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泣き童子 の商品レビュー

4.3

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

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2023/08/20

こちらも読みごたえがありました。 おちかの言葉「怪異を語り、怪異を聴くと、日頃の暮らしのなかでは動かない、心の深いところが音もなく動く。」にあるように、自分もこの物語に惹き付けられ、心が動いております。 次のシリーズも楽しみです。

Posted byブクログ

2023/08/16

「三島屋変調百物語」発売済み全4巻のうちの第4巻を買って読んだのが、つい一週間ほど前のこと。手に取って読み始めてすぐに「ああ、あのシリーズの最新巻か」と気付く。冒頭から登場する主人公や脇役たちの記憶もあれば、百物語の趣向の経緯や背景にも馴染みがあるし。つまり、このシリーズを読むの...

「三島屋変調百物語」発売済み全4巻のうちの第4巻を買って読んだのが、つい一週間ほど前のこと。手に取って読み始めてすぐに「ああ、あのシリーズの最新巻か」と気付く。冒頭から登場する主人公や脇役たちの記憶もあれば、百物語の趣向の経緯や背景にも馴染みがあるし。つまり、このシリーズを読むのは初めてじゃない。しかし全巻を続けて読んできた記憶もないので、1‐2冊は確実に読み飛ばしてるな。そう思いながら読み終えたのが第4巻。それがやはり面白かったので、さっそく再度1‐3巻を買い求め、初巻から読み始め直してみたのだが... これが不思議なことに。 第1、第2、そしてこの第3巻と読み進めるごとに「前に読んだのはコレじゃないぞ」と思うのだ。つまりどれも初読。以前読んだ記憶が無い。なのに不思議だ。先日第4巻を読んだ時には「こりゃ初めてじゃない」との確実な確信があったのだ。 これは嘘みたいな話だが、オレ自身も著者のあやかしのワザに誑かされてしまったか?(実際、今回も4巻揃えて買わされてしまったワケだし笑) ...と云えども、後悔など微塵もない。4巻とも初読としか思えぬほど新鮮に物語を楽しめたし、その深みや含意に感じ入り、怪異に慄き、著者の筆致に感服しきり。 これは間違いなく素晴らしいシリーズだし、今後の著者のライフワークとなること疑いない。 第5巻以降も今からめちゃくちゃ楽しみだ。

Posted byブクログ

2023/05/25

第三弾はおちかが直接騒動に巻き込まれることなく、あくまて聞き手としての役割だったので、比較的穏やかな巻でした。 それぞれの物語の趣向が凝っていて、いずれも甲乙付け難く、とても質の高い一冊でした。

Posted byブクログ

2023/05/13

三島屋おちかの不思議百物語、連作中編集シリーズ3作目。 聞き手としてのおちかは成長する一方、若い女性や訳あり夫婦、鬼気迫る老人など、語り手や話の幅も広がっていく。 どの話も安定の読み応えです。 特に、3.11後に発表された「くりから御殿」は胸に沁み入りました。表題作「泣き童子」は...

三島屋おちかの不思議百物語、連作中編集シリーズ3作目。 聞き手としてのおちかは成長する一方、若い女性や訳あり夫婦、鬼気迫る老人など、語り手や話の幅も広がっていく。 どの話も安定の読み応えです。 特に、3.11後に発表された「くりから御殿」は胸に沁み入りました。表題作「泣き童子」はまさにホラーであり、「魂取の池」にはほんわかと、「まぐる笛」の純朴な青年武士の一途な心遣いには感銘を受けました。

Posted byブクログ

2023/01/24

語って語り捨て、聞いて聞き捨て 黒白の間で、おちかは人々の不思議な話を聞く。 宮部みゆきさんのライフワーク三島屋シリーズの第三段。今作も不吉な話から笑いまで江戸時代を生き生きと描かれる。こんなにも多くの物語を紡ぐ宮部さん、稀代のストーリーテラーは健在だ。ずっと読んでいられる。

Posted byブクログ

2023/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三島屋変調百物語シリーズ第3弾。今回もバラエティに富んだ怪談を聴かされるおちかと読まされる我々読者。 どれも読み応えある良質な6つの(うち1つには4つの怪談が入っているのだが)怪談が収録されているが、中でも気に入ったのが「くりから御殿」、東日本大震災後、あの地震と津波被害に揺さぶられた書かれた1作。震災後の文学作品では自然の驚異と人間の無力さを描いた作品が目立ったように思うが、宮部みゆきはそこをきっちり描いたうえで「それでも人の縁は捨てたものではない」ところにスポットをあてる。 妖異怪異、人知を超えた現象を描くとしても、それでも人としての矜持をもって立ち向かい生きていく人々を描いた作品は読んでいて勇気をもらえるし、感動もひとしおである。本来の怪談とはそういうものではないのかも知れないが、俺は宮部流のこういった話の方が好きである。

Posted byブクログ

2023/01/05

百物語第三弾。安定の筆致だが淡々としている。逆に言えばあまり印象に残らない。何度読んでも初めて読むような印象を感じる。敢えて場面の上下動を控えているのかもしれない。

Posted byブクログ

2022/12/12

怪談話に感動の要素があるところが、読み続けられる秘訣だと思う。 ゾッとする場面ももちろんあるけれど、親子愛や友情、恋情、寛大な愛情がどの話にも埋め込まれている。

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2022/10/28

日本昔ばなしのような怖い話。ブルっと身震いする小さな怖さが体験できてよかった。怖い話って定期的に読みたくなるね。

Posted byブクログ

2022/09/16

表題作、久々に来ました、宮部みゆき is back。 前巻まで切り詰め感が不足していると感じていたのですが、本巻、ようやくソリッドな感覚。こうでなくっちゃ。こういうお噺は短編能力が問われると個人的には感じておりまして、この観点で本巻はそれが遺憾なく発揮されているかと。 怖いけど次...

表題作、久々に来ました、宮部みゆき is back。 前巻まで切り詰め感が不足していると感じていたのですが、本巻、ようやくソリッドな感覚。こうでなくっちゃ。こういうお噺は短編能力が問われると個人的には感じておりまして、この観点で本巻はそれが遺憾なく発揮されているかと。 怖いけど次に読み進めたい、良質な、一級品の妖しものです。

Posted byブクログ