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泣き童子 の商品レビュー

4.3

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

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2022/08/10

本タイトルにもなっている『泣き童子』。    制裁を受けずに暮らす悪人が最後にはその報いを受けるというのは読者の望むところ。 でも何より恐いのは、その報いは悪人の奥底に葬ったはずの悪事が無意識に自らを苦しめ、恐怖に落としいれるということ。まさにこの話がそう。 『小雪舞う日の』に...

本タイトルにもなっている『泣き童子』。    制裁を受けずに暮らす悪人が最後にはその報いを受けるというのは読者の望むところ。 でも何より恐いのは、その報いは悪人の奥底に葬ったはずの悪事が無意識に自らを苦しめ、恐怖に落としいれるということ。まさにこの話がそう。 『小雪舞う日の』に出てくる紅半纏の半吉の話っぷりが好き(笑) あのリズム。 またの登場を期待します。

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2022/06/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2022/6/3 忘れてたシリーズ。 久しぶりに読んだらやっぱり宮部みゆきは読みやすい。 スルスルとページが進む。 切なかったり悲しかったり憤ったり絶妙だよなぁ。

Posted byブクログ

2022/02/12

生者の魂と死者の魂は共鳴している。そんなことをこの本から感じた。その境は薄皮一枚しかなく、行ったり来たりしているのではないか⁈ 「まぐる笛」のみ「荒神」を彷彿させる異質さがあったが、さすがの怪異譚。 宮部みゆきと重松清は何を読んでもハズレが無い安定のストーリーテラーだ。

Posted byブクログ

2022/01/20

語って語り捨て。 聞いて聞き捨て。 このフレーズがいいですよね。 『泣き童子』が切なく恐かった。 『くりから御殿』は3.11の後の発表なんだな。

Posted byブクログ

2021/12/04

宮部みゆきの「三島屋変調百物語」の第3弾ですが、今回も主人公のおちかがさまざまな怪奇百物語を聞くという展開で、短編6編でしたが、今回は、ややユーモラスな話もあって、くすっと笑える話もありつつ、タイトルの泣き童子やまぐるの話は、おどろおどろしい内容の話もあり、どの話も惹きこまれる内...

宮部みゆきの「三島屋変調百物語」の第3弾ですが、今回も主人公のおちかがさまざまな怪奇百物語を聞くという展開で、短編6編でしたが、今回は、ややユーモラスな話もあって、くすっと笑える話もありつつ、タイトルの泣き童子やまぐるの話は、おどろおどろしい内容の話もあり、どの話も惹きこまれる内容で、さすがの面白さでした! この先の百物語も読み進めていこうと思います!

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2021/12/23

今日も三島屋に客が訪れてくる。 だが、買い物のためではない。 黒白の間を訪ねてくる。 だが、主人の囲碁の仲間ではない。 言うに言われぬ話を抱えてやってくる。 語る相手は、主人の姪っ子おちか。 語って語り捨て。 聞いて聞き捨て。 それだけが約定である。 「怪異を語るとい...

今日も三島屋に客が訪れてくる。 だが、買い物のためではない。 黒白の間を訪ねてくる。 だが、主人の囲碁の仲間ではない。 言うに言われぬ話を抱えてやってくる。 語る相手は、主人の姪っ子おちか。 語って語り捨て。 聞いて聞き捨て。 それだけが約定である。 「怪異を語るということは、人の世の闇を語ることだ。怪異を聞くということは、語りを通してこの世の闇に触れることだ。闇のなかには何が潜んでいるかわからない。そのわからなさまでをもまとめて聞き取って、胸に収めてゆく覚悟がなければ、この聞き手は務まらない」(第一話 魂取の池 P15) 「人は、故郷から離れがたいものなのだ。ふるさとは、血の流れのなかに眠っている」(第二話 くりから御殿 P94) 「男の目が焦点を失い、動きを止め、とろんと呆けた。まるで一瞬だけ死人になったかのように。  初めて、おちかの背中にひと筋、糸のように細いけれど冷たいものが、すっと走ってすぐに消えた」(第三話 泣き童子 P120) 「怪異を語り、怪異を聴くと、日頃の暮らしのなかでは動かない、心の深いところが音もなく動く。何かがさざめき立つ。それによって重たい想いを背負うこともあるが、一方で、ふと浄められたような、目が覚めたような心地になることもあるのだ」(第四話 小雪舞う日の怪談語り P177) 「語りたい。だが語ってはいけない秘事だ。ただ世間の評判だけを頼りに、赤の他人に打ち明けていいものか。いや、赤の他人だからこそいいではないか。赤城信右衛門の心のゆれる様が、おちかには目に見えるようだった」(第五話 まぐる笛 P319) 「おちかは、その<商人>と名乗る男を知っている。その男が春一に述べた口上も聞いたことがある」 「--私は商人です。  ふたつの場所をつなぐ道筋で、お客を相手にしているんです」(第六話 節気顔 P421) 今日も対話が続いていく。 魂に火をともす対話が続いていく。 語る人。 聞く人。 それを見守る人々。 悩みのない人はいない。 苦労のない人生などない。 どんなに運命に翻弄されようとも。 人は幸せになるために生まれてきた。

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2021/09/16

三島屋変調百物語シリーズ3 タイトルの泣き童が怖かった。 おちかが橋を渡る時に起こる出来事も、百物語に入れても良い気がする。 物語も多様で今回も外れナシ。

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2021/08/30

シリーズ3作目。これまでで一番、百物語らしい、ゾッとするものがあった。 おちかの気持ちは丁寧に描かれ、変化していく。今後の展開が楽しみ。 江戸時代の、暦に合わせた行事などの風俗が知れるのも、個人的に面白い。

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2021/08/18

2021/8/18 読了 短編集としても秀逸だし、 一つ一つのお話がホラー+様々なジャンルを包括しており、誰もが楽しめる作品 百物語のお話以外にも気になる要素がたくさん散りばめられており、先が気になる

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2021/08/05

1冊目から読み進めてきて、一番好きな1冊かも。 徐々に飽きてくると思っていたら、良い意味で裏切られて、読み応えありました! まぐる笛は、なんだか小野不由美の小説の様な、おどろおどろしさがあって、怖くてゾクっとしましたし、節気顔は、今後に繋がりそうな内容で、とても気になりました。...

1冊目から読み進めてきて、一番好きな1冊かも。 徐々に飽きてくると思っていたら、良い意味で裏切られて、読み応えありました! まぐる笛は、なんだか小野不由美の小説の様な、おどろおどろしさがあって、怖くてゾクっとしましたし、節気顔は、今後に繋がりそうな内容で、とても気になりました。 4冊目に続いていきますが、いつかは読み終わってしまうと思うと、惜しい気持ちで咀嚼しながら読んでいます。

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