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恩讐の鎮魂曲 の商品レビュー

4.1

133件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

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2016/09/03

韓国船の沈没事故で、女性から救命胴衣を奪った男性が裁判で無罪となった。一方、恩師・稲見が殺人容疑で逮捕されたため、御子柴は弁護人に名乗り出る。「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」シリーズ。 曰くつき弁護士の御子柴シリーズ3作目。「緊急避難要件」という、最高裁の判事でも見解が割れそうな難題...

韓国船の沈没事故で、女性から救命胴衣を奪った男性が裁判で無罪となった。一方、恩師・稲見が殺人容疑で逮捕されたため、御子柴は弁護人に名乗り出る。「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」シリーズ。 曰くつき弁護士の御子柴シリーズ3作目。「緊急避難要件」という、最高裁の判事でも見解が割れそうな難題に挑んだ作者の意欲は評価できるし、一気に読ませる力のある作品。意外な結末もよかった。でもさすがに作り過ぎというかご都合主義的な物語構成にはやや鼻白らんだ。 (B)

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2016/08/22

冷静沈着な御子柴礼司が、取り乱したり感情をあらわにする場面が多かった。それほど稲見武雄の存在は大きかったということ。そして最悪の依頼人だった。 なりふり構わず稲見を無罪にしようと奔走したことは、彼には十分伝わっていたし、感謝もしていたと思う。しかし稲見は、罰を与えてくれ、罪を償わ...

冷静沈着な御子柴礼司が、取り乱したり感情をあらわにする場面が多かった。それほど稲見武雄の存在は大きかったということ。そして最悪の依頼人だった。 なりふり構わず稲見を無罪にしようと奔走したことは、彼には十分伝わっていたし、感謝もしていたと思う。しかし稲見は、罰を与えてくれ、罪を償わせてくれと懇願する。 懲役6年の実刑を言い渡され、控訴もせず、「お前の贖罪の仕方と俺の贖罪の仕方が違っていただけの話だ。」と言い切る稲見。 自分の信じる人としての生き方を全うしようとする稲見の心を、御子柴は間違いなく救ったはずだ。そして、自分のやっていることに意味を見出だせなくなった御子柴を、一通の手紙が救う。手紙の主は、かつて御子柴に救われた女性の娘だった。こうやって人は生きていくんだなぁ。 りんこちゃん、これからは法の世界で御子柴先生と繋がっていきそうだね。

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2016/08/09

シリーズ三作目にして、冷静沈着かつ冷徹な御子柴弁護士、恩師の弁護に紛争し、クライマックスにはついに○○にも○○…。 ページを繰る手を止められず、数日で読了。

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2016/08/07

御子柴弁護士シリーズ。 前作で御子柴も終わりか?と思ったものの、シリーズがまたおもしろく読めました。 かつての少年院での教官を弁護する御子柴。 シリーズをはじめに読んだ衝撃の代わりに、御子柴の人間らしい苦悩が読み取れます。 韓国船籍の事故や、介護施設の虐待となかなかに重く、か...

御子柴弁護士シリーズ。 前作で御子柴も終わりか?と思ったものの、シリーズがまたおもしろく読めました。 かつての少年院での教官を弁護する御子柴。 シリーズをはじめに読んだ衝撃の代わりに、御子柴の人間らしい苦悩が読み取れます。 韓国船籍の事故や、介護施設の虐待となかなかに重く、かつリアリティのあるテーマが含まれていますが、物語自体は事実は事実として、事件の真相にたどり着くまでが丁寧に書かれています。 そして物語とは別にいろいろと考えさせられるところがあります。 後半、そんなになにもかも揃いますか…と感じつつ、教官やほかの人物によるところが大きいと思いますが、読後感は重い題材の割に悪くなかったです。

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2016/08/06
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「老人ホームでの殺人とくれば…」ということで読み進めると、予想通りな背景でした。中盤ではわかるのですが、そこがすんなり終わらないのが中山七里の作品。まさかのどんでん返しでした。

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2016/07/31

このシリーズというか、中山さんの最後でのどんでん返しもなかなか面白かったですし、普通の捜査ものとしても、何が隠され、浮かび上がるたびに景色が変わる。飽きさせないですね。

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2017/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

韓国船の沈没事故で、女性から救命胴衣を奪った男性が裁判で無罪となった。一方、恩師・稲見が殺人容疑で逮捕されたため、御子柴は弁護人に名乗り出る。「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」シリーズ。『メフィスト』掲載を単行本化。 御子柴弁護士の恩師が介護施設で殺人。殺されたのは女性から救命胴衣を奪った男性が裁判で無罪となった男、栃野。 恩師の介護施設の入寮の時に御子柴が金を送金。 面会の時に、お礼を言われたが、殺意があったことを否定しなかった。 介護施設では虐待が行われていた。栃野は、俺は人を殺人経験があると老人を脅していた。 恩師の息子は電車事故で死亡。線路に落ちた男を助けたが自分は逃げられない。この時に助けた男が介護施設にいたので守るためにはいった。 栃野が一番虐待していたが、息子が助けた男だった。 栃野が殺した女性は介護施設には塔婆の孫だった。 殺人教唆にならないように、恩師に「栃野が虐待している」と都度都度報告 御子柴は裁判で、緊急避難による殺人で無罪を主張・ 栃野が無罪となったのと同じ理由 しかし、被告人の最終弁論で、恩師は殺意があったので罰してくれと裁判長の告げた。 懲役6年。控訴しなかった。 少年時代の殺人で仕事がない御子柴に企業が顧問契約を依頼してきた。 恩師の弁護士になるために顧問を引き受けた暴力団に依頼し、嫌がらせをさせた。

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2016/07/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

中山さんの「御子柴弁護士シリーズ」3作目ですが、なんかすごく身につまされた。というのも今リアルに起こっている相模原市の障害者福祉施設での事件、あまりにもこの小説の内容と似ているような気がしました。 弱い者をいたぶり、重度の障害者だけを狙って暴力をふるう介護士・・・どうしてそういう事ができるのだろうか?「なんで日本の法律や世間というのは、加害者に甘く、被害者やその遺族に厳しいんでしょうな」というセリフもうなづける。 内容的には、御子柴の少年院時代の恩師を弁護するとう話だが、御子柴がどうやって弁護をしていくのかがすごく詳細に書かれていて、夢中になって読み終えました。他人を護るための殺人、緊急避難の裁判、などと色々と手をつくして、恩師を無罪にしようと一生懸命に動く御子柴に頭が下がります。 さすが中山さんのこのシリーズは読み応えがありますね。最後にちょっとホロッとする場面もあって、面白いです。

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2016/07/14

かつての少年犯罪者である弁護士御子柴は、ある日少年院の恩師である稲見が殺人事件の加害者になったというニュースを知る。稲見は、入所している介護施設で職員を殴殺したという。矢も盾もたまらず稲見の弁護に向かった御子柴だが、本人に弁護を拒否されてしまう。それでもなんとか弁護を担当できるよ...

かつての少年犯罪者である弁護士御子柴は、ある日少年院の恩師である稲見が殺人事件の加害者になったというニュースを知る。稲見は、入所している介護施設で職員を殴殺したという。矢も盾もたまらず稲見の弁護に向かった御子柴だが、本人に弁護を拒否されてしまう。それでもなんとか弁護を担当できるようにした御子柴を待ち受けていたのは、稲見自身の殺意があったという告白、罪を償わせてくれという強硬な主張だった。 御子柴シリーズで一番良かった。事件は複雑に織り込まれているけど丁寧だし、全体的に重くて苦しいけど根底は優しくて悲しいし、何より御子柴の懊悩が人間らしくてとてもよかった。シリーズの今後も楽しみにしている。

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2016/07/13

死体配達人御子柴礼司シリーズ3作目。1作目贖罪の奏鳴曲、2作目追憶の夜想曲。韓国の沈没船事故セウォル号に似た内容で話が膨らむかと思ったが、介護問題がメイン。自分さえよければと人の救命胴衣を人を殺しても奪った栃野が介護施設で老人に虐待は繋がりに無理がある。御子柴も暴力団の弁護なども...

死体配達人御子柴礼司シリーズ3作目。1作目贖罪の奏鳴曲、2作目追憶の夜想曲。韓国の沈没船事故セウォル号に似た内容で話が膨らむかと思ったが、介護問題がメイン。自分さえよければと人の救命胴衣を人を殺しても奪った栃野が介護施設で老人に虐待は繋がりに無理がある。御子柴も暴力団の弁護などもっとクールな対応が見たかった。時代を捉えているが内容は少し物足りない感じ。「緊急避難」の認識は変わった。

Posted byブクログ