日本会議の研究 の商品レビュー
[日本の黒幕?]社会や政治の保守化・右傾化の理由として,日本会議という「知られざる」組織の存在とその影響の可能性を指摘した作品。著者は,サラリーマンとして勤務するかたわらに執筆活動を開始した菅野完。 いろいろと言われている作品ですが,日本会議という組織があり,脈々と戦後にいわ...
[日本の黒幕?]社会や政治の保守化・右傾化の理由として,日本会議という「知られざる」組織の存在とその影響の可能性を指摘した作品。著者は,サラリーマンとして勤務するかたわらに執筆活動を開始した菅野完。 いろいろと言われている作品ですが,日本会議という組織があり,脈々と戦後にいわゆる保守運動が続けられてきたということを指摘した意義はあると思います。他方,以下のとおり「仮説を検証するため」でなく,「仮説を立証するため」に書かれた本であることは読者の注意を引いて良いかと。私は現在エジプトに住んでいて,誤解を恐れずに言えば,そこでよく耳にする「アメリカとイスラエルに中東は支配されている」という議論と似たものを感じました。 〜「安倍政権の反動ぶりも,路上で巻き起こるヘイトの嵐も,『社会全体の右傾化』によってもたらされたものではなく,実は,ごくごく一握りの一部の人々が長年にわたって続けてきた『市民運動』の結実なのではないか?」本書の目的はこれらの仮説を立証するところにある。〜 すべてを説明するものは何物をも説明し得ないのではないかと☆5つ
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まず。筆者は左翼だという事。左翼側から見た安倍政権はこんな感じなんだと。今ホットな(?)稲田朋美防衛相と塚本幼稚園が出ていて、野党や新聞、テレビでやたらと叩かれている理由がわかった。言葉の端々から安倍政権イヤイヤが出ていて、あ。嫌いなんだなぁ(笑)と思った。「安倍政治を許さない」...
まず。筆者は左翼だという事。左翼側から見た安倍政権はこんな感じなんだと。今ホットな(?)稲田朋美防衛相と塚本幼稚園が出ていて、野党や新聞、テレビでやたらと叩かれている理由がわかった。言葉の端々から安倍政権イヤイヤが出ていて、あ。嫌いなんだなぁ(笑)と思った。「安倍政治を許さない」でしたっけ?そんな感じ。なかなか面白かったです。
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この本だけで判断するのは難しい。 ここでは日本会議の成り立ちと事実関係をおさえるのみにとどまる。他の関係する本を読みこまないと判断できない。 作者の経歴から、かなりの程度を差し引いて読むのが必要と思われる。
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執念の取材は敬服するが、主張はどこにあるかが全く分からない。日本会議に対する、ぼんやりと敵意のようなものはにおうものの、膨大な調査の末、訴えたかったのは何だったのだろう。今や時の人化した籠池理事長も登場するので、アップトゥデイト感は楽しめるのだが。
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様々な批判を浴びつつも、政治的に安定勢力となっている安倍自民党。 安倍首相はじめ、多くの政治家が日本会議なる団体と繋がりがあることはよく知られていると思う。 また、日本会議関係者に対し、国が(政治家の力利用したように思えるが)便宜供与して要るような姿も散見される。 その、日本会...
様々な批判を浴びつつも、政治的に安定勢力となっている安倍自民党。 安倍首相はじめ、多くの政治家が日本会議なる団体と繋がりがあることはよく知られていると思う。 また、日本会議関係者に対し、国が(政治家の力利用したように思えるが)便宜供与して要るような姿も散見される。 その、日本会議の設立の歴史、思想信条、そして新興宗教団体との繋がりなど、多区の角度から分析している、 それも、過去の歴史ではなく、今進行中の歴史として。 私はどうも好きになれないが、題名通り日本会議という秘密結社のような団体を学ぶためには、コンパクトにまとめられた良い本なのではないかと思う。 日本が何かわけのわからない団体に乗っ取られないためにも、勉強はしておくべきだと思う。
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「日本会議」という名前だけは聞いたことがあったけれど、その実態がよく分からなかった。 学生運動に端を発してできた団体、宗教団体から派生した団体が、「日本会議」を支えており、実質的な権力を持った実態である。 なんとなくざっくりとは分かったけれども、彼らの憲法に対する考え方などの価値...
「日本会議」という名前だけは聞いたことがあったけれど、その実態がよく分からなかった。 学生運動に端を発してできた団体、宗教団体から派生した団体が、「日本会議」を支えており、実質的な権力を持った実態である。 なんとなくざっくりとは分かったけれども、彼らの憲法に対する考え方などの価値観が全く理解できないため、どうしてそこまでするのかがよく分からない。 日本会議の成り立ちは分かっても、中の人の成り立ちが分からない。もちろん(本書に登場するように)個々人の生い立ちの中で、右傾化していったのであろうが、それは時代錯誤で非民主的だ。 しかし、そんな彼らの草の根運動が結実しようとしている。これはとても恐ろしいことである。
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「どこまで本当なのだろう?」と思いながら、ページを繰った本である。しかし著者の文献の渉猟度合いや、取材のやり方などから、それなりの信憑性はあるであろうと推察される。 著者は新左翼と対比しながら日本会議を検討している。いわゆる「左派・インテリ」は署名運動や政治家への働きかけを「ばか...
「どこまで本当なのだろう?」と思いながら、ページを繰った本である。しかし著者の文献の渉猟度合いや、取材のやり方などから、それなりの信憑性はあるであろうと推察される。 著者は新左翼と対比しながら日本会議を検討している。いわゆる「左派・インテリ」は署名運動や政治家への働きかけを「ばかばかしい」として唾棄してしまった、と著者は論ずる。しかし日本会議に伍している活動家は、その署名運動や政治家への働きかけを必死にやっている。皮肉なことにそれは、極めて「民主主義的」なやり方である。地方議会や議員に、国政に関わるような質問状や陳情を送っているのは、日本会議が関わっていると彼は断ずる。たしかに地元の市議会でも、そのような請願があるように思えるのも、事実だ。彼らに反対したい勢力が何をすべきかは、答えは出ていよう。
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活動母体がその素顔を晒していない日本会議。今日まで尻尾を出さなかった彼らは、90年代後半から猫の目のように変わり続ける政権の周辺で、10年近くロビー活動を展開した某リース会社の元経営者以上に、不気味な存在ではないだろうか。 また、宗教的動機は金銭的動機にも匹敵する力を秘めている...
活動母体がその素顔を晒していない日本会議。今日まで尻尾を出さなかった彼らは、90年代後半から猫の目のように変わり続ける政権の周辺で、10年近くロビー活動を展開した某リース会社の元経営者以上に、不気味な存在ではないだろうか。 また、宗教的動機は金銭的動機にも匹敵する力を秘めているという事を改めて再確認させられた。
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この本を読んだとき、「秘密情報の95~98パーセントは公開情報の中にある」という佐藤優の言葉を思い出しました。 この本は過去の出版物など公開情報などから、日本会議の本質に迫るもので、調査報道の本質を見せてくれます。本書の主張を別にすれば、世の中に数ある一般の公開情報から、それらの...
この本を読んだとき、「秘密情報の95~98パーセントは公開情報の中にある」という佐藤優の言葉を思い出しました。 この本は過去の出版物など公開情報などから、日本会議の本質に迫るもので、調査報道の本質を見せてくれます。本書の主張を別にすれば、世の中に数ある一般の公開情報から、それらの断片的な情報を組み合わせることによって、新たな本質的な情報を紐解いていくところが、この本の真髄です。 そして、本の主張として、右翼が右翼をバッシングしていて、読んでいて痛快です。日本会議の主な主張は憲法改正を別にすると、「歴史認識」「夫婦別姓反対」「従軍慰安婦」「反ジェンダーフリー」の4点に集中しているのですが、女性やLGBTの活躍を期待するのであれば、「夫婦別姓反対」「反ジェンダーフリー」を主張するのはおかしいと私自身思っています。 しかし、この本を読み終わった直後、名誉毀損による出版差し止め判決が出てしまいました、残念ですね。名誉毀損箇所も6箇所のうち1箇所で、日本会議のメンバーとその周辺団体、現政権との関係性については、なんら訂正が入っていないことを考えると、本に書いていある内容は事実であることを証明してしまっています。 彼らがいう関係者当人への取材もなしに出版したと言っても、取材拒否にあってしまえばそうせざる得ないでしょうに。 削除箇所はこの本の本筋にほとんど影響のない箇所のようなので、早々に訂正され再販されることを望みます。 本の主張は別にして、読み物として秀逸な本です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2016年刊行。 安倍政権(特に第二次)の中核メンバーの支持母体を構成するとされる「日本会議」。 本書は保守派を自任する著者による「日本会議」分析である。 内容に関しては、靖国神社と日本会議との関係性(表に出ない部分を含め)以外、正直驚くべきものはなかったが(というより、安部政権の本質について、みんな気付こうよと言うしかないのだが)、この組織をバックに据える安倍政権で、公明党がよく連立を維持しているなという印象だけが強く残る。 なお、改憲問題に関しては、民主党(民進党)の言動もその裏事情を意識しなければならない点には注意。 また、本書に挙げられている具体的人物名だけは意識しておくべき。裏に誰がいるかを想起するために。
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