貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 の商品レビュー
冒頭の「海賊女子会」からわかるよ〜わかりすぎるよ〜という感じ。ただ、読み進めるうち内容が硬派になっていくので、最初の勢いとユーモアを維持したテンポで通読したかったかもしれない。
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『東京タラレバ娘』を友人に薦められたものの、あまりの内容のつらさに一巻すら通読できず撃沈。もう少し優しめから…ということで、手に取った一冊。 いやー、良かった。名言多すぎるし、心に刺さりまくりの共感しまくり。いろいろ勇気付けられました。 以下、印象的だったところ。 ・「なんとなく、にもホントは理由があるんだけど、それを説明するのは無粋なのが、女子。」(p.10) ・「私の人生はさながら『(敵を)刺して、(今日を)生きて、(単身)老いていく』といったところでしょうか。」(p.22) ・「私はよく『しっかりした人』と言われますが、それはあいまいな空気を漂わせたままにしておくことが苦手な、自信のなさの裏返しでもあります。」(p.72) ・「『女と言えば、ピンク色』なんて思われてるけど、私は女である前に人間です!」(p.98) ・「豊富な語彙の用法を誤らないよう注意しながら、レトリックには惑わされず、まっすぐな言葉を使える心を持ちたい。」(p.110) ・「『毎日を!一生懸命!楽しく過ごしてまいりました!』としか言えないのが苦しいのですが。」(p.116) ・「キリンジはメロドラマの主人公には決してなれない市井の人々の控えめな日常や感情を、丁寧に丁寧に歌ってくれる。」(p.156) ・「結婚も出産もせず生き長らえていると、生きることはまるで賽の河原で石を積むのと同じように思えてきますね。」(p.164) ・「東京人ではない人が東京を作り、そこで生まれた光はガーッと地方を照らし、誘蛾灯のように地方からまた人を集めてくる。」(p.229) ・「『こんな会社、いざとなったらいつでも辞めてやる!』という無駄な気概を持ち合わせていました。これは、会社を辞めても人生の致命傷になるとは思わなかったからこそできたことです。」(p.266) ・「over五十五おじさんたちは、ルールブックとして、十分な価値がある。たとえ、そのルールを今後変えていこうとこちらが画策していたとしても。いまのゲームのやり方を知らなければ、将来それを変えるのは難しい。」(p.272) ・「女子になりたいと願いながら女子連中を下に見て、己の女子性を否定する。私が女子を背負えなかった時代です。その期間は長く、十代半ばから二十年近くあったと思います。」(p.287) 女子を背負えない、というのはもうスタンディングオベーションしたいくらい的確な表現。 かと言って男性になりたいかというとそういう訳でもなく、この女性性の体を捨てることも出来ず、 なぜこうも自分の心と体はちぐはぐなのか、社会とわたしはちぐはぐなのか…という悶々とした思いは、いまも霧散した訳ではないのですが。 かと言ってジェンダー論に踏み込んでいきたい訳でもなく(なぜか分からないが、ジェンダー論を語る人は、不寛容な人だと思えてしまう)。 そんなあいまいな気持ちを抱えたままでも、まぁいろいろ折り合いつけて楽しく生きていきましょうよ、と思える一冊でした。
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一番新しく、刺激的な女性論。この表現がちと古いか。 世代的には、もう少し下の人からこの手の新しい感覚(文章のキレ、感覚)が出てくるかと思っていたら、意外と上だった。 それにしても、面白い。文章の構築力が素晴らしい。
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粉チーズをストックしたくなったり、「Nissenを絶賛」ににやにやしてみたり、SNS普及後の脳内リベンジって大変なんやなぁと思ってみたり。ピンクと和解は比較的若いうちの方がいいよね。選ぶものの枠が広がる。非難としてのびっくり、つい使ってしまっているな。NGフォルダからTO DOリ...
粉チーズをストックしたくなったり、「Nissenを絶賛」ににやにやしてみたり、SNS普及後の脳内リベンジって大変なんやなぁと思ってみたり。ピンクと和解は比較的若いうちの方がいいよね。選ぶものの枠が広がる。非難としてのびっくり、つい使ってしまっているな。NGフォルダからTO DOリストへ。食わず嫌いせずやってみて、合わないってわかるならそれもよし。ちょっと合わないところもあったけど、立場が違うから仕方ない。読むのにちょうどいい世代だったのかな。
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なんとなく、何故かわからんが敬遠していた、読まず嫌いしていたジェーン・スー。 読んでみたら!なんて!共感の嵐。 この本が売れているということは、同じように共感している人がたくさんいるんだな、と思うと、いつも卑屈になってる私と、同じように、生きづらさを感じている人たちがいて、そんな...
なんとなく、何故かわからんが敬遠していた、読まず嫌いしていたジェーン・スー。 読んでみたら!なんて!共感の嵐。 この本が売れているということは、同じように共感している人がたくさんいるんだな、と思うと、いつも卑屈になってる私と、同じように、生きづらさを感じている人たちがいて、そんな中で、卑屈になるのは、ちょっとかっこ悪いかも、と、思い始めた。 ちゃんとこんな素敵な女友達作れてるかな。 私はここに描かれるおじさん達みたいな、横暴な働き方をしてるんじゃないかな。 とか、自省させられることも多々。 解説で、三浦しをんが言うのとは、ちょっと違う方向な気もするが、三浦しをんと同じように、「あいたたた」と思いながら読んだ。 むかつきながらも、共生できるように、柔軟な人になりたいものです。 基本姿勢の戦う気持ちはそのままでね! 2016.07.22 『女子会には二種類あってだな』のカリブの海賊飲み会、わかる! 『三十路の心得十箇条』 「未婚ならば、早めに結婚すべし。 ハッと気付けば38才になっているので覚悟すべし。 最初の5年で幹を伸ばし、次の5年で枝を剪定すべし。 馬鹿にしていたことを、何かひとつ始めるべし。 保険と貯金を見直すべし。 同世代の異性には細心の注意を払うべし。 愛されるよりも愛すべしまじで。 若者を責めるべからず。 女は自分の中の少女を大切にすべし。しかしフィルタリングは忘れるべからず。 一生付き合っていきたい友達を見つけるべし。」 『ピンクと和解せよ。』わかる。。そうか、可愛さの象徴であるピンクを嫌悪してたんだな《いや、まだ私は和解できてない。まだ、嫌悪感、あるな。。) 『三十代の自由と結婚』わかる!わかりすぎる!怖い!「自己責任のもと好きな時に好きなものが買え、飲みたいときに飲め、ちょっと無理すれば望む旅行に行ける。結果の出る楽しさと手ごたえは、脳と体しっかり覚えてしまう。どんどん肥大化する自己愛は飴玉が歯を溶かすように結婚欲を溶かします」
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作詞家・コラムニスト・ラジオパーソナリティとして活躍するジェーン・スーのエッセイ集。 キャイキャイしたいわゆるリア充的な女性性を、女性目線で考察した上で歯切れのいい表現で紡いでいて、読後の爽快感がすごい。 女性のあれこれを分析していくうちに、翻って男性のあれこれも自ずと見えて...
作詞家・コラムニスト・ラジオパーソナリティとして活躍するジェーン・スーのエッセイ集。 キャイキャイしたいわゆるリア充的な女性性を、女性目線で考察した上で歯切れのいい表現で紡いでいて、読後の爽快感がすごい。 女性のあれこれを分析していくうちに、翻って男性のあれこれも自ずと見えてくるところも面白いので、男性も読んだらいいと思います。
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女の人生は忙しい。心の準備もままならないうちに体が女性になり、女性であることを求められ、周囲からはヤレるヤれないの箱に勝手に仕分けされるし、結婚・出産がイコール幸せという価値観を押し付けられる。 この本を読むと、年をとるのも悪くないなあと思えてくる。メールやラインでエクスクラメーションマーク(!)を多用する私、オーガニック(笑)や水素水(笑)好きの女をバカにしてる私、こんなやつははよ四十路なったほうがいいみたい。四十代は、凪のよう(たぶん)。諦めるということは、悪いことばかりではないと思う。 なにはともあれだ。比喩表現の巧みさに唸ってしまった。
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さすがジェーン。筆力がすごい。1つの章の中に分析、自虐、侮蔑、尊敬、達観、etcものすごい量の情報が詰め込まれている。料理に例えるなら、あらゆる野菜と肉類・魚介類をホワイトソースで煮込んでチーズオムレツでくるみ仕上げにデミグラスソースをかけたような1品だ。だから1日に1章だけで十...
さすがジェーン。筆力がすごい。1つの章の中に分析、自虐、侮蔑、尊敬、達観、etcものすごい量の情報が詰め込まれている。料理に例えるなら、あらゆる野菜と肉類・魚介類をホワイトソースで煮込んでチーズオムレツでくるみ仕上げにデミグラスソースをかけたような1品だ。だから1日に1章だけで十分。いや1週間に1章でいいかも。続けて何章も読むと胸やけがする。 ジェーンさんは「私たちのようになるな」としくじりぶりを語ってくれるが、多くの女子は心強い味方を得たと勘違いしたうえ、「今のままの自分でいいんだ」と安心して眠りにつくような気がする。そして女子には卒業はない。しかも年々新しい女子が誕生している。将来、女子の人口はどうなっているのか、考えただけで背筋が凍ってしまった。
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TBSラジオでスーさんのファンになって以来、毎回楽しみに読んでいます。 女子にまつわるあれやこれやが、テンポ良くユーモア溢れる文章で綴られて行きます。 スーさんの文章を読むと、例えると気の合う友達とお菓子をつまみつつパジャマパーティーをしている時のような、なかなか人には見せにくい心の内を話している感覚になります。 ピンクと和解せよの章にふむふむ共感したり(これはブログでも読めます)、オサレレストランでスイーツをシェアする女子会以外にも、カリブの海賊さながらにベロベロになる女子会もあるんですね…(読みながら爆笑でした)。 悩みごとがあったせいか、寝る前に読んでいたら気持ちが軽くなる思いがしました。 女子は女子の最強の味方ですね。
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他人を客観的に滅多斬りする系の痛快さを想像していたので、どこまでも続く著者の自虐にはあまり痛快さは感じなかった。 隙のある状態に耐えられる能力は、あいまいな空気を他者との間に漂わせたままにできる強さ。一見主体性のない女の子の方が、強気な女よりずっと強いと思うことがあるのは、己を...
他人を客観的に滅多斬りする系の痛快さを想像していたので、どこまでも続く著者の自虐にはあまり痛快さは感じなかった。 隙のある状態に耐えられる能力は、あいまいな空気を他者との間に漂わせたままにできる強さ。一見主体性のない女の子の方が、強気な女よりずっと強いと思うことがあるのは、己を漂わせる強さを彼女たちが持っているから。周囲から強いと思われている人は、大抵とんでもなく弱い。(p73) これ、白黒つけずに放っておいてどうするの?と思っても、グッとあいまいな空気に耐える。そうすると、相手が舵をとって船が進んでいく。隙は作るものではなく、堪えることで任せることや信じることで生まれるもの。(p74) ブスやババアは気に病む要素にはなり得ても、他人がこちらを傷つける道具にはしてはならない。誰かに対してそう思う時は、自分自身に低い評価を持っている。その言葉を使って、相手の価値を自分より低いところに引きずり下ろしたいとき。(p85)
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