下り坂をそろそろと下る の商品レビュー
本物を知る、というキーワードは好きではない。 この本にもたくさん出てきて、うんざりする。そんな言葉で何を説明できるというのか? とはいえ、自分の仕事を愛し、その価値を信じて精力的に活動し、社会を良くしていきたいと思う作者の態度はとても説得力がある。 芸術分野から、停滞する社会で幸...
本物を知る、というキーワードは好きではない。 この本にもたくさん出てきて、うんざりする。そんな言葉で何を説明できるというのか? とはいえ、自分の仕事を愛し、その価値を信じて精力的に活動し、社会を良くしていきたいと思う作者の態度はとても説得力がある。 芸術分野から、停滞する社会で幸福に生きる提言という感じ。
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日本のように、成長ではなく衰退していく国で心豊かに過ごすには。 そのためには文化を育て、表現できる人を増やしていくこと。 すごくアーティストよりの人の意見なので、多少腰は引けるけど 納得できる部分も多い。
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筆者自身が述べているけれど、こういうことを書いた時点で怒り出す人がいる。 でも人口減少社会という、止めようのない、そして文字通り未曾有の事態を前にして、これまでと同様の方法論が通用すると考える方が明らかに理性的でないと思う。 だから私は、これからの日本が「下り坂」であることを認め...
筆者自身が述べているけれど、こういうことを書いた時点で怒り出す人がいる。 でも人口減少社会という、止めようのない、そして文字通り未曾有の事態を前にして、これまでと同様の方法論が通用すると考える方が明らかに理性的でないと思う。 だから私は、これからの日本が「下り坂」であることを認めようと思うし(厭だけれど)、下り坂に逆らって上ることができない以上(それができるのがタケコプター。出せるのはドラえもんだけ)、現実的にはその下り坂をいかに「負けしろ」を少なくして下るかという命題を立てざるを得ないと思う。 タケコプターを作りたい人がいてもいいし、そんな天才があらわれてくれることを切に、心の底から願うけれど(本当に私の老後はどうなっちゃんだろう?)、あくまで現実的な話としてタケコプターの出現に賭けるわけにはいかないだろう。 ただ思うにそれは「負け」ではない。筆者自身が末尾に記しているように、新しい景色に、新しい価値観を見出す作業が必要だということだろう。 パラダイムをシフトさせて、大きな混乱のないように、新しい地平に軟着陸していくこと。そういったことが求められているのだと、改めて感じた。
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著者の平田氏がまえがきで述べている「里山資本主義」の文化バージョンともいえる内容。地方各自治体での取り組みをいくつか紹介。すでに日本では経済成長は終わり、それに見合った生き方が必要である、というのが主旨のようだ。平田氏が若いころに世界各地を貧乏旅行していたことが興味深い。
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2017/11/20 下り坂をそろそろと下る 平田オリザ 日本は「文化立国」へ大きく舵を切らなければ、犠牲者が増えるだけ 体育会価値の時代は終焉、柔らかく・しなやかな社会を作りたい しかし安倍政権は「復古」過去の栄光の時代に戻りたい だがそれは時代に逆行する 社会の活力は生まれな...
2017/11/20 下り坂をそろそろと下る 平田オリザ 日本は「文化立国」へ大きく舵を切らなければ、犠牲者が増えるだけ 体育会価値の時代は終焉、柔らかく・しなやかな社会を作りたい しかし安倍政権は「復古」過去の栄光の時代に戻りたい だがそれは時代に逆行する 社会の活力は生まれない この五年の総括は「時代不適合の国家戦略」だった 次の時代を構想できないトップは総理の資格はない 国民が不幸になるだけ 堺屋太一さんの論であるが、20年経っても踏み出せない日本死屍累々 (1)工業立国ではない (サービス業が7割) (2)成長無く、長い後退戦(撤退戦) (3)アジア唯一の先進国ではない (中国の後塵を拝す) 不要なもの 原発 開発 オリンピック 1.地方創生 雇用を作れば若者がターンするというのは、コインの裏側 地方は人生を賭ける魅力に乏しい→人生の充実感を作る 東京を真似るのではなく、「世界レベルの魅力」を作り出す 2.女性の活躍 自己犠牲を強いるのではなく、自己実現を応援する そもそも子供を作ることにマイナスが大きすぎる お金ベースの人生設計上は子供がいない方が豊か 社会システムが現代に不適合 しかし誰も改革できない
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薦められて読んでみました。確かにギアチェンジが必要な時期と感じます。 実際僕ら世代はなんとなくですが、 これから少しずつ下って行くのだろうと自覚している人は多いのではないでしょうか。 下っていく中で、どう良く僕らは生きていくか。 地方の集落では地域を看取ることについても話題にのぼ...
薦められて読んでみました。確かにギアチェンジが必要な時期と感じます。 実際僕ら世代はなんとなくですが、 これから少しずつ下って行くのだろうと自覚している人は多いのではないでしょうか。 下っていく中で、どう良く僕らは生きていくか。 地方の集落では地域を看取ることについても話題にのぼっていますね。
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何故か職場の偉い人が貸してくれたので。。 最近読んでる本の内容がリンクして、脳内で面白い変化を起こしているかもw
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これからの日本と日本社会は、下り坂を心を引き締めながら下りて行かなかければならない。その時に必要なのは、人をくいぐいひぱっていくリーダーシップだけではく、「けが人はいないか」「逃げ遅れたものはいないか」と見て回ってくれる、そのような「しんがりリーダーシップ」も求められるのではある...
これからの日本と日本社会は、下り坂を心を引き締めながら下りて行かなかければならない。その時に必要なのは、人をくいぐいひぱっていくリーダーシップだけではく、「けが人はいないか」「逃げ遅れたものはいないか」と見て回ってくれる、そのような「しんがりリーダーシップ」も求められるのではあるまいか?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
子育て中の女性が子どもを預けてあそんだり、友人とおしゃべりすることが受容される町、失業者の人が劇場に観劇に来たら、「失業中で大変なのに、劇場にやってきてくれてありがとう」とむしろチケットの値段をおまけしてくれる町。若者がIターン、Uターンしてきてくれるような「面白い」町。そんな町があるのなら、ぜひ引っ越して住んでみたい。本書は、いよいよ経済的に「下り坂」にさしかかった日本の中で、発想を転換し、これまでとは違った意味での豊かさを地域社会の中で追求するためのアイデアに満ちた本である。上記のような視点から、平田さん自身が実際に取り組んできたいろんな取り組みがたくさん紹介されている。さすがアーティスト、柔軟な発想におどろかされた。 それぞれのアイデアは、客観的な効果が検証されているというわけではない。でも、学術論文ではないからそれは別にいいのである(それに、なにをもって成功とするかはとても難しいことだ)。共感できる、目からうろこの柔軟なアイデアが満載な点で、とても良い本だったと思う。
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日本は今後、成長ではなく下り坂に入る。坂を下りる際には、ぐいぐい先導するリーダーよりも、遅れている人がいないかを確認しながら、そろそろと慎重に下るリーダーが向いている。これがタイトルの由来だが、なかなか粋な表現だ。 また、情報化の進展に伴い領域横断型・活用型の能力が求められ、それ...
日本は今後、成長ではなく下り坂に入る。坂を下りる際には、ぐいぐい先導するリーダーよりも、遅れている人がいないかを確認しながら、そろそろと慎重に下るリーダーが向いている。これがタイトルの由来だが、なかなか粋な表現だ。 また、情報化の進展に伴い領域横断型・活用型の能力が求められ、それに応じた教育改革が必要だという。その考えには同意するが、文化資本を身に着けることが正解なのかは非常に疑問。その議論が浅いと、新制度入試も「一芸入試」に陥りかねない。 著者の地方創生論についても言いたいことはあるが、紙幅が足りない。
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