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アウシュヴィッツの図書係 の商品レビュー

4.4

146件のお客様レビュー

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    68

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  3. 3つ

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2020/07/11

実話に基づくフィクション。 これが実際に起こっていたこととほぼ相違ないなんて、戦争を知らない私は本当に信じられない。 こんなに壮絶な体験をした主人公の少女が、90歳で今でもご健在と知って驚き。 ホロコーストについては、どうしてそんなことが起きたのか、一体どんなことが実際に行われて...

実話に基づくフィクション。 これが実際に起こっていたこととほぼ相違ないなんて、戦争を知らない私は本当に信じられない。 こんなに壮絶な体験をした主人公の少女が、90歳で今でもご健在と知って驚き。 ホロコーストについては、どうしてそんなことが起きたのか、一体どんなことが実際に行われていたのか、本当に人間は悪魔のようなことができるのか、子供の頃から興味があった。 これがたった75年前のことだなんて。 ガス室や処刑などの描写はもちろん、飢えや病気の蔓延、劣悪な環境についてのシーンも読むのが本当につらかった。 そんな絶望でしかない世界で、本は唯一の希望の証。 子供にとっての学校や教育の存在も然り。 本さえあれば、世界中どこへでも行ける。 たとえ身動きができなくても、心だけは旅できる。 ユダヤ人としての誇りやプライドを失わず、自分らしく最後まで闘い続けた姿には、心打たれた。

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2020/07/04

世界大戦時でのアウシュビッツの酷さが分かる。 そんな中、本に希望を求め、また本が人々に少しでも勇気を与える存在だった。 もっといい本に巡り会えるよう、これからも読書を続けよう。

Posted byブクログ

2020/06/23

「最初のマッチの引用文は、どういう意味?」という質問を受け、気になって読んでみることにした。 普通に読むと、「闇のひどさが明確になる」という後ろ向きなことなのかな。 マッチ一本ではあまりに頼りない、というような。 でもなんとか明るさを見出だそうとする読み方をすることが、読者と...

「最初のマッチの引用文は、どういう意味?」という質問を受け、気になって読んでみることにした。 普通に読むと、「闇のひどさが明確になる」という後ろ向きなことなのかな。 マッチ一本ではあまりに頼りない、というような。 でもなんとか明るさを見出だそうとする読み方をすることが、読者として救われる態度のような気がした。

Posted byブクログ

2020/06/20

アウシュビッツ内に密かに存在した図書館の蔵書を管理、つまり図書係という任務を任された少女の目線で描かれた、アウシュビッツ内の日々の生活の様子。そして、本を読むことがどれだけ人々に希望と喜びを、もたらし、想像力をかき立てるのかを伝えてくれます。 日々の弾圧。劣悪な生活環境。死への...

アウシュビッツ内に密かに存在した図書館の蔵書を管理、つまり図書係という任務を任された少女の目線で描かれた、アウシュビッツ内の日々の生活の様子。そして、本を読むことがどれだけ人々に希望と喜びを、もたらし、想像力をかき立てるのかを伝えてくれます。 日々の弾圧。劣悪な生活環境。死への恐怖。それでも生きることへの希望を失わず、むしろ貪欲に生きようとする人の強さ。同じ環境にいるもの同士の中で現れるエゴ、自己中心的な態度。その一方で、常に穏やかに、平等に、且つ淡々と生きようとする人もいること。ごく普通の人間社会の営みもまたあったのだ、ということを知らしめてくれる作品です。 図書係の少女が生き残ってくれたからこそ、その事実が小説という形になって後世に語り継がれることができる、その奇跡をありがたく思います。

Posted byブクログ

2020/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アウシュヴィッツ関連の話は避けて来たけど、怖いからと言う理由で真実から目を背ける事は果たして良いのかなと感じ始めて、この本はとっつきやすいかと思い、読んでみた。 でもやっぱり辛かった。私はいつ終わるか分かっているけど、終わりが見えない中のこの生活は絶望感しかない。それでも本は人の心を癒してくれる。人の心を束縛する事は出来ない。 被害者加害者全ての人から戦争は夢や希望を奪っていく。ドイツの女性看守も元々は美容師を目指していたのに、今は毎日人殺しをしていると言うくだりは切なかった。 最後はハッピーエンドでホッと。しかもいまだご存命なのはすごい。強烈な体験をした後でも、人はそれを乗り越えて幸せになれる。主人公が芯が強くて明るいので、救われた。

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2020/06/07

・文学は、真夜中、荒野の真っただ中で擦るマッチと同じだ。マッチ一本ではとうてい明るくならないが、一本のマッチは、周りにどれだけの闇があるのかを私たちに気づかせてくれる。  ウィリアム・フォークナー  (ハビエル・マリアスによる引用)p6 ・本はとても危険だ。ものを考えることを促...

・文学は、真夜中、荒野の真っただ中で擦るマッチと同じだ。マッチ一本ではとうてい明るくならないが、一本のマッチは、周りにどれだけの闇があるのかを私たちに気づかせてくれる。  ウィリアム・フォークナー  (ハビエル・マリアスによる引用)p6 ・本はとても危険だ。ものを考えることを促すからだ。p10

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2020/04/10

ドキュメンタリー番組等でしか見た事のなかったナチス・ドイツのホロコースト。1部を切り取った映像ですらその非人道的な政策と強制収容所の様子に閉口したが、1人の人物に着目して描かれる書籍からは更なる悲惨さが数多く伝わってきた。生きていくのに必要最低限の食糧も与えられず、それにも関わら...

ドキュメンタリー番組等でしか見た事のなかったナチス・ドイツのホロコースト。1部を切り取った映像ですらその非人道的な政策と強制収容所の様子に閉口したが、1人の人物に着目して描かれる書籍からは更なる悲惨さが数多く伝わってきた。生きていくのに必要最低限の食糧も与えられず、それにも関わらず多くの労働を強いられ、労働の出来ない女性・子供・高齢者は情けなどひとつもなくガス室に送られる。人間性を保つことが難しいと言われたこの空間で、たった8冊の本を危険を冒してまで守り続ける主人公ディタ。この状況で家族収容所が存在する意味はなにか。彼らにとって一冊の本はどのような意義を持つのか。救いのないこの物語だが、実際に行われていた事実であることはどれだけ時間が経っても忘れてはならないと思う。他のアウシュビッツを題材にした本も読んでみたいと感じた。

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2020/03/03

本を開くとそこには別の世界が広がっている。 世界地図を開いては収容所の柵を超えて世界中を旅することを想像した。 物語に夢中になり、恐ろしいナチスの絶滅収容所の中でさえ、生きる意欲、読書の意欲を決して失わない。 ディタにとって「本を開けることは汽車に乗ってバケーションに出かけるよう...

本を開くとそこには別の世界が広がっている。 世界地図を開いては収容所の柵を超えて世界中を旅することを想像した。 物語に夢中になり、恐ろしいナチスの絶滅収容所の中でさえ、生きる意欲、読書の意欲を決して失わない。 ディタにとって「本を開けることは汽車に乗ってバケーションに出かけるようなもの」だった。 ボロボロになった本を愛おしそうに修理するディタ。私も今手にしているこの本を抱きしめたくなりました。 電子書籍で読書をする機会が増えましたが、紙の本も手にしたくなる一冊でした。

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2020/01/16

国際赤十字監視団による立入調査がある。ガス室や死体焼却炉の存在を覆い、監視の目から逃れる隠れ蓑として、親子で時間を共有できる「家族収容所」がアウシュビッツ強制収容所内にあった。そこに「秘密の学校」で教える教師と僅か八冊だけの本の管理を任されたユダヤ人少女ディッタがいた。物語を聞い...

国際赤十字監視団による立入調査がある。ガス室や死体焼却炉の存在を覆い、監視の目から逃れる隠れ蓑として、親子で時間を共有できる「家族収容所」がアウシュビッツ強制収容所内にあった。そこに「秘密の学校」で教える教師と僅か八冊だけの本の管理を任されたユダヤ人少女ディッタがいた。物語を聞いている間だけは、ノミやシラミだらけのバラックにいることや怖い思いを忘れることができる、人が焼かれる肉の臭いにも気づかずにいられる。極限状態の中で生きる意欲と力を得ようとした人達の、真実の証言に基づいた慟哭のフィクション。(T図書館蔵書)

Posted byブクログ

2019/12/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

知らないことばかりでした。 ナチスのした悲惨なことは、知っているつもりでいたのですが、知らなかった、 ユダヤの人ばかりでなく ロシアの人もアウシュビッツに隔離?収容?されてひどい扱いをされていたのですね(++) アウシュビッツで子供たちが生活していたなんて、びっくりしました。 ひどい生活の中で 勉強をしたり お友達とおしゃべりしたり ささやかなしあわせを探しながら 明日死ぬかもしれない恐怖のなかで生きていたんですね。 「今日一日を生きなさい」って・・・つらすぎます。小さい子供たち(涙)そして、そんな生活しか与えられなかったと、嘆く母親 読んでいて悲しいのと怒りとでむかむかしました。 アンネ・フランクにも少しふれています。 あとがきに おもなナチスのその後も書かれています。 このことも、しらなかったことでした。  2019年最後の本 重すぎました。でも、読んでよかったです。

Posted byブクログ