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江戸川乱歩名作選 の商品レビュー

4.2

56件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

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2019/07/31

一つ目の「石榴」から濃い。 古い作品なのだけど「そうは終わらないだろう」という感覚で容赦なく読んでみたが、予想を超えて揺さぶられ、気がついた時には暗闇に一人で取り残されたかの様に終わった。 全体的、愛、憎しみ、狂い、の中にいる喪失または欠落して何も響かない人々が描かれていて全体...

一つ目の「石榴」から濃い。 古い作品なのだけど「そうは終わらないだろう」という感覚で容赦なく読んでみたが、予想を超えて揺さぶられ、気がついた時には暗闇に一人で取り残されたかの様に終わった。 全体的、愛、憎しみ、狂い、の中にいる喪失または欠落して何も響かない人々が描かれていて全体を貫いてる。 怪物だが「石榴」の犯人の様に 自己完結するほど完璧ではなく、自分の勝利であり敗北である状態を知らせたいという欲があったり。人間と怪物の狭間が生々しく切り取られていてる。 本当にただの化け物達の話もあるが、それが挟まっているせいで人間の話も怪物の話のように読める。 本来はそれぞれ単発で別々に書かれたのだろうけど、続けて読むと作者の抱えるテーマが見え「こんな奇話を愉しむ人も怪物も皮一枚」と言われてる様にも感じる。 暑い日に蝉に騒がれながら 脂汗をかきつつ読むのがよい だんだん冷や汗に変わっていく 新潮文庫の夏のフェア版のカバー 全面赤に、真珠か虹を閉じ込めた様な 色でタイトルが書かれている。 妖しい。血と劇薬の混ざった匂いが しそうで良い。 知らぬうちに作者の命日を跨いで読んでいた事に、なんかわからんけど ゾッとする。

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2019/07/16

2019.7.16 キュンタ栞欲しさ&今年のプレミアムカバーが可愛くて購入。やっぱりめちゃくちゃ面白かった。 お気に入りは、人でなしの恋、踊る一寸法師、陰獣の3つ。 踊る一寸法師のラストは怖くて心臓ばくばくしちゃった。

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2019/07/02

2018年キュンタのしおり欲しさに購入し、一年積んで読了(^^;)薄暗く、妖しく、恐くてゾクゾクするのに、乱歩の世界にどっぷりと浸る事が心地好く感じる(^-^;)この感情は何だろう。

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2019/06/03

猟奇、変態嗜好をまともが観察する というごく当たり前の構図だけど この時代に読んでもフレッシュ... 最高です...

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2019/05/06

★★★2019年5月★★★ 『江戸川乱歩傑作選』は、いわゆる夢オチが多くて残念な感じだったが、『名作選』のほうは、夢オチがなくて安心した。 「柘榴」 「押絵と旅する男」 「目羅博士」 「人でなしの恋」 「白昼夢」 「踊る一寸法師」 「陰獣」 それぞれに面白い作品であっ...

★★★2019年5月★★★ 『江戸川乱歩傑作選』は、いわゆる夢オチが多くて残念な感じだったが、『名作選』のほうは、夢オチがなくて安心した。 「柘榴」 「押絵と旅する男」 「目羅博士」 「人でなしの恋」 「白昼夢」 「踊る一寸法師」 「陰獣」 それぞれに面白い作品であったが、特に「柘榴」と「陰獣」が印象に残った。「押絵と旅する男」はホラーか。 「柘榴」は、あるさびれた旅館で、刑事である「私」が、推理小説好きの猪俣氏と過去の犯罪について語るところから、物語は「硫酸事件」へと移り、猪俣氏の恐ろしい正体に結び付く。構成としては「二廃人」に近い? 「陰獣」は乱歩ワールド全開といった内容だが、過去の男につきまとわれた美しい女性を中心とした、愛憎入り乱れた、不気味なミステリー。乱歩らしい作品。 「押絵と旅する男」。TV番組の「世にも奇妙な物語」に使われそうな設定。凌雲閣のてっぺんから美しい女性を見つけ、その女性が絵の中の人物と知るや、絵の世界に入ってしまうとは。いやはや恐ろしい話だ。 乱歩の世界観は不気味で気持ち悪くて、暗くて嫌いという人が結構いるが、僕は結構好きで、読んだらハマってしまう。

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2019/01/23

乱歩、とても久しぶりに読みました。 2016年に、新潮文庫にかの『江戸川乱歩傑作選』(1960年刊)につづく「第2集」的なこちらが加わっていたのですね。 ほとんどかつて一度は読んだことのある作品ですが、懐かしく、かつ(忘れているものも多く)新鮮に、久しぶりの乱歩の世界を楽しみまし...

乱歩、とても久しぶりに読みました。 2016年に、新潮文庫にかの『江戸川乱歩傑作選』(1960年刊)につづく「第2集」的なこちらが加わっていたのですね。 ほとんどかつて一度は読んだことのある作品ですが、懐かしく、かつ(忘れているものも多く)新鮮に、久しぶりの乱歩の世界を楽しみました。 『石榴』『押絵と旅する男』『目羅博士』『人でなしの恋』『白昼夢』『踊る一寸法師』そして『陰獣』。いいですね〜 良くないはずがない。

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2018/12/13

「陰獣」めっちゃ面白かった〜〜! なんども驚かされる展開にずぶずぶ引き込まれる。「押絵と旅する男」「人でなしの恋」も幻想的で好きだった。 乱歩の色気のある世界たまらん!

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2018/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

期待通りの面白さ。この世界観たまらん。 犯人と被害者が入れ替わる系の作品が2つ。真実が明らかになったときの背筋が寒くなる感じが楽しい。読んでる時のドキドキ感が大事。それは風景の描写だったり、犯人の狂気だったりが成す術だと思う、とにかく雰囲気作りがうまい。 「石榴」で良かったのは二人が山の中の断崖絶壁で語り合ってるっていうシチュエーション。石榴って喩えが不気味怖良い。

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2017/12/09

随分昔に傑作選を何気なく読んだのですが、面白かったので名作選を読んでみました。 乱歩のトリック小説はすっかり忘れていて、でも内容だけちらと覚えている傑作選により、名作選もやはり面白かった! 一話読むごとに次のトリックが気になり、手放せませんでした。 「白昼夢」は凄く不思議な感じで...

随分昔に傑作選を何気なく読んだのですが、面白かったので名作選を読んでみました。 乱歩のトリック小説はすっかり忘れていて、でも内容だけちらと覚えている傑作選により、名作選もやはり面白かった! 一話読むごとに次のトリックが気になり、手放せませんでした。 「白昼夢」は凄く不思議な感じでしたが、ショートショートとあり、でもやはり掴みどころのなさが好き。 「石榴」を読んで夢中になり「陰獣」でくるくると変わる内容にやられました。 推理しながら読める。 そこがきっと江戸川乱歩の本の醍醐味のように感じました。

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2017/09/16

文庫に収められた諸作品の発表年が1925年から1934年にかけてですから、金融恐慌やテロ、国連脱退など政情不安が続く時代背景を鑑みると大衆の不安やいらだちなどがピークに達していて、その不満のはけ口としての大衆娯楽だったわけですね。 ミステリーあり、怪奇幻想ありとバラエティに富んで...

文庫に収められた諸作品の発表年が1925年から1934年にかけてですから、金融恐慌やテロ、国連脱退など政情不安が続く時代背景を鑑みると大衆の不安やいらだちなどがピークに達していて、その不満のはけ口としての大衆娯楽だったわけですね。 ミステリーあり、怪奇幻想ありとバラエティに富んでる編纂です。

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