキング可能)。チャプターごとにキャラクターの視点が入れ替わり、主観と客観でそれぞれの個性を描写するのだが、異なるフロアのオフィスの登場人物たちもほぼ同じようなことを考えて日々を送っている不毛さが際立つ。現実の会社という存在のヘンテコさ加減も浮き彫りになっている。本書の半数近くを占める。 「ウォータープルーフ嘘ばっかり!」 作品の合間に配置された計三回分のシリーズ的な作品。登場人物は主に、全国地域婦人団体連絡協議会(ちふれ)の会長と副会長を名乗るA、Bの女性ふたり。「嘘ばっかり!嘘ばっかり!ウォータープルーフ嘘ばっかり!」をキャッチフレーズに現代社会や女性の慣習にまつわる嘘を糾弾していく。リズム漫才のように観衆に向けて語りかけるスタイル。小さな違和感をテーマにしたあるあるネタの一種といえる。ノリがよく楽しい作品。 「マーガレットは植える」 マーガレットは20代後半の女性。毎週発行のタウンワークを心待ちに、適当なバイトを探している。応募する気になれない求人ばかりに絶望していたマーガレットだが、在宅で送られてきた何かを植えつづけるという不思議なバイトをみつける。タイトルは「マーガレット・ハウエル」というブランド名の言葉遊びから来ているらしい。(解説を読むまでブランドの存在を知らなかった。) 「もうすぐ結婚する女」 女性である私が過去に出会った数々の「もうすぐ結婚する女」を振り返る。マンションの五階に住む「もうすぐ結婚する女」への訪問の過程を軸に、その他の数多の「もうすぐ結婚する女」たちを回想していく形式をとる。主人公のやや訝しげな視線を通して、幸せな空気に包まれた「もうすぐ結婚する女」たちは、それぞれに違いはあれど置き換え可能にみえる不思議な存在として描かれる。 「タッパー」 「様々な生の営みや遺産が入った大量のタッパー」。幻想的な3ページの掌編。 穂村弘の解説や裏表紙の紹介文にもあるように、男性が女性に求める通念をはじめとした社会の同調圧力への忌避の念、違和感が全体に通底する。それだけだと重く暗い作品に傾くことも考えられるが、リズミカルな文体とユーモアが作品を軽妙にし、読ませられる。このあたりは先に読んだ『女が死ぬ』『おばちゃんたちのいるところ』と共通する魅力だ。「スタッキング可能」や「もうすぐ結婚する女」などの素材は、誰もが経験しうるありふれた現実に過ぎないのだが、著者作品のフィルターを通すと、現実世界が不可思議で不条理に映る。

Posted byブクログ

2022/05/29

登場人物名に名前がないとなかなか話に没入できないのは、私の想像力とか理解力が乏しいからなんでしょうかね、きっと。おそらく私は今、不思議な世界観の短編よりも、リアル世界が背景のガッツリ物語が読みたい。 松田青子さんは今いちばん気になる人。だから、だから、これで私には合わないって決め...

登場人物名に名前がないとなかなか話に没入できないのは、私の想像力とか理解力が乏しいからなんでしょうかね、きっと。おそらく私は今、不思議な世界観の短編よりも、リアル世界が背景のガッツリ物語が読みたい。 松田青子さんは今いちばん気になる人。だから、だから、これで私には合わないって決めつけたくない!次は、松田さんの長編小説や『おばちゃんたちの〜』を読みたい。

Posted byブクログ

2022/03/25

現代社会の絶望を圧縮し、その先にある希望を浮かび上がらせようとする奇才、松田青子のデビュー作。 川上未映子の詩を思い出す部分もあるし、彼女の短編を彷彿とさせる部分もあるが、松田青子には松田青子にしか書けない何かが明らかにある。 スタッキング可能 ウォータープルーフ嘘ばっかり!...

現代社会の絶望を圧縮し、その先にある希望を浮かび上がらせようとする奇才、松田青子のデビュー作。 川上未映子の詩を思い出す部分もあるし、彼女の短編を彷彿とさせる部分もあるが、松田青子には松田青子にしか書けない何かが明らかにある。 スタッキング可能 ウォータープルーフ嘘ばっかり! マーガレットは植える もうすぐ結婚する女 タッパー どれも掴めそうで掴めない それこそ小説の意味

Posted byブクログ

2022/03/13

物語を誰かが終始語るという風ではない、いろんな形式の小説が収録されてて、面白かった。 表題作は、解釈は色々できる気がした。 あと、出てくるディテールが、わかる!てのが多い。登場人物の気持ちにも共感するとこが多かった。

Posted byブクログ

2021/11/01

テンポは良くて読みやすかったけど、ちょっと内容はついていけなかった 終始なんとなくの理解だったなあ。。。

Posted byブクログ

2021/10/18

理解はできてなさそうだけれど面白いとは思いました。 なんだか同世代だなと思ったけれど少しお姉さんでした。

Posted byブクログ

2021/03/26

+++ “あなた”と“私”は入れ替え可能?小さかろうがなんだろうが希望は、希望。 +++ いままで慣れ親しんできた小説とはひと味違うテイストである。表題作では、主人公がすべてアルファベットの匿名で、同じビルの別々の階で働く人々、という設定である。読み始めは、それぞれのつながりを...

+++ “あなた”と“私”は入れ替え可能?小さかろうがなんだろうが希望は、希望。 +++ いままで慣れ親しんできた小説とはひと味違うテイストである。表題作では、主人公がすべてアルファベットの匿名で、同じビルの別々の階で働く人々、という設定である。読み始めは、それぞれのつながりを探そうとしていたが、間もなくそれがまったく無駄なことであることに気づかされる。頭の中で映像化してはいけない物語である。読み続けると、なんだかそこにいるのが自分でなくても一向に構わない心地にさせられて、虚しささえ感じ、辛く投げやりな気持ちになる反面、ちょっぴり気が楽になったりもする。表題作以外も、なんというか、とても実験的な印象がある。不思議な読後感の一冊だった。

Posted byブクログ

2021/03/20

面白かった。難しいな〜と思う部分もあったけど納得させられる言い回しも多く、女の私はこれでいいんだ!こう考えればいいんだ!と思えることが多く、前向きな気持ちになれる。読みやすかった

Posted byブクログ