日本会議の研究 の商品レビュー
(個人的な感想) 先日終わった伊勢志摩サミット、消費税中止、オバマの広島訪問も、支持率を上げ、憲法改正、大日本帝国へと還るステップ。(各国首脳に伊勢神宮を参拝させたのは、文化観光スポットの意味合いよりは、上記文脈に色濃く従う。) この本を衆参選挙前に読めば、憲法改正と大日本...
(個人的な感想) 先日終わった伊勢志摩サミット、消費税中止、オバマの広島訪問も、支持率を上げ、憲法改正、大日本帝国へと還るステップ。(各国首脳に伊勢神宮を参拝させたのは、文化観光スポットの意味合いよりは、上記文脈に色濃く従う。) この本を衆参選挙前に読めば、憲法改正と大日本帝国回帰を目指すカルト政権の是非を判断する参考になる。 なぜ「美しい日本」というと、大日本帝国に戻りたがるのか不思議だったが、この本によってやや解消された。また、日本会議周辺に、庵野監督の「大日本戦隊」のような滑稽さがある理由が少しわかった。 トランプの滑稽さを笑っているうちに、アメリカ大統領になる可能性も現実味が出てきた。日本も時代錯誤なカルトやカルト右翼が政権を立て、憲法改正し、漫画のような大日本帝国回帰を現実のものとしようとしている。 議論を深め、中枢の権力基盤にまともな知性とバラエティを持たせなければ、お笑い漫画のように亡国してしまうだろう。childishな思考停止、形式的な儀式の繰り返し、全共闘のリア充憎し、内実は老人会でありルーツはラジオの落語・漫才がブレーンなのだとすると。 ただし、本書について内容的には「生長の家」に偏っている印象。(神社系からもらった紙が、国粋ぽい表現だった事があるけど、)たとえば神社本庁とかその周辺は大丈夫なんだろうか?ほかにも影響のある団体や、ダイナミズムを生む仕組みや背景があるように思った。 敗戦によって失われた父権。戦後、こわれた家族制度や生き血の流れなくなった村コミュニティ。受け皿となった都市部を中心に、失われた制度を模倣し穴埋めを求めた人々によって、カルト宗教が乱立繁栄した。そして、戦後70年、それらは政権の中枢を担うまでになった。 GDPや経済効率中心で、インセンティブやトレードや虚業に精を出し、政は主に富の分配機関としてだけ利用し、市民としての良心を養わず、義務を疎かにしてきた結果ではある。 ここは、多くの市民にとって、乗り越えなければならない、暗い時代に向かう途中だろうか?天から降ってきたマナのように享受し、貪っていた自由や権利の灯がひとつひとつ消されていくのだろうか? (↑20世紀末には、黒澤明「夢」だって、んなわけあっかでゲラゲラだった筈が、次世紀になってみると、そうでもなくなった。国政においては、カルト政権誕生という笑えないお笑いなオチに落ちっててるので、これぐらい悲観を並べとくぐらいで丁度いい。)
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現在の安倍政権の閣僚の大半が日本会議のメンバーというからよほど強大な組織を想像するとまったく違うので、かつての「生長の家」に端を発した宗教的情熱に支えられたごく限られた人員がえんえんと学生運動華やかなりし70年代からうまずたゆまず活動を続けてきたのであり、市民運動的な地方自治体へ...
現在の安倍政権の閣僚の大半が日本会議のメンバーというからよほど強大な組織を想像するとまったく違うので、かつての「生長の家」に端を発した宗教的情熱に支えられたごく限られた人員がえんえんと学生運動華やかなりし70年代からうまずたゆまず活動を続けてきたのであり、市民運動的な地方自治体への働きかけ、若いメンバーの育成などをずっと続け、市民社会が民主主義をせせら笑い地道な運動をバカにし続けたあげく無力化し、まったく非民主的な主張をしているこの小規模な団体が憲法改正を視野に入れつつあるという恐ろしい皮肉が膨大な調査を経て炙り出されている。 継続は力なりというのはいいことでなくでも成立するらしい。
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出版差し止めの申し入れ、というニュースで本書の存在を知り手に取りました。実はそれまで日本会議という名前さえ知りませんでした。急激に改憲が政治日程に入っている状況が理解出来ずになんとなくの違和感を覚えるだけでしたが、そのモヤモヤの源泉をハッキリ特定している本です。ハッキリはするので...
出版差し止めの申し入れ、というニュースで本書の存在を知り手に取りました。実はそれまで日本会議という名前さえ知りませんでした。急激に改憲が政治日程に入っている状況が理解出来ずになんとなくの違和感を覚えるだけでしたが、そのモヤモヤの源泉をハッキリ特定している本です。ハッキリはするのですがスッキリしないのは、民主主義は活動している人のものであって、傍観している人のものではないという、改めての気づきと、人の途切れない活動を支えるエネルギーは宗教体験から生まれるものである、という今更の気づきにたじろいでいるからだと思います…
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安倍さんの使う「左翼」という言葉の特殊な用法の理由がわかったように思う。 しかし現閣僚の皇室軽視との関連が今ひとつ不明。
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昨今の右傾化は安倍政権に端を発するものではなく、日本会議という謎めいた宗教団体によるものだった。 テレビや新聞では普段あまり登場しない日本会議がいかに今日の日本に影響を与えているか本書を読めばよくわかる。なぜ日本会議が報道されないかは想像するほかないが、このような本が出版される...
昨今の右傾化は安倍政権に端を発するものではなく、日本会議という謎めいた宗教団体によるものだった。 テレビや新聞では普段あまり登場しない日本会議がいかに今日の日本に影響を与えているか本書を読めばよくわかる。なぜ日本会議が報道されないかは想像するほかないが、このような本が出版されることで少しでも日本会議の存在を知る人が増えてほしい。 安倍氏は日本会議の傀儡だというと語弊があるが、その思想は日本会議の受け売りだ。もともとが岸信介の孫だけに親和性は非常に高かっただろう。 宗教団体「生長の家」や、60年代の学生運動の時代に左翼の反動として民族派学生が組織した「日本学生文化会議」などなど数々の団体が登場し、日本会議の歴史が紡がれる。 椛島有三はもとより、高橋史朗、百地章、村上正邦、安東巖らがどのように日本会議と関わってきたのか、どのようにつながっているのかが詳細な調査によって明らかにされた。 本書の一番重要な部分は安東巖という人物に関する記述である。生長の家で宗教的体験をえた彼がこの団体を操ってきた事実はどの機関も報道していない。まだまだ裏がありそうな人物だ。 安東もそうだが日本会議は謎に満ちている。本書の続編が待たれる。
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「日本会議」研究の嚆矢。文献調査、インタビューと、よく調査されていると思う。輪郭の不明だった怪しい団体がようやく姿を現してきた。
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憲法改正論議を考える上での必読文献になっていくだろう。 これぞ調査報道といった内容で著者には頭が下がる。政治的主張、運動の背景には、成功体験に基づく個人的な動機から始まっているという謎解きがなされているところは圧巻である。
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元々ジャーナリズムの世界に属していないにもかかわらず(だからこそかもしれないが)、これぞ調査報道という内容をまとめ上げた筆者に敬意を表したい。 また、本書が岩波でもなく、朝日新聞でもなく、扶桑社からであるのも驚きだ。 現在日本の「右傾化」と呼ばれている文脈は戦前の「右翼」とは...
元々ジャーナリズムの世界に属していないにもかかわらず(だからこそかもしれないが)、これぞ調査報道という内容をまとめ上げた筆者に敬意を表したい。 また、本書が岩波でもなく、朝日新聞でもなく、扶桑社からであるのも驚きだ。 現在日本の「右傾化」と呼ばれている文脈は戦前の「右翼」とは文脈が異なっていると考えてきたが、謎が解けた感じである。しかし、一宗教の原理主義分派セクトによって政権が支持、維持され運営されているという事実は背筋が凍るし、キリスト教原理主義に支配された米国議会を笑ってもいられない。 今のこの国を考える上での非常に重要なテキストの一つであり、主義主張に関係なく手にして読んでほしい。
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