永い言い訳 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人間ってこんなにも悲しいなあとしみじみと実感。 陽一さんでなく津村さんに感情移入してしまう自分に嫌悪感を感じるものの、この本が評価されてることを思うと人間(読んでる人)みんなこんな感じなのかなとも思って安心する。 どうしようもない感じというか、根本的に解決してるわけではないのに、なんだかんだ気持ちよく話が終わっていることになんだか不思議な気持ちになる。 結論よかったみたいにはなるけど、結局津村さんは夏子さんが死ななかったら変わらなかったわけだし、そこは仕方ないような、残念な気がする。 あと、真平くんにいった津村さんの言葉はやはり上っ面に見えて、真平君に染みてる分には、彼はまだ真っ直ぐだなと思えたけど、彼の、取り繕う人間性みたいなのは変わらないなと残念に思ったりもした。
Posted by
純真無垢でないから、濁っているから そういう真っ当でない人間のいう言葉が だれかを救うことがある。 テレビではたった一言に揚げ足をとられて 批判されたり、職をうしなったりするご時世。 こころが綺麗でないと、きちんとしていないと まっとうでいないと 存在してはいけないの? 綺麗な...
純真無垢でないから、濁っているから そういう真っ当でない人間のいう言葉が だれかを救うことがある。 テレビではたった一言に揚げ足をとられて 批判されたり、職をうしなったりするご時世。 こころが綺麗でないと、きちんとしていないと まっとうでいないと 存在してはいけないの? 綺麗な言葉だけの世界になったら わたしはきっと結構つらい。 わたしだけが的もでない汚い人間な気がして。 汚くていい。真っ当でなくていい。 生きているだけでいい、 たったそれだけで誰かを救っている。
Posted by
他者のないところに人生は存在しない。まさにその通りだとしみじみ思った。 自分を大切に思ってくれる人を大事にしようと思った。
Posted by
映画を観たんだけど、幸夫くんは結局、夏子に対してどう思うようになったのかが、わからなかったので、原作を読むことにした。本を読んで、ようやくしっくり感じることができた。 失ったから、わかったんだなぁ。 夏子はきっと、天国で、もう今さらどうでもいいよ~、いい作品書いてね~、さよなら~...
映画を観たんだけど、幸夫くんは結局、夏子に対してどう思うようになったのかが、わからなかったので、原作を読むことにした。本を読んで、ようやくしっくり感じることができた。 失ったから、わかったんだなぁ。 夏子はきっと、天国で、もう今さらどうでもいいよ~、いい作品書いてね~、さよなら~と思ってると思うなぁ。幸夫くんへの想いは、幸夫くんからの仕打ちによって、少しずつ少しずつ削られて、ひとかけらも無くなったんだもの。
Posted by
人気作家の津村啓こと衣笠幸夫と妻の夏子の間は、冷めきっていた。 妻がどこに出掛けようと、その先すら知ろうとしなかった。 そんな旅先で妻は親友と事故で亡くなった。 幸夫はその連絡を受けても、妻の遺体に対面しても泣かなかった。泣けなかった… その後、幸夫はそれまで付き合いがなかったが...
人気作家の津村啓こと衣笠幸夫と妻の夏子の間は、冷めきっていた。 妻がどこに出掛けようと、その先すら知ろうとしなかった。 そんな旅先で妻は親友と事故で亡くなった。 幸夫はその連絡を受けても、妻の遺体に対面しても泣かなかった。泣けなかった… その後、幸夫はそれまで付き合いがなかったが、同じくして亡くなった夏子の親友家族との交流が始まる。 親友の家族には子供が2人いて、旦那はトラックの運転手のため、夜間に家を空けることもあり、幸夫か協力することになったのだ。 そこから、子供たちとの関わりを通じて、幸夫にさ様々な感情が湧き始める。 妻とのお互いの気持ちのすれ違いに後悔しつつ、自分の気持ちに向き合い始める。 人は色々な人や感情に支えられて生きているんだなぁとあらためて感じる作品。 2021.4.7
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
不慮の事故で妻が亡くなったのに、これっぽっちも泣けなかった主人公の衣笠幸夫。 そこそこ知名度のある作家で、売れない時は美容師である妻に養って貰っていた。 けれどいつの間にかふたりの間に会話はなくなり、それにつれ愛情も…?という時の事故。 最初、幸夫のキャラクターが嫌で。 物事を斜めから見ることによって、自分は高いところにいると勘違いして、人の気持ちをふみにじっても気づかない鈍感野郎。 妻と一緒に事故に遭った妻の親友は、長距離トラック運転手の夫と子供二人を遺して逝った。 どういうわけか幸夫は、妻の親友の一家の面倒を見ることになり、人として成長していったような気がするが、これで終わるはずはないだろう。 というか、大宮一家との日常がよすぎて、これは面倒を見るというのではなく、共依存なのでは? と思った時に、その生活は急に終わりを迎える。 ”自分を大事に思ってくれる人を、簡単に手放しちゃいけない。みくびったり、おとしめたりしちゃいけない。そうしないと、ぼくみたいになる。ぼくみたいに、愛していいひとが、誰も居ない人生になる。簡単に、離れるわけないと思ってても、離れるときは、一瞬だ。そうでしょう?” 大切な人を喪った時、何を言われてもそれは正論にすぎなくて、こころの隙間を埋める特効薬なんてない。 大宮陽一のようにストレートに寂しがる人も、真平のように心の中に空虚を閉じ込めてしまう人も、幸夫のようにこれっぽっちも泣けなかった人も、日常を取り戻すのは簡単なことではない。 互いに影響し合いながら少しずつ悲しみを乗り越えて行った幸夫と大宮一家…なんて簡単なものではない。 それが、丁寧に丁寧に描かれている。 ”生きているなら、どうにでもなる。死が分かつまでは、人間同士は何とかなる。” “悲しいことは起きるけど、そのとき世界のどこかでは、また嬉しいことも起きているんだなと思ったよ。” ”つくづく思うよ。他者の無いところに人生なんて存在しないんだって。人生は、他者だ。” 短い文章が、少しずつ少しずつ沁みてくる。 ああ、映画も見てみたい、と思った。
Posted by
小説を読んで感動して、すぐに映画館に走りましたw全体的には小説の方がよかったけど、髪の使い方はリアルにビジュアルのある映画がよかった
Posted by
終盤に差し掛かるまで、主人公のキャラクターにあまり共感が持てずに読み進んだが、終盤にグッと気持ちに迫るものをかんじた。
Posted by
大切な人を失ってから気づく、当たり前の価値。残された者は、残された時間を作り出して生きていくしかない。
Posted by
人との関わりにおいて当たり前と思っている日常をもっと大切にしなきゃいけないと改めて気づかされました。
Posted by