三の隣は五号室 の商品レビュー
横浜の外れの木造アパート。 四畳半と六畳、キッチンが少し変な間取りになっている三号室。 隣の部屋番号は、五号室。 その部屋に50年の間に住んだ住人は13組。 少し変な間取りの部屋を中心に、その部屋に住んだ13人が、その部屋にどんな風に越してきて、どんな風に暮らして、どんな風に出...
横浜の外れの木造アパート。 四畳半と六畳、キッチンが少し変な間取りになっている三号室。 隣の部屋番号は、五号室。 その部屋に50年の間に住んだ住人は13組。 少し変な間取りの部屋を中心に、その部屋に住んだ13人が、その部屋にどんな風に越してきて、どんな風に暮らして、どんな風に出て行ったのか。 物語の中心は、少し変な間取りの四畳半。 当たり前のことだけど、部屋は何にも喋らない。 だから、話すのは専らその部屋に住んだ住人たち。 その部屋は何にも話さないけれど、それは確かにその部屋の記憶。 記憶の中で、少し変な間取りの部屋に住んだ人たちが、順不同で出てくる。 だから、本を読んでいて少し混乱する。 でも、それは確かにその部屋の記憶。
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第一藤岡荘の五号室に住んだ人たちそれぞれの暮らしを覗き見る。 よくこんなこと思いつくなあ。 間取図もついてておもしろかった。エピソードは順番通りでなくバラバラだけど、住人の名前に数字が入っているので大体どの辺の時代の人かわかるようになっている。 ただ眠気を誘う淡々とした雰囲気なので続けて一気に読めなくて残念。 いや、おもしろいんだけど。ほんとに。
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第一話の後に表題紙、第一藤岡荘五号室の間取図、目次を挟んで第二話に続いていく。1966~2016年までの、四畳半三方向を障子に囲まれた変な間取りの五号室で暮らした13世帯。その生活の細やかな描写は長嶋さんならでは。 居住者の観ているテレビ番組「眠れる森」や「600こちら情報部」等が懐かしい!室内に残されたシールやホース等で前居住者に感想を持つ場面など、多彩な切り口で細部まで読み込める面白さがあり、人物ごとに些細な出来事を転記した年表を作りたくなる。長嶋さんがどうやってこの小説を仕上げたのか見てみたい。 終盤に描かれる六号室の住人の素性や諸木十三が五号室に越してきた理由は、五号室の50年間をなぞってきた一人として感慨深かった。
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5号室に住む人たちをいくつかのテーマごとに書き込んである。やり方としてはおもしろいが、出てくる人たちを把握するのが面倒で、この人たちは、どうだったっけ?と分からなくなり、読みづらかった。
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アパートの五号室に住んだ人々の話。 個性的な間取りのせいか、同じ部屋なのに住む人によって使い方はさまざま。 自分に合わせて修理してみたり、何も触らずにあるがままで暮らしたり。でも、なんとなく前の住人の暮らしぶりがわかったり。 賃貸っていろんな人の人生がその部屋を通りすぎていくのね...
アパートの五号室に住んだ人々の話。 個性的な間取りのせいか、同じ部屋なのに住む人によって使い方はさまざま。 自分に合わせて修理してみたり、何も触らずにあるがままで暮らしたり。でも、なんとなく前の住人の暮らしぶりがわかったり。 賃貸っていろんな人の人生がその部屋を通りすぎていくのね〜。 その時代時代の話題が出てきたりで「え、そんなドラマが実際にあったか?」と怪しい記憶をチェックするためにインターネットで検索してみたりとなかなか楽しめた。 自分が住んでいる家の前の住人のことをあれこれ想像してしまう。ふふふ。
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いっぱい考えて、つじつまがあうようにしたんだろうけど、小さな話をいっぱいつなげられてもしんどいので、もう少し大きな面白い話をつなげて欲しかった!
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渋谷HMV&BOOKS TOKYOで見つけた「三の隣は五号室」のサイン本を、購入! 一気に読んだ、 楽しかったなぁ。部屋が主人公というか、定点観測小説とでも呼べばいいのか。長嶋有史上でも特にテクニカルな小説のように思う1冊。登場人物たちのネーミング、家電製品や家の中のガジェットの...
渋谷HMV&BOOKS TOKYOで見つけた「三の隣は五号室」のサイン本を、購入! 一気に読んだ、 楽しかったなぁ。部屋が主人公というか、定点観測小説とでも呼べばいいのか。長嶋有史上でも特にテクニカルな小説のように思う1冊。登場人物たちのネーミング、家電製品や家の中のガジェットの変化そういった所がいかにもブルボン小林ぽくもあって嬉しくなっちゃう。 自分も賃貸物件居住者だけども、前に住んでいた人を知らないし次に住む人の事もきっと知らずにいるのって良く良く考えてみたら変な気がする。小説の中では、登場人物たちが緩やかに繋がっているように見えるのだけれど、同じ部屋に住んでいるのだから似たようなことを考えたりする事もあるだろうなと納得。僕の前の住人も、このスペースをどうしようか悩んだのだろうかとかね。 長嶋有は「なにも起こらない」間に大きな決断をしたり、大きな人生のうねりに飲み込まれたり、何というか「ドラマチックな展開の真っ只中」でも何も思っていない時があるという事を小説で描いていて、なにも起きていない時間やなにも思っていない時間も「生きている時間」だと思えて何だか良いのですよ。 そんな長嶋さんも15周年だそう、みんなで読もうじゃないか!オススメです!
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映画のような装丁がおもしろかった 頁をめくるとすぐに本文が始まって、そのあとに内表紙と目次が続く。映像的な作り。 年月を経て色んな人が住んだ五号室のおはなし。 ひとが主人公じゃない小説って斬新だなあ。 いろんなひとがこの部屋で生活をして、同じ所でつまづいたり、風邪をひいたり、キム...
映画のような装丁がおもしろかった 頁をめくるとすぐに本文が始まって、そのあとに内表紙と目次が続く。映像的な作り。 年月を経て色んな人が住んだ五号室のおはなし。 ひとが主人公じゃない小説って斬新だなあ。 いろんなひとがこの部屋で生活をして、同じ所でつまづいたり、風邪をひいたり、キムタクのドラマをみたり。 キムタクで時代を反映させるって、新しいやり方だ。 時代を象徴できる、テレビに出続けているキムタクって凄いなと思ったり。 人の名前が住んだ順番になっているのもおもしろい。 霜月は11月で、ダヴァーズダはペルシア語で12。 薬を飲むと風邪は悪化する、風邪のほうが気づいてしまう、暴れていいんだな?という文章、長嶋さんらしいユーモア。 意欲作であるからこそ、すこしの退屈。 読めば読むほど味が出るのかも。
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自分の人生を慮り、幸せな思い出と後悔と後悔と後悔とで死んだ。6回は死んだ。「巨大なトライアングル(楽器の)」の丁寧に説明するところとか、「急に寒くそんな正しさを持ち出されることが、フェアに思えなかった」とか、他にも泣かされた。第七話の「1は0より寂しい数字」が一番よかった。
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