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江戸川乱歩名作選 の商品レビュー

4.2

59件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

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2018/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

期待通りの面白さ。この世界観たまらん。 犯人と被害者が入れ替わる系の作品が2つ。真実が明らかになったときの背筋が寒くなる感じが楽しい。読んでる時のドキドキ感が大事。それは風景の描写だったり、犯人の狂気だったりが成す術だと思う、とにかく雰囲気作りがうまい。 「石榴」で良かったのは二人が山の中の断崖絶壁で語り合ってるっていうシチュエーション。石榴って喩えが不気味怖良い。

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2017/12/09

随分昔に傑作選を何気なく読んだのですが、面白かったので名作選を読んでみました。 乱歩のトリック小説はすっかり忘れていて、でも内容だけちらと覚えている傑作選により、名作選もやはり面白かった! 一話読むごとに次のトリックが気になり、手放せませんでした。 「白昼夢」は凄く不思議な感じで...

随分昔に傑作選を何気なく読んだのですが、面白かったので名作選を読んでみました。 乱歩のトリック小説はすっかり忘れていて、でも内容だけちらと覚えている傑作選により、名作選もやはり面白かった! 一話読むごとに次のトリックが気になり、手放せませんでした。 「白昼夢」は凄く不思議な感じでしたが、ショートショートとあり、でもやはり掴みどころのなさが好き。 「石榴」を読んで夢中になり「陰獣」でくるくると変わる内容にやられました。 推理しながら読める。 そこがきっと江戸川乱歩の本の醍醐味のように感じました。

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2017/09/16

文庫に収められた諸作品の発表年が1925年から1934年にかけてですから、金融恐慌やテロ、国連脱退など政情不安が続く時代背景を鑑みると大衆の不安やいらだちなどがピークに達していて、その不満のはけ口としての大衆娯楽だったわけですね。 ミステリーあり、怪奇幻想ありとバラエティに富んで...

文庫に収められた諸作品の発表年が1925年から1934年にかけてですから、金融恐慌やテロ、国連脱退など政情不安が続く時代背景を鑑みると大衆の不安やいらだちなどがピークに達していて、その不満のはけ口としての大衆娯楽だったわけですね。 ミステリーあり、怪奇幻想ありとバラエティに富んでる編纂です。

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2017/08/07

同じ新潮文庫の傑作選と重複しない名作選。意図的であろうが明智小五郎は未登場。作者自身をトリックに使った陰獣や白昼の幻想世界のような挿絵と旅する男などタイトル通りの名作選。

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2017/04/02

どの作品も完成度が高い。そしておどろおどろしい雰囲気は作者ならでは。ミステリーではあるが人間らしいの残忍な部分、恥部を浮き彫りにしており、精神的にじわじわキます。 猟奇的には石榴、ミステリー的傑作ドでは陰獣でしょうか。 特に陰獣は、何度もの読んで咀嚼したくなるし乱歩自身が犯人とし...

どの作品も完成度が高い。そしておどろおどろしい雰囲気は作者ならでは。ミステリーではあるが人間らしいの残忍な部分、恥部を浮き彫りにしており、精神的にじわじわキます。 猟奇的には石榴、ミステリー的傑作ドでは陰獣でしょうか。 特に陰獣は、何度もの読んで咀嚼したくなるし乱歩自身が犯人として登場し、じこの作品をふんだんにプロットとして使っており痛快ですね。青空文庫入りした作者の作品を折りに触れて読みたくなりました。

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2016/12/07

どの話も、書き出しから惹きこまれる。 状況描写を読むのが苦手だが、乱歩の文体は例外。 句読点のリズムと、もったいぶった言い方と、おどろおどろしい言葉選びや例えなどが、自分の性に合ってるのかもしれない。 乱歩に限ったことではないが、「こういう話かな」と話の筋を憶測した後、読み進める...

どの話も、書き出しから惹きこまれる。 状況描写を読むのが苦手だが、乱歩の文体は例外。 句読点のリズムと、もったいぶった言い方と、おどろおどろしい言葉選びや例えなどが、自分の性に合ってるのかもしれない。 乱歩に限ったことではないが、「こういう話かな」と話の筋を憶測した後、読み進めるうちに、その上を行かれてしまうと「なんてスゴイ作品なんだ」と思ってしまう。 「石榴」で一回、「陰獣」で二回、思っちゃった。 なんとなく、京極堂を読みたくなった。

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2016/11/21

しっかりしたホラー。短編が多いものの、巻頭の石榴、巻末の陰獣はとてもよかった。もう少し細かなトリックがしっかりしていると良いな、と思ったが人の描き方やプロットは流石だと思うし、こういうホラーは良い。

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2016/11/16

江戸川乱歩の名作を取り揃えた本書は、中篇2作品と短篇5作品を収録。 恥ずかしながら、本書に収録される作品に多く用いられる語り部調の作風は、どうも古めかしさを感じてしまうところがあって、そのせいか、大概の作品はそのオチが途中で読めてしまうのでした。とはいえ、乱歩作品独特の禍々しさと...

江戸川乱歩の名作を取り揃えた本書は、中篇2作品と短篇5作品を収録。 恥ずかしながら、本書に収録される作品に多く用いられる語り部調の作風は、どうも古めかしさを感じてしまうところがあって、そのせいか、大概の作品はそのオチが途中で読めてしまうのでした。とはいえ、乱歩作品独特の禍々しさというか、奇妙な味わいを堪能することができ、満足。とりわけ、最後に収録される中篇作品の「陰獣」は、不安の残る結末でとても後味悪く読み終えることができました。この読後感のなんともいえなさは、本書に収録される作品全てに通じるところがあって、それこそが乱歩特有の奇妙な味わいなのかなとしみじみ思うところです。著者自身の解説によると、どうやら、この「陰獣」の結末は、少なからずの非難があったようで、後の版ではこの結末を削ってしまったことがあるらしい。とはいえ、原形の方がよいと考え直し、無事、元も姿に戻ったよう。うん、戻されてよかった。

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2016/06/30

昔の日本での探偵、推理小説の発達の仕方がぎゅっと一冊に詰まっていておもしろかった。 今では当たり前のあのトリックも、江戸川乱歩が生み出したと思うと感慨深い。

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